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博士(農学)佐々木 学位論文題名

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Academic year: 2021

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     博士(農学)佐々木 学位論文題名

BaciZlu,s とんひringiens 沁株の分離・同定ならびに新規   B .とん ur む ng むens 沁株の有する c り遺伝子の解析

学位論文内容の要旨

  お . thur′ 轡 ¢恥 む は 、鱗 翅 目 ・ 双翅 日 ・鞘翅目 等の昆 虫に特異 的殺虫活 性を示 す 結晶タン パク質 を産生する。この性質からB.所釘′´′轡P´?J凪は、微生物農薬と し て 利 用 さ れ て い る 。 近 年 、Bt製 剤 の 利 用 の 増 加 と と も に 、 新 し いBt製 剤 の 開 発 と い う 面 か ら 、 自 然 界 か ら 新 し い 殺 虫 活 性 を 有 す る 株 の 検 索 が 盛 ん に 行 わ れ て い る 。 本 研 究 で は 、 北 海 道 お よ び イ ン ド ネ シ ア の 土 壌 か ら 多 数 の ぢ . 所zfr′´?g′ピ門sむを分離するとともに、菊田(1990)が報告した、結晶タンパク質の 性 状による ぢ.廟 甜r´ ′喀た門sむの分類法、ならびに浅野(1995)が報告したPCRによ るcグ 遺 伝 子 検 索 法 を 用 い 、 さ ら に 従 来 行 わ れ て い る 鞭 毛 抗 原 型 に よ る 分類 も 併 せて行うことで、新しい性状を有するぢ,崩甜′.´門gfピ門,vむ株あるいは新しいタイプ のcグ 遺 伝 子 を 発 見 す る こ と を 目 的 と し た 。 そ の 結 果 、 興 味 深 い 性 質 を 有 す る serovar丘2´ 朋 細んfINA‐02とserovar5D〃DSKWOl‐lO.2−06(SKW株) を得た。 こ れ ら新規お .所釘 冖門g′ピ門sむ株 について は、各菌株の保有するビッ遺伝子を解析す ることにより、新たな知見を得たので以下に報告する。

1

.新規serovar kurslaki INA‑02 の性状

  INA‑02

株は、コナガ、ハスモンヨ卜ウ等の鱗翅目と、苧肖翅日昆虫であるニ ジ ュウヤホシテントウに対して殺虫活性を示す株として選抜された。しかし

PCR

による

ct)il

ctyIV

遺伝子の検索では、cty 朋倒遺伝子のみが検出された。

INA

−02 株の

c

グ以倒遺伝子をクローニングし、大腸菌で発現させて殺虫活性を 調ぺたところ、この発現タンパク質はハスモンヨトウやニジュウヤホシテン卜 ウに対して殺虫活性を示さないことが明ら.かになり、INA ー02 株にはビヴ朋倒以 外に、ハスモンヨトウやニジュウヤホシテントウに対して殺虫活性を有するビッ 遺伝子が存在する可能性が示唆された。このため、INA ‐02 株が鱗翅目と鞘翅目 昆虫両方に殺虫活性を有するTailoretal .(1992 )により報告されたc ヴ憾伝子 が存在するかどうかを調査した結果、従来の

c

ッ遺伝子に極めて相同性の高い

c

グルM ー舵が存在することを確認した。さらにlNA −02 株からクローニングした

c

グ巧M 一舵遺伝子を結晶非産生株であるBt51 株で発現させ、C ヴV 夕ンノくク質が

709

(2)

ハ ス モ ン ヨ 卜 ウ に 対 し て も 殺 虫 活 性 を 示 す こ と も 報 告 し た 。 こ の よ う に 、 殺 虫 活 性 と ビ グ 遺 伝 子 検 索 の 結 果 を 併 せ て 考 察 す る こ と で 、 ま だ 知 ら れ てい ない 新し い 活 性 を 持 つ 遺 伝 子 の 検 索 を 可 能 に し た 。ま た、 クロ ーニ ング したcrl′ 遺伝 子を 大腸 菌あるいは結晶を産生しないぢ. thuring′ピ′7ぷ´J株で発現させることで、鱗翅 日 と 鞘 翅 目 昆 虫 両 方 に 殺 虫 活 性 を 示 すcグ ルM一 舵 遺 伝 子 に コ ー ド さ れ る 発 現 タ ン パ ク 質 の 性 状 を 明 ら か に し た 。 以 上 の よ う な 手 法 は 、 新 し い 殺 虫 活 性 を 有 す るB.脇甜′′′卿ピ門ぶぬ株を 検索するための極めて有効な方法であると考えられる。

  ま た 、 本 研 究 で 得 ら れ たcり ´ 均M一 飽 は 、 難 防 除 害 虫 で あ る ハ ス モン ヨト ウを 含 む 鱗 翅 目 昆 虫 に 殺 虫 活 性 を 有 し て い る と と も に 、 鞘 翅 目 昆 虫 に も 殺 虫 活 性 を 示す ことから、今後害虫防除に有効に利用される菌株となる 。

2.新規serovar sotto SKW01‑10.2‑06(SKW株)の性状

  SKW株 は 球 状 、 菱 形 、 サ イ コ ロ 型 の3タ イ プ の 結 晶 タ ン パ ク 質 を 産 生 し て い た 。PCRに よ るcヴ 遺 伝 子 検 索 の 結 果 、 本SKW株 はciyIA (b)とc;*y′ ′ イ 遺 伝 子 を 有す るこ と が明 らか とな った 。serovar sotlo標 準株 は従 来ビ げ朋 倒と ビル リイ(b)の み を 保 有 し て い る 。 本SKW株 がcry´ ′ 遺 伝 子 を 有 す る こ と は 、 蚊 の 幼 虫 に 対 し て も 殺 虫 活 性 を 示 す こ と を 意 味 し て お り 、 新 規 の 殺 虫 活 性 ス ペ ク ト ラ ム を 有 す る 菌 株 の 発 見 と な っ た 。 一 方 、 こ の 後 、 ひ き っ づ き 既 知 の ビ グII遺 伝 子 とSKW 株 の 有 す るcry II遺 伝 子 の 性 状 を 比 較 す る 目 的 で 、SKW株 か ら ビ ル ′II遺 伝 子 (cry ii (SK W)) を ク ロ ー ニ ン グ し 、 塩 基 配 列 の 決 定 を 行 っ た 。 ま た 、cry′ ′ びKMとcry HAをBt51株 で 発 現 さ せ 、 両 者 の 殺 虫 活 性 を 比 較 し た 。 そ の 結 果 、 ピ′ ツII (,S'K W)とcty IIAは、コ ードするタンパク質のアミノ酸配列が95.4%という 高 い 相 同 性 を 示 し た に も か か わ ら ず 、 カ イ コ に 対 す る 殺 虫 活 性 の 強 さ に 違 い が 認 め ら れ た 。CryU(SKW)とCry IlAタ ン パ ク 質 の わ ず か な ア ミ ノ 酸 配 列 の 違 い が 、 感 受 性 昆 虫 に 食 下 さ れ た と き の 中 腸 内 で の タ ン パ ク 質 の 安 定 性 や 、 昆 虫 中 腸 上 皮 細 胞 に 存 在 す る と さ れ る レ セ プ タ ー へ の 結 合 の 強 さ に 影 響 を 及 ば し 、 こ の よ う な 活 性 の 強 さ に 現 れ て き て い る 可 能 性 も 考 え ら れ 、Cヴnタ ン パ ク 質 の 殺虫活性機構を研究する上で興味 深い材料となった。

  ま たcry´ ′ イ 遺 伝 子 は 、3っ のORFか ら な る オ ベ ロ ン の3番 目 のORFと し て 存 在 し て お り 、 CrynAタ ン パ ク 質 の 結 晶 化 に はc,yロ メ 遺 伝 子 の 上 流 に あ る2番 目 のORF、o,:f2の 産 物 が 必 要 で あ る と い う 報 告 が さ れ て い る 。 本 研 究 に お い て も ビ ッii (SK W)の 上 流 の 塩 基 配 列 の 決 定 を 行 っ た と こ ろ 、 ビ ッ 〃 メ と 同 様 に 、2 つ のORFが 存 在 し て い た 。Cry II (SKW)タ ン パ ク 質 の 結 晶 化 に もor2の 産 物 が 必 要 で あ る か ど う か を 調 査 す る た め に 、cグ ロ 倒 ご 旧 をcッ 朋 倒 遺 伝 子 の プ ロ モ ー タ ー を 利 用 し て Bt51株 で 発 現 さ せ た 結 果 、 結 晶 形 成 が 確 認 さ れ 、Cづn

