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Academic year: 2022

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(1)論 ス ピン角度制御法 によ る鋼球 の精 密研 磨* 研 磨特性 に及ぼすラ ップ盤形状 の影響. 黒. 部. 利. 次**板. ƒÆ. Effect. Angle. of. Toshiji. Fine finished. ball. lapping. steel. lapping. plates. focuses. on an effect. curved. lapping. show that ball.. the. are. stock. respect. Key words:. set. into. recently,. separated. into. of lapping. removal. spin. ITAGAKI and. of it,. angle. have been needed. and three. geometry. upon spin. of lapped but. have yielded. ball. causes. controlled. angle. indicate. larger. lapping,. stock. R-curved. Steel. 夫***. field.. Spin angle. Ball. Yasuo. MORIMOTO machinery. are. able. greater. O which. to lap the ball. to rotate. characteristics. that. 泰. Characteristics. performance. plates. on finishing. 本. in precision. is to have an excellent. is dependent. to improvement. ball,. of. KUROBE,Taku. of V-groove. of a sphericity. Lapping. on Finishing. two parts. plate. constituting. Controlled. 卓***零 森. Lap Geometry. a bearing. developed. plates. Measurements. with. ball. method. 垣. stock. removal. is closely. the geometry. removal. lapping. independently.. of the steel. rate. stock. Present. ones.. to slipping plate. smooth. removal,. paper. It is found that. than flat. related. and very. plate,. ball.. of lapping. controlled. in which V-groove. R-. Experiments distance. has small. of. effect. surface.. sphericity. そ こで,本 研 究 で は ラ ッ プ 盤 の 形 状 が 鋼 球 の 研 磨 特 性 に如 何. 1.緒. 言. な る 影 響 を 及 ぼ す の か 実 験 的 検 討 を 行 っ た.. 近 年,機 械 が 高 速 化 高 性 能 化 す る に 伴 っ て,機 械 を構 成 す る. 2.実. 験. 方. 法. 各 種 パ ー ツ の 加 工 精 度 も 一 段 と厳 し く な っ て き て い る.機 械 要 素 部 品 の 一 つ に ベ ア リ ン グが あ る が,そ の 加 工 精 度 は機 械 の 回. 転 精 度 に 直 結 す る た め,よ り高 精 度 ・高 品 位 な ベ ア リ ン グ が 常. 2.1回. 転 ス ピン制 御研 磨装 置. 