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簡易透気試験方法

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Academic year: 2022

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(1)jsce7-048-2016. 測定条件や配合条件に対するシリンダーを用いた簡易透気試験の適用性 徳島大学大学院 学生会員 〇三宅純平 徳島大学大学院 正会員 渡辺健 徳島大学大学院 学生会員 山田悠二 徳島大学大学院 フェロー会員 橋本親典 1. はじめに 炭酸ガスや塩化物イオンなどの劣化因子は,コンクリート表面から内部に侵入するため,かぶりコンクリー トの物質移動抵抗性は,コンクリート構造物の耐久性に大きく影響を及ぼす。かぶりコンクリートの物質移動 抵抗性の評価手法としては,表層透気試験や表面吸水試験などがある。表層透気試験の代表的な試験として, Torrent 法が挙げられるが, Torrent 法で用いる試験装置は高価であり,また電源装置が必要である。そこで徳島 大学では,安価でまた電源装置が不要な簡易的な透気試験(以下,簡易透気試験)を提案している 1)。本研究では, コンクリートの配合条件や養生条件などによる緻密性の変化を簡易透気試験で評価可能であるか検討した。 2. 簡易透気試験方法. 55mm φ30mm. 本手法はボンドシリンダーの先端をカットしたもの(写真- 1)を試験装置(容量40ml)とした測定手法である。以下に測. 試験装置(容量40ml). 断面の様子. 定手順を示す。 まず,測定箇所の表面の塵や汚れをアセトンにて拭き取った. ピストン. 後,測定箇所の周辺にシール材を薄く引き伸ばしながら塗布し, 乾燥固化させた。そしてエアコンの室外機用パテを試験装置の 先端に装着したものを,測定箇所に密着させた。ピストンを引 いてストッパーで固定し,300 秒経過した後,ストッパーを外 して復圧させ,試験装置の先端からリングまでの距離をノギス にて小数点以下 2 桁まで読み取った。読み取った測定値に試験. リング パテ ストッパー シール材. コンクリート. 装置の断面積(7.065cm2)を乗じたものを試験装置に流入し. 測定の様子. た空気の容積とし,これを見掛けの空気容積とした。また,測 定は一つの対象物に対して 3 箇所行った。測定の前後には透気性の無いガラス板を対象に測定を行い,その時 の値を除いたものを真の空気容積(以下,空気容積と称する)とした。 3. 実験概要 3.1 設置時間による影響の検討 各種要因を排除するためにスタイロフォーム(JIS A 9511)を使用した。スタイロフォームに対し,水平面及 び垂直面に試験装置を設置し測定を行った。. 表-1 配合表 W/C (%). s/a (%). 45. 41. 55. 43. 65. 44. 3.2 試験体概要 W/C (%). た(表-1)。また,養生条件は,気中養生のみと 7 日間 水中養生を行った 2 水準とした。含水率は水中養生を. 45. 行ったものは気中養生のみに比べて含水率は高くなる 傾向にあった(表-2)。 4. 実験結果及び考察. W 175. C. S. 389. 687. 318. 745. 269. 785. G1. G2. 395. 592. 表-2 含水率. 試験体の厚さを 200mm と 100mm に変化させた 2 水 準とした。配合は,W/C45%・55%・65%の 3 水準とし. 単位量(kg/m 3 ). 55 65. 試験体 厚さ (mm). 表面含水率(%) 気中のみ. 水中7日. 材齢7日 材齢28日 材齢14日 材齢28日. 100. 5.9. 5.0. 6.2. 5.9. 200. 6.0. 5.0. 10.7. 6.1. 100. 6.2. 5.5. 7.0. 5.4. 200. 6.2. 5.1. 8.9. 5.4. 100. 5.9. 4.7. 6.5. 5.2. 200. 5.5. 5.1. 5.9. 6.0. 図-1 にスタイロフォームに対し垂直面および水平 面に試験装置を設置した測定結果を示す。垂直面では測定時間 30 秒よりも 150 秒以上の方が空気容積は大きく.

