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カバリング工程におけるカバード糸の被覆状態と糸 張力に関する研究

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カバリング工程におけるカバード糸の被覆状態と糸 張力に関する研究

著者 森 大介

著者別名 Mori, Daisuke

雑誌名 博士学位論文要旨 論文内容の要旨および論文審査

結果の要旨/金沢大学大学院自然科学研究科

巻 平成16年12月

ページ 411‑418

発行年 2004‑12‑01

URL http://hdl.handle.net/2297/16654

(2)

氏名 生年月日 本籍 学位の種類 学位記番号 学位授与の日付 学位授与の要件 学位授与の題目 論文審査委員(主査)

論文審査委員(副査)

森大介

石川県 博士(工学)

博甲第645号 平成16年3月25日

課程博士(学位規則第4条第1項)

カバリングエ程におけるカバード糸の被覆状態と糸張力に関する研究

新宅救徳(工学部・教授)

喜成年泰(工学部・助教授)松平光男(教育学部・教授)

北川正義(工学部・教授)上野久儀(工学部・教授)

学位

ニムロHU

文要

]曰

Abstract

ltisoftentomakeacompositeyamfbrdesignanddevelopmentofnewtextileproductsattextileindustryinJapan・

Coveringprocessisoneofmethodsinwhichtwoormoreyamsarecombined・htheprepanngprocessfOrcovenng yambyusingabobbinwind因ahysteresistenserhasbeenusedtomaintainfilamentyamtensioninaconstantleveI,

Bythismcthod,howev団itisdifficulttocompensatcabn1ptchangesofyamtcnsion、hlthisreport,wehavedesigned thetensioncontrolsystemwhichiscomposedofatensionsensonatenserdeviceandapersonalcomputerhAsthe resultsofexperiments,itispossiblefOrthissystemtocontrolfUamentyarntensionwithindeviation超cNtosetthe tensionvalue、Andthcn,acompositionofcovermgandcoreyarnsinacoveredyamisanimpoItantfactorfOr affectingthequalityandcharacteristicoffabric・CoveringtensionistheorBticallyestimatedfbrclarifyinga relationshipbetweenthecompositionofcovenngandcoreyamsandmanufacturingconditionincovenngprocess・In ordertopreventthccoveringtensionfromdecrcasmgwiththechangeofbobbinradiusfbrthecovenngyam,a methodofcontroUingtheangularvelocityofspindlehasaneffectfOrkeepingaconstantcompositionofcovenng andcorcyamsinacovcredyarn.

1.緒言

繊維産業では繊維製品の高付加価値化を図るため,複数の異なった糸による複合化糸加工が盛んに行わ れている.複合化糸加工の一つとして,芯糸に別の糸を螺旋状に巻付けるカバリング加工がある.カバリ

ング加工では,従来から芯糸にポリウレタン糸,カバリング糸に合成繊維を用いたストレッチ糸等が多く 生産されており,また,最近はカバリング糸に機能性フイルムのスリット糸等を用いたカバード糸の製造

も行われている.ポリエステルやナイロンに代表される合繊を用いた織物は,原糸物性を始めとして撚糸

(糸加工),製織,精練等の諸条件によって織物の風合いが異なったものになる.一般に合繊長繊維織物の それぞれの工程では製織の目的や糸の種類に応じて,糸に一定の張力を作用させる必要がある.実際の工 程ではこれまで,重りの加除を利用した重り式テンサにより,走行する糸への押圧を調節する方法が多く 用いられてきた.しかし,この方法は張力の急激な変動や微小な変動に追随しにくい欠点があった.本研 究では,この問題を解決するため,電磁ブレーキを応用した張力テンサを考案し,これと張力センサ,。

(3)

ンピュータで構成される張力制御システムをパーンワインダの糸速度が変化するフィリング巻に用いるこ とを検討した.制御方法には,P、制御とファジィ制御を用いて制御方法による違いについても調べた.

実験の結果,考案した張力制御システムは,従来手法であるヒステリシステンサに比べてより高い精度で 制御でき,また,パーンワインダのフィリング巻における糸速度の変化による張力変動を軽減できること を確認した.