図1に,回. 転 ス ピ ン制 御 研 磨 法 の 原 理 図 を 示 す.被 研 磨 ボ ー. に 希 求 さ れ て い る.ベ ア リ ン グ は,内 外 輪 の 隙 間 に ボ ー ル を 挿. ル は,V形. 入 し て 作 製 され た も の で あ る が,ボ ー ル の 加 工 精 度 が ベ ア リ ン. そ の 上 に 平 面 ラ ッ プ 盤(上 定 盤 と 呼 ぶ)を 置 い て,荷 重 を 負 荷. グ の 回 転 精 度 を 決 定 づ け る 。 ボ ー ル の 研 磨 は,V溝. を彫 っ た. 状 を した ラ ッ プ 盤(下 定 盤 と 呼 ぶ)の 溝 に 挿 入 さ れ,. しな が らそ れ らを 互 い に 相 対 運 動 させ る こ と に よ つ て 研 磨 は 行. ラ ッ プ 盤 に ボ ー ル を 入 れ 平 面 ラ ッ プ 盤 を そ の 上 に 置 い て,そ れ. わ れ る.図1(a)は,V溝. らを 相 互 に 回 転 運 動 させ る こ と に よ っ て 行 わ れ る.そ れ に よ っ. 体 型 と 呼 ぶ)を. て,(1)直 径 の 縮 小,(2)真 球 度 の 向 上,(3)表 面 粗 さ の 低 減,を 図 っ. 御 研 磨 法 を 示 す.図2に,回. て い る.研 磨 速 度 の 向 上 は,上 下 ラ ッ プ 盤 の 回 転 速 度 を大 き く. 略 図 を 示 す.図2に. す る か ラ ップ 盤 に 非 対 称 のV溝. に 挟 ま れ な が ら 転 動 す る.そ の 際,ボ ー ル は 水 平 軸 に対 し角 度. を 彫 る な ど して 対 処 して い る.. を 分 割 し な い 在 来 の 研 磨 法(V溝. 表 し,図1(b)はV溝. 一. を 分 割 した 回 転 ス ピ ン制. 転 ス ピン制御研 磨 法 の研磨 部 の概. 示 す よ う に,ボ ー ル は ラ ッ プ 盤A,B,C. しか し,ラ ッ プ 盤 の 回 転 速 度 を あ ま り大 き くす る と,ラ ッ プ 液. θを 成 して ス ピ ン しな が ら順 次 自転 軸 が 変 化 す る.こ の 角 度 θ. が 遠 心 力 に よ っ て 飛 散 す る の で そ れ に は 自 ず と 限 界 が あ る.ま. を 自転 軸 角 度 と 呼 ぶ.そ の 際,ラ ッ プ 盤 とボ ー ル の 間 に 相 対 滑. た,溝. の 形 状 を 極 端 に 変 尺 る こ と もで き な い.. そ こ で 最 近,V溝. を 分 割 し た3軸. りが 起 こ り,表 面 全 体 が 一 様 に 研 磨 さ れ る こ と に な る.自 転 軸. 駆 動 型 ボ ー ル 研 磨 法(回 転. 角 度 θは,幾. 何 学 的 関 係 よ り式(1)で 表 され る.. ス ピ ン 制 御 研 磨 と命 名)が 創 案 ・開 発 され た2)13).本 研 磨 法 は, 各 ラ ッ プ 盤 め 回 転 速 度(ωA'ωb'ωc)を. 自由 に選定 す る こ. と に よ っ て 加 工 能 率 の 向 上 を 図 る こ と を 目的 と して い る.加 工. 能 率 の 向 上 は,ボ ー ル の 自転 軸 角 度 で あ る θ角 を 制 御 す る こ と に よ っ て 行 わ れ る.し か しな が ら,よ り一 層 の 加 工 能 率 の 向 上 を 目 指 す に は,ラ ッ プ 盤 の 形 状 に っ い て 検 討 す る こ と も意 義 が あ る と思 わ れ る.平 面 型 ラ ッ プ 盤 に 換 え て,Rの ラ ッ プ 盤(曲 面 ラ ッ プ 盤 と 呼 ぶ)でV溝. 曲率 を持 った. を 構 成 し,そ れ ら を 独. 立 に 回 転 させ る こ と で 加 工 能 率 の 向 上 が 図 れ る の で は な い か と. 考 え た.. *原 **正. 稿 受付 会 員. 平 成13年3月27日 金 沢 大 学 工 学 部(金. 沢 市 小 立 野2‑40‑20). ***金 沢 大 学 大 学 院. 1698精. 密 工 学 会 誌Vol.67,No.10,2001. Fig.l. Comparison between conventional and developed lapping method.