(SKW) ク ン / く ク 質 で はDE膠 の 産 物 が 必 要 で は な い と い う 可 能 性 が 示 唆 さ れ た 。 この性質の違いが、CヴII(SKW) タンパク質を発現させる際のぢ,´′7甜rむ璃胞´岱ぬ 宿 主 に よ る の か 、 あ る い はc′ ツ ′ ′ 価KMとcグ ロ イ 遺 伝 子 の 塩 基 配 列 の 構 造 上 の 違 い に よ る の か を 明 ら か に す る こ と が 今 後 の 課 題 と な っ た 。 ま た 、 〇 ゲ ペ 舛 刪

710 ‑

(3)

とor./2(SK PV)にコードされるタンノくク質が、どのようにc,y II (SK W)の発現に関 わっているのかを検討することが、cvy′′遺伝子の発現機構の解明に繋がるもの と考えられる。

711 ‑

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学位論文審査の要旨

学 位 論 文 題 名

BacilZ ひs とんurL れざLensLs 株の分離・同定ならびに新規     B .と ん uringLe 凡 s ゐ株の 有する c ッ遺伝子の解析

本 論 文 は、 総 頁数92頁、 表9、 図25か らな る 和 文論 文 で、 他 に 参考 論文8編が 添 え ら れて い る。

  ガ. thuringiensisは、鱗翅目・双翅目・鞘翅目等の昆虫に特異的殺虫活性を示 す結晶タンパク質を産生する。この性質からぢ. thuringiensisは、.微生物農薬と して 利 用 され て いる 。 近 年、Bt製 剤の利用の 増加とと もに、新 しいBt製剤 の開 発と い う 面か ら 、自 然 界 から新 しい殺虫活 性を有す る株の検 索が盛ん に行われ て い る 。 本 研 究 で は 、 北 海 道 お よ び イ ン ド ネ シ ア の 土 壌 か ら 多 数 の お . thuringiensisを分離す るととも に、従来 行われてい る鞭毛抗 原による 分類法に 加 え て 、PCR法 に よ っ て 作 成 し た 殺 虫 性 結 晶タ ン パ ク質 遺 伝 子で あ る各ay遺 伝子 のDNAプロ ー ブを 基 に 新しいタ イプのぢ.thuringiensisを得るこ とを目的 とし た 。 その 結 果、 興 味 深い性 質を有するserovar kurstaki INA‑02とserovar sotto SKW01‑10.2‑06(SKW株)を得た。これら新規ぢ.thuringe門J7ぷ株について は、各菌 株の保有 するcグ遺 伝子を解析 すること により、 新たな知 見を得た ので 以下に報告する。

1.新規serovar kurstaki INA‑02の性状

  INA‑02株 は 、 コ ナガ 、 ハ スモ ン ヨト ウ 等 の鱗 翅 目 と、 鞘 翅目 昆 虫 であ る ニ ジ ュ ウ ヤ ホ シ テ ン トウ に 対 して 殺 虫活 性 を 示す 株 とし て 選 抜さ れ た 。し か し PCRによるciyl〜cry IV遺伝子の 検索では 、cryIA (a)遺伝子のみが検出された。

INA‑02株 のcry以 倒 遺 伝子 を クロ ー ニ ング し 、大 腸 菌 で発 現 さ せて殺虫活 性を 調 べた と ころ 、 こ の発 現 タン パ ク質 はハスモ ンヨトウ やニジュウ ヤホシテ ント ウに対 して殺虫活 性を示さ ないこと が明らか になり、INA・・02株にはcグ以倒以 外 に、ハ スモンヨ トウやニ ジュウヤ ホシテン トウに対 して殺虫活 性を有す るcヴ 遺伝子 が存在する 可能性が 示唆された。このため、lNA・.02株が鱗翅目と鞘翅目 昆虫両 方に殺虫活 性を有す るTailoreta1.(1992)により報告されたcグレ遺伝子 が 存在 す るか ど う かを 調 査し た 結 果、 従 来のcグ 随 伝 子に 極 めて 相同性の 高い

‑ 712 ‑

彦 郎

夫 徳

敏 一

哲 久

塚 田

上 戸

飯 上

三 伴

授 授

授 授

   