また,前述のカバード糸を用いた織物の風合いや品質を左右する要因として,カバード糸を構成する芯 糸に対するカバリング糸の被覆状態がある.この被覆状態を評価する手法としては,カバード糸の撚数や

撚角度を調べる方法もあるが,本研究では,カバード糸を芯糸とカパリング糸に分解した後,これらの質 量測定から,長さに換算することにより芯糸に対するカバリング糸の長さの比(以下,カバー脹糸の構成 比)を求めた.このカバード糸の構成比に影響を与える因子には,カバリング糸の巻付け張力と芯糸張力 がある.バルーニング中の糸が切断した場合に糸の切れ端は糸層にすべて巻付かず,一定の半径を保って 回転することから,この半径をもって理論的にカバリング糸の巻付け張力を求めた.そこで,本研究はカ

バード糸の構成比とカバリング糸の巻付け張力の関係を明らかにするため,実機で芯糸張力を無視するに 十分な剛性を有する糸を芯糸に用いてカバード糸を作製し,これらのカバー膵糸の構成比と理論的に求め

たカバリング糸の巻付け張力の関係について調べた.一方,カバリングエ程でカバリング糸の糸屑半径の 減少にともなってカバリング糸の巻付け張力が小さくなるためにカバード糸の構成比が増加するという問 題がある.そこで,この問題を解決するため,巻付巻付け張力の解析結果から糸層半径が変化した場合に カバリング糸の巻付け張力が一定となるスピン脹ル角速度を求め,糸層半径の変化に応じてスピンドル角 速度を変えてカバリングする手法について検討した.この手法はスピンドル角速度が一定の場合と比較し

て,カバード糸の構成比を安定させる効果があることを確認した.

2.張力制御手法の提案 2.1張力制御システム

本報の実験に用いたハードウェアシステム を図1に示した.クリール台に取り付けられた 原糸バーンから繰り出された1本の糸は,テン サ及び張力センサを通ってアルミ製の管に巻 取られる.実験に用いた張力センサは東洋製作 所社製張力センサ.、OKILNA1型で,最大張力測定

Pi

7℃鰯

辺』Sル蕊蕊:鰄霧i蕊・-厘1重

ノツ同工環張刀センサnqKIZNAl翌』で,敢大張刀測定CO顕顧utelPYi3rn

値は98cNである.張力センサで検出された糸FiglSchcmaticdiagramoftensioncontrolsystem 張力値は,A/Dコンバータを通じてパーソナルコンピュータに送られ,ここでP、制御またはファジィ制

御によって出力値を求め,この出力値はD/Aコンバー タでテンサ制御電圧に変換ざれ糸張力を制御した.

2.2電磁ブレーキ張力テンサ

提案したテンサ(中越機械㈱製KBR32-OO1)

の内部構造を図2に示す.テンサは,電磁コイ ル,回転ローラ,及びセパセパレータローラで 構成される.回転ローラとセパレータローラの.

軸は平行ではないため,走行する糸は,回転ロ ーラとセパレータローラに螺旋状に巻かれる.

司HET【

《0t[

RevolⅥn2D1atePhotOSensの Fig.2Schematicdiagramoftenserdevice

(4)

また,電磁=イルに流れる電流を変えることにより回転ローラと電磁=イル間に作用する磁力を変化さ せることができる.これにより,回転ローラの回転トルクを変更させることで走行する糸の張力を調節す

ることができる.

2.3制御の評価方法

制御値の評価方法として,表面粗さの測定等に用いられる式(1)のRMS値を用いた.具体的には測定 した張力値から設定張力値を引いた偏差2㈹の2乗を平均した値の平方根を求めることで,制御結果の評

価を行った.

一一 (1)

2.4実験結果と考察

糸速度が急激に変化するフィリング巻にお いて,制御張力がどのような影響を受けるかを 従来手法(ヒステリシステンサ),P、制御及び ファジィ制御の三つの方法について調べた.ポ リエステル75M6fの糸で設定張力値をZ0cN で制御させ,0,30,54分経過した場合の 制御結果を図3に示した.図3より,3つの方 法とも大きな張力変動が発生している箇所が あるが,これはフイリング巻により糸ガイドの 1トラバース間に糸屑半径が異なることによ り,糸速度が急激に変化する箇所があるためで ある.ヒステリシステンサでは糸層半径の変化 にともなって糸速度が変化することにより,糸 張力が大きく変化している.また,時間の経過 にともなってアルミ製の管に巻かれた糸量が 増加するため,ガイFの1トラバース間に糸の 巻経が異なることによって糸速度が変化し張 力が変動する範囲が増加していることがわか る.しかし,P、制御やファジィ制御では,ヒ ステリシステンサと比較してトラバースがタ ーンする部分での急激な張力変化は発生して いるものの,巻径が異なっていることによる糸 速度変化にともなう張力変動はかなり低減し ていることがわかる.また,巻始めから巻終わ りまでのRMS値の経時変化を図4に示す.図 4より,ヒステリシステンサでは時間の経過に ともなってRMS値が増加していることから,