(2) 黒部 ・板 垣 ・森 本:ス ピン角度制御 法による鋼球の精 密研磨. Fig.2. Kinematics. of a ball. in developed. method. θ〓(1) 本 研 磨 法 の 場 合,各. ラ ッ プ 盤 の 回 転 数 ωA'ωB'ωcの. 値 を. Fig。3Schematic. view. of. lapping machine. 適 当 に 選 定 す る こ と に よ っ て,θ の 値 を 任 意 に制 御 し得 る こ と を 式(1)は 示 して い る.こ れ に 対 し,在 来 法 に お け るθ の 値 は ラ ッ プ 盤 の 形 状 で 決 定 さ れ る の で,任 意 に制 御 す る こ と は で き な い. 図3に,回. 転 ス ピ ン 制 御 型 研 磨 装 置 の 概 略 図 を 示 す.本 装 置. は,前 報4}で 用 い た 実 験 装 置 とは 異 な り,V溝. 部分 を下 方 に設. 定 し,ボ ー ル へ の 荷 重 負 荷 を デ ッ ドウ エ イ トを置 く方 法 に変 更 し,新 し く設 計 し直 し て 作 製 し た.こ れ に よ り,ボ ー ル の 配 置 が 容 易 に な り,常 に安 定 し て 研 磨 荷 重 の 負 荷 が 行 わ れ る.装 置 は,下 内 外 ラ ッ プ 盤(1),(2)と 上 部 ラ ッ プ 盤(3)の各 ラ ッ プ 盤,そ れ を 駆 動 ・制 御 す る 回 転 駆 動 シ ス テ ム,定 盤,等 か ら構 成 さ れ て い る.V溝. は,(1),(2)の 下 定 盤 を 互 い に 向 か い 合 わ せ て 構 成. さ れ る, 2.2実 験 条 件 本 実 験 は,下 定 盤 と し て 形 状 の 異 な る2つ の ラ ッ プ 盤 を 使 用 して 行 っ た.一 つ は 研 磨 部 が 平 面 で あ る ラ ッ プ 盤,も う 一 つ は 研 磨 部 をR形. 状(R:8mm)に. 形 状 に し た 理 由 は,(1)平. した ラ ッ プ 盤 で あ る.ラ ッ プ 盤 をR. の 穴 が8個. 面 ラ ッ プ 盤 で ボ ー ル を 研 磨 す る と,. 2.3評. ボ ー ル と ラ ッ プ 盤 の 接 触 部 分 が 減 耗 して い き,自 然 にRの. 曲率. 等 間 隔 を 保 っ て あ け ら れ て い る. 価方法. ボ ー ル の 加 工 状 態 の 評 価 は,'次 の 方 法 で 行 っ た.加. 工 後,. を 持 っ た ラ ッ プ 盤 に な る こ と,(2)Rの 曲 率 を 持 っ た ラ ッ プ盤 の. ボ ー ル を 十 分 洗 浄 し精 密 直 示 天 秤 で そ の 重 量(8個)を. 場 合,研. そ して,加 工 前 の 重 さ と 比 較 し,加 工 に よ る ボ ー ル1個 当 りの. 磨 距 離 が 増 え る(加 工 量 が 増 加 す る)と 予 想 さ れ る,. 等 の た め で あ る.ラ ッ プ 盤 は 鋳 鉄(FC20)で 盤 の 形 状 寸 法 は,下 側 の 外 ラ ッ プ 盤Bの ラ ッ プ 盤Cの. 外 径 寸 法 が68mmで. 盤 と も に25mmで. 定 し た.被. つ 各 ラ ップ盤 に均 一 に塗. 験 中 は,15min"1に0.5×103mm3を 当 り1.124Nと. 研 磨 球 は,高. (直 径:3/8inch)で,1回. 京 精 密 製:サ ー フ コ ム1400A)を. 補 給 し た.研. 測 定 し,都 合12個. のボ ール にっ いて方. のデ ー タの 平均値 を求. め て 表 面 粗 さ と し て い る.そ の 後,ボ ー ル の 仕 上 面 状 態 を 詳 し く見 る た め に,光. 学 顕 微 鏡 を 用 い て 表 面 の 観 察 を 行 っ た,. ボ ー ル の 真 球 度 の 測 定 は,図4に. 示 す 装 置 を 用 い て 行 っ た.. 磨. 真 球 度 測 定 装 置 は,ボ ー ル 載 置 台,精 密 回 転 テ ー プ ル,電 気 マ. 設. イ ク ロ メ ー タ,定 盤,等 か ら成 っ て い る.本 測 定 装 置 の 特 徴 は,. の素球. ボ ー ル の 真 下 に 埋 め 込 ん で あ る 永 久 磁 石 で 測 定 中鋼 球 が 動 か な. し,自 転 速 度 は1600rpmに. 炭 素 ク ロ ム 軸 受 鋼(S田2)製. 用 い て 行 っ た.加 工. 済 み の ボ ー ル を 無 作 為 に4個 抽 出 し,1個 向 を 適 宜 変 え て3回. 割 合 で 混 練 し た ラ ッ プ剤 を 用 い て 行 っ た ご 実. 荷 重 は ボ ー ル1個. 質 量 減 を 求 め 加 工 量 と した.表 面 粗 さ の測 定 は,触 針 式 表 面 粗 さ 計(東. ラップ. 示 す.実 験 は,菜 種 油 に ア ル ミ ナ(Al203). 験 に 際 し,ラ ッ プ 剤 を1.5×103mm3ず 布 し た.実. さ はB,Cの. あ る.. 実 験 条 件 を表1に 砥 粒 を25wt%の. あ る.厚. 作 製 し た.ラ ッ プ. 外 径 寸 法 が130mm,内. 量 る.. の 実 験 に8個 供 した.研 磨 中 は,ボ ー. ル が 互 い に ぶ っ か ら な い よ う に,ま た,ボ ー ル が 等 間 隔 を 保 っ. い よ う に 磁 力 で 引 き 付 け る 工 夫 を 施 し て い る こ とで あ る.プ ロ ー プ か ら の 出 力 信 号 は,ア. ナ ロ グ 式 指 示 計 で 読 み 取 りコ ン. て 転 動 す る よ う に,ア ク リル 樹 脂 製 の リテ ー ナ を作 っ て そ の 穴. ピ ュ ー タ 上 で 真 球 度 曲 線 を描 画 さ せ た.真 球 度 の 測 定 は,次 の. の 中 に ボ ー ル を 挿 入 した.リ テ ー ナ の 形 状 ・寸 法 は,外 径84mm. 手 順 で 行 っ た.(1)加 工 後8個. × 内 径56mm×. ル を 抽 出 す る,(2)被 測 定 球 の 赤 道 部 分 に 測 定 子 を 当 て が い,精. 厚 さ2mmの. 円 環 で,半 径35mmの. 位 置 に 直 径llmm. の ボ ー ル か ら無 作 為 に3個. 精 密 工 学 会 誌Vol.67,No.10,2001. のボー. 1699.

(3) 黒部 ・板垣 ・森本:ス ピン角度制御 法による鋼球の精 密研磨. F1g.4. Sphericity measuring setup. Fig.7 Optical. micrographs (90°V‑groove. and. profiles. of. ball. surface. type). 報 の 理 論 解 析2)に 照 応 す る 結 果 で あ る と いえ る.し か し,θ の Fig.5. Relation. between. stock. renoval. and. spin. angleθ. 値 が80。 以 降 に な る と加 工 量 の 値 は 減 少 も し くは 一 定 と な る. 加 工 量 の 絶 対 値 は,90° れ は,加 工 量 にV溝. の 方 が120° の 場 合 よ り も大 き い.こ. 角 度 依 存 性 が あ る こ と を 示 し て い る.V溝. 角 度 が 大 き くな る と,ラ ッ プ 盤B,Cか. らボ ー ル に 負 荷 さ れ る. 荷 重(反 力)が 小 さ くな る た め,加 工 量 が 小 さ く な っ た も の と 考 え られ る. 図5か ら,θ の 値 が 大 き く な る につ れ て 加 工 量 が 増 加 し た の は,ボ ー ル と ラ ッ プ盤 の 接 触 部 位 にお け る 相 対 す べ り距 離 が, θの 値 に 比 例 し増 加 した こ とが 原 因 で あ る と 考 え られ る.