• 検索結果がありません。

鋼 2 主鈑合成桁複合ラーメン橋の設計について 東日本高速道路(株)

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2022

シェア "鋼 2 主鈑合成桁複合ラーメン橋の設計について 東日本高速道路(株)"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)土木学会第67回年次学術講演会(平成24年9月). Ⅰ‑463. 鋼 2 主鈑合成桁複合ラーメン橋の設計について 東日本高速道路(株). 非会員. 多田. 誠. 非会員. 菅原. 千尋. 非会員. 福地. 大樹. (株)ドーユー大地. フェロー. 坂手. 道明. 正会員. ○吉田. 直弘. 非会員. 高堰. 誠. 1. はじめに 上部構造が鋼桁で下部構造がコンクリート橋脚の橋梁の多くは、上下部構造 の結合方法として支承構造を採用している。支承構造より、鋼桁とコンクリー ト橋脚を剛結させる複合ラーメン構造を採用することで、 支承の省略による経 済性と維持管理性の向上が期待できる。さらに、床版と主桁が一体となって荷 重に抵抗する合成桁とすることで鋼重の軽減が図れる。一方、鋼・コンクリー ト複合ラーメン橋の採用実績(特に合成桁)が少なく、今後、この構造の特徴、 適用上の留意点について、さらなる考察や検討が必要と考える。 本論文では、 合成桁を適用した鋼連続複合ラーメン 2 主鈑桁橋の設計結果の報告をすると ともに、構造特性に関する考察や設計上の留意点について報告する。. 図-1. 上部工標準断面図. 2.対象橋梁 本橋は、図-1~図-3 に示す鋼 5 径間連続 2 主鈑桁ラーメン橋である。橋脚 断面は、上部工主桁間隔に合わせた矩形断面形状とした。. 図-2. 3. 上部工設計結果. 図-3. 対象橋梁側面図 表-1. 鋼桁の設計結果を表-1 に示す。中間支点部 の桁断面は、レベル 2 地震時の照査及び床版 作用と主桁作用の合成床版鉄筋応力度の照査 より決定した。本橋梁の中間支点部は、配置 可能な最大量 D22@100 を採用している。本橋. 代表橋脚断面図(P3). 主桁計算結果一覧. ① ② ③ ④(P1) ⑤ ⑥ ⑦ ⑧(P2) ⑯(P4) 部材番号 SM490Y SM490Y SM490Y SM570 SM490Y SM490Y SM490Y SM570 SM570 材質 幅(mm) 530 530 530 800 530 530 530 530 800 上フランジ 厚(mm) 32 24 24 45 23 20 22 44 49 高(mm) 2868 2876 2876 2855 2877 2880 2878 2856 2851 ウェブ 厚(mm) 14 20 20 29 20 20 20 26 32 幅(mm) 630 630 880 880 880 630 630 630 880 下フランジ 厚(mm) 20 20 38 42 38 20 31 37 43 U.FLG A A C E C D C E E 決定根拠 WEB B H C G H H H G G L.FLG B B A F A B A F,G F,G. より支間長が長い橋では、床版鉄筋の合成応力度やひ. ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨ ⑩ ⑪ ⑫ ⑬ ⑭ ⑮ ⑯⑰ ⑱ ⑲. び割れを抑えるために、板厚のアップなどで鋼桁剛性 を上げざるを得ない場合がある。この場合、鋼重の軽 減を図り、非合成桁の適用について検討することが望 ましいと考える。支間中央部において、最小板厚など. A1. P1. P2. 決定根拠凡例 A:曲げ応力度(D+L,D+L+SH+CR,D+L+SH+CR+T) B:最小板厚 C:隣接断面との板厚差 D:少補剛設計による上フランジの必要厚. P3. A2. P4. E:鉄筋応力度(床版作用+主桁作用) F:レベル2断面力照査 G:レベル2断面力による剛結部照査 H:少補剛設計によるウェブの必要厚. で決定となっており、板厚は中間支点よりが薄い。 表-2. 床版作用+主桁作用鉄筋応力度照査結果一覧. 表-3. 床版ひび割れ照査結果一覧表. 部材番号. ④(P1). ⑧(P2). ⑫(P3). ⑯(P4). 項 目. 径間部. 中間支点部. 床版鉄筋. D22ctc100. D22ctc100. D22ctc100. D22ctc100. 床版厚(mm). 320. 320. 320. 鉄 筋. D19ctc100. D22ctct100. D19ctc100. 応力度 2 (N/mm ). 床版. 79.8. 79.8. 79.8. 79.8. 桁端部. 主桁. 59.6. 59.2. 59.1. 59.6. ひび割れ幅W(mm). 0.004. 0.005. 0.004. 合計. 139.4. 139.0. 138.9. 139.4. 許容曲げひび割れ幅Wa(mm). 0.022. 0.015. 0.022. 140. 140. 140. 140. 2. 許容値(N/mm ). キーワード 複合ラーメン桁橋、鋼 2 主鈑桁、合成桁、少補剛薄板設計 連絡先 〒359-0021 埼玉県所沢市東所沢 2-27-12 ㈱ドーユー大地 埼玉支社構造部 TEL04-2945-5500. ‑925‑.

