資源エネルギー庁 御中
平成30年度省エネルギー政策立案のための調査事業
(トップランナー制度の見直しに向けた調査等)
報告書
2019 年 2 月 28 日
環境・エネルギー事業本部i
は じ め に
民生・運輸部門のエネルギー消費量の増加を抑制すべく、平成 10 年のエネルギーの使用 の合理化等に関する法律(以下、「省エネ法」という。)改正にてトップランナー制度が導 入され、製造・輸入事業者に対して目標年度に基準エネルギー消費効率(以下、「目標基準 値」という。)を達成することを求めるとともに、エネルギー消費効率等の表示が義務化さ れた。 本制度の対象となる機器については、エネルギー消費量が多いものから順に要件に照ら して検討が行われ、結果、制度創設から 20 年近くを経た今、29 品目にまで拡大され、世帯 あたり最終エネルギー消費量の約 7 割をカバーするに至っている。加えて、小売事業者を対 象とする表示制度によって、消費者等に機器の省エネ情報を提供し、省エネ性能の高い機器 の購入が促進されてきた。 エネルギーミックスを確実に実現する観点から、省エネに資する技術の導入状況やその 技術開発の見通し等を踏まえてトップランナー制度の新たな目標基準値を設定することを 通じて、機器の更なるエネルギー消費性能の向上を図ることが必要である。加えて、現在の 測定方法は、IoT 等を活用して実際の使用環境に応じた省エネを追求する新たな技術を適切 に評価できておらず、このような測定方法を前提に設定された目標や表示制度は機器の省 エネ性能の向上を十分に促せていないのではないかといった、省エネ性能の測定方法等に 関する課題への対応等を図ることが必要である。 そこで、本事業では特定エネルギー消費機器の最新状況を調査・分析し、次期トップラン ナー基準等の検討を行うとともに、次期トップランナー基準等の検討に必要な情報収集や 資料の作成等の事務の支援を行った。 具体的には、エアコンディショナー、ヒートポンプ給湯機、テレビジョン受信機、照明器 具、電子計算機、磁気ディスク装置、ルーティング機器、スイッチング機器、ガス温水機器、 石油温水機を対象として、省エネルギー技術や市場の動向に係る情報収集、分析を行い、次 期トップランナー基準策定に向けた対象範囲、区分、基準値等の検討を行うとともに、判断 基準ワーキンググループにおいて基準策定に係る審議を行うため、論点整理、関係業界団体 等との意見調整、資料作成支援等を行った。また、乗用自動車を対象として、製品の性能指 標の一つであるパワーウェイトレシオに注目し、エネルギー消費効率との関係について分 析を行った。目 次
1. エアコンディショナー ... 9 1.1 特定エネルギー消費機器の最新状況の整理 ... 9 1.1.1 省エネ大賞受賞製品の採用技術 ... 9 1.1.2 現行区分ごとの分析 ... 12 1.1.3 経済性分析... 17 1.1.4 市場ニーズ... 18 1.1.5 低負荷特性... 19 1.1.6 小売表示 ... 27 1.2 次期トップランナー基準策定に向けた支援等 ... 30 1.2.1 実施概要 ... 30 2. ヒートポンプ給湯機 ... 33 2.1 特定エネルギー消費機器の最新状況の整理 ... 33 2.1.1 省エネ大賞受賞製品の採用技術 ... 33 2.1.2 現行区分ごとの分析 ... 34 2.1.3 市場ニーズに関する調査 ... 39 2.2 次期トップランナー基準策定に向けた支援等 ... 40 2.2.1 実施概要 ... 40 3. テレビジョン受信機 ... 41 3.1 特定エネルギー消費機器の最新状況の整理 ... 41 3.1.1 テレビジョン受信機の現状に関する検討 ... 41 3.1.2 テレビジョン受信機の測定方法に関する検討 ... 64 3.1.3 テレビジョン受信機の対象範囲に関する検討 ... 78 3.1.4 新たな区分・基準値に関する検討 ... 81 3.2 次期トップランナー基準策定に向けた支援等 ... 89 3.2.1 実施概要 ... 89 4. 照明器具 ... 91 4.1 特定エネルギー消費機器の最新状況の整理 ... 91 4.1.1 エネルギー消費効率の指標 ... 91 4.1.2 固有エネルギー消費効率の構成要素 ... 92 4.1.3 区分案の検討 ... 96 4.1.4 制御機能の評価 ... 106 4.2 次期トップランナー基準策定に向けた支援等 ... 109 4.2.1 実施概要 ... 1095.1.1 実施概要 ... 110 5.1.2 各種分析 ... 113 6. 磁気ディスク装置 ... 114 6.1 次期トップランナー基準策定に向けた支援等 ... 114 6.1.1 実施概要 ... 114 7. ガス・石油温水機器 ... 116 7.1 次期トップランナー基準策定に向けた支援等 ... 116 7.1.1 実施概要 ... 116 7.1.2 各種分析 ... 118 8. 自動車 ... 134 8.1 特定エネルギー消費機器の最新状況の整理 ... 134 8.1.1 パワーウェイトレシオと燃費との関係性に関する分析 ... 134
図 目 次
図 1-1 ソフト省エネのイメージ ... 10 図 1-2 区分別の APF 平均・最大・最小の推移 ... 14 図 1-3 2017 年度における区分別の APF 実績 ... 15 図 1-4 2017 年度における区分別の APF 実績(基準達成率換算) ... 15 図 1-5 寸法規定と寸法フリーのラインナップ推移 ... 16 図 1-6 エアコンの市場価格 ... 17 図 1-7 住宅ストックの建築年別分布推移 ... 19 図 1-8 建築物省エネ基準ごとの空調負荷想定 ... 20 図 1-9 建築物省エネ基準ごとの空調負荷のデュレーションカーブ ... 20 図 1-10 冷房最小能力と冷房最小 COP と冷房中間 COP の分布 ... 21 図 1-11 冷房最小 COP と APF カタログ値の分布 ... 22 図 1-12 APF 計算のイメージ ... 23図 1-13 区分 A・B の APF 推計値(最小加味)と APF カタログ値の差分値 ... 24
図 1-14 区分 A・B の APF 推計値(最小加味)と APF カタログ値 ... 24
図 1-15 APF 推計値(最小加味)と APF カタログ値の差分値の分布 ... 25 図 1-16 冷房最小 COP と APF 推計値(最小加味)の分布 ... 26 図 1-17 冷房定格 2.2kW 機の分析結果(散布図行列と相関係数) ... 26 図 1-18 空調負荷基準の比較 ... 27 図 1-19 畳数目安の比較 ... 28 図 1-20 地域別のエアコン使用時間 ... 28 図 2-1 ヒートポンプ給湯機の各区分各効率の出荷台数(貯湯容量 240L 以上 320L 未満) ... 36 図 2-2 ヒートポンプ給湯機の各区分各効率の出荷台数(貯湯容量 320L 以上 550L 未満) ... 36 図 2-3 ヒートポンプ給湯機の各区分各効率の出荷台数(貯湯容量 550L 以上) ... 36 図 2-4 効率と貯湯容量の分布 ... 38 図 2-5 ヒートポンプ給湯機の購入動機 ... 39 図 3-1 ブラウン管テレビの仕組み ... 41 図 3-2 液晶テレビの仕組み ... 42 図 3-3 プラズマテレビの仕組み ... 42 図 3-4 有機 EL テレビの仕組み ... 43 図 3-5 テレビの出荷台数の推移 ... 44 図 3-6 有機 EL テレビの出荷台数の推移... 44 図 3-7 画面サイズの単位の考え方 ... 45 図 3-8 出荷台数に占める画面サイズ区分の推移 ... 45 図 3-9 4K/8K の推進に関するロードマップ(2013 年) ... 46 図 3-10 薄型テレビの国内出荷台数の推移、予測 ... 47
図 3-14 エネルギー消費効率と画面サイズの分布(画素数別) ... 52 図 3-15 エネルギー消費効率と画面サイズの分布(画素数別、メーカー別) ... 53 図 3-16 エネルギー消費効率と画面サイズの分布(付加機能数別) ... 54 図 3-17 テレビジョン受信機構成の概要図 ... 55 図 3-18 バックライトタイプごとのエネルギー消費の違い ... 59 図 3-19 DBEF のイメージ図 ... 60 図 3-20 ローカルディミングの仕組み ... 61 図 3-21 広色域化に関するイメージ図 ... 61 図 3-22 バックライト方式の種類 ... 62 図 3-23 テレビ一台あたりの視聴時間(全日) ... 66 図 3-24 出荷台数調査 調査票 ... 79 図 3-25 アンケート調査結果 ... 80 図 4-1 照明における各種指標 ... 91 図 4-2 LED の器具組込時の総合効率低下要因 ... 92 図 4-3 LED 照明器具の効率分布 ... 93 図 4-4 固有エネルギー消費効率の構成要素 ... 93 図 4-5 内部量子効率、光取出効率 ... 94 図 4-6 光散乱効率 ... 94 図 4-7 光源部の発光効率の予測 ... 95 図 4-8 区分に関するトップランナー制度の原則 ... 96 図 4-9 器具のサイズによる効率の違い ... 100 図 4-10 光束と固有エネルギー消費量の関係 ... 101 図 4-11 LED 照明器具の適用畳数 ... 101 図 4-12 遮光角 ... 102 図 4-13 配光角 ... 102 図 7-1 都市部エリアの新築における建て方別×所有形態別の需要家構成の推移... 118 図 7-2 都市部エリアの既築における建て方別×所有別の需要家構成の推移 ... 119 図 7-3 地方部エリアの新築における建て方別×所有別の需要家構成の推移 ... 120 図 7-4 地方部エリアの既築における建て方別×所有別の需要家構成の推移 ... 120 図 7-5 世帯人数別の需要家構成の推移 ... 121 図 7-6 所有形態別の世帯数の将来予測 ... 122 図 7-7 建て方別住宅戸数の将来予測 ... 123 図 7-8 区分別投資回収年 10 年未満の世帯割合(工事費差額感度分析) ... 129 図 7-9 床暖房の使用状況別の暖房用エネルギー消費量... 131 図 7-10 温水機器市場における暖房機器のシェア[%] (2016 年度出荷実績) ... 132 図 8-1 燃費の測定方法 ... 135 図 8-2 燃費の理論式 ... 136 図 8-3 駆動力と燃費の測定方法 ... 136 図 8-4 エンジンの加速性能と燃費の関係 ... 137 図 8-5 メーカー別型式数 ... 138 図 8-6 重量階級別型式数 ... 138 図 8-7 パワーウェイトレシオと燃費の関係 ... 139
図 8-8 最高出力と燃費の関係 ... 139 図 8-9 空車重量と燃費の関係 ... 139 図 8-10 最高出力と燃費の逆数の関係 ... 140 図 8-11 空車重量の逆数と燃費の逆数の関係 ... 141 図 8-12 パワーウェイトレシオと燃費の逆数の関係 ... 141 図 8-13 パワーウェイトレシオと燃費の関係(重量区分別) ... 142 図 8-14 パワーウェイトレシオと燃費の決定係数と近似線の傾き(重量区分別) .. 143 図 8-15 重量区分別パワーウェイトレシオと燃費の平均値および燃費基準値 ... 143 図 8-16 パワーウェイトレシオと燃費の関係(重量区分別、ハイブリッド除く) .. 144 図 8-17 パワーウェイトレシオと燃費の決定係数と近似線の傾き(重量区分別、ハイ ブリッド除く)... 145 図 8-18 パワーウェイトレシオと燃費の関係(ハイブリッド・一般車併記) ... 145
表 目 次
表 1-1 エアコンの省エネ大賞受賞製品に採用されている技術 ... 9 表 1-2 ソフト省エネの定量評価例 ... 11 表 1-3 現行区分と目標基準 ... 12 表 1-4 2017 年度の家庭用エアコンの出荷台数 ... 12 表 1-5 普及率と世帯あたりの保有台数(二人以上世帯) ... 18 表 1-6 平均使用年数および買替え理由(二人以上世帯) ... 18 表 1-7 省エネ法および建築物省エネ法の省エネ基準推移(6 地域(旧Ⅳb 地域 東京)) ... 19 表 1-8 APF 計算に用いる測定項目 ... 23 表 1-9 負荷基準の想定世帯 ... 27 表 1-10 使用する地域による期間消費電力量の目安を算出するための補正係数 ... 29 表 1-11 エアコンの審議会資料作成に係る実施内容 ... 30 表 1-12 エアコンに係る今後の論点 ... 30 表 2-1 ヒートポンプ給湯機の省エネ大賞受賞製品に採用されている技術 ... 33 表 2-2 ヒートポンプ給湯機の現行区分と達成率 ... 35 表 2-3 各技術の導入比率(導入済み製品の出荷台数/全出荷台数) ... 37 表 2-4 各項目の効率との重回帰分析結果 ... 38 表 2-5 ヒートポンプ給湯機の審議会資料作成に係る実施内容 ... 40 表 3-1 個社の 8K テレビに関する最近の動向 ... 47 表 3-2 各種機能とエネルギー消費効率の関係性比較... 50 表 3-3 テレビジョン受信機における省エネ/増エネ技術・機能一覧 ... 55 表 3-4 シャープ製品の諸元 ... 62 表 3-5 視聴時間に係る考え方 ... 65 表 3-6 テレビの利用時間(全日) ... 65 表 3-7 各統計調査における調査方法 ... 66 表 3-8 日本、海外における基準値、測定方法の比較... 76 表 3-9 区分別×メーカー別の製品ラインナップ数 ... 82 表 3-10 現行法における区分 ... 82 表 3-11 VIF 分析の結果(シャープ) ... 85 表 3-12 重回帰式の妥当性の検証(シャープ) ... 86 表 3-13 重回帰分析結果まとめ(VIF 値) ... 86 表 3-14 重回帰分析結果まとめ(R2値) ... 86 表 3-15 重回帰分析結果まとめ(重回帰分析による係数) ... 87 表 3-16 重回帰分析結果まとめ(概要) ... 88 表 3-17 テレビジョン受信機の審議会資料作成に係る実施内容 ... 89 表 3-18 テレビジョン受信機に係る今後の論点 ... 90 表 4-1 現行基準におけるエネルギー消費効率の指標... 91 表 4-2 区分の指標(例) ... 97 表 4-3 具体的な区分案の数のイメージ ... 97 表 4-4 蛍光灯器具の現行基準における区分 ... 98表 4-5 ヒアリング調査の整理結果 ... 104 表 4-6 今後の検討課題 ... 105 表 4-7 建築物省エネ法における制御方式ごとの係数... 107 表 4-8 照明器具の区分に係る実施内容 ... 109 表 4-9 照明器具に係る今後の論点 ... 109 表 5-1 サーバ型電子計算機の審議会資料作成に係る関係者での実施内容 ... 110 表 5-2 クライアント型電子計算機の審議会資料作成に係る実施内容 ... 111 表 5-3 x86 サーバ及び UNIX サーバのストック消費電力量の試算条件 ... 113 表 6-1 磁気ディスク装置の審議会資料作成に係る関係者での実施内容 ... 114 表 6-2 判断基準ワーキンググループの開催に向けた今後の論点 ... 115 表 7-1 ガス・石油温水機器の審議会資料作成に係る実施内容 ... 116 表 7-2 ガス石油温水機器に係る今後の論点 ... 117 表 7-3 需要家セグメントの設定 ... 118 表 7-4 ガス給湯器の機器コストの設定 ... 124 表 7-5 ガス給湯器の設置工事費の設定[円] ... 125 表 7-6 ガス給湯器のエネルギー消費効率の設定 ... 125 表 7-7 給湯需要量の推計結果(統計ベース) ... 126 表 7-8 給湯需要量の推計結果(JIS ベース) ... 127 表 7-9 都市ガス式潜熱回収型給湯器の投資回収年数の試算結果 ... 128 表 7-10 地域別・建物別・世帯人数別の世帯数分布 ... 128 表 7-11 潜熱回収型石油温水機器の普及拡大に向けた関係団体の取り組み状況 ... 130 表 7-12 地域別・建て方別床暖房の使用状況別の暖房用エネルギー消費量 ... 132 表 7-13 給湯・暖房・ふろがま兼用ガス暖房機の出荷台推移 ... 133 表 8-1 燃費に対する重回帰分析の各種統計値 ... 140 表 8-2 燃費の逆数に対する重回帰分析の各種統計値... 141 表 8-3 重量区分別のパワーウェイトレシオと燃費の平均値および燃費基準値 ... 144
1. エアコンディショナー
家庭用エアコンディショナー(以下「エアコン」と記載)の業界団体との打ち合わせ、製 造事業者へのヒアリング等を通じて省エネ技術開発の動向、エネルギー消費効率の測定方 法の現状について調査を行い、基準改定に向けた審議を行うための論点整理、資料作成を行 った。 1.1 特定エネルギー消費機器の最新状況の整理 1.1.1 省エネ大賞受賞製品の採用技術 メーカー各社が上市しているエアコンのうち、省エネ大賞受賞製品に採用された技術は、 表 1-1 のとおりである。受賞製品には、ハード側とソフト側のそれぞれの側面から、多様な 技術が導入され、省エネ性能の向上がうたわれている。 ハード側:圧縮機・ファンモータ・弁・熱交換器の各コンポーネントの技術の改善 ソフト側:センシング技術等の省エネ技術の適用 表 1-1 エアコンの省エネ大賞受賞製品に採用されている技術 年度 社名(製品) 技術 2017 (家庭用エアコン「霧ヶ峰 FZ三菱電機 シリーズ」) 圧縮機の低負荷から高負荷の性能向上 住宅の断熱性学習による過剰動作抑制 2016 パナソニック (家庭用ルームエアコン「ダブ ル温度・同時吹き分け気流シス テム搭載」WX シリーズ) 可変圧力弁による二温度熱交換と二気流制御 温度センサによる体感温度差を加味した空調制御 2016 (床暖房接続可能な住宅用マルダイキン工業 チエアコン) 床暖房との連動制御 複数のエアコンを一台のヒートポンプ室外機に接続 2016 日立ジョンソンコントロ ールズ空調 (ルームエアコン「ステンレ ス・クリーン 白くまくん」) スクロール圧縮機による室内機のコンパクト化 熱画像センサの個人識別での在室時間把握による過剰動作抑制 2015 (家庭用エアコン「霧ヶ峰三菱電機 FZ/FZV シリーズ」) 送風機への高効率プロペラファンの採用 熱交換器レイアウトの見直し 2015 パナソニック (家庭用ルームエアコン「エコ ナビ搭載エアコン WX シリー ズ」) 熱画像センサを用いた温冷感検出技術 圧縮機排熱の蓄熱による霜取への活用 室内機ファンの送風効率改善、プロペラファンの大型化と羽根枚数 の増加による送風効率の向上 室外機の可変冷媒パス技術による熱交換器効率の向上 2014 (ルームエアコン「ステンレ日立アプライアンス ス・クリーン白くまくん」) 大径化の波形貫流ファンや室外機のプロペラファンの形状最適化 カメラ機能の採用による送風効率改善 3 分割した前側フラップの独立制御 2014 三菱電機 (家庭用エアコン「霧ヶ峰 Z シ リーズ」) マルチレベルコンバータの採用 赤外線センサによる全方位の温度検出 フラップ等の改良による真横吹き気流の実現 出所)一般財団法人 省エネルギーセンター「省エネ大賞受賞内容」より作成 省エネ大賞受賞製品に採用されている技術のうち、ハード側の省エネ技術は APF による 性能評価に含まれるものの、ソフト側の省エネ技術は必ずしも含まれない。ソフト側の省エ ネ技術は測定規格が規定されておらず、現行の APF 評価には必ずしも含まれないものの、 実使用環境下においては省エネに資すると考えられる。ソフト側の省エネ技術は、図 1-1 のとおり、センシングデータと学習機能や制御機能を 組み合わせて省エネを実現するものが多い。カタログでは、表 1-2 のとおり各社独自の測 定条件におけるソフト省エネの定量評価結果を記載している。 図 1-1 ソフト省エネのイメージ センシング 人 位置 在・不在 体感温度 ・・・ 部屋 日射 間取り 温度 ・・・ 機能 学習 生活パターン 部屋の特性 温度予測 ・・・ 制御 温度設定 起動/停止 風向き ・・・ 効果 ・生活パターンに基づき 無駄な空調を削減 消費電力量削減 + ⇒ ⇒ ・部屋の特性に合わせて 効率的に空調 ・不在時に出力を下げる /運転停止 ・人に気流を吹き体感温 度を効率的に下げる ・冷房と送風のみ運転を ハイブリッド運用 ・・・