し か しな が ら,θ の 値 が80° 〜90° の と こ ろ で 加 工 量 が 減 少 傾 向 を 示 す の は,次. の 理 由 に よ る と 思 わ れ る.θ の 値 が80°. 〜90. °の と こ ろ で は 自 転 軸 が 水 平 面 に 対 し 垂 直 に 近 く な る の で, ボ ー ル の 各 ラ ッ プ 盤 との 接 触 状 態 が 不 安 定 と な り,ボ ー ル が 部 Fig.6. Relation and. spin. between. surface. roughness. 分 的 に しか 研 磨 さ れ な い 状 態 が で き る.こ の た め,見 掛 け の 相. angleθ. 対 す べ り距 離 が 減 少 し て 加 工 量 の 低 下 が 生 じ た もの と推 察 され 密 回 転 テ ー ブ ル を 回 転(36Qa)さ. せ て10。 毎 に 変 位 量 を ア ナ. ロ グ 式 指 示 計 で 読 み 取 る.得 られ た 値 に 関 し て 偏 心 量 補 正9を. る. 図6に,Bと. 表 面 粗 さの 関 係 を 示 す.図6か. ら,い ず れ のV. 行 い,真 球 度 曲 線 と 真 球 度 を 求 め る.測 定 は,抽 出 さ れ た3個. 溝 角 度 の 場 合 もB角 が 増 す に つ れ て 表 面 粗 さが 低 減 す る様 子 が. の ボ ー ル に つ い て(1個. わ か る.こ れ は,θ の 値 が 増 加 す る こ と に よ り相 対 滑 り距 離 が. る)行 っ た.そ. の ボ ー ル に つ い て 方 向 を適 宜3回. して,都 合9個. 変え. のデ ー タの 平均 値 を求め て真 球. 度 と した.真 球 度 は,真 球 度 曲 線 を2つ. の 同心 円で 挟ん だ とき. 増 え る こ と が 原 因 して い る と考 え ら れ る.図6か 0° ≦ θ ≦60°. の 範 囲 に お い て は,120°. ら,θ の 値 が. の ラ ッ プ盤 よ り. の,こ れ らの 円 の 間 隔 が 最 小 に な る と き の 半 径 の 差 で 定 義 さ れ 、. も90° の ラ ッ プ 盤 の 方 が 表 面 粗 さ の 絶 対 値 が 小 さ い こ と が わ. る.. か る. 3.実. 3.1平. 図7に,研 験結 果 お よび 考察. 7か ら,Bの. 面 ラ ップ盤 に よる研磨. 本 節 で は,平 面 ラ ッ プ 盤 を 使 用 して 研 磨 を 行 っ た 場 合 の 実 験 結 果 を 示 す.平 面 ラ ッ プ盤 のV溝. 角 度 は,90°. 対 称 型 の ラ ッ プ 盤 を 用 い た.図5は,θ 当 り)の 関 係 を 表 す.図5か. と120° の 左 右. と 加 工 量(ボ ー ル1個. ら,い ず れ の 溝 角 の 場 合 も θの 値. が 増 加 す る に つ れ て 加 工 量 が 増 え る こ と が わ か る.こ れ は,別. 1700精. 密 工 学 会 誌Vol.67,No.10,2001. 磨 した ボ ー ル の 光 学 顕 微 鏡 写 真 を 示 す.図7に. は,. 触 針 式 粗 さ 計 で 測 定 し た 粗 さ の プ ロ フ ィ ー ル も示 して い る.図 値が 増加 す る につれ て表 面 の微細 な 凹凸 が次第 に. 除 去 さ れ,滑 らか に な っ て い く様 子 が わ か る.こ れ は,粗 さ プ ロ フ ィー ル の 測 定 結 果 と も 照 応 して い る. 図8,図9に,真. 球 度 と 真 球 度 曲 線 の 測 定 結 果 を 示 す.比 較. の た め に,研 磨 前 の 素 球 の 測 定 結 果 に つ い て も 示 して い る.図 8,図9か. ら,θ の 値 が 異 な る と 真 球 度 曲 線 や 真 球 度 の 値 が 大.