(2) 土木学会第67回年次学術講演会(平成24年9月). Ⅰ‑463. 表-4 支間割検討比較表. 4.最適な側径間と中央径間との比率について. モーメント図(死+活荷重時). 連続桁橋で支承構造の場合、側径間長と中央径間長の (※「メタルデザインデータ」長大橋技術研究会より). ケ. ー. 最適支間割比は一般的に 1:1.25 程度※となる傾向がある。. 【1:1.0程度】. ス 1. 合成桁を用いたラーメン構造の場合、支間中央の鋼桁は 力に着目して最適な側径間と中央径間との比率を検討 1:1.2 程度となることが分かった。(表-4). また、左右. 断面力の差が小さいため橋脚柱上端への影響が小さく. ス 2 【1:1.3程度】. ケ. ー. した。中間支点の左右断面力が最も小さくなる支間比が. ー. ほぼ最小板厚で決定できることから、中間支点上の断面. 【1:1.2程度】. ケ. ス 3. なり、上・下部構造ともに経済的となることが分かった。. 横桁 孔あきダイヤフラム. 5.剛結部の設計について. スタッド 鉄筋. 本橋に採用した剛結部の構造は、RC 橋脚を鋼主桁腹板と横桁で囲み、. 主鉄筋. 横桁間にはダイヤフラムを配置し、剛結部内コンクリートの拘束度を高. 鋼主桁. めた構造である。また力の伝達機能に用いるずれ止め形式には、孔明き 孔あき垂直補剛材. ダイヤフラムとスタッドジベルを採用した(図-4)。剛結部の主桁断面は. RC 橋脚. レベル 2 地震時の照査で決定となったが(表-5)、本橋は合成桁を採用し たため、非線形動的解析で用いる上部工剛性には、床版コンクリートと. 図-4 表-5. 鋼桁を含めた剛性を使用している。一方、剛結部の部材応力度照査では、. 項. 合成桁の剛結部の設計手法が明確に定められていないため、床版鉄筋の. P1. 目. 材 質 板幅. 上フランジ. 耐力を考慮せず、鋼桁のみが抵抗するものと仮定し安全側の設計を行っ. 主 桁 形 状. た。その結果、剛結部のフランジ幅やウェブの板厚が他の断面より 5 割. ウェブ 下フランジ. 程度大きくなった。今後、剛結部の合理化を図るために、床版鉄筋によ 主 桁 応 力 度. る耐力を考慮した剛結部の照査手法の確立が必要と考える。 6.少補剛薄板設計の適用について 支承構造を採用した少数鈑桁において、少補剛薄板設計の適用により、. 限るため、ラーメン橋の場合、径間部の正曲げモーメントが卓越する範 囲が支承構造より狭くなり、少補剛薄板設計の適用メリットが得られる かどうかは不明である。表-6 に本橋の対する標準設計と少補剛薄板設計 の比較結果を示すが、両者に経済性での大差がないことが分かった。よ. 上フランジ. P4. SM570 800. SM570 800. 板厚. 45. 49. 板幅 板厚. 2855 29. 2841 32. 板幅. 880. 880. 板厚 σ. 42 166.3. 43 165.4. σa. 245.0. 245.0. 下フランジ. σ σa. -174.5 245.0. -183.5 245.0. 合成応力. FU. 1.06. 1.12. (<1.20). Fl. 1.08. 1.16. 表-6 少補剛薄板設計の適用比較表. 製作費の削減に伴う経済性の向上が期待できることが明らかになってい る。一方、少補剛薄板設計の適用範囲は正曲げモーメントが卓越区間に. 剛結部構造 剛結部照査結果. 項. 目. 標準設計. 主 SM570 桁 SM490Y. 鋼 材 その他 重 量 合計 比率. 工 費. 少補剛設計. t. 78.4. t. 291.2. 78.4 298. t. 101.3. 101.5. t. 470.9. 477.9. 1.00. 1.01. 72400. 73500. 材料費. 千円. 製作費. 千円. 48000. 45100. 合計. 千円. 120400. 118600. 1.02. 1.00. 比率. って、複合ラーメン橋の場合、比較検討により少補剛薄板設計を適用す るかどうかを判断する必要がある。また、今後の設計のため、上記比較 データの蓄積が必要と考える。 7.まとめ. 図-6 標準設計. 図-7 少数補剛設計. 本設計で得られた鋼 2 主鈑合成桁複合ラーメン橋の設計に関する知見を以下にまとめる。①支間中央断面は 応力度の照査で決定せず、最小板厚決定となる可能性がある。中間支点においては、レベル 2 地震時の照査や 床版鉄筋合成応力度の照査で必要板厚が厚くなり、非合成桁より不利となる可能性がある。本橋のような最大 支間長 50m 以下の場合は合成桁が有利である。②最大支間 50m 程度の合成桁複合ラーメン橋の最適な側径間長 と中央径間長との比率は 1:1.2 程度である。③床版鉄筋の抵抗を考慮した剛結部のレベル 2 地震時の照査手法 の確立が望ましい。④少補剛薄板設計の適用による明確な経済性のメリットが見られなかった。. ‑926‑.

(3)

参照

関連したドキュメント

在来線上空を交差して渡る橋長 1,243m の線路橋である(図-1)。下 部工は、RC 橋脚 6 基、鋼製門型ラーメン橋脚 16 基からなり、上部

現在は使用されていない横桁下フランジ主桁貫通構造現在は使用されていない横桁下フランジ主桁貫通構造 鋼道路橋設計便覧(昭

構成則として以上で構築した構造用アルミニウム合金の弾塑性構成則を用いた構造用アルミニウム合金と

液体に接する円筒構造物は,石油タンク,種々の工業プ ラント,橋梁の橋脚等に用いられる.近年,構造技術の発

Abaqus FEA Student.

  阪神高速道路では,ASR橋脚の  劣化度の判定は,ASR構造物の維 持管理マニュアル 1)  に基づき,外観

京王電鉄多摩川橋梁は,大正 14 年に建設された全長 475m(支 間長 22.5m)の複線鋼桁橋(昭和 39 年に複線化)であり,橋脚 20 基(河川内橋脚 16 基,陸上部橋脚 4 基)と橋台

首都高速道路では構造物全体の約 75 %が高架橋であ り,高架橋の接近点検を行う場合には高所作業車を使