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建造後 80 年を経過した実橋梁の耐久性調査 八戸工業大学大学院

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Academic year: 2022

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(1)土木学会第68回年次学術講演会(平成25年9月). Ⅴ‑538. 建造後 80 年を経過した実橋梁の耐久性調査 八戸工業大学大学院. 学生会員 ○市川 達朗. 八戸工業大学. 正会員. 迫井 裕樹. 八戸工業大学. 正会員. 阿波 稔. 八戸工業大学. 正会員. 月永 洋一. 1.はじめに 現在,既存のコンクリート構造物の維持管理及び,新設される構造物の長寿命化が求められている.また,バブル期におい て建設されたコンクリート構造物の大量更新時期が近づいており適切な維持管理調査が必要となる.このことから,実橋 梁を活用した耐久性調査および,劣化調査を行いデータを蓄積することは非常に重要であると考えられる. 著者らは,青森県内の橋梁インフラの長寿命化に寄与する事を目的とした調査委員会を設立し,活動を行っている.本稿 ではその一部として掛け替えに伴い撤去される実橋梁を対象として実施した耐久性及び,劣化調査について報告するもの である. 2.対象橋梁概要 対象橋梁の側面図を図-1 に示す.対象橋梁は青森県内にある一般都道府県道に架けられている 4 径間連続 RCt 桁橋であ り,橋長 52m,有効幅員 5.5m(一車線,全幅員は 6.4m) で歩道はない.下部工は重力式橋台・壁式橋脚となっている.適応示 方書はコンクリート標準示方書(大正 15 年)で,設計活荷重は 6t(大正 15 年)である.建造後 80 年経過しており,どの部位に おいても凍害によるスケーリングやひび割れが確認された.また,主桁,橋脚においては施工不良と思われるジャンカが確 認された.梁のジョイント部においては漏水と断面欠損が確認された.. 3.実験概要 対象橋梁よりコンクリートコアを採取し後述する試験を行った.コンクリートコア採取箇所は主桁,橋台,床板の三か所 である.調査項目として,超音波伝搬速度,中性化深さ試験,圧縮強度,静弾性係数を行った.超音波伝播速度は,採取したコ アを用いて表層部から深さ方向に 20mm 間隔で測定を行った. 中性化深さ試験は JIS A 1152 に準拠して行った.圧縮強度 試験後のコンクリートコアを割裂し,フェノールフタレイン溶液を吹き付け,コンクリート表面から赤紫色に呈色した部 分までをノギスにより測定した.各供試体,10 か所測定を行った.圧縮強度試験は JIS A 1108 に準じて測定を行った.また 同時に、JIS A 1149 に準じて静弾性係数の測定を行った.. 図-1 対象橋梁 側面図. キーワード:実構造物,耐久性調査,超音波伝搬速度,圧縮強度,中性化 連絡先:青森県八戸市大字妙字大開 88-1 八戸工業大学 工学部 TEL0178-25-8076 ‑1075‑.

(2) 土木学会第68回年次学術講演会(平成25年9月). Ⅴ‑538. 100 主桁 橋台. 4500. 中性化深さ(mm). 超音波伝搬速度(m/s). 5000. 床板 4000. 50. 3500. 3000. 0. 2500. 0. 5. 10. 15. