4. 照明器具
4.2 次期トップランナー基準策定に向けた支援等
5. 電子計算機
5.1 次期トップランナー基準策定に向けた支援等
5.1.1 実施概要
電子計算機については、判断基準ワーキンググループの第1回が2018年11月26日、第 2回が2018年12月25日に開催されている。第1回では電子計算機の現状・測定方法・対 象範囲、第2回では目標年度・区分・目標基準値・表示事項に関する審議が行われた。
判断基準ワーキンググループにおいて審議を行うため、以下の項目について、論点整理お よび資料作成を行った。
⚫ 現状
⚫ 対象範囲
⚫ エネルギー消費効率及びその測定方法
⚫ 目標年度
⚫ 区分
⚫ 目標基準値
⚫ 表示事項等
各項目に関する主な実施内容を以下に示す。
(1) サーバ型電子計算機
1) 実施内容
本事業では、判断基準ワーキンググループの開催に向けて、主に対象範囲や目標基準値に ついて、資源エネルギー庁や電子情報技術産業協会と議論を行った。関係者で実施した主な 内容は表 5-1のとおりである。
表 5-1 サーバ型電子計算機の審議会資料作成に係る関係者での実施内容
検討項目 実施内容
対象範囲 · 原則1②「SERTサポート外のCPUを搭載したもの」は、技術的な測 定方法、評価方法が確立されていないため、適用除外とする方向でこ れまで検討がされていた。本年度の議論では、SERT サポート外の機 種として、具体的なCPU種(x86、SPARC、Power以外)を明示的に 指定することにした。
· 昨年度事業において今後の論点として挙げられていた、ハイパフォー マンス・コンピューティングシステムの性能規定による定義を検討し
検討項目 実施内容
一般的にハイパフォーマンス・コンピューティングシステムはCPUを 8個以上搭載することが多く、CPUソケット数5個以上を測定対象外 としているServer Efficiency Rating Tool (SERT)プログラムでは測定す ることができないため、適用除外となる。したがって、ハイパフォー マンス・コンピューティングシステムに限定した適用除外は設けない こととした。
測定方法 · 特になし。
目標年度 · 当初はクライアント型電子計算機と同一の目標年度を設定する予定 であったが、サーバ型電子計算機とクライアント型電子計算機では評 価指標が異なり、エネルギー消費効率の改善に貢献する技術開発が異 なるため、それぞれで設定することとした。
区分 · 特になし。
目標基準値 · エネルギー消費効率の改善率の設定を合理的に説明するため、改善率 の見直しを行った。新しい測定方法(SERT)での測定値は基準年度
(2015年度)におけるトップランナー値策定のための測定値しか存在 しないため、CPU世代別に現行指標のエネルギー消費効率を整理し、
1世代前からのエネルギー消費効率の改善率をCPU世代別に分布図と して作成した。この分布図から設定した近似曲線より、現行世代より 1世代後のCPU世代における改善率を予測した。
表示事項等 · エネルギー消費効率の表記方法、桁数について議論を行った。
· 表示の切り替えの猶予期間を設定することとした。
(2) クライアント型電子計算機
1) 実施内容
本事業では、審議会の開催に向けて、対象範囲、区分、目標基準値、目標年度について主 に議論を行った。審議会資料の全般を対象に、審議会資料の作成支援を行った。本事業での 主な実施内容は表 5-2のとおりである。
表 5-2 クライアント型電子計算機の審議会資料作成に係る実施内容
検討項目 実施内容
対象範囲 · 分離型デスクトップコンピュータは、拡張性に応じて用途や消費電力 量が変わるため、拡張性の代理指標である筐体容量を用いて区分を設 定することとした。
· 内蔵電池の補助なしには駆動しないノートブックコンピュータの適 用除外を改めて整理した(物理的キーボードの要件は削除し、「専ら 内蔵された電池を用いて、電力線から電力供給を受けることなしに使 用されるもの」へと変更)。
検討項目 実施内容
· 昨年度までの議論では、市場に占める割合が小さいため、トップラン ナー制度の原則 1③に基づき適用除外とされていた製品について再度 検討を行い、適用除外の見直しを行った。
➢ 「外形体積が0.2L未満のもの」及び「画面サイズの対角線長9イ ンチ未満のもの」は適用除外とせず、TEC(年間消費電力量)ベ ース値のトップ値選定から除外とした。
➢ 画面サイズ 17.4 インチ以上のノートブックコンピュータは適用 除外とせず、画面面積に係るTEC補正値を適用した。
➢ 分離型デスクトップコンピュータの筐体容量35L以上は適用除外 とせず、新たに区分を設けて目標基準値を設定した。
➢ 独立型Graphics Processing Unit(GPU)を搭載しGPU切替機能を
有さないノートブックコンピュータ」は適用除外とせず、グラフ ィックのTEC補正値を適用した。
測定方法 · 特になし。
目標年度 · 直近のCPU世代別のTECベース値は低減していないため、エネルギ ー消費効率の改善のためには、CPUの効果だけでなく、CPU以外の構 成要素のエネルギー消費効率の改善が必要である。これらを鑑みる と、開発計画、ユニット開発、商品開発には施行から3年程度の期間 が必要となるため、目標年度を2022年度とした。
区分 · ノートブックコンピュータに加えて、一体形デスクトップコンピュー タについてもCPU性能(Pスコア)に応じて区分を設定することとし た。
· 分離型デスクトップコンピュータは、筐体容量35L以上の区分を新た に設定した。
目標基準値 · 各機能に係るTEC補正値は、統一的な考え方に基づき再度検討を行っ た。
· 画面サイズと画面解像度の TEC 補正値は重回帰分析より設定するよ うに変更した。
· 80 PLUSのGOLD電源を搭載した分離型デスクトップコンピュータを
TECベースのトップ値選定から除外しないこととした。
· トップランナー製品に搭載されている省エネ技術以外の技術開発を 目標年度(2022年度)までに見込むことが難しいため、改善率は設定 しないこととした。
表示事項等 · エネルギー消費効率は小数点以下1桁以上で表示することとし、表示 桁数の見直しを行った。
· エネルギー消費効率の指標が現行規制から変更されることに伴い、製 造事業者や小売事業者は表示を切り替える必要が生じるため、表示の 切り替えの猶予期間を設定することとした。
5.1.2 各種分析
(1) サーバ型電子計算機
1) 基準年度のストック消費電力量の試算
基準年度(2015 年度)におけるサーバ型電子計算機のストックの消費電力量を、出荷台 数 1 台あたりの年間消費電力量に各年度の出荷台数を乗じて、使用年数分を積み上げるこ とにより、簡易的に試算した。試算対象は、x86サーバ(別名IAサーバ)とCPU種がSPARC
あるいはPowerであるUNIXサーバとした。x86サーバ及びUNIXサーバのストック消費電
力量の試算条件は表 5-3のとおりである。
表 5-3 x86サーバ及びUNIXサーバのストック消費電力量の試算条件
項目 利用データ
平均使用年数
(x86サーバ、UNIXサーバ別)
「ITユーザトレンド2016/ビッグデータ・クラウド取 組み動向調査」(JEITA、2017年4月):6年間 出荷台数1台あたり年間消費電力量
(x86サーバ、UNIXサーバ別)
JEITA提供資料
市場全体の出荷台数
(x86サーバ、UNIXサーバ別)
JEITA提供資料
平均使用年数6 年分(2010~2015年度)の出荷製品の消費電力量を積み上げることによ り算出した、2015年度のストックの消費電力量は、x86サーバが6624百万kWh/年、UNIX
サーバが560百万kWh/年、合計7184百万kWh/年となった。