表 1-2 ソフト省エネの定量評価例 出所)2018 年度各社カタログより 機種・機能 機能概要 評価条件 評価指標 評価結果 省エネ率冷/暖 ①学習や予測 を主とした機能の評価例 シャープ AY-J40X2 「クラウドAI」 部屋の性能と帰宅時間などを「クラ ウドAI」で学習し、立ち上げ制御や、 外出前に温度をゆるめる温度シフト 制御で省エネ。 試験室:14畳フローリング、冷房運転。使用条件はログ データから最も多い使用パターン(外気温:朝方30℃/ 夕方33℃、設定温度:26℃。エアコンのオン/オフは1日 2回、使用時間は朝起床後2.5時間と夕方帰宅後4時 間で計6.5時間) 一日(6.5時 間)の消費電力 量 「COCORO AIR制御」切 (冷房1,451Wh) 「COCORO AIR制御」入 (冷房1,203Wh) 17.1% / -% パナソニック CS-408CX2 「おへや学習機能」 部屋の負荷条件を解析・学習、部 屋の特性に応じてムダな立ち上げパ ワーをカットし節電する「おへや学習 機能」。 試験室:14畳、外気温:冷房35℃、設定温度:冷 房27℃。低負荷環境を学習後。 運転開始から 設定温度到達 までの積算消 費電力量 「エコナビ」切 (冷房205Wh) 「エコナビ」入 (冷房184Wh) 10.2% / -% 日立 RAS-XJ40J2 「AIこれっきり運転」 画像・温湿度・近赤外線カメラを搭 載した「くらしカメラAI」で体感温度 変化予測や部屋環境を検知した 「AIこれっきり運転」。 試験室:洋室14畳、外気温:暖房2℃、設定温度: 暖房23℃、風速自動。在室人数は3人、室内機から 2.5m離れた時点で3.0メッツ相当。日射量が多い日中 で、3人が近い範囲に存在し、3人の位置と日が差し込ん でいるエリアが一致し、人の周囲温度が設定温度より高め である状態を想定。 安定時1時間 の消費電力量 「AIこれっきり」切 (暖房573Wh) 「AIこれっきり」入 (暖房326Wh) -% / 43.1% 三菱電機 MSZ-FZ6318S 「先読み運転」 ムーブアイmirA.I.(高精度赤外 線センサ)による体感温度変化予 測で「先読み運転」。 試験室:20畳、外気温と日射負荷は独自に想定した 夏期/冬期をモデルとし変動。設定温度:冷房27℃/暖 房23℃。 設定温度到達 後4時間の消 費電力量 「先読み運転」切 (冷房670Wh/暖房1,115Wh) 「先読み運転」入 (冷房649Wh/暖房1,049Wh) 3.1% / 5.9% ②人のセンシング を主とした機能の評価例 ダイキン RXシリーズ 「快適エコ自動運転」 人感センサーで人のいる場所に集 中的に気流を吹き分け、快適と省 エネを両立して自動運転する「快適 エコ自動運転」。 集合住宅(鉄筋)洋室、南向き中間階、換気回数0.5 回/h、天井高さ2.4m/部屋容積55.4㎥相当。快適エ コ自動運転風向上下自動時の設定温湿度:冷房 28℃,50%/暖房22℃,50%。冷暖房運転の設定温 度:冷房26℃/暖房25℃。 実測データに基 づき室内温度 安定時の16時 間運転の消費 電力量試算値 「冷暖房運転」 (冷房10.79kWh/暖房6.71kWh) 「快適エコ自動運転風向上下自動時」 (冷房7.78kWh/暖房6.17kWh) 27.9% / 8.0% 東芝 RAS-E406DRH 「ecoモード」 人サーチセンサーで人の位置を把握 し運転する「ecoモード」。 試験室:14畳、外気温:冷房33℃/暖房7℃、設定 温度:冷房26℃/暖房23℃、風量自動、居住者がエ アコンから右方向に1名位置。 安定時1時間 の消費電力量 「通常冷房/暖房運転」 (冷房77Wh/暖房191Wh) 「ecoモード運転(風あて時)」 (冷房54Wh/暖房158Wh) 29.9% / 17.3% 三菱重工 SRK40SW2 「エコ運転」 人感センサーで人の状況を確認、 人の活動量に応じて自動でひかえ めな運転に切り替える「エコ運転」。 試験室:洋室16畳、外気温:冷房35℃/暖房7℃、 通常運転時の設定温度:冷房28℃/暖房20℃、風量 自動。活動量:冷房 1メッツ相当/暖房 2メッツ相当。 安定時1時間 の消費電力量 「通常運転時」 (冷房303Wh/暖房357Wh) 「エコ運転時」 (冷房195Wh/暖房181Wh) 35.6% / 49.3% ③不在時オフ を主とした機能の評価例 東芝 RAS-E406DRH 「不在節電機能」 人サーチセンサーで人の位置を把握 し運転する「不在節電機能」。 試験室:14畳、外気温:冷房33℃/暖房7℃、設定 温度:冷房26℃/暖房23℃、風量自動。 安定時1時間 の消費電力量 「人がいる時」 (冷房72Wh/暖房277Wh) 「人がいない時」 (冷房50Wh/暖房57Wh) 30.6% / 79.4% パナソニック CS-408CX2 「不在省エネ運転」 人の不在を検知すると、運転パワー をセーブする「不在省エネ運転」。 試験室:14畳、外気温:冷房35℃/暖房2℃、設定体感温度:冷房25℃/暖房25℃。 安定時1時間の消費電力量 「連続運転」 (冷房297Wh/暖房536Wh) 「不在省エネ運転」 (冷房238Wh/暖房429Wh) 19.9% / 20.0% 富士通ゼネラル AS-X40H2 「不在ECO」 人感センサーで在室か検知し自動 で節電運転への切り替えや運転の 停止・再開をする「不在ECO」。 試験室:14畳、外気温:冷房35℃/暖房7℃、設定 温度:冷房28℃/暖房20℃、風量強風。 安定時1時間の消費電力量 「不在ECO」オートセーブ機能切 (冷房200Wh/暖房208Wh) 「不在ECO」オートセーブ機能入 (冷房145Wh/暖房111Wh) 27.5% / 46.6% 三菱重工 SRK40SW2 「不在時ひかえめ運転」 人感センサーで人の不在を検知す ると、約15分後に自動でパワーをひ かえめにする「不在時ひかえめ運 転」。 試験室:洋室16畳、外気温:冷房35℃/暖房7℃、 風量自動。 安定時1時間の消費電力量 「人感センサー」切 (冷房473Wh/暖房445Wh) 「人感センサー」入 (冷房221Wh/暖房355Wh) 53.3% / 20.2% ④部屋のセンシング を主とした機能の評価例 シャープ AY-J40X2 「エコ自動運転」 日差しの変化などを見分けて、自 動で運転効率を優先した省エネ運 転をする「エコ自動運転」。 試験室:14畳フローリング、外気温:冷房35℃/暖房 7℃、エコ自動運転の設定:同一体感温度、通常運転 の設定温度:冷房26℃/暖房23℃。日射:冷房なし/ 暖房あり。 運転開始から1 時間後の積算 電力量 「通常冷房/暖房運転」 (冷房921Wh/暖房2195Wh) 「エコ自動運転」 (冷房586Wh/暖房1753Wh) 36.4% / 20.1% パナソニック CS-408CX2 「ひとものセンサー」 人・家具・間取りなどを高精度で見 分ける「ひとものセンサー」で温冷感 を解析し、快適性と節電効果を高 める。 試験室:14畳、外気温:冷房35℃/暖房2℃、設定 体感温度:冷房25℃/暖房25℃。着衣量:冷房約 0.3clo/暖房約1.5clo、日射:冷房_弱くなった場合/ 暖房_入っている場合。エアコンの設置位置から対面上の 1エリア(遠距離エリア)に人が存在。 安定時1時間 の消費電力量 「エコナビ」切・「センサー」切 (冷房425Wh/暖房1,195Wh) 「エコナビ」入・センサー風あて (冷房191Wh/暖房354Wh) 55.1% / 70.4% 富士通ゼネラル AS-X40H2 「3D温度センサー」 「3D温度センサー」で計測した立体 的な部屋温度とハイブリッド気流に よって、運転のムダを省き、快適性と 省エネ性を向上。 試験室:14畳、外気温:冷房35℃/暖房7℃、設定 温度:冷房26℃/暖房25℃、風量自動、風向冷房/ 暖房標準。 安定時1時間 の消費電力量 「3D温度センサー」切 (冷房190Wh/暖房354Wh) 「3D温度センサー」入 (冷房138Wh/暖房244Wh) 27.4% / 31.1% ⑤送風とのハイブリッド を主とした機能の評価例 三菱重工 SRK40SW2 「快適自動運転」 温度・湿度センサーでお部屋の状 況をチェックしPMVや体感温度に合 わせて自動で送風に切り替える「快 適自動運転」。 試験室:洋室16畳、外気温:冷房35℃/暖房7℃、 風量自動。 安定時1時間の消費電力量 「通常運転時」 (冷房473Wh/暖房340Wh) 「快適自動運転時」 (冷房221Wh/暖房247Wh) 53.3% / 27.4% 三菱電機 MSZ-FZ6318S 「ハイブリッド運転」 ムーブアイmirA.I.(高精度赤外 線センサ)による体感温度に合わ せて冷房と送風の「ハイブリッド運 転」。 試験室:20畳、外気温:冷房30℃/暖房7℃、設定 体感温度:冷房28℃/暖房23℃。 安定時1時間 の消費電力量 「ハイブリッド冷房/暖房」切 (冷房227Wh/暖房451Wh) 「ハイブリッド冷房/暖房」入 (冷房26Wh/暖房386Wh) 88.5% / 14.4% ⑥自動掃除 を主とした機能の評価例 東芝 RAS-E406DRH 「自動お掃除」 エアコン内部の「自動お掃除」で省 エネ性能をキープ。 JRA4046-2004 に準拠した運転条件 1年間の期間 消費電力量の 算出値 「内部お掃除」なし (1,247kWh) 「内部お掃除」あり・1年2回フィルター 掃除(1,120kWh) 10.2%
