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エアメータを用いたコンクリートの単位水量推定法の現場適応性試験

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Academic year: 2022

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(1)V‑720. 土木学会第57回年次学術講演会(平成14年9月). エアメータを用いたコンクリートの単位水量推定法の現場適応性試験 土木研究所. 正会員. ○片平. 博. ,. 土木研究所. 正会員. 古賀. 裕久. 土木研究所. 正会員. 野田. 一弘. ,. 土木研究所. 正会員. 土田. 克美. 土木研究所. 正会員. 河野. 広隆. 1.はじめに エアメータ法は,空気圧式エアメータで空気量を測定する際に試料の質量を測定するだけでフレッシュコ ンクリートの単位水量を推定することが可能であり,現場管理に最も適用しやすい方法と考えられる 。 1). 空気量の測定法には注水法と無注水法があるが,作業の簡便性からは無注水法が有利である。そこで,注 水法と無注水法による場合の推定単位水量の比較試験を実施した。また,実際の工事現場においてエアメー タ法による単位水量測定試験を実施したのでその結果を報告する。 2.測定原理と計算方法 コンクリート材料の中で,水は他の材料に比較して密度が小さいので,単位水量が変化するとコンクリー トの単位容積質量も変化する。従って単位容積質量を正確に測定することで単位水量を推定することができ る。ただし,コンクリートの単位容積質量は空気量によっても変動するため,エアメータに詰めたコンクリ ート試料の質量,容積,空気量を正確に測定し,空気を除いた単位容積質量を求め,この値を配合表から得 られる空気を除いた単位容積質量と比較する 。現場対応を考え,可能な限り簡便な推定式を以下に提案する。 それぞれの単位容積質量を式(1),(2)から求める。 γ 1 = Mc /(1 −((Air +α)× 0.01)). (1). γ 2 = M2 /(V 2 ×(1 − Air2 × 0.01)). ここに,γ 1 :配合表上の単位容積質量(kg/m ). (2). ここに, γ 2 :エアメータ法で得られる. 3. Mc:示方配合上のコンクリート質量(kg/m ). 単位容積質量(kg/m ). 3. 3. Air:示方配合上の空気量(%). M2:試料の質量(g). α:セメント粒子に水が浸潤することによる. V 2:試料の容積(リットル). 容積減少量(%). Air2:測定した空気量(%). αはセメント 100kg/m3 あたり 0.1 %(単位セメント量が 300kg/m3 であればα= 0.3 %)とする。 推定単位水量 W(kg/m3)はγ 1 とγ 2. の比較から次式によって求める。. W = W1 +(γ 1 −γ 2)×β. (3). ここに, W1:配合表上の単位水量(kg/m ) 3. 式(3)の係数βは通常の配合では 0.7 とする。つまり,コンクリートの一般的な物性は1 m3 の質量 2,200kg, 空気量 4.5 %程度である 。その空気を含まない単位容積質量はα=0.3 として 2,200/0.952=2,311kg/m である 。 3. これに 7kg の水を加えると(2,200+7)/(0.952+0.07)=2,301kg/m となり,値が 10kg/m 変化する。 3. 3. 3.注水法と無注水法の比較試験 エアメータ法による単位水量推定法ではコンクリート試料容積を正確に測定することが重要である。容器 への試料の詰めかたによって試料容積がわずかに変動することは免れないが,注水法では容器全体の容積か ら注水した水量を引くことで試料容積を正確に求めることができる。無注水法では試料を容器に詰める際に 過不足が生じた場合,その分量がそのまま空気量として表示されるので,空気量を差し引いた容積には誤差. キーワード:フレッシュコンクリート,単位水量,エアメータ 連絡先:〒 305-8516 つくば市南原 1-6 土木研究所構造物マネジメント技術チーム Tel:0298-79-6761 Fax:0298-79-6799. ‑1439‑.

(2) V‑720. 土木学会第57回年次学術講演会(平成14年9月). は生じない。すなわち,理論上は注水法でも無注水法でも誤差は発生しない。このことを確認するために, 室内試験を実施した。試験では様々な配合のコンクリートを練混ぜ,これをエアメータに採取し,①無注水 で試料質量,空気量を測定する,②空気圧をいったん解放し,同一試料に対して注水し,注水量と空気量を 測定する,こととし,無注水法による推定単位水量と注水法による推定単位水量を比較した。 注水法と無注水法の推定単位水量を比較した結果を図−1に示すが,双方の推定値は非常によく一致した。 このことから測定が容易な無注水法でも注水法とほぼ同程 無注水法による推定単位水量 (kg/m 3 ). 度の推定精度が得られると考えられる。 4.現場適応試験 2カ所の生コン打設現場において生コン車1台ごとに単 位水量推定試験を実施した。現場Aでは 3.室内試験の方法 と同様に無注水法と注水法の測定を実施した。現場Bでは 無注水法による測定を生コン車1台あたり2回づつ実施し た。質量測定には携帯性に優れた乾電池式の電子秤(測定 感度 5g)を使用した。 現場Aの試験結果を図−2に示す。配合表上の生コンの. 200. 180. 160. 140 y = 0.9948x - 1.6406 2 R = 0.9726 120. 単位水量は 153kg/m3 であるが,エアメータ法の結果はそれ. 120. よりも 15kg/m3 程度高い値を示した。この現場では乾燥炉 法. 1). 140. 160. 注水法による推定単位水量 (kg/m ). 図−1 注水法と無注水法の比較. メータ法と同程度であった。無注水法と注水法の結果を比 較すると2台目の値が 10kg/m 程度ずれているが, 3. ついては無注水法での測定時に空気漏れが生じた. 190. 可能性が考えられる。 14 台目の生コン車からは試料を大量に採取し,5 台のエアメータを用いて 10 回の測定を実施した。 測定値のバラツキの標準偏差は無注水法で. 単位水量(kg/m3). 200. 4.0kg/m ,注水法で 3.6kg/m であった。 3. 配合上の単位水量 エアメータ無注水法 エアメータ注水法 乾燥炉法. 180 170 160 150. 3. 140. 現場Bの試験結果を図−3に示す。この現場で. 0. は単位水量は配合上の値と同程度かやや低い値を. 3. 6. 9. 12. 15. 台数 図−2 現場Aの測定結果. 示した。生コン車1台あたり2回ずつ試料を採取 して測定したが,推定単位水量のずれは最大で. 180. 8.1kg/m ,平均で 2.8kg/m であった。 3. 170. 5.まとめ ・エアメータを用いた単位水量推定法について, 現場への対応が可能な簡易な方法を提案した。 ・実際のコンクリート打設現場において,エアメ ータ法による単位水量測定試験を実施し,その有. 単位水量 (kg/m3). 3. 200 3. による単位水量推定も実施しており,この結果もエア. その他は概ね同程度の値を示した。2台目の値に. 180. 効性を確認した。. 160 150 140. 配合表上の単位水量 無注水法①. 130. 無注水法②. 120. 参考文献 1)片平博:コンクリート工事と品質検査/4.品質 管理技術/フレッシュコンクリートの単位水量, コンクリート工学 Vol.39,No.5,pp.64-67, 2001.5. ‑1440‑. 0. 3. 6. 9. 12 台数. 15. 図−3 現場Bの測定結果. 18. 21.

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