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多孔質弾性舗装の供用性について

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Academic year: 2022

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多孔質弾性舗装の供用性について

日本道路(株)技術研究所 正会員 ○長谷川 淳也 日本道路(株)技術部 荒尾 慶文

1.はじめに

現在,舗装の路面に求められている機能は多岐にわたっている.車道においては,安全・円滑・快適といった 交通の基本となる性能のほか,騒音や振動,ヒートアイランド現象等の周辺環境に与える影響を緩和する機能 を有する舗装技術の開発が求められている.

多孔質弾性舗装は,廃タイヤの粉砕品と硬質骨材をウレタン樹脂で固めた舗装であり,通常のアスファルト 舗装と比較して約10dBの騒音低減効果が期待できる舗装である.実用化に向け,コストの縮減,耐久性の確認, 長期のすべり抵抗性の確保等の課題がある.

本論文では,実路での耐久性を評価する目的で行った試験施工の追跡調査結果から,特にすべり抵抗性に関 する多孔質弾性舗装の初期(供用2年)の路面性状について報告する.

2.試験施工の概要

試験施工の概要を下記に示す.本路線は,国道246号線と座間キャンプを繋ぐ座間市役所前の幹線道路で,交 通量区分のN5に相当する朝夕の交通量の多い路線である.また施工箇所は下り勾配で,その先に交差点がある ため,ブレーキによる制動停止を繰り返し受ける箇所である.

(1)施工箇所 神奈川県座間市

(2)路 線 名 市道17号線 (片側車線のみ)

(3)施工時期 平成19年11月

(4)工事概要 延長L=30.0m 幅員 W=4.0m

(5)施工断面 図-1参照

既設舗装は,B交通,設計CBRが2で,

必要TAは29である.これに対して新規に表 層に適用する多孔質弾性舗装は,等値換算 係数が不明であるため,下層の粗粒度アス ファルトと半たわみ性舗装で必要な舗装厚 さを置換えた.半たわみ性舗装は,薄層であ る多孔質弾性舗装との接着性に優れている

ため,基層に用いた. 施工直後の路面を写真-1に示す.

キーワード 多孔質弾性舗装,耐久性,きめ深さ,すべり抵抗性,廃タイヤ

連絡先 〒146-0095 東京都大田区多摩川2-11-20 TEL03(3759)4872 FAX03(3759)2250 写真-2 2年後の表面 写真-3 2年後の施工箇所 写真-1 施工直後の表面

図-1 舗装構造

既設舗装 設計CBR=2

B交通 必要TA=29cm a TA

密粒度アスファルト 5cm 1 5

アスファルト安定処理 12cm 0.8 9.6

合計 29.1 7

7.5

0

山 砂 20cm 0.35

0.25

0

M-30 20cm

C-40 30cm

新規

切削量 19cm

a TA

多孔質弾性舗装

半たわみ性舗装 4cm 1 4

粗粒度アスファルト 12cm 1 12

合計 29.8

C-40 30cm 0.25 7.5

山 砂 20cm 0 0

M-30 18cm 0.35 6.3 3cm 0 0

土木学会第64回年次学術講演会(平成21年9月)

‑77‑

Ⅴ‑040

(2)

3.追跡調査の概要

追跡調査の試験内容を表-1に示す.この他に,騒音測 定を実施している.供用後2年を経過した路面状態を写 真-2,3に示す.

路面の写真(写真-1と写真-2)を比べると,供用2 年で硬質骨材表面のウレタン樹脂被膜が摩耗し,硬質骨 材の表面に露出し色が変わる.これに伴い,表面が多少粗 くなっているのがわかる.

4.調査結果

調査結果のうち,特にすべり抵抗性に係わる路面のきめ深 さとすべり抵抗性について以下に述べる.縦横断形状や透水 量については施工後2年経過しても大きな変化は見られない 4.1 きめ深さ

きめ深さの供用後の変化を図-2に示す. わだち部(IWP

とOWP) は,施工直後からあまり値が変わらず推移している

が,半年後から増加の傾向がみられる. IWP は 0.35mm から 0.44mmに, OWP は0.39mmから0.48mmと,わずかではある が約0.1mmの増加が見られる.特に勾配の下側のOWPの値が 増加傾向にある.

これに対しBWP は,0.3~0.35mmの間で推移しており増加 傾向は見られない. BWP においても,硬質骨材の表面露出が 生じているが,きめ深さの数値としては現れていない.

わだち部のきめ深さの増加は,まだ走行性や路面性状に影 響を与えるレベルに至っていない.

4.2 すべり抵抗性

すべり抵抗性の試験結果を図-3,図-4に示す.施工直後 はBPN, DFTともに小さい値であったが、供用に伴い上昇し, 約1年経過した後は高い値を維持している.これは,3でも述 べたとおり,供用直後はウレタンの被膜によりすべり抵抗値 が低くなっているが,供用に伴い硬質骨材の表面露出が起こ り,すべり抵抗が増したためと考えられる.すべり抵抗値が安 定するまでに,IWPとOWPでは施工後半年程度,BWPでは車 両走行が少ないことが影響し,約1年程度の時間を要する.

5.まとめ

多孔質弾性舗装の試験施工の追跡調査結果から,課題であ るすべり抵抗性に問題なく,約2年の初期供用中の路面性状 が良好であることが確認できた.また騒音に関しても既設の 密粒度舗装に比べ10~12dBの低減を維持している.今後引き 続き,長期耐久性を評価するため,追跡調査する予定である.

参考文献

・すべり抵抗性を改善した現場施工型多孔質弾性舗装 舗装 Vol.44 2009年4月号 pp11-16

項目 試験方法 測定箇所

ハンディするする LP300 ハンディするする

プロフィルメータ

透水量 現場透水試験 6点(OWP・BWP・IWP各2点)

きめ深さ CTM 6点(OWP・BWP・IWP各2点)

すべり抵抗 DFT・BPN 6点(OWP・BWP・IWP各2点)

縦断形状 縦断1本(OWP)

横断形状 横断2カ所

図-4 DFTの供用後の変化

0.00 0.10 0.20 0.30 0.40 0.50 0.60

0 5 10 15 20 25

供用月数

MPD(mm)

IWP BWP OWP

0.00 0.10 0.20 0.30 0.40 0.50 0.60

0 5 10 15 20 25

経過月数

DFT(60km/h)

IWPBWP OWP

表-1 追跡調査の試験内容

0 10 20 30 40 50 60 70 80

0 5 10 15 20 25

経過月数

BPN

IWPBWP OWP

図-2 きめ深さと供用後の変化

図-3 BPNの供用後の変化 土木学会第64回年次学術講演会(平成21年9月)

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参照

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