1.1.2 現行区分ごとの分析 現行の目標基準および区分は、壁掛形、壁掛形以外、マルチタイプに大別され、それぞれ について、冷房能力の大きさに応じて区分されている。現行区分を表 1-3 に示す。壁掛形 は、室内機の寸法区分を設けない場合、寸法フリータイプの機種のみが市場に残され、住宅 設備との不調和が危惧されることを理由に、寸法規定と寸法フリーで区分を分けた省エネ 基準が設定された。寸法規定タイプ(区分 A,C)は、室内機の横幅寸法 800mm 以下かつ高 さ 295mm 以下の機種とされている。冷房能力 3.2kW 以下では寸法規定(区分 A)に対して 寸法フリー(区分 B)の目標基準値は 0.8point 高い APF が設定され、冷房能力 3.2kW 以下 では寸法規定(区分 C)に対して寸法フリー(区分 D)の目標基準値は 1.1point 高い APF が 設定されている。 表 1-3 現行区分と目標基準 冷房能力[kW] ~ 3.2 ~ 4.0 ~ 5.0 ~ 6.3 ~ 7.1 7.1 超 壁掛形 寸法規定 5.8(A) 4.9(C) 5.5(E) 5.0(F) 4.5(G) 寸法フリー 6.6(B) 6.0(D) 壁掛形以外 5.2(H) 4.8(I) 4.3(J) マルチタイプ 5.4(K) 5.4(L) 5.4(M) *寸法規定:室内機の横幅寸法 800mm 以下かつ高さ 295mm 以下の機種、寸法フリー:左記以外の機種 以下、各現行区分の分析として、冷房能力別出荷台数、APF の推移、APF の加重平均実 績、ラインナップ推移の分析を行った。 (1) 冷房能力別出荷台数 エアコンの出荷台数は、冷房能力 2.2kW クラスが最も多く、全体の 42.7%を占めている。 表 1-4 2017 年度の家庭用エアコンの出荷台数 区分 冷房能力[kW] 合計[台] 構成比[%] 区分A・ 区分B ~ 2.2 3,861,821 42.7 ~ 2.5 1,191,534 13.2 ~ 3.2 1,716,098 18.9 区分C・ 区分D ~ 3.6 ~ 4.0 391,912 912,598 10.1 4.3 区分E ~ 5.0 27,333 0.3 区分F ~ 5.6 599,369 6.6 ~ 6.3 165,772 1.8 区分G ~ 7.1 122,338 1.3 ~ 8.0 42,459 0.5 8.0 超 23,409 0.3 合計 9,054,643 100.0 出所)(一社)日本冷凍空調工業会
(2) APF の推移 APF の推移を図 1-2 に示す。省エネ性能カタログより把握した区分別の APF 最小値は、 基準年である 2010 年度以降、全区分において目標値(点線)を達成している。製品ライン ナップでの APF 単純平均値(黒点)は、区分 C、F、G について徐々に上昇している。 7.6 6.25 5.8 3 4 5 6 7 8 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 A P F 年度 冷房能力3.2kW以下、寸法規定(区分A) 2010 6.90 6.6 3 4 5 6 7 8 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 A P F 年度 冷房能力3.2kW以下、寸法フリー(区分B) 2010 7.7 5.80 4.9 3 4 5 6 7 8 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 A P F 年度 冷房能力4.0kW以下、寸法規定(区分C) 2010 7.8 6.5 7.09 6.0 3 4 5 6 7 8 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 A P F 年度 冷房能力4.0kW以下、寸法フリー(区分D) 2010
図 1-2 区分別の APF 平均・最大・最小の推移 出所)省エネ性能カタログより作成 5.5 3 4 5 6 7 8 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 A P F 年度 冷房能力5.0kW以下(区分E) 2010 7.0 5.69 5.0 3 4 5 6 7 8 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 A P F 年度 冷房能力6.3kW以下(区分F) 2010 6.4 5.42 4.5 3 4 5 6 7 8 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 A P F 年度 冷房能力6.4kW以上(区分G) 2010
(3) APF の加重平均実績 2017 年度における区分別の APF 実績を図 1-3 に示す。出荷台数の 7 割超を占める区分 A は APF の低い機種の出荷台数が多いため、出荷台数ベースの加重調和平均値がラインナッ プによる APF 調和平均値と比べて低い。また、各区分の目標値を 100%とした基準達成率に 換算すると図 1-4 のとおり、出荷台数ベースの加重調和平均値は区分 A が最も低い。標準 偏差を見ると、区分 C が最も大きく、製品ラインナップにおける APF のばらつきが大きい。 区分名 A B C D E F G 2017 年度 実績 APF 最高値 7.6 6.9 7.6 7.6 6.5 6.8 6.3 APF 最低値 5.7 6.4 4.5 6.5 4.20 5.0 4.5 APF 平均値 (ラインナップで 調和平均) 6.21 6.72 5.60 6.99 5.52 5.49 5.25 標準偏差 0.52 0.19 0.79 0.42 0.88 0.52 0.44 APF 平均値 (出荷台数で 加重調和平均) 5.89 6.89 5.40 7.28 5.96 5.56 5.34 目標値 5.8 6.6 4.9 6.0 5.5 5.0 4.5 図 1-3 2017 年度における区分別の APF 実績 出所)「特定エネルギー消費機器の省エネ技術導入状況等に関する調査」データより作成 区分名 A B C D E F G 2017 年度 実績 APF 最高値 131% 105% 155% 127% 118% 136% 140% APF 最低値 98% 97% 92% 108% 76% 100% 100% APF 平均値 (ラインナップで 調和平均) 107% 102% 114% 116% 100% 110% 117% 標準偏差 9% 3% 16% 7% 16% 10% 10% APF 平均値 (出荷台数で 加重調和平均) 102% 104% 110% 121% 108% 111% 119% 目標値 100% 100% 100% 100% 100% 100% 100% 図 1-4 2017 年度における区分別の APF 実績(基準達成率換算) 出所)「特定エネルギー消費機器の省エネ技術導入状況等に関する調査」データより作成 4 4.5 5 5.5 6 6.5 7 7.5 8 A B C D E F G A P F APF平均 (ラインナップで 調和平均) APF平均値 (出荷台数で 加重調和平均) 区分 60% 80% 100% 120% 140% 160% A B C D E F G 基準達成率 [% ] APF平均 (ラインナップで 調和平均) APF平均値 (出荷台数で 加重平均) 区分
(4) ラインナップ推移 寸法規定と寸法フリーのラインナップ推移を図 1-5 に示す。基準を設定した 2006 年度時 点では、寸法フリータイプ(区分 B,D)の商品ライナップのシェアは 8 割程度を占めていた が、2017 年度では 2.1%および 10%まで低下している。 図 1-5 寸法規定と寸法フリーのラインナップ推移 出所)省エネ性能カタログより作成 77 207 252 338 396 413 382 354 315 307 275 371 271 160 104 66 36 30 12 26 8 0 8 8 0% 20% 40% 60% 80% 100% 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 冷房能力3.2以下 区分A、寸法規定 区分B、寸法フリー 2010 34 99 139 192 234 244 228 209 180 185 190 199 160 116 82 60 27 15 4 8 0 4 19 22 0% 20% 40% 60% 80% 100% 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 冷房能力3.3以上4.0以下 区分C、寸法規定 区分D、寸法フリー 2010
1.1.3 経済性分析 エアコンの経済性分析として、効率別の市場価格の違いに基づく経済性分析を行った。 最も出荷台数の多い冷房定格 2.2kW 機について、市場価格を元に、普及機(現行基準値 の効率 5.8)から高効率機に買い替えた場合の投資回収年数を評価すると、図 1-6 のとおり である。エアコンの平均使用年数は 13.5 年(内閣府「消費動向調査」)との調査結果を鑑 みるに、高効率機は経済性を有する可能性があるものの、運転時間が JIS 想定より少ない世 帯においては難しいと考えられる。なお、本評価は買い替えに伴う工事費は考慮しておらず、 あくまで簡易的な評価である。 図 1-6 エアコンの市場価格 出所)価格.com、エアコンスペック検索において、壁掛けで冷暖房、売れ筋ランキング上位 600 件につい て、機種ごとの市場価格は複数店舗の販売価格から最も安い価格を抽出。2018/9/27 実施。図中点 線は使用年数を 10/15/20 年、電気代を 27 円/kWh、運転時間を JIS 想定とした際に、現行 TR 基準 値 5.8 の平均本体価格に対して投資回収できるライン。 4.3 5.1 7.2 8.2 9.8 11.4 9.7 8.0 11.5 9.7 11.8 11.7 13.1 0 5 10 15 20 25 30 5.6 5.8 6.0 6.2 6.4 6.6 6.8 7.0 7.2 7.4 7.6 本体価格 [万円 ] APF 冷房能力2.2kW 11 47 7 0 6 4 0 0 1 9 1 0 3 2 3 1 0 0 0 2 機種数 効率毎の本体価格平均 20年 15年 10年
1.1.4 市場ニーズ エアコンの市場ニーズに関する調査として、普及率と世帯あたりの保有台数、平均使用年 数および買替え理由を消費動向調査で確認した。 (1) 普及率と世帯あたりの保有台数 家庭用エアコンの普及率1は、足元では 90%強でほぼ横ばいである。また、エアコンを保 有している家庭の 1 世帯あたりの保有台数も、足元では 3 台強でほぼ横ばいである。なお、 総務省 住宅・土地統計調査では、平成 25 年度の 1 住宅当たりの居住室数は 4.59 室であり、 世帯当たりの保有台数よりも大きい。 表 1-5 普及率と世帯あたりの保有台数(二人以上世帯) 年月 普及率(%) 保有台数 (100 世帯当たり台数) 1 世帯当たり 保有台数 1991 年 3 月 68.1 126.5 1.86 1996 年 3 月 77.2 166.1 2.15 2001 年 3 月 86.2 217.4 2.52 2006 年 3 月 88.2 255.3 2.89 2011 年 3 月 89.2 259.9 2.91 2012 年 3 月 90.0 268.0 2.98 2013 年 3 月 90.5 264.3 2.92 2014 年 3 月 90.6 275.8 3.04 2015 年 3 月 91.2 274.7 3.01 2016 年 3 月 92.5 283.7 3.07 2017 年 3 月 91.1 281.7 3.09 2018 年 3 月 91.1 281.3 3.09 出所)内閣府「消費動向調査」 (2) 平均使用年数および買替え理由 エアコンの平均使用年数は13.5 年であり、買替え理由は故障が最も高く 70.2%である。 なお、他の調査例では、エアコンの平均使用年数は12.3 年である2。 表 1-6 平均使用年数および買替え理由(二人以上世帯) 年度 平均使用年数 (年) 故障 上位品目への買替理由(%) 更新 住居変更 その他 2010 11.8 56.1 14.6 14.6 14.6 2011 11.9 59.3 14.1 11.5 15.1 2012 11.6 64.6 15.9 9.1 10.4 2013 10.6 53.3 11.8 16.9 18.0 2014 10.7 58.4 12.0 15.3 14.4 2015 12.3 58.6 15.4 10.7 15.4 2016 13.6 65.2 10.7 7.6 16.6 2017 13.5 70.2 10.6 4.7 14.5 出所)内閣府「消費動向調査」
1.1.5 低負荷特性 建物の断熱性能の向上に伴い、実使用環境においては低負荷帯の運転時間が増えている と考えられる。そこで、低負荷特性に関する調査として、建物の断熱性能の向上に関する調 査、最小能力の調査、低負荷特性の評価方法の調査、低負荷特性の評価を実施した。 (1) 建物の断熱性能の向上 建築物の断熱性能の省エネ基準は、省エネ法(~平成 11 年基準)及び建築物省エネ法(平 成 25 年基準)において表 1-7 のとおり規定されている。平成 11 年基準までは W/㎡ K とし て、床面積あたりの熱損失量で規定されており、徐々に基準値が厳しくなってきている。平 成 25 年度からは指標が変更され Q 値から UA値(外皮平均熱貫流率)へ変化し、単純に比 較できないが断熱基準が高く設定されている。 表 1-7 省エネ法および建築物省エネ法の省エネ基準推移(6 地域(旧Ⅳb 地域 東京)) 基準年 昭和55 年基準 平成4 年基準 平成11 年基準 平成25 年基準 外皮性能 Q 値≦5.2W/㎡ K Q 値≦4.2W/㎡ K Q 値≦2.7W/㎡ K UA値≦0.87W/㎡ K 出所)平成 11 年基準以前:「エネルギーの使用の合理化等に関する法律」(省エネ法)、 平成 25 年基準:「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」(建築物省エネ法)より。 熱損失係数: Q 値[W/㎡ K]=(建物全体の熱損失量[W/K])÷(床面積[㎡]) 外皮平均熱貫流率: UA 値[W/㎡ K]=(建物全体の熱損失量[W/K])÷(外皮面積[㎡]) 住宅のストックは、図 1-7 のとおり調査が直近になるにつれて新しい住宅の比率が増加 しており、断熱性能が高い住宅の比率も増加していると考えられる。 図 1-7 住宅ストックの建築年別分布推移 出所)総務省「住宅・土地統計調査」より作成 建築研究所が作成した一次エネルギー消費量算定プログラム「エネルギー消費性能計算 プログラム(住宅版)」において定められている、標準住戸における主たる居室(LDK、18.1 畳)の、省エネ基準ごとの負荷想定を図 1-8 に示す。図では、熱負荷の大きさごとの年間負 荷量を集計して比率を示した。省エネ基準が新しいほど、年間総負荷が減少している点と、 低負荷帯(図中 0~2kW)の比率が増加している点が分かる。 28% 33% 37% 48% 24% 26% 31% 34% 16% 17% 20% 17% 31% 24% 12% 1% 0 10,000 20,000 30,000 40,000 50,000 H25調査(2013/9) H20調査(2008/9) H15調査(2003/9) H10調査(1998/9) 住宅数[千戸] -S54 S55-H3 H4-H10 H11-H24 H25-建築年
図 1-8 建築物省エネ基準ごとの空調負荷想定 出所)建築研究所、「平成 28 年省エネルギー基準に準拠したエネルギー消費性能の評価に関する技術情 報(住宅)」より作成。JIS 想定は、想定床面積 18.1 畳と省エネ性能カタログ記載の畳数目安より 冷房定格 5.6kW を想定。JIS C 9612:2013 附属書 C の一般住宅での消費電力算出に用いる補正係数 として 0.75 を用いた。 次に、年間の時間ごとの空調負荷を高い順に並べた曲線(デュレーションカーブ)を図 1-9 に示す。省エネ基準が新しくなるにつれて、冷房については空調負荷が発生する時間は 増加している。暖房については空調負荷が発生する時間は減少し、最大負荷は減少している ことが分かる。 図 1-9 建築物省エネ基準ごとの空調負荷のデュレーションカーブ 出所)建築研究所、「平成 28 年省エネルギー基準に準拠したエネルギー消費性能の評価に関する技術情 報(住宅)」より作成。 以上のとおり、建物の断熱性能の向上とともに、低負荷領域での運転時間が増加している ため、低負荷領域における効率を評価することの重要性が増していると考えられる。 57% 48% 29% 15% 13% 16% 25% 45% 49% 63% 27% 27% 26% 36% 25% 0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 H11基準超 H11基準 H4基準 S55基準 JIS想定 年間暖房負荷[kWh] 0~2kW ~4kW ~4kW 4kW超 50% 46% 42% 41% 36% 41% 42% 45% 46% 80% 9% 12% 13% 14% 24% 0 1000 2000 3000 H11基準超 H11基準 H4基準 S55基準 JIS想定 年間冷房負荷[kWh] 0~2kW ~4kW 4kW超 0 1 2 3 4 5 6 7 0 500 1000 1500 2000 2500 冷房負荷 [k W] 時間[hour] 冷房負荷 H11基準超 H11基準 H4基準 S55基準 0 2 4 6 8 10 12 14 0 500 1000 1500 2000 2500 暖房負荷 [k W] 時間[hour] 暖房負荷 H11基準超 H11基準 H4基準 S55基準
(2) 最小運転能力 エアコンブランド 10 社3の 2018 年度カタログに記載された機器 604 機について、最小運 転能力と冷房最小運転時と冷房中間運転時の COP(=冷房能力÷冷房消費電力)の集計結 果を図 1-10 に示す。冷房最小能力は区分および冷房能力の大小によらず平均値が 0.6kW 程 度と変わらないため、負荷率で見ると大きい区分ほど冷房最小能力は小さい。冷房最小運転 時の COP4は、区分および冷房能力の大小によらず、平均値は 4.5~5.1 と近い値である。冷房 中間運転時の COP は、区分 A・B が平均値 6.50 に対して区分 G が平均値 5.59 と、区分が 大きいほど小さい。 冷房最小 能力[kW] A・B C・D F G 冷房最小 能力[%] A・B C・D F G 最大値 1.0 1.1 1.0 0.9 最大値 40.9% 27.8% 17.9% 12.7% 最小値 0.2 0.2 0.2 0.3 最小値 7.1% 5.0% 3.6% 3.8% 平均値 0.63 0.64 0.62 0.62 平均値 25.4% 16.6% 10.7% 8.2% 標準偏差 0.20 0.20 0.15 0.14 標準偏差 8.2% 5.3% 2.7% 2.0% 冷房最小
COP A・B C・D F G 冷房中間 COP A・B C・D F G
最大値 7.00 7.00 6.92 6.92 最大値 8.79 8.88 8.28 8.48 最小値 1.28 1.43 2.56 3.16 最小値 5.40 4.80 4.92 4.49 平均値 4.47 4.67 5.13 4.92 平均値 6.50 6.10 5.95 5.59 標準偏差 1.31 1.33 1.06 0.94 標準偏差 0.75 1.08 0.79 0.77 図 1-10 冷房最小能力と冷房最小 COP と冷房中間 COP の分布 出所)2018 年度各社カタログより作成
冷房最小 COP と APF(以下、現行の APF と最小能力を加味した APF を区別するため、
3 コロナ,シャープ,ダイキン,長府,東芝,パナソニック,日立,富士通ゼネラル,三菱重工,三菱電機 4 本評価は、冷房最小能力と冷房最小消費電力は同一運転時のデータであると仮定し分析を行った。 0% 10% 20% 30% 40% 50% 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1 1.1 1.2 機種数 比率 [% ] 冷房最小能力[kW] 区分A・B 区分C・D 区分F 区分G 0% 20% 40% 60% 80% 100% ~5% ~10% ~15% ~20% ~25% ~30% ~35% ~40% ~45% ~50% 機種数 比率 [% ] 冷房最小能力[%] 区分A・B 区分C・D 区分F 区分G *定格を100%とした負荷率 冷房最小能力[kW]・区分ごとの機種数比率 冷房最小能力[%]・区分ごとの機種数比率 0% 10% 20% 30% 40% 50% ~1 ~1.5 ~2 ~2.5 ~3 ~3.5 ~4 ~4.5 ~5 ~5.5 ~6 ~6.5 ~7 ~7.5 機種数比率 [% ] 冷房最小COP 区分A・B 区分C・D 区分F 区分G 0% 10% 20% 30% 40% 50% ~ 4. 2 5 ~ 4. 5 ~ 4. 7 5 ~5 ~ 5. 2 5 ~ 5. 5 ~ 5. 7 5 ~6 ~ 6. 2 5 ~ 6. 5 ~ 6. 7 5 ~7 ~ 7. 2 5 ~ 7. 5 ~ 7. 7 5 ~8 ~ 8. 2 5 ~ 8. 5 ~ 8. 7 5 ~9 機種数比率 [% ] 冷房中間COP 区分A・B 区分C・D 区分F 区分G 冷房最小運転のCOP・区分ごとの機種数 冷房中間運転のCOP・区分ごとの機種数
現行の APF 値を「APF カタログ値」と記載)を区分別に相関分析すると、各区分とも相関 係数が 0.4 未満と相関がない結果であった。
図 1-11 冷房最小 COP と APF カタログ値の分布
出所)2018 年度各社カタログより作成
(3) 低負荷特性の評価方法
エアコンの性能は、JIS C 9612 で規定される APF を用いて表示される。JIS C 9612 は、 2005 年改正において、定格点の効率である COP から、通年のエネルギー消費効率である APF による評価へと変更され、また 2013 年改正において APF 算定精度向上のための見直 し(外気温度発生分布の更新、想定冷房空調負荷 100%の外気温度の更新、負荷基準値の追 加、中間能力以下の計算における断続運転の考慮など)が行われている。APF の計算方法は JIS C 9612(2013)附属書 B において、冷房定格、冷房中間、暖房定格、暖房中間、暖房低 温の 5 点の測定値を用いて規定されている。5 点の定義を表 1-8 に示す。ここで、5 点以外 は必須試験ではなく、例えば最小能力運転は、測定の不確かさを満足できないため試験は行 わないと規定されている。
現行の JIS では最小能力を加味しないで APF 計算を行う一方、JIS C 9612(2005)をベース に国際規格化した ISO 16358 では、最小能力を加味した APF 計算が規定されている。なお、 業務用エアコンの規格である JIS B 8612 では、ISO 16358 と同様、最小能力を加味した APF 計算が規定されている。APF 計算のイメージを図 1-12 に示す。 13 3 2 14 38 48 6 8 6 1 7 4 3 3 4 5 8 17 9 11 9 4 3 2 4 2 3.5 4.0 4.5 5.0 5.5 6.0 6.5 7.0 7.5 8.0 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 8.0 A P Fカ タロ グ値 冷房最小COP 区分A・B(-3.2kW) 6 6 11 9 13 3 8 2 2 7 9 8 2 1 1 1 4 2 1 1 3 4 1 2 9 1 2 3 2 3 4 2 1 13 1 2 1 1 3.5 4.0 4.5 5.0 5.5 6.0 6.5 7.0 7.5 8.0 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 8.0 A P Fカ タロ グ値 冷房最小COP 区分C・D(3.3-4.0kW) 5 3 5 6 9 9 2 1 1 1 13 7 1 2 4 2 2 4 1 2 5 3 2 3 3 4 25 3 3 4 3 1 1 3.5 4.0 4.5 5.0 5.5 6.0 6.5 7.0 7.5 8.0 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 8.0 A P Fカ タロ グ値 冷房最小COP 区分F(5.1-6.3kW) 2 1 8 1 6 8 3 2 2 3 4 3 1 3 10 10 1 3 1 3 2 1 3.5 4.0 4.5 5.0 5.5 6.0 6.5 7.0 7.5 8.0 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 8.0 A P Fカ タロ グ値 冷房最小COP 区分G(6.4-9.0kW) 相関係数 0.27 相関係数 0.08 相関係数 0.39 相関係数 -0.21 数値は機種数
表 1-8 APF 計算に用いる測定項目 項目 外気 温 室内 温度 出力 家庭用 業務用 JIS C 9612 (2013) ISO 16358 【参考】JIS B 8616 (2015) 冷房最小 35℃ 27℃ 最小 ○ ○ 冷房中間 35℃ 27℃ 中間 ● ● ● 冷房定格 35℃ 27℃ 定格 ● ● ● 冷房低温中間 29℃ 27℃ 中間 ○ ○ 暖房最小 7℃ 20℃ 最小 ○ ○ 暖房中間 7℃ 20℃ 中間 ● ● ● 暖房定格 7℃ 20℃ 定格 ● ● ● 暖房低温最大 2℃ 20℃ 最大 ● ● ● ● 必須試験/ ○ 任意試験(省略可能) 出所)JIS C 9612(2013 年)、ISO 16358、JIS B 8616(2015)より作成
図 1-12 APF 計算のイメージ そこで、カタログ記載データを元に、以下手順で低負荷特性を加味した APF を評価する。 1. カタログでは冷房中間・暖房中間の消費電力量が記載されていないため、その値を推 計。 なお、算出した中間値を元に検算し、期間消費電力量(暖房・冷房)および APF に ついて、カタログ値と推計値との相対誤差が 0.1%未満であることを確認した。 2. ISO16358 の APF 定義をベースに、最小出力を加味した APF 計算を行い、最小出力
を加味した場合の APF 推計値と APF カタログ値を比較。
ここで、ISO の APF 計算を JIS C 9612(2013)と合わせるため、以下の項目について JIS C 9612(2013)に合わせて推計を行った。 冷房空調負荷 0%の外気温度𝑡0=23℃ 暖房空調負荷 100%の空調負荷Φful(𝑡100)=0.82×(Φful,t100×1.25) Φful,t100:定格冷房能力(表示値) 効率低下 23℃ 29℃ 35℃ CD= 0.25 定格運転能力 連続能力 可変領域 断続運転 領域 中間運転能力 実性能 23℃ 29℃ 35℃ 定格運転能力 中間運転能力 実性能 最小運転能力 連続能力 可変領域 中間以下 運転領域 断続運転 領域
(4) 低負荷特性の評価結果
出荷台数が最も多い冷房能力 3.2kW 以下(区分 A・B)をメインに、2018 年度カタログに 記載された機器 604 機を検証データとして評価を実施した。
区分 A・B の APF 推計値(最小加味)と APF カタログ値の差分値は、図 1-13、図 1-14 の とおり機器によって-1.5~0.5 程度の幅がある。
図 1-13 区分 A・B の APF 推計値(最小加味)と APF カタログ値の差分値
図 1-14 区分 A・B の APF 推計値(最小加味)と APF カタログ値
-2 -1 0 1 2 3 4 5 6 0 1 2 3 4 5 6 7 8 2.2kW 2.5kW 2.8kW A PF 推計値 (最小加味 ) ー A PF カ タ ロ グ 値 A PF 区分A・B 差 APF推計値(最小加味) APFカタログ値 低負荷運転を加味すると APFが低下する機種 低負荷運転を加味すると APFが向上する機種 4 4.5 5 5.5 6 6.5 7 7.5 8 4 4.5 5 5.5 6 6.5 7 7.5 8 A P F推計値 (最小加味 ) APFカタログ値 区分A・B 2.2kW 2.5kW 2.8kW +1 ±0 -1 +0.5 -0.5 -1.5 低負荷運転を加味すると APFが向上する機種 低負荷運転を加味すると APFが低下する機種
APF 推計値(最小加味)と APF カタログ値の差分値は、図 1-15 のとおり区分ごとに分布が 異なる。冷房能力が大きいほど分散が小さい。これは、冷房最小 COP の違いが要因と考え られる。冷房最小 COP の標準偏差は図 1-10 のとおり区分 A・B に比べて冷房能力が大きい 区分 G は小さい。一方、冷房中間 COP の標準偏差は区分 A・B と区分 G で近い値である。 ISO 16358 では冷房中間能力と冷房最小能力の間は COP を線形補完で想定されるため、区 分 A・B と区分 G を比べると、冷房最小 COP の標準偏差がより小さい区分 G は、機種間の ばらつきが小さいため分散が小さくなる。 図 1-15 APF 推計値(最小加味)と APF カタログ値の差分値の分布 冷房最小 COP と APF 推計値(最小加味)を相関分析すると、図 1-16 のとおり冷房能力 4.0kW 以下の区分 A・B、区分 C・D の相関係数が 0.6 以上と相関が強い結果であった。こ の要因を分析するため、最も売れ筋の冷房定格 2.2kW 機について相関分析すると、図 1-17 のとおり、APF 推計値(最小加味)との相関係数が 0.7 以上と相関の強い変数は APF カタログ 値・冷房最小・中間・定格 COP である。一方、APF カタログ値と相関の強い変数は冷房中 間・定格 COP であり、冷房最小 COP との相関は強くない。また、冷房最小能力は冷房最小 COP と強い相関があるものである。このように、APF 推計値(最小加味)では、現行 JIS で考 慮していない冷房最小能力・冷房最小 COP に影響される変数と考えられる。 以上のとおり、APF カタログ値が同一の機種においても、最小能力を加味した APF 推計 値で見ると機種によってばらつきが存在する結果であった。 0 10 20 30 40 50 -2 -1.5 -1 -0.5 0 0.5 1 1.5 2 機種数 APF推計値(最小加味) ー APFカタログ値 区分A・B(-3.2kW) 平均-0.372 0 10 20 30 40 -2 -1.5 -1 -0.5 0 0.5 1 1.5 2 機種数 APF推計値(最小加味) ー APFカタログ値 区分C・D(3.3-4.0kW) 平均-0.104 0 10 20 30 40 -2 -1.5 -1 -0.5 0 0.5 1 1.5 2 機種数 APF推計値(最小加味) ー APFカタログ値 区分F(5.1-6.3kW) 平均0.016 0 5 10 15 20 -2 -1.5 -1 -0.5 0 0.5 1 1.5 2 機種数 APF推計値(最小加味) ー APFカタログ値 区分G(6.4-9.0kW) 平均0.047 0未満の平均 -0.317 0未満の平均 -0.442 0未満の平均-0.204 0未満の平均 -0.137
図 1-16 冷房最小 COP と APF 推計値(最小加味)の分布 図 1-17 冷房定格 2.2kW 機の分析結果(散布図行列と相関係数) 17 3 2 2 12 14 17 5 12 24 33 6 4 5 5 6 16 3 10 1 1 2 3 8 10 9 4 3.5 4.0 4.5 5.0 5.5 6.0 6.5 7.0 7.5 8.0 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 8.0 A P F推計値 (最小加味 ) 冷房最小COP 区分A・B(-3.2kW) 8 8 18 2 4 1 16 17 3 8 1 3 2 1 5 3 4 4 2 2 2 2 3 2 4 4 9 13 1 3.5 4.0 4.5 5.0 5.5 6.0 6.5 7.0 7.5 8.0 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 8.0 A P F推計値 (最小加味 ) 冷房最小COP 区分C・D(3.3-4.0kW) 5 4 5 1 2 2 1 19 14 10 3 1 4 6 4 4 1 5 2 3 4 4 26 2 4 2 1 1 3.5 4.0 4.5 5.0 5.5 6.0 6.5 7.0 7.5 8.0 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 8.0 A P F推計値 (最小加味 ) 冷房最小COP 区分F(5.1-6.3kW) 2 2 4 12 2 2 4 4 4 1 3 4 11 12 3 2 1 1 3 1 3.5 4.0 4.5 5.0 5.5 6.0 6.5 7.0 7.5 8.0 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 8.0 A P F推計値 (最小加味 ) 冷房最小COP 区分G(6.4-9.0kW) 相関係数 0.80 相関係数 0.44 相関係数 0.70 相関係数 0.14
APF推計値(最小加味) APFカタログ値 冷房最小能力[kW] 冷房最小COP 冷房中間COP 冷房定格COP
相関係数の絶対値: 0.2~0.4 弱い相関 0.4~0.7 相関あり 0.7~1.0 強い相関 0.755 -0.214 -0.086 0.232 0.313 0.240 0.748 0.771 0.751 -0.226 0.224 0.966 0.878 冷房定格C O P A P F 推計値 A P F カ タ ロ グ 値 冷房最小能力 冷房最小C O P 冷房中間C O P 0.845 0.779 5.0 6.0 7.0 8.0 9.0 5.5 6 6.5 7 7.5 8 3.0 4.0 5.0 6.0 5.5 6 6.5 7 7.5 8 0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 5.5 6 6.5 7 7.5 8 0.0 0.5 1.0 5.5 6 6.5 7 7.5 8 5.5 6.0 6.5 7.0 7.5 8.0 5.5 6 6.5 7 7.5 8 5.0 6.0 7.0 8.0 9.0 4.5 5.5 6.5 7.5 3.0 4.0 5.0 6.0 4.5 5.5 6.5 7.5 0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 4.5 5.5 6.5 7.5 0.0 0.5 1.0 4.5 5.5 6.5 7.5 5.5 6.0 6.5 7.0 7.5 8.0 4.5 5.5 6.5 7.5 4.5 5.5 6.5 7.5 4.5 5 5.5 6 6.5 7 7.5 5.0 6.0 7.0 8.0 9.0 0 1 2 3 4 5 6 7 8 5.0 6.0 7.0 8.0 9.0 0 0.5 1 3.0 4.0 5.0 6.0 3 4 5 6 3.0 4.0 5.0 6.0 5 6 7 8 9 3.0 4.0 5.0 6.0 0 1 2 3 4 5 6 7 8 3.0 4.0 5.0 6.0 0 0.5 1 0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 0 1 2 3 4 5 6 7 8 0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 0 0.5 1 0.0 0.5 1.0 0 0.5 1 5.0 6.0 7.0 8.0 9.0 5 6 7 8 9
1.1.6 小売表示 エアコンの小売表示に関する分析として、畳数目安の分析、年間電気料金の分析を行った。 (1) 畳数目安の分析 現行の JIS 規格では、エアコンの性能を測定する条件である負荷基準値が旧基準と新基準 の両者が記載されており、選択することができる。どちらの基準も空気調和・衛生工学会の 学会規格であり、旧基準は 1965 年に発行され、新基準は 2000 年以前の気象条件および住宅 性能を元に 2009 年に発行されたものである。両者の想定する世帯は表 1-9 のとおり、新基 準では窓の方向の他、窓の大きさや外皮断熱に応じた負荷想定が規定される。 表 1-9 負荷基準の想定世帯 規格*1 家 部屋 窓方向 他1 他2 他3 HASS 109-1965 (旧基準) 集合 最上階,中間階 南 戸建 ― 西,南,北 和室,洋室 SHASE-S 112-2009 (新基準) 集合 最上階,中間階 東,西,南,北 バルコニー (有無)*2 窓 (大小) 外皮断熱 (高中低) 戸建 屋根*3,部屋*3 東,西,南,北 窓 (大小) 外皮断熱 (高中低) ※下線部は小売事業者表示制度の畳数目安で想定する世帯 *1 両規格とも、空気調和・衛生工学会規格。 *2 バルコニーの有無は、冷房のみの細分化項目。 *3 対象室の上が屋根の場合を「屋根」、部屋の場合を「部屋」と分類。 両者の基準値を比較すると図 1-18 のとおり、窓の大きさや断熱性などの選択肢が増えた ため旧基準よりも新基準の方が負荷の大きさにばらつきがある。戸建て南向きで部屋の天 井が屋根(最上階)の条件で比較すると、外皮断熱が低く窓面積が大きい条件における暖房 負荷を除いて、旧基準より新基準の方が冷房・暖房とも負荷が小さい。 図 1-18 空調負荷基準の比較 小売事業者表示制度では、年間の目安電気料金等を算出する際の前提として、エアコンの 設備能力を選定する際の目安となる、空調負荷を供給できる畳数(部屋の広さ)が示されて 0 50 100 150 200 250 300 350 南 南 西 南 北 西 南 北 最上階 中間階 屋根 部屋 集合 戸建 冷房 最大負荷 [W /m 2 ] 新基準 旧基準 外皮断熱-高, 窓-小,106 外皮断熱-低, 窓-大,218 和室,220 洋室,190 0 50 100 150 200 250 300 350 南 南 西 南 北 西 南 北 最上階 中間階 屋根 部屋 集合 戸建 暖房 最大負荷 [W /m 2 ] 新基準 旧基準 外皮断熱-高, 窓-小,153 外皮断熱-低, 窓-大,298 和室,275 洋室,265
いる。この畳数目安の参考となった、畳数目安に関する規格である日本電機工業会規格 (JEM1447)は 1989 年に制定され、負荷基準値として 1965 年に発行された空気調和・衛生 工学会規格(HASS 109-1965)を元に算出されたものである。そのため、畳数目安に基づい たエアコン能力選定を行い、住宅の断熱性能によっては設備能力が過大な機器が選ばれて いる可能性がある。 図 1-19 畳数目安の比較 (2) 年間電気料金の分析 現行の JIS 規格では、1 日 18 時間(6 時から 24 時)の使用時間を元に、冷房 1569 時間、 暖房 2707 時間、合計 4276 時間の使用を想定した年間消費電力量を算出している。しかし、 エアコンの使用実態調査では、図 1-20 のとおり、①JIS の想定する時間よりも短く、②地域 差が大きいことが分かる。 図 1-20 地域別のエアコン使用時間 出所)(国研)産業技術総合研究所、「使用実態を考慮したエアコンの LCCP」、2010 ①JIS の想定する時間と実使用時間の乖離について、このような生活使用実態を考慮した 目安の消費電力量を求めるため、JIS C 9612:2013 の附属書 C には、年間消費電力量に補正 係数を乗じることで一般住宅での消費電力量を簡易的に算出する方法を示している。JIS 本 0 10 20 30 40 50 畳数 [畳 ] 冷房能力[kW] 表示制度 畳数(畳) JEM1447 冷房 鉄筋 JEM1447 冷房 木造平屋 JEM1447 暖房_空冷式 鉄筋 JEM1447 暖房_空冷式 木造平屋
は 0.4、などと記載されている。 また、②地域差について、現行 JIS においても、解説にて使用する地域による期間消費電 力量の目安を算出するための地域別の補正係数を表 1-10 のとおり記載している。なお、表 1-10 で寒冷地におけるエアコンの暖房能力が不足する場合は、エアコン以外の補助暖房(電 熱ヒーター)の消費電力を加算しており、それにより寒冷地において図 1-20 との差の一因 と考えられる。 表 1-10 使用する地域による期間消費電力量の目安を算出するための補正係数 地域補正係数 東京 札幌 盛岡 秋田 仙台 新潟 前橋 松本 富山 静岡 名古 屋 大 阪 米子 広島 高松 高知 福岡 熊本 鹿 児 島 那 覇 冷房 1.0 0.1 0.2 0.5 0.3 0.6 1.0 0.5 0.7 0.9 1.1 1.4 0.8 1.2 1.2 1.2 1.1 1.3 1.4 2.0 暖房 1.0 4.4 3.3 2.7 2.1 1.9 1.5 2.8 1.8 0.9 1.2 1.0 1.5 1.1 1.1 0.9 0.9 1.0 0.6 - 通年 1.0 3.1 2.4 2.0 1.6 1.5 1.3 2.1 1.4 0.9 1.2 1.1 1.3 1.1 1.1 1.0 1.0 1.1 0.9 0.6 以上のとおり、現在の小売事業者表示制度では、エアコンの年間電気料金の目安として、 JIS 想定と同様に 1 日 18 時間(6 時から 24 時)の使用時間を元に算出された料金が規定さ れている。このため、使用実態によっては現状と乖離した表示を使用している可能性がある。
1.2 次期トップランナー基準策定に向けた支援等 1.2.1 実施概要 判断基準ワーキンググループにおいて審議を行うため、以下の項目について、論点整理お よび資料作成を行った。 ⚫ 現状 ⚫ 対象範囲 ⚫ エネルギー消費効率及びその測定方法 ⚫ 目標年度 ⚫ 区分 ⚫ 目標基準値 ⚫ 表示事項等 各項目に関する主な実施内容を以下に示す。 (1) 実施内容 エアコンの審議会資料の作成支援は、区分・目標基準値等を中心に進めた。主な実施内容 は表 1-11 のとおりである。 表 1-11 エアコンの審議会資料作成に係る実施内容 検討項目 実施内容 対象範囲 ・ 2017 年度アンケートの出荷データ等から各区分の出荷台数を整理。 ・ ウインド形および冷房専用が主に設置される UR 住宅について整理。 測定方法 ・ エアコンの測定規格 JIS C 9612 および ISO16358 の確認。 ・ 低負荷特性の評価。 目標年度 ・ 未実施。 区分 ・ 区分ごとの出荷台数や効率分布について整理。 目標基準値 ・ 主に区分 A について、現状の出荷台数分布を元に整理。 表示事項等 ・ 未実施。 (2) 今後の論点 エアコンの審議会資料作成に係る今後の論点については表 1-12 のとおりである。 表 1-12 エアコンに係る今後の論点 項目 今後の論点
測定方法 ・ 現時点で重大な論点なし。 目標年度 ・ 検討未実施。 区分 ・ 寒冷地の扱いをどうするか。 ・ (冷媒量の扱いをどうするか。) 目標基準値 ・ トップ値設定から除外する特殊品をどうするか。 ・ トップ値からのさらなる改善見込みをどうするか。 表示事項等 ・ 検討未実施。
2. ヒートポンプ給湯機
ヒートポンプ給湯機の業界団体との打ち合わせ、製造事業者へのヒアリング等を通じて 省エネ技術開発の動向、エネルギー消費効率の測定方法の現状について調査を行い、基準改 定に向けた審議を行うための論点整理、資料作成を行った。 2.1 特定エネルギー消費機器の最新状況の整理 2.1.1 省エネ大賞受賞製品の採用技術 メーカー各社が上市しているヒートポンプ給湯機のうち、省エネ大賞受賞製品に採用さ れた技術は、表 2-1 のとおりである。貯湯ユニットの断熱性、ヒートポンプユニットの効率 など各要素技術の改善、HEMS 等センシング情報との連動等の省エネ技術の適用の他に、ガ スとのハイブリッド給湯器、太陽熱利用給湯機が挙げられる。 表 2-1 ヒートポンプ給湯機の省エネ大賞受賞製品に採用されている技術 年度 社名(製品) 技術 2017 (家庭用ハイブリッドノーリツ 給湯・暖房システム) エコジョーズの利便性とヒートポンプの省エネ性を併せ持つ 学習制御の高性能化による予測で自動運転 新凝縮器開発や冷凍サイクル制御最適化で、最も高性能な給湯器 2016 コロナ・デンソー (自然冷媒CO2ヒー トポンプ給湯機「コロ ナプレミアムエコキュ ート」) ヒートポンプユニットの改良、貯湯ユニットの改良、待機電力の 削減など、独自の省エネ技術を積み重ねることで省エネ性能業界 No.1 となる 4.0 を達成 様々な電気料金メニューに対応できる機能、リモコンによる各種 アドバイス機能、ユーザーの節約意識を行動に移せる機能を搭載 2016 リンナイ (家庭用ハイブリッド 給湯・暖房システム 「エコワン」) R32 冷媒を搭載したヒートポンプ性能向上やシステム効率向上 床暖房対応、蓄電池自立運転、太陽光発電電力活用モード、HEMS 連携用の無線 LAN 搭載など、利便性を高め、災害時対応を実現 柔軟なレイアウトができるコンパクト性も具備 2014 エナテックス (太陽熱利用給湯シス テム「ツインパワー給 湯器」) 太陽集熱器と CO2 冷媒ヒートポンプ給湯機を組み合わせたハイブ リッド給湯システム。太陽熱で優先的にお湯生成、不足分の沸き あげにエコキュートを使用し、年間給湯効率 8.6 成層貯湯方式により、貯湯タンクの上部に高温の湯を確保し、ヒ ートポンプの高効率維持 2014 東芝キヤリア (家庭用エコキュート 「ESTIA プレミアムモ デル」) 新コンプレッサ、新インバータ、新熱交換器の開発によるヒート ポンプユニットの効率の向上 新断熱方式による給湯ユニットの保温性能の向上を実現 ECHONET Lite 搭載の HEMS への接続が可能、使用電力量などを見える化 天気予報に応じた太陽光発電の有効活用で、節電・ピーク抑制 2014 (家庭用ハイブリッドノーリツ 給湯・暖房システム) エコジョーズの利便性とヒートポンプの省エネ性を併せ持つ 給湯利用に対する学習制御によって効率向上 低圧作動で再加熱性能の良い R290 を業界初採用、GWP 大幅低減 瞬時の加熱能力がある R290 ガスにより、余分な貯湯量が不要で小 型化に貢献 2014 日立アプライアン ス(新断熱構造採用 「日立エコキュートP シリーズ」) 貯湯タンクの周囲を、業界初のウレタン発泡充てん断熱技術によ り断熱性能を約 2 倍向上 真空断熱材を組み合わせた貯湯ユニットと高効率ヒートポンプユ ニットにより、業界トップ効率 貯湯ユニットのウレタン充てんにより剛性が向上し、耐震強度が 向上(耐震クラス S に対応) 出所)一般財団法人 省エネルギーセンター「省エネ大賞受賞内容」より作成
2.1.2 現行区分ごとの分析
ヒートポンプ給湯機の 2017 年度報告徴収を元にした各現行区分の分析として、出荷台数 に関する分析、区分要素や導入技術に関する分析を行った。