(2) jsce7-048-2016. なった。また,150 秒~450 秒までの空気容積は同程度であるが,. 6. 600 秒では大きくなった。水平面では,150 秒以降では空気容積 が大きくなる傾向にあったが,300~600 秒では変動が小さくな 積は大きくなった。しかし水平面と垂直面の空気容積の差は最 大 3ml 以下であり,後述するコンクリートの空気容積と比べる. 4. 空気容積 (ml). った。また,600 秒を除き,垂直面よりも水平面の方が空気容. 2. 水平面. と小さい差であるため,水平面と垂直面の違いがもたらす影響. 垂直面. は相対的には小さいと考えられる。. 0. 図-2 および図-3 に水セメント比と空気容積の関係を示す。. 0. 試験体厚さに着目すると,気中養生のみでは,すべての材齢で. 多いため,ブリーディング量も多くなり,コンクリート表面に. 20. 0. 養生条件ごとに比較すると,気中養生の場合では水セメント. 45. 55 水セメント比 (%). 比の増大に伴って空気容積も大きくなる傾向にあった。一方, 40. において空気容積が大きくなっている,以上から,相対的に緻. 養生条件:水中7日. 密性が確認できる試験方法であり,養生が不十分なコンクリー. 100mm 14日. 空気容積(ml). 30. 100mm 28日 200mm 14日. 20. 200mm 28日. 10. 図-4 に含水率と空気容積の関係を示す。含水率が低くなる ほど,空気容積は大きくなる傾向だった。また,含水率が 4~6%. 0. 辺りでは,養生条件に関わらず水セメントが高い方が空気容積. 45. 55 水セメント比 (%). も高くなる傾向だった。配合間の差を確認するには測定対象の 40. 結論 1) 水平面と垂直面の空気容積の差は最大 3ml 程度であるため,. クリートの方が空気容積は大きくなった。 3)配合間の差を確認するには,含水率が低い方が望ましい。 参考文献 1)渡辺健ほか:シリンダーへの空気流入を利用した簡易透気試 験に関する検討,第 15 回コンクリート構造物の補修,補強,ア ップグレードシンポジウム,pp319-324,2015.10. Powered by TCPDF (www.tcpdf.org). 気中のみ 気中のみ 気中のみ 水中7日 水中7日 水中7日. 30 空気容積 (ml). 2) 水セメント比が 45%,55%のコンクリートよりも 65%のコン. 65. 図-3 空気容積. 含水率は低い方が望ましいと考えられる。. コンクリートに対する測定には影響は小さいと考えられる。. 65. 図-2 空気容積. 水中養生を行った場合では,W/C45%,55%に比べてW/C65%. を示すことができた。. 材齢7日 材齢28日 材齢7日 材齢28日. 100mm 100mm 200mm 200mm. 考えられる。. ンクリートでは水セメント比が大きいもので密実性の低いこと. 600. 養生条件:気中. 10. ブリーディングによる表面性状の変化が表れにくかったためと. トを検出可能であると思わる。また,適切な養生がなされたコ. 500. 30 空気容積 (ml). 果となっており,水中養生を行うことで試験体が緻密になり,. 300 400 時間 (秒). 40. れは,厚さ 200mm の方が厚さ 100mm のものよりも打設量が. ものでは,厚さ 200mm と 100mm の空気容積は同等程度の結. 200. 図-1 設置時間と設置方向の関係. 厚さ 100mm より 200mm の方が空気容積は大きくなった。こ. 脆弱層が形成されやすくなると推察される。水中養生を行った. 100. 20. W/C45% W/C55% W/C65% W/C45% W/C55% W/C65%. 10. 0 4. 6. 8 含水率 (%). 10. 図-4 含水率と空気容積の関係. 12.

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