(4) 黒 部 ・板垣 ・森本:ス ピン角度制御 法による鋼 球の精密研磨. Fig.8. Relation. between. sphericity. and. spin. angleθ. Fig.9. き く 異 な る こ と が わ か る.い ず れ のV溝. 角 度 の 場 合 も,Bの. Curves. of. sphericity. 値. を40。 〜60。 付 近 に 設 定 した 場 合 が 最 も真 球 度 が 良 い.ま た, V溝 角 度 が120。 の 方 が90。 に した ラ ッ プ 盤 の 場 合 よ り も真 球 度 が 良 い. 図8を 仔 細 に見 る と,い ず れ のV溝 と90。 付 近,す. な わ ち 自 転 軸 がV溝. の 場 合 も θの 値 が が0。 に 対 して 水 平 ま た は 鉛 直. 状 態 に な る 場 合 は,真 球 度 の 向 上 は 図 れ な い こ とが わ か る.特 に,V溝. 角 度 が120。. で,θ. の 値 を80。 に 設 定 した 場 合 に は,. 素 球 の 値 よ り も 真 球 度 は 悪 く な る.こ れ は,自 転 軸 が 水 平 や 垂 直 と い っ た 特 殊 な 状 態 の 下 で は,自 転 軸 の 移 動 が 円滑 に 行 わ れ ず,ボ ー ル を 部 分 的 に しか 研 磨 し得 な い た め で は な い か と 考 え られ る. 一方 ,θ の 値 を 等 し く し た 場 合 で も,V溝. Fig.10. and. 角 度 が 異 な る と真. 球 度 の 値 が 変 わ る こ とが 図8か ら わ か る.こ れ は,V溝. Geametrical. relationship. inclination. of. between lapping. spin. angle. θ. plate. 角 度が. 異 な る と 自転 軸 と ラ ッ プ盤 と の成 す 角 が 変 化 す る こ とが 原 因 と 考 え られ る.図10に,各 示 す.図10で. ラップ盤 と自転軸 が 成す 角 につ いて. は,自 転 軸 と ラ ッ プ 盤A,B,Cが. れ ぞ れrA,rB,γ,と. して い る.図10か. 磨 面 は 水 平 で あ る の で,V溝. ら,ラ. 成す 角 をそ ッ プ 盤Aの. 研. 角 度 の大 き さ の に 関 係 な く,研 磨. 面 と 自転 軸 が 成 す 角 γAの 値 は θに 等 し く な る.し か し,ラ ッ プ 盤B,Cの. 研 磨 面 と 自転 軸 が 成 す 角rB'γCは,θ. 定 で あ っ て も,V溝. の値 が一. 角 度 に よ っ て そ の 値 は 変 化 す る.γ の 各 値. が 変 化 す る と,ボ ー ル と ラ ッ プ 盤 の 接 触 点 に お け る ボ ー ル の 回 転 半 径(図2に た め,真 3.2曲. 示 すrA .B,お よ び 相 対 す べ り距 離 が 変 化 す る 球 度 に 違 い が 現 れ た もの と推 察 さ れ る.. Fig.ll. Kinematics. of R‑lapping. plate. 面 ラ ップ盤 によ る研磨. 図11に,曲. 面 ラ ッ プ 盤 を 使 用 した 場 合 の 研 磨 部 の 様 子 に つ. 図12に,θ. と 加 工 量(ボ. ー ル1個. 当 り)の 関 係 を 示 す.図. い て 示 す.ポ ー ル と各 ラ ッ プ 盤 と の 接 触 部 位 に は,断 面 が 円 弧. 12に は,平. 面 ラ ッ プ 盤 と の 比 較 の た め,V溝. 状 で 曲 率 半 径 がrCで. あ る 曲 面 溝 が 設 け られ て い る.本 実 験 で. 験 結 果(平. 面 ラ ッ プ 盤)も. は,溝. 値 が8mmの. 増 加 す る と共 に 加 工 量 が 増 す こ とが わ か る.そ し て,Bの. 曲 率 半 径rCの. ラ ッ プ 盤(V溝. 角 度:90。)に. 曲 面 ラ ッ プ 盤 を 用 いた.平. 面. 関 す る 実 験 結 果 と比 較 検 討 す る. 角 度 が90。 の 実. 示 して い る.図12か. 70。 付 近 に 至 る と極 大 に 達 し,そ の 後90。. ら,θ の 値 が 値が. に 近 づ く につ れ て. た め,水 平 線 とポ ー ル 中 心 か ら接 触 中心 に 向 か う線 と が 成 す 角. 逆 に 加 工 量 は 減 少 して い く.こ れ は,平 面 ラ ッ プ盤 で 研 磨 した. (図1]のa,β)を. 場 合 に も見 られ る.先 に も 述 べ た よ う に,自 転 軸 が 溝 に 対 して. そ れ ぞ れ45。. と し た.. 精 密 工 学 会 誌Vol.67,No.70,2001. 1701.