張力変動が大きくなっていることがわかる.こ

60

Orxlin 30min S4鰍、

{Z。』崖○一碗屋の唇

朧鐸…辮噸(i;繍柵洲鍬懸

9弾慰鋒、

05101520頭

(3)Hf;露調1

60

{z趣一宮。》勿箆の傍

0510鰯20麓

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{重い着。{潔あい

'鍵i雪ifi;'ii:、;Ujii漉鐸紬榊

@

05iOis20霧

YYmc[sl に)Hystcr1Bsis伽scr

Fig3Tmsionvariationbydiffe[巳nceinthemethodsof con位olatirr巴gularyamspeed

tengiOn

(5)

れは,時間の経過にともなって糸の巻量が増加 し,糸層半径の変化量が多くなりそれにともな って糸速度の変化も大きくなることから張力 の変動が大きくなったためと考えられる.しか し,P、制御やファジィ制御では糸層半径の変 化にともなう張力変動を軽減しており,巻始め から巻終わりまで制御の効果が現れており,そ の効果はファジィ制御よりP、制御の方が張力 の変動が小さいことがわかる.

3.巻付け張力手法の提案 3.1巻付け張力の解析折 3.1.1バルーン解析

654321[Z。]の三匹

20 30 40 50 60

Time【min]

カバリング糸の巻付け張力は,カバリング糸のFig4RMSoftensionbydiffbrence バルーンの解析から求めることができる.図5

に示すように,x軸およびy軸をボビンに対し

て直角平面上に,Z軸はボビン軸上にとる.x=y=z=oの点をバルーンの頂点とし,バ ング糸の張力をカバリング糸の巻付け張力とする.このバルーン解析で空気抗力と違

(2)~(4)となる.

為壼(M侭璽-Fww蟄一〆)鳩)'化-加瓊))(2)

烏-(〃(RLPMl魁P。(1mLが)M2)'(M圏)(3)

ofilregularyarnspecd

)の点をバルーンの頂点とし,バルーン頂点でのカバリ このバルーン解析で空気抗力と遠心力を考慮した式は,

譜藝2MW,シ』

ただし,

H:バルーン高さ【m]

T:張力[N]

、:糸の線密度[kg/ml

c‘:糸の垂直な方向の空気抗力係数

、:糸の直径[ml p:空気の密度[kgm3]

X:QiDpn[kg/m2]

P:バルーンを期y平面に投影した曲線の接 線に回転中心より下した垂線の長さをlで除

した無次元長さ Q:。(z/lyds(sは線素)

′:仮想的に張力Oとなる半径[m]

”:K‘i72

R:〃’(ただし,x2十y2=「2)

6:糸屑半径[m]

(4)

v Z

Fig5CoveringaPparatus

(6)

3.1.2巻付け張力の求め方

バルーンの解析により,ラッシングエンド半径L,糸層半径Z',糸の線密度、,及びKの関係から,糸層 半径とラッシングエンド半径を測定すれば,Krと糸層半径の積を糸の線密度で除した無次元量が求まる.

この値から,バルーン中のカバリング糸が張力Oとなる半径を糸層半径で除した無次元長さが求まり,こ れと糸の線密度,スピンドル角速度及び糸屑半径から式(5)より,巻付け張力を求めることができる.

形加の262(〃)わ(5)

ただし,の:スピンドル角速度[rad/s】

3.2巻付け張力とカバーF糸の構成比の関係 3.2.1実機による実験

前述したカバリング糸の巻付け張力はスピンドル角速度やバルーン高さなどから求まるので,実機によ り実験を行い,カバリング糸の巻付け張力がカバード糸に及ぼす影響について調べた.実験には,ラッシ ングエンド半径の測定と同様に片岡機械工業㈱製カバリングマシンPFn型を用いた.また,カバード糸の 構成比にはカバリング糸の巻付け張力だけでなく,芯糸張力も影響を及ぼすと考えられるが’巻付け張力 だけを考慮するため,芯糸張力の影響を無視するに十分な剛性を有するナイロンl022dtex/fのモノフィラ

メント糸を芯糸として用いた.

