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A 鋼橋I桁端部にき裂が発生した後のせん断耐荷力に関する基礎的研究

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Academic year: 2022

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(1)Ⅰ-7. 第37回土木学会関東支部技術研究発表会. 鋼橋 I 桁端部にき裂が発生した後のせん断耐荷力に関する基礎的研究. 1.目的 き裂損傷の発生原因の特定と疲労き裂先端部に着 目したき裂進展解析などは数多く行われている.し かし,き裂発見時点の部材の耐荷力を検討した研究 は少なく,その時点での部材の耐荷力を判断するた めの資料が十分であるとは言い難い. 本研究では,き裂発生事例の報告が多い I 桁の桁 端部に注目し,き裂長さとその方向をパラメータと した弾塑性有限変位解析を行い,桁端部にき裂を有 する主桁のせん断耐荷力について検討する. 本研究では,I 桁端部におけるき裂損傷事例として 代表的な 1) ,支承部のソールプレート取付け溶接部 にき裂が発生し下フランジまで貫通した 2) 場合を対 象して検討を行う.. (株)宮地鐵工所. 正会員. 大阪市立大学大学院 (株)宮地鐵工所. 応力(N/mm ). 2. 300. 仁浩. 正会員. 山口. 隆司. 正会員. 永山. 弘久. E2. ε1=0.012 ε2=0.059 2 σy=235N/mm2 σt=400N/mm5 2 E1=2.00×10 N/mm 2 E2=3510N/mm. 200 E1. 100 0 0. 0.1 0.2 ひずみ(μmm). 0.3. 図-2 鋼材の材料特性 解析モデルのせん断座屈パラメータ. 表-1. アスペクト比 幅厚パラメータRtw 0.85. 0.97. ただし,本解析では,き裂発見時のき裂長さを有 する場合の桁端部のせん断耐荷力を求めることに主 眼を置いたため,その後のき裂進展を考慮した解析 を行っていない. 支持条件は図-3 のように支承部にピン支持条件で, 強制変位を与える部分Aになる線上はせん断方向(Z 方向)のみを自由とした. 本研究では,せん断座屈力を評価する方法として 斜張力場が形成される部分の一番面外変位が大きい 要素の裏表ひずみをプロットして裏のひずみが引張 に転じ,始める時点をせん断座屈力と定義した. せん断力を受ける腹板では,一般にせん断座屈が 発生した後,斜張力場が形成され,上下フランジに 塑性ヒンジが形成され終局状態に至る.この作用せ ん断力が一定となる時を終局せん断力とした.. 2.解析モデル 対象とした桁端部モデルは道路橋標準設計図集 3) の中から,I桁橋の桁端部を取り出し,図-1 に示す 単一パネルを解析対象としている.解析対象部位の 使用鋼材はすべて SS400 材である.本解析で用いた, 鋼材の応力―ひずみ関係を図-2 に示す. 解析には弾 塑性有限変位解析で実績のある EPASS/USSP4)を用い た. 本研究では,き裂長さおよび方向とその部位がせ ん断耐荷力に与える影響度に主眼を置き,解析モデ ルには初期不整(初期たわみおよび残留応力)を与 えていない.対象とする単一パネルのアスペクト比 とせん断座屈に対する幅厚比パラメータ R tw を表-1 に示す.解析で導入したき裂は節点間の初期座標を 共有する独立節点としてモデル化している. 1100. 金. 400. 単一パネル. 200. ○. 100. 200 300. 10. 1045. 水平補剛材. 腹板. 1300. 9. 90. A 1326. 上フランジ. ガセット 100. 360 ソールプレート. 270. 10. 下フランジ 270. 16. 22. 320. 250. Z Y. 1400. ソールプレート. 8. 図-1. 着目する部材の詳細(寸法単位:mm). X. X,Y,θX,θY ,θ Z. X,Y,Z,θ Y,θZ. 図-3. 拘束条件. キーワード き裂,I桁端部,せん断耐荷力,鋼橋 連絡先 〒290‑8580 千葉県市原市八幡海岸通 3 番地 TEL0436‑43‑8110 E‑mail:kim‑inho@miyaji‑iron.com.

