透気試験による排水性舗装の透水係数評価の検討
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(2) V‑064. 土木学会第57回年次学術講演会(平成14年9月). 実験装置内の空気圧は蛇腹が上にあるときで 0.0063kgf/cm2,下にあ るときで 0.0047kgf/cm2 であるから,その差は小さい.そこでこの実験 ではほぼ一定の空気圧が働いているものと単純化する.よって試験中の. 透気係数(cm/s). 0.08. 4. 透気係数の算定. 鉄盤の中心から水平方向にr座標をとり,穴の半径をa(=7.45 ㎝) , 40 ㎝四方の鉄盤と面積が等しい円の半径をb(=22.57 ㎝)とする.. 0.02 0.5 1 透水係数(cm/s). 図−1 0.08. 透気係数(cm/s). k*は透気速度u*によらず一定と仮定する.. 0.04. 0. 空気の流速は一定とみなす.そして,この場合の装置での透気の「しや すさ」を「 (本報告での)透気係数」とすることにして,この透気係数. 0.06. 1.5. シリコンゴムシート(手前). 0.06 0.04 0.02. *. 連続式と運動方程式からk を求めると,. 0 0.5 1 透水係数(cm/s). *. k =1/(Dt)×(ρgS2 ×35/2p)×ln(a/b)……① なお,20℃,1 気圧のときのρ=1.205(㎏/m3),装置内の平均空気圧 p=0.0055(kgf/cm2),蛇腹の半径S=14.25(㎝) を用いて計算すると k*=0.863/(Dt)(cm/s) これに各々,舗装厚と測定時間を代入して透気係数を求めた.. 5. 考察. 図−2 0.04. 透気係数(cm/s). ここで,pは圧力,ρは空気密度,Dは舗装厚,Sは蛇腹半径である.. 1.5. シリコンゴムシート(中央). 0.03 0.02 0.01 0 0.2. 図−3. 0.4 0.6 0.8 透水係数(cm/s). 粘土. 1. (中央). 求めた透気係数と実際の透水係数との関係を図−1〜3に示す.図− 1,2において一次回帰線が原点から上にずれている.これは,透水係数が 0,つまり全く水を透さない面に 対して空気が透過していることを示し,空気漏れを意味する.その点,図−3で粘土を使用した時はほとん ど空気漏れがない事が分かる.また,透水係数に対して透気係数がかなり小さい値となっている. それぞれの相関係数を求めると,図−1で 0.972,図−2で 0.906,図−3で 0.909 となった.よって,3 つの測定パターン全てにおいて,透水係数と透気係数に良い1次関係を見出すことができたと言える.特に, 図−1では精度の高い対応関係となっている.このような結果となった理由として,透水試験を行った位置 が手前のみであったことを挙げることができる.結論として,透水試験と同じ位置で透気試験を行えば良い 対応が得られることから,本方法の実用可能性が確信される.. 6. まとめ 前項で透気試験の実用性を示したが,より良い透気試験の条件としては, 「透水試験を行う位置と同じ位置 」ことが挙げられる.本報告で用いた舗装は,限られた範囲の粒度,空隙率, で,粘土を使って測定する.. 舗装厚であった.そのため,より粒度の細かい舗装,より空隙率の大きな舗装に対して,また,目つぶ れ,目詰まりした舗装に対して,さらなる検討が必要である. 【謝辞】 本報告は,土居哲也君が卒業研究の一環として行った測定データをもとに検討を加えたものである.記し て深甚の謝意を表する. 【参考文献】 1) 大川,佐藤,帆苅:排水性舗装の透水係数評価に関する研究,土木学会論文集,No.478/Ⅴ−21, pp.101 108(1993.11) 2) 大川, 帆苅, 今井:空気による排水性舗装の性能評価手法について, 第 24 回日本道路会議, 一般論文集(C), No.9126,pp.252 256(2001.10). ‑128‑.
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