博 士 ( 農 学 ) 島 本 学 位 論 文 題 名
周
セルロース系カイラル・ネマテイック液晶の超分子構造と 光学的性質を保持した個体材料の調整に関する研究
学位論文内容の要旨
木 質系 パイ オ マス は、 そ の蓄 積畳 と 再生 産性 か ら、 石油f購纐 と して 、その有用性が再認 識されてい る 。 木材 の主 要 成分 であ る セルロースに関し ては石油闇爺噸tとしての有 用性Iこカnえ、光学 瀏生丶生分 鯏生 丶液晶形成性等の 特徴を有しており、これら特徴を生かした.ネオ料開発・用途開発が必要である。本研 究 は 、 セ ル ロ ー ス の 液 晶 形 成 性 に 着 目し 、セ ル ロー スか ら の新 規材 料 を開 発す る ため に行 わ れた 。 セ ルロース誘導 体の融液あるいは溶 液は、適当な条件 (置換基、濃度お よて鰮度)で液晶を 形成する。
セ ル ロース系液晶 の多くは、巨視的に 不斉な層状構造を 有するカイラル・ ネマテイック相であ る。カイラ ル・ ネマテイック液晶 は、その超分子構 造の周期(ピッチ) および桓廰る与向に対応する波長と回転方向を 有 す る円偏光を選 択的に反射するなど の光に対して特異 な性質を示す。こ のカイラル・ネマテ イック液晶 の 光 学的性質は、 偏光制御、レーザ一 技術、装飾等の分 野で肓用であるが 、カイラル・ネマテ イック液晶 を こ れ ら の 用 途I巧u用 す る に は 、 そ の 光 学 的 性 質 を 保 持 し た 固 体 材 料 に 変 換 す る 必 要 が あ る 。 本 研究では、セルロ ース誘導体の濃厚 溶液が形成するカイ ラル・ネマテイック液晶の固定化、すなわち、
そ の 超 分 子 構 造 と 光 学 的 性 質 を 保 持 し た 固 体 材 料 ( 固 体 液 晶 ) の 調 製 を 検 討 し た 。
1.セルロ ース系液晶の化学 構造と反射強度の関 係
セル ロー ス ゜エ ーテ ル とセ ルロ ー ス・エステルのカイ ラル・ネマティッ ク液晶の円偏光選 択反射性を分 析した結果は、セル ロース・エステル が前者に比べて反 射強度の劣ることを 示した。カイラル ・ネマティ ック 液晶 の 反射 強度 は 、液 晶の 秩 序度と分子の圃陏糊 折が関与すること から、これらパラ メーターを測 定した。その結果丶 セルロース・エス テルの反射強度カ 聾盻るのは固有複屈 折が低いことに起 因すること カ靖破された。この セルロース・エス テルの低い固有複 屈折は、エステル・ カルポニル基の配 向と関係す ると考えられること から、優れた円偏 光選択反射性を有する固体液晶の調製に|ま、セルロース・エーテル を出発物質として使 用する方カ卑霧| であると結論され た。
2キャスト法に よるエチル・セルロ ース液晶の固定化
置換 度25の エチ ル ・セ ルロ ー ス(EC)は 、 高揮 発性 の ハロ ゲン 化 炭化 水素 を 溶媒 とし て、 カイラル・
ネ マテイック相を形 成することが知ら れている。EC液晶の カイラル・ネマテ イック構造の固定 化を溶媒留 去 法(キャスト法) により検討した。 先ず、カイラル・ネ マテイック液晶の 濃厚溶液薄膜の調 製に関し、
流廼嵜 の剪断カにより分 子の自発配向が乱 されることがないよ うに、(1)希薄等方性溶渤ゝら固体フィル ムを蔀I製し、 (2)これ を適当な蒸気圧の 溶媒蠹g瓦と揺撒させ、カイラル・ネマテイック液晶を形成させ、
( 3) 通 常 の 実 験 室 雰 囲 気‑韈 燦 を 行 う3段 僭 の フ イ ´ レ ム 調 製 方 法 を 考 案 し た 。 液晶 は 溶液 濃度 を 高くする と、反射極大波長 (すナょわちピッ チ)が短くなること が知られている。3
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段備マ翻捲!した 固体フイノレムの選 択反射極大波長は、液晶溶液の濃度対反射極大波長の関係から推定され る波長より著しく 長かった。この結果 はフィルム調製の 乾燥過程において 超分子構造の変化が遅いために、
超分 子構 造 の b埼容 媒 の乾 燥速 度 に追 随で き ない こと を 示唆する。ECの重合度が高い場合 、あるいは、