(2) Ⅰ-7. 第37回土木学会関東支部技術研究発表会. ガセット. ソールプレート. 解析で設定したソールプレート周辺のき裂 形状とその方向 表-2 解析モデルの内訳 き裂の有無(mm) 下フランジ 腹板 なし なし なし 270 270 270 270 270 270 270 270 270 270. 0.6 S-I S-C 45° 90° 135°. 0.3 0 0. 5. 図-5. 60 60 60 120 120 120 180 180 180. このように,き裂長さの増加に対して終局せん断 力の減少量が少ないのは,き裂がない場合では,ソ ールプレートと下フランジの取付け部近傍と上フラ ンジに塑性ヒンジが発生し,終局せん断力に至るが,. 10 15 き裂の長さ(%). 20. せん断座屈力. 1.2 0.9 0.6 S-I S-C 45° 90° 135°. 0.3. 5. 図-6. 下フランジ. S-I-G S-C き裂方向 45° 90° S-C-5 135° 45° S-C-10 90° 135° 45° S-C-15 90° 135°. 0.9. 0 0. 垂直補剛材. 図-4. 1.2. せん断力比. 本解析で対象としたき裂の形状と解析ケースの内 訳を図-4 および表-2 に示す.図に示すように,対象 としたき裂の方向は下フランジを中心として時計回 りに 45°,90°,135°である.また,き裂長さは腹板 高さを基準にそれの 5%,10%,15%までを考慮した. 一番大きなき裂の長さはソールプレート部から支 点部の垂直補剛材までき裂が進展すると高さの 15% に至ることから決めた.解析結果のまとめを図-5 と 図-6 に示す.図の縦軸は健全なモデルと損傷がある モデルのせん断力を比率で表したものである.き裂 が下フランジを貫通するモデルではせん断座屈力 4%が減少した.また,いずれの角度においてもき裂 長さが長くなるとせん断座屈力は減少し,その低下 の割合は,45 度の時,顕著であった. この場合,き裂時のせん断座屈力の減少率はき裂 長さ 5%,10%,15%のそれぞれに対し,3%,7%, 10%減少した.しかし,終局せん断力についてはき 裂がない場合とき裂がある場合とで,斜張力場が形 成される部位は異なるが,その大きさはき裂長さに よらず大きな差異は見られなかった.. き裂が下フランジを貫通している場合,下フランジ には塑性ヒンジが形成されず,代わりに支点上垂直 補剛材の下部が塑性化し,終局せん断力に至ってお り,崩壊モードが異なるためであることがわかった.. せん断力比. 3.ソールプレート周辺のき裂損傷. 10 15 き裂の長さ(%). 20. 終局せん断力. 4.まとめ 本研究では桁端部にき裂損傷がある場合の,き裂 損傷発生時の補修・補強判断のための残存耐荷力の 目安の提供を目的としている.そこで,桁端部にお けるき裂発生が多い事例を取り上げ,き裂がある場 合のせん断座屈力および終局せん断力を FEM 解析 により検討した.本研究により得られた主な成果を 示す. 1) ソールプレート周辺からき裂が発生し,下フラン ジを貫通して,腹板まで進展するき裂の場合,下フ ランジに対して 45°方向に進展するき裂がせん断座 屈力の減少率が高い. 2) ソールプレート近傍を起点とするき裂がある場合, き裂の方向によっては終局せん断力時に下フランジ に塑性ヒンジが形成されず.支点上垂直補剛材下部 が塑性化することがわかった.したがって,設計時 には,き裂損傷の発生による影響も考慮して,支点 上垂直補剛材の設計を行う必要があると考えられる. 参考文献 1) (財)日本鋼構造協会:土木鋼構造物の点検・診 断・対策技術‑2009 年度版‑,2009,8. 2) (社)日本道路協会:鋼橋の疲労,1997.5. 3) (社)日本道路協会:道路橋標準設計図集解説(2), 1963.11. 4) USSP ユーザーズ・マニュアル,Ver.5.0,JIP テ クノサイエンス(株),2001.3..

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