イ ギ リ ス 労 働 省 刊
﹁海外労働事情﹂(一九六三年二月)ー フ ラ ン ス に お け る 見 習 工 制 度 ・ 職 業 訓 練 組 織 お よ び 職 業 指 導 ガ イ ダ ン ス ー
國枝芳夫訳
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一般教育制度
一九五九年一月の法令によって始められた新教育制度は︑フランスの児童らはすべて︑年齢一六歳に達するまで国立あ
るいは私立の学校に行くことを義務づけている︒この教育制度によって︑設けられた三つの教育段階はつぎの通りであ
る︒
O初級(年齢三歳から一一歳まで)年齢三歳から六歳の児童は幼稚園に入学する︒六歳から一一歳までは小学校へ通
学する︒暫定措置として小学校は年齢一六歳まで教育出来ることになっている︒
⇔中級(年齢=歳から一八歳または二〇歳まで)この段階には︑二種類の学校が存在する︒一っは古典中等学校(Ω印
ω︒︒一〇巴ξoひΦの)近代中等学校(ζoα興口貯oσ①ω)および↓般中等学校(Oo一一ひσqΦα︑8ω9σq話目Φ鼻αq曾脅巴)とである︒こ
れは一般教育を行うもので︑職業訓練とは関係がない︒もう一つは一般教育と同時に職業教育を行う技能中等学校および
技能訓練学校である︒
㊤高等学級これは上級学級卒業試験を受ける学生のためのものである︒教育は︑芸術︑科学︑法学︑医学︑薬学の各
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学部︑産業および農業のために高等科学教育を行なう工学部︑経済学および経営学を教える学部︑および公務員候補者の
ための学部などによって教育が与えられる︒
前述した学校は︑全部国家の直接管理となっている︒教団による学校その他の私立学校もこれと同じ形式をとってい
る︒
職業教育
商業工業における職業教育はすべて関係職種あるいは職業の代表者と密接な連繋の下に国家によって組織されるか︑ま
たは国家によって監督されている︒使用者および労働者の団体が行なっている私立学校︑工場学校および労働者又は使用
者らの団体によって運営されている学校(またはコース)は︑国家から補助金を受けるか︑もしくは自由意志による寄付
金あるいは諸会社の支払金(もし支払わなければ国に対して賦課金を納めなけれぽならない)に依存している︒現在この
賦課金は支払賃金総額の○・四パーセントに相当する額となっている︒この賦課金は︑公認見習工制度を実施すると否と
にかかわらず︑すべての企業に一様に課される︒公認見習工制度をもっている企業は︑この賦課金を見習工訓練費用と合
法的に相殺することが出来るけれども︑とにかくすべての会社が支払わなけれぽならない︒
すべての職業訓練施設は︑一九二〇年七月の法令によって設けられた文部省の技能・職業教育局長によって管理されて
いる︒職業教育に関係する諸決定は︑三者構成の全国職業諮問委員会と協議の上行なわれる︒現在二四の委員会があっ
て︑そのいずれも政府側代表(国立訓練学校の教師)および当該職種の使用者と労働者の代表から成っている︒全国委員
会に対して職業教育制度の原案を作成し︑かつ各職種について︑その教育訓練科目︑試験︑もしくは資格について勧告す
るため特別小委員会が設けられた︒全国委員会の仕事は全国職業審議会によって調整され︑.各省間の連絡は三者構成の技
能教育委員会の方法によって政府と各職種間で行なわれる︒
各省には使用者および労働者団体の推薦によって任命される自由意志にもとつく技能教育アドヴァイザーがいる︒彼等
は各職種群を代表し︑彼等の代表する職種と関係当局との連絡にあたることをその責任とする︒技術教育アドヴァイザー
の任務は見習工制度賦課金の使途を配慮すると共に︑職業訓練の実施状況および試験︑その他について監督することであ
る︒
職業訓練制度の目的は㈲産業における需要を充たすために年少者を熟練労働者︑技能者助手︑技能者︑高級技能者な
らびに技術者に仕上げるために訓練を与えること㈲あらゆる段階の労働者のために昇進の機会を与えることω労働者
が技術の近代的変化に遅れないようにするために︑かれらに追加的教育を施すこと︒および㈲人員不足の職業に対して労
働者を供給するために︑不況業種に雇われている労働者を急速に再教育することである︒
イギ リス労働省刊 「海外労働事 時」
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熟練労働者の訓練
フランスの法律の下では︑すべての年少労働者は商工業の事業所に雇用されるには︑職業指導を受けた旨の証明書を保
持しなければならない︒このために年齢=歳になるとすべての生徒は﹁観察クラス﹂(〇一りωΦ﹃<四什一〇一口O一餌ωωΦω)へ入る︒
このクラスはニカ年の期間を与えてこの期間に生徒の素質をかれらの日常の状態から評価し︑期間の終りに将来どの教