   

教 教

教 助

査 査

査 査

主 副

副 副

(5)

cry VINA‑02が 存 在す る こ とを 確 認し た 。 さら にINA‑02株 か らク ローニン グし たcry VINA‑02遺 伝子 を 結 晶非 産 生株 で あ るBt51株 で 発現 さ せ 、CryVタンパ ク 質が ハ スモ ン ヨ 卜ウ に 対し て も 殺虫活 性を示す ことも報 告した。こ のように 、 殺虫 活性とcty遺伝子検 索の結果 を併せて 考察する ことで、 まだ知られ ていなぃ 新しい活 性を持っ遺 伝子の検 索を可能 にした。

  また、本 研究で得ら れたc,y V̲INAー02は、難防除害虫であるハスモンヨトウを 含む 鱗 翅目 昆 虫 に殺 虫 活性 を 有 してい るととも に、鞘翅 目昆虫にも 殺虫活性 を 示 す こ と か ら 、 今 後 害 虫 防 除 に 有 効 に 利 用 さ れ る 菌 株 と な る 。

2.新規serovar.ゞ〇fめSKW01−10.2‐06(SKW株)の性状

  SKW株 は 球 状 、 菱形 、 サイ コ ロ 型の3タ イ プの 結 晶 タン パ ク質 を 産 生し て い た 。PCRに よ るcグ 遺 伝 子 検 索 の 結 果 、 本SKW株 はc桝4倒 とcグZM遺 伝 子 を 有することがゅJらかとなった。serovars〇´f〇標準株は従来c′〆イ倒とcヴ朋倒の み を 保 有 し て い る。 本SKW株がcッ ロ 遺伝 子 を 有す る こ とは 、 蚊の 幼 虫 に対 し て も殺 虫 活性 を 示 すこ と を意 味 してお り、新規 の殺虫活 性スペク トラムを有 す る 菌 株 の 発 見 と なっ た 。 一方 、 こ の後 、 ひき っ づ き既 知 のcッロ 遺 伝 子とSKW 株 の 有 す るcグ ロ 遺 伝 子 の 性 状 を 比 較 す る 目 的 で 、SKW株 か らcッ ガ 遺 伝 予

(cッ 〃侮 ゼ 嚠) を ク ロー ニ ング し 、 塩基 配 歹Uの決 定 を 行っ た。 また、cグガ 侮 だ叨とcヅ〃イをBt51株 で発現さ せ、両者 の殺虫活 性を比較 した。そ の結果、

cッロ侮K聊とcグロ イは、コー ドするタ ンパク質 のアミノ酸配列が95.4%という 高 い相 同 性を 示 し たに も かか わ らず、 カイコに 対する殺 虫活性の 強さに違い が 認 めら れ た。Cヴ ・H(SKW)とCづHAタ ンパク質 のわずか なアミノ 酸配列の 違い が 、 殺 虫 活 性 に も違 い を 与え て お り、Cッuタ ン パク 質 の殺 虫 活 性機 構 を 研究 する上で興味深い材料となった。

  ま たcッ ロ イ 遺 伝 子 は 、3つ の0RFか ら な る オ ベ ロ ンの3番 目 のORFと し て存 在 し て お り 、CづnAタ ン パ ク 質 の 結 晶 化 に はcグZ幽 遺 伝 子 の 上 流 に あ る2番 目 の0RF、Dり2の 産物 が 必 要で あ ると い う 報告 が され て い る。 木研究 において もcグ´ ′侮K刪の 上流の塩基 配列の決 定を行っ たところ、cヴ′′イと同様に、2 つ のORFが 存在 し て いた 。 本ピ グ ロ侮KMにお けるDっり の発現産 物は、そ の存在 が な く て もBt51株 で は結 晶 を 形成 し たこ と か ら、cヴ ロ イとcグ 口 価KMと で は 遺伝子の発現機構が異なることが判明した。

  以 上の ように本 研究は、 新規微生 物農薬の 開発に貢 献する点が 大きい。 よっ て審 査 員一同は 、最終試 験の結果 と合わせ て、本論 文の提出者 佐々木澗 は、博 士 ( 農 学 ) の 学 位 を 受 け る に 充 分 な 資 格 が あ る も の と 認 定 し た 。

‑ 713

参照

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