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橋脚の衝撃振動試験に用いる感振器取付装置の開発

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Academic year: 2022

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(1)VI‑354. 土木学会第58回年次学術講演会(平成15年9月). 橋脚の衝撃振動試験に用いる感振器取付装置の開発 (株)BMC 正会員. ○. 蔦. 守隆. 東日本旅客鉄道(株). 八島 博昭. 東日本旅客鉄道(株). 小玉 広一. 1.はじめに 橋梁の下部工の健全度を診断するために衝撃振動試験法が用いられて いる。衝撃振動試験は図‑1に示すように橋脚高さ方向の天端、中間、下. 振動モード. 天端 衝撃加振. 端の3測点に感振器(サーボ型速度計)を設け、重錘で打撃した際の衝 撃振動波形を測定・解析し、橋脚の固有振動数と振動モードを得ること. 橋脚. 1). で評価を行っている。. しかし、橋脚の中には写真‐1のように河川内. 中間. のものや非常に背の高いものがあり、中間、下端に感振器を設置するの が困難な場合がある。そこで、調査範囲の拡大と作業の安全性向上を図 るために橋脚の検査足場から吊り降ろす形で橋脚の中間と下端に感振器. 下端. を設置できる装置(以下取付装置と言う)を開発した。ここでは試作し た取付装置の概要および施工性と検知性能に対する検証の結果を述べる。. : 感振器. 図−1. 衝撃振動試験. 2.試作器の概要 取付装置の目的は、感振器を載せた状態で吊下げ、所定の位置で橋脚の 壁面に密着することである。橋脚壁面は凹凸があるため、感振器は3本の 支持足を介して接触させるものとした。また、壁面への密着方法は図‑2に 示す手順で取付装置を所定の位置に吊下げた後、橋脚外周を這わせたライ ン(直径1㎜)をモーターで巻き取り、締め付けて図‑3に示すような密着 力を生じさせる機構を考案した。船形橋脚のように全ての面が平面の橋脚 は密着力が小さくなることから設置できないが、橋脚形状として多くを占 める円形橋脚や楕円橋脚に対応でき、 且つ橋脚の高さに制約は無い。 なお、 取付装置試作器の外寸は約 45×41×34cm。重量は約5Kg である。. 写真−1. 高所作業状況. 取付装置 ライン. T:ライン張力. 橋脚. 図−2. キーワード:橋脚. 振動. 図−3. 取付装置の設置手順. 健全度. 測定. F:密着力. 取付装置の密着方法. ロボット. 連絡先:〒261-7125 千葉県千葉市美浜区中瀬 2-6WBG マリブウエスト 25F 〒260-8551 千葉県千葉市中央区新千葉 1-3-24. ‑707‑. Tel 043-297-0207 Tel 043-225-9153.

(2) VI‑354. 土木学会第58回年次学術講演会(平成15年9月). 3.性能確認試験 試作した取付装置の性能を確認するために以下の試験項目について実際の橋脚において試験を行った。 ①施工性の確認:前述した設置手順による方法での試作器の施工性を検証した。 ②検知性能の確認:取付装置を用いた振動計測の測定精度について検証した。 4.試験結果およびその考察 ①施工性:高さ約12mの橋脚において試験を行った。 設置は想定した作業手順で行うことができた。試作器を測定位 置に設置するのに要した時間は風の強弱によって左右された。風 が無く条件の良い場合で15分程度。強風時では30分程度であ った。また、取付装置の密着状態は写真‑2のような状態であり、 感振器部分の橋脚への密着力は約3.5Kgf であった。 ②検知性能試験:試験は断面形状と高さの異なる3橋脚で行っ た。まず、取付装置自体の振動が影響することが懸念されたため 取付装置上部に衝撃を与えて振動波形を収録しフーリエ解析を行 った。その結果、図‑4に示すような卓越振動数を35〜120H. 写真−2. 取付装置の密着状況. zに確認した。これにより一般的に20Hz以下である橋脚の振 動計測には問題は無いことが分かった。 次に取付装置により設置した感振器と接着剤を用. 橋脚下端:直接取付. いて直接橋脚に設置したものとで同時に衝撃振動波 形を測定し、解析値の比較を行った。結果、全ての ケースで図‑5に示すように両者の解析値はほぼ相 違無いものとなった。これにより取付装置が測定精 度に影響しないということが分かった。 橋脚下端:取付装置. 取付装置の固有振動数. 図−4. 取付装置の固有振動数. 図−5. 測定結果の比較. 5.おわりに 本開発による方法は検査足場が必要なことや橋脚にラインの密着を阻害する付帯物が無いこと等が条件とな るが、河川内の橋脚や背の高い橋脚に対して安全かつ容易に感振器を設置する手段となる。また、試作器によ る衝撃振動試験の測定結果を通して概ね安定した施工性を確保していること、測定精度に問題が無いことを確 認した。今後の課題としては実橋での使用を重ねて測定結果の検証を行うことや、下記のような項目について 改良を加えていく必要があると考える。 ・ 作業スペース(検査足場)が無くても設置が可能になるような機能の付加を図ること。 ・ 強風時においても安定した施工を行えるようにすること。 ・ 取付装置の小型・軽量化とモーター出力の向上を図り、橋脚形状等への適用範囲を拡大すること。 参考文献:. 1)西村・羽矢:衝撃振動試験による基礎構造物の健全度診断,土木施工 vol.33 №2,P.81〜87 ‑708‑.

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