育のコースをとるべきかに関する指導が与えられる︒この観察教育は一九五九年の改正教育制度にもとついて導入された
ものである︒生徒の両親はこの期間に自分の子供の素質について助言を受ける︒そして第二期から生徒の勉強は古典ある
いは近代部門のいずれかに向って指導される︒各クラスあるいはクラスの集団には両親と生徒が現在ある教育機関の中か
ら選択がよくできるように指導評議会が設けられる︒このような﹁観察クラス﹂は国立高等中学校︑一般中等学校および
小学校にある︒年齢一四歳になった小学校の生徒︑そして学校の勉強によって利することができないと見倣された中学校
の﹁観察クラス﹂および中等学校の生徒には下記のコースのいずれかを選ぶことができる︒
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O低学級の最後のクラスに年齢一六歳までとどまり︑職業訓練と共に一般課目についてさらに教育を受ける︒ここでの
職業教育は地方における農業に特に重点がおかれる︒
⇔三力年間小規模の使用者の所で見習工として契約する︒たとえば︑肉屋︑パン焼︑ガレージでの機械工︑洋裁師︑事
務員等︒この種の見習工は小学校と提携して行なわれている昼間のクラスへ出席するか︑あくいは職業通信コースを受け
なけれぽならない︒この通信コースの技能的内容は関係職種によって作られ︑その理論に関する面は小学校の教師によっ
て担当される︒生徒は三力年の見習期間を終えると見習工修了証書(OΦ三訣o鉾9甑昌匹︑昌胃8江ω舞αqΦーC・F・Al)
を与えられる︒これよりさらに高い教育を終った者には熟練適格証書(OΦ註鵠o暮α︑餌且εαΦ胃o富ωωざ8巴一ΦーC・A・
Pー)が与えられる︒この見習工修了証書は初級技能資格証書であって︑商業・工業の基礎熟練業種または職業における
充分で包括的見習工制度を修めたことを示すものである︒試験は筆記・口答および実地から成っている︒前記の修了書証
を保持している者は新しい労働者を雇用する時に多くの使用者が求める職種テストを受ける必要がない︒
⇔工場または他の会社へ見習工として契約する︒大企業においては見習工は工場見習工学校へ入学する︒これは国立の
技能訓練学校と同じ方針で組織されている︒中小規模企業では︑見習工は工場内の現場で実施訓練を受ける︒学科(フラ
ソス語︑数学︑製図︑工業技能関係課目︑衛生および法規)はその工場または会社に一番近い学校で催される職業コース
によって教えられる︒見習工期間を終えると︑かれらは熟練適格証書のための試験を受ける︒
⑳国立技能訓練学校へ入り︑三力年間の訓練コースを受ける︒このコースが終ると︑この生徒も前記の熟練適格証書の
ための試験を受ける︒若干の技能訓練学校は国と産業との合同で経営されている︒たとえぽそれは︑製鉄︑造船︑航空機
製造およびその関連産業でみられる︒これらの産業では色々な技能がその産業内だけで教えられている︒
産業における見習工制度を管理する基本法は一九一九年七月の法律(一九二八年三月に改正)によって設けられた︒こ
の基本法の主なる規定はつぎの通りである︒
イギ リス労働省刊 「海外労働事情」
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O見習工は見習工の父または法律上の保護者とその訓練の責任者またはその団体の間に締結された見習工制度契約書に
したがって勤務しなければならない︒
⇔当事者は︑所定の見習工期間中︑組織的で包括的な訓練を受けると共に︑他方︑所定の見習工期間中は同意された条
件にしたがって働かなければならない︒
⇔見習契約書は一定の定められた事項を含み︑また︑見習工制度に適用される当該職種または産業内における慣習ある
いば規定を尊重しなければならない︒
⑳訓練に厳密に関連していない限り︑見習工を生産的作業に雇用してはならない︒
㊨見習工はその報酬が手当の形式で払われる場合を除き︑賃金を受け取ってはならない︒この手当は法律によって定め
られてはいるが︑使用者は見習工のための特別な手当率の幅を交渉する自由を与えられている︒
㈹年齢一七歳までの見習工を家族にもつ労働者には家族手当が支払われる︒
㈹年齢一八歳以下の見習工は見習工としての勤務期間中︑一ヵ月につぎ二日間︑同じく年齢]八歳から二一歳までの者
は一ヵ月につき一日と二分の一の有給休暇を与えられる︒
㈹見習工の最初の二ヵ月間は試用期間と見敏され︑その後は一定の理由にもとついてのみ契約を終了させることができ
る︒見習工制度の契約に関する紛争はすべて使用者ならびに労働組合の同数代表からなる地方産業審議会もしくは地方民
事裁判所へ付託される︒
契約不履行に対する処罰は︑通常︑損害賠償もしくは契約解除の形式をとる︒使用者が適当な訓練を実施しなかった場
合は︑所管当局はその使用者が採用する見習工の数を制限するか︑あるいは一定期間見習工訓練を行なうことを中止させ
る権限をもつ︒