(5) 黒部 ・板 垣 ・森 本:ス ピン角度 制御法による鋼球 の精密研磨. Fig. 14 Relation betweetn sphericity and spin angle θ Fig .12. Relation. between. stock. reaoval. and. spin. angleθ. Fig.l5. Fig.13 Opical micrographs. (1)平. f ball surface垂 直 に近づ くと,自 転軸 の移動 が 起 こ り難く なる ため に,加 工. 面 ラップ盤 の場 合,自転 軸角 度θ の値 が増す に伴 い,. 加工 量は 増 加 し表 面籾 さは低減 す る.真 球 度 は,θ の値. 量 が減 少 した もの と考 え られ る.. を ω 〜60。 付近 に設定 した場合 が最 も良 い.. ここで,平 面 ラップ盤 と曲画 ラップ盤 の研虜 特性 につ いて比 較 ・検 討 してみ る.Bの. Curves of sphericity. 値 が,0° と90° 近 くで は ほぼ両 ラッ. (2)平. プ盤 と も同 じ加 工 量で あ る.し か し,それ 以外 の 範 囲にお いて は,曲面 ラップ盤 を使用 した方 が研 磨能 率が優 れて い る と言 え る.こ れ は,曲 面 ラ ップ盤 を使用 した場合 の方 が ポー ル との接. 酉 ラップ盤 の 場合,ボ ー ルの 加 工量や表 面組 さ,真. 球 度 の値 は,ラ ップ盤 のV溝 角 度が 異 なる と変化 す る, これ は,〓 の値 や研 磨荷 重 が変 化す る ためで あ る. (3)Rの. 櫨 が8皿 の曲 面 ラ ップ盤 を用 いた 研磨 の 場合,加. 触 面積が 大 き くな り,そのた め各 ラ ップ盤 にお ける研 磨量 が増. 工 能率 は平 面 ラップ盤 よ り優れ て い る.し か し,真球 度. 加 した ことが を示 して い ると考 え られ る.. に関 して は平面 ラ ップ盤 と同程度 の 値 で あった.. 図13に,研 磨 面 の光 学口微 鏡 写真 と表 面粗 さプ ロ フィール を示す.図13か ら,θ の値 が20。 よ りも60° の方が 表面 性状 が 良 い こ とがわ か る.図14お よ び図15に,真 球度 と真球 度 曲. 謝. 辞. 線 の測 定結 果 を示す.比 較 のた め に素球 の 結果 も示 して い る.. 新 しく設 計 ・ 開発 したボ ール研 磨装 置並 び に真球 度 測定 装口 は,金 沢大 学工 学部 工作 セ ンター で製作 され た もの であ り,記. 図14お よび 図15か ら,曲 面 ラ ップ盤 の 場合 も研 磨 によ り真球. して 謝意 を表 す.,.. 度 が 向上す る ことがわ か る.Bの. 値 が20。 よ りも60° の方 が. 幾 分真 球度 が よ い.こ こで,図8に た平 面 ラ ップ盤(θ の値 が60°)の 盤 の それ(Bの. 値が60°)と. 実験 結果 と,曲 面 ラップ. を 比較 す る と,両 者 は ほぼ 同 じ. 値 で ある ことがわ か る. 4.結. 言. 回転 ス ピン研磨 法 を用 いて銅球 の研 磨 を行 い,ラ ップ盤形 状 が研磨特 性 に及 ぼす影 響 につい て実験 的検 討 を行 った.そ の結 果,以 下 の結論 が 得 られ た.. 1702精密工学会誌Vol.67,No.10,2001. 参. 示 すV溝 角度 を90° と し. 毒'文. 献'. 1)井. 戸 守,羽 地 務:ミ ニ ア チ ュ ア 玉 軸 受,日 刊 工業新 聞 社,(1961) 147. 2)黒部 利 次,角 田 久 也,小 野 田誠:ス ピ ン 角度制型 ボー ル 研磨(第 1報)― 研 磨機 構 の理 論 的 解 析―,精密 工 学 会 誌,62,12(1996) 1773. 3)黒. 部 利 次,角 田 久 也,小野 田誠:ス 2報)―窒 化 け い 素 球 の 研磨―.精 4)黒部利 次,久保智,板垣卓:鋼球の回転. ピ ン角 度制 御 型 ポ ー ル 研磨(第 密 工 学 会誌,63,5(1997)726. ピ ン制御研磨―θ. 角強制回 転 の 効 果―,精 密 工 学 会誌,65,9(1999)1345. 5)中央 計 量 検定 所 監 修:計 測器 総 覧,小 峰 工 業技術株. 式 会社,(1959)113..

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