乾燥 に供 す る液 晶溶液の濃度が低い 場合、得られる固 体フィルムの反射 極大波長は長くなっ た。この結果 は溶 媒留 去 過程 での超分子構造の変 化に関する先の推 測を支持する。以 上のように、キャス ト法によって 得 ら れ る 固 体 フ ィ ル ム の 選 択 反 射 極 大 波 長 は 系 統 邸jに 制 御 出 来 る こ と が 明 ら か と な っ た 。 高 重台 度 のECから 調 製し た固 体 フィルム は高い反射強度を示 した。これは、乾 燥i圖隍で の超分子構造 の変 化が 小 さい 場合、より均一奮カ イラル・ネマティ ック構造が保持さ れることを示す。本 液晶系から調 製し た固 体 フア ルム の 反射 強度 は 最大 理論 値 皈謝 極大 波 長に おい て 、対 自然 光 が50%、 あ るい はカ イ ラル ・ネ マ テイ ック構造と回転方向 の一致する対円偏 光が100% )に及Ijぬかった カI更に高 い反射率の材 料 を 得 る た め に は 、 反 射 極 大 波 長 の 濃 度 依 存 性 が 小 さ い 液 晶 系 を 選 択 す る 必 要 性 を 示 唆 す る 。
3.キャス ト法によるエステ ル化エチル・セル ロース液晶の固定化
置 換 度25のECの 未 溌換 水酸 基 をア セチ ル 化し たア セ チル ・エ チ ル・ セル 口 ース(AEC)のハ ロ ゲン 化 炭 化 水 素 溶 液 は 、 カ イ ラ ル ・ ネ マ テ イ ッ ク 相 を 形 成 す る こ と カ 洳 ら れ て い る 。 AECのカ イラ ル ・ネ マテ イ ック 相形 成 を調 べた 結 果、ECに 比 ぺて 反射極 大波長の濃度依存 性が菩しく 低いことが分かっ た。また、AEC液晶のキャス ト法による固定化を 検討し、反射極大 波長が短い場合には、
AECは 最大 理論 反 射率 に近 い反射強度 を有する固体フィ ルムを与えることを 示した。更に、固 体フィルム の反射極け油楚長 の帝卿は、アセチル慣換度を変化させるか、アセチル甚に変えてプチリル基を導・スするこ とにより可能であ った。
4キ ャ ス ト 法 に よ る 酢 靉 セ ル ロ ー ス 液 晶 の 固 定 化 と 脱 ア セ チ ル 化 に よ る 光 学 的 性 質 の 変 化 先ず 、酢 酸 セル ロー ス(CA)のギ 酸 溶液 につ い て、 カイラル・ネ マティック相形成 と各液晶の性質を 調 べ た。CAの 置換度を低くする と、カイラル・ネ マテイック構造は、 ピッチ無限大の状 態を経由して、右 巻 き から 左巻 き に変 化し た 。適 切な 置 換度 のCAを 用い たキャスト法 により、可視光領 域波長で反射極大 を 有 する 固体 フイル仏を調鑾け ることが司能であ った。CA液晶から調 製した固体フイル ムを不均一おで脱 ア セチ)rrf日−ることにより 、反射強度ガ潜しく改善された。これらの結果はエステル・カルポニ)l´基の配向 に 起因 するCAの低 い固 有 複屈 折カ 漑 アセ チル 化 によ り増 大 し、 それ に 伴っ て反 射 搬も 改善 し たこと を 示唆する 。
5溶媒重 合法によるアセチル ・エチル・セルロ ース液晶の固定化
ECとAECから ア クリ ル酸 を 溶媒 とし た カイ ラル ・ ネマ ティ ッ ク相の性状を比較 検討した。その結 果、
AEC系 液晶 は、ECに比 べて 高 い複 屈折 と 高い 反射 強 度を 有す る ことが分かった。 この相違は両液晶 系の 移揖渡の違いによ るものと考えられ る。
AECの アクリル酸溶液に鼻 冽、線を照射する溶媒重合を詳細に検討した。その結果、溶媒重台がカイラル・
ネマティック液晶 の構造と光学的性 質を保持したまま、 液晶構造を固体材 料に変換する有効 な方法である ことを示した。
以上の研究によ り、偏光髄闇|等 の種々の分野で確鋩E的に有用なカイラル・ネマティック液晶の超分子構 造と光学謎腦鑽を 保持した固体材料 を調製する基礎的・ 実用氈廊拐劼滞られた。これら用途への適用には、
光 学J慣‑)外 の 藷 性 質 に 関 す る 詳 細 設 計 も 必 要 で あ り 、 今 後 の 研 夢 園 韻 轟 で あ る 。
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