3.2.2カバード糸の構成比

LlCorcyam カバード糸の構成比を求める手法として,ニーーニ ̄、一.……-…三』……一E9W課

~ハーr不………、り゜子広こし~面已邑ゅ□■

カバード糸を10cmの長さに切断し,図6の Covcredyam ように芯糸とカバリング糸に分解した後,こ

笏巨〃、庵_皇全.-,”_=…,J1=-銭ⅡLl:LengthofcorcyamW

W〉

~一二二青ミ三三三二魁

れらの質量をマイクロ天秤(メトラー製三it:::鑑:麗麗卿路:M…化…伽

W】:Massofcoreyam

MT5)によって5回測定して,その平均値を

糸長に換算しカバード糸の構成比(L2L,)をFig.6MeasurcmentfOrcompositionofcoveringandcoreyarns

求めた.

3.2.3巻付け張力の制御

前述のカバリング糸の巻付け張力の解析より,糸屑半径が変化してもカバリング糸の巻付け張力が一定 となるスピンドル角速度を求め,糸層半径の変化に応じてスピンドル角速度を変えてカバリングを行い,

スピンドル角速度が一定の場合と比較を行ったら前述の芯糸とカバリング糸を用い,初期時のスピンドル

角速度を838rad/sとして実験を行った.初期時の巻付け張力は,巻付け張力の解析より求めた1/bと式(4)

より2.2cNと求まる.また,糸屑半径を変化させた場合において,巻付け張力を一定とするスピンドル角

速度も同じ方法で求めた.

3.2.4結果と考察

図7に撚数が同じであってもカバリング糸の巻付け張力(スピンドル角速度)が異なることにより,カ

バリング糸が芯糸に螺旋状に巻付く状態が異なっている糸の外観を示す.図7の(a)と(b)を比較す

るとスピンFル角速度が速くカバリング糸の巻付け張力が大きい(a)ではカバリング糸のフィラメント

が収束して巻付いているが,スピン膜ル角速度が遅くカバリング糸の巻付け張力が小さい(b)ではフィ

ラメントは収束せずにバルキー性を保持しており,カバード糸の外観も太くなっている.このことから,

(7)

カバリング糸の巻付け張力が変化すると カバード糸の構成比も異なり,カバード糸 の形状が変化することがわかる.

図8は,糸種の違いによるスピンドルの 角速度とカバード糸の構成比との関係を ,Jくす.糸稲が異なってもスピンドル角速度 の増加にともなってL2/Llは減少している.

スピンドル角速度が419rad/sにおいて3 種類のカバリング糸のL2L1を比較すると その差はかなり大きいが,スピンドル角速 度が838rad/s以上では,その差は小さく

なっている.これはスピンドル角速度が 419rad/sにおける3種類のカバリング糸 の巻付け張力は,他のスピンドル角速度の 場合と比較すると最小となり,図7(b)

より仮撚糸である184dtex/48fのバルキー 性が保持された状態で芯糸に螺旋状に巻 付くので,他の2種類の糸と比較すると L2L,が最も大きくなったと考えられる.ま た,仮撚加工がされていない167dtex/32f と84dtex/36fを比較すると,スピンドル

角速度が419rad/sでは84dtex/36fのL2/L,

が大きくなっている.これは,167dtex/32f より84dtex/36fの巻付け張力が小さいの で,84dtex/36fは167dtex/32fと比較して 芯糸に対して柔らかく巻付くので,

84dtex/36fのL2/L1はl84dtex/48fより小 さいが,167dtex/32fより大きくなったと 考えられる.スピンドル角速度が838rad/s 以上では,3種類のカパリング糸は全て 419rad/sの場合と比較して大きい張力で

(a)X237麺。/s

(b>41,鰯。/s

Fig7Appearanceofcoveredyam (Coveringyam:l84dtcx/48f,日乃:2.5,3000r/、).

△ ̄

へ、、 〃6=2.5,3000T/in -O-84dtex/36f -D-167dtexB2f -Ll84dtex/48f

二合二二二二合 へo_。

一己印

引っ張られフィラメントが収束して芯糸 400600800100012001400

Angularvelocity[rad/S]

に螺旋状に巻付くので,カバリング糸の直

径が大きいほどL2/Zlは大きくなったと考Fig.8L2LJandangularvelocityofSpindle

えられる.カバリング糸の巻付け張力制御の有無によるL2/L,の違いを図10に示す.スピンドル角速度と バルーン高さが一定の場合,糸層半径の減少にともない,L2/L1が増加している.これは,式(4)とカバ

(8)

リング糸の巻付け張力の解析結果より,バル ーン高さが一定の場合,糸層半径6の減少に ともなうl/bの増加の影響より,bの減少の 効果が大きいため,カバリング糸の巻付け張 力が減少することが原因である.また,(a),

(b)を比較すると全体的にバルーン高さが 高い(b)の方がカバー朕糸の構成比が小さ くなっていることがわかる.これは,糸屑半 径が同じ場合,H/bが大きいとカバリング糸 の巻付け張力も大きくなることが原因と考 えられる.一方,スピンドル角速度を変えて カバリング糸の巻付け張力を一定とする手 法を用いた場合は,L2/L1が糸層半径の変化 の影響をあまり受けていないことがわかる.

この結果から,カバリング糸の巻付け張力の 解析より糸層半径の変化に応じてスピンド ル角速度を変えてカバリングする手法は,糸 層半径の減少により,L2/L1が小さくなるこ

とを防ぐ効果があることがわかる.

4.結言

製織準備工程で糸加工手法の一つである カバリング手法とそれによって作製される カバード糸に着目し,このカバリング手法に おける様々な問題について改善策を提案す るべく,カバリング糸と芯糸の名一々の糸にっI

1.70

■838【rad/S](Fbpedamgularvclocity)

1.65

熟'、60

1.55

1.50141618 2022242628 6(m、)

(a)H=65m

303234

凱曰

’416182022242628303234 6(m、)

(b)H=100mm

Fig.9EffectofcontrolofspindlcangularvelocityfbrL2/Zノ

るべく,カバリング糸と芯糸の各々の糸についての張力制御手法とカバリング糸の巻付け張力と芯糸張力 がカバード糸の被覆状態に及ぼす影響について考察・検討を行った.

先ず,製織準備工程で繰返工程の一種であるパーンワインターにおいて,急激に糸速度が変化するフ イリング巻きにも対応できるテンサについて提案した.具体的には,電磁ブレーキを応用した張力テンサ を考案し,PID制御とファジィ制御を応用した張力制御システムを構築し,これが糸速度や設定張力値の 影響を受けにくいことがわかった.また,糸速度が急激に変化するフイリング巻工程において,ヒステリ システンサと比較して,急激な糸速度の変化によって生じる張力変動を軽減することができる.

また,カバリング糸の巻付け張力を数値解析により求め,カバリング糸の巻付け張力の変化がカバード

糸の被覆状態に及ぼす影響について調べた.さらに,理論的にカバリング糸の巻付け張力を求める手法か

らスピンドル角速度を変化させることによりカバリング糸の巻付け張力が一定となるよう制御する手法に

ついて検討を行った.その結果,カバリング糸の巻付け張力が変化する従来手法と比較して巻付け張力が

一定となる手法を用いるとカバード糸における芯糸とカバリング糸の構成比が安定することがわかった.

(9)

学位論文審査結果の要旨

平成16年1月27曰に第1回学位論文審査委員会を開催して本論文の内容を検討し、1月28日の口頭発 表後第2回審査委員会を開催し、慎重に協議した結果、以下のとおり判定した。

今日の日本における繊維産業は、高付加価値商品をクイックレスポンスで供給することが求められている が、高度な製品を短期間で開発するためには、系統立てた理論に裏付けされた加工技術の確立が必要である。

本論文は高付加価値織物の原料となるカバード糸について理論に基づいた張力管理法を提案したものであ る。カバード糸は引張り特性の大きく異なる2種類以上の糸から構成される複合糸であり、同一製造条件で あっても織物欠点を発生きせてクレームを生ずることがしばしば見受けられる。カバード糸を構成する糸の 割合(以下構成比)は織物の品質に重大な影響を及ぼす。構成比は二本の糸の張力によって決まるが、機械 的な条件から直接制御できないバルーン現象による張力を含むため、従来、その張力管理は経験に頼ってき た。これに対して本研究では提案した張力解析理論に基づいた張力管理のもとで各種の複合糸を作成し、均 一な構成比であることを実証している。また、併せて開発したPID制御あるいはファジィ制御を応用した 張力制御装置の併用によって張力の均一性向上を達成している。さらに、これらの結果は織布準備工程にお ける他の糸加工中に発生する張力制御の問題にも適用可能であることを示している。

以上のように本研究は高付加価値織物の開発に有益な知見を与えるもので、地域の産業への貢献も大であ そ。よって本論文は博士(工学)の学位に値するものと判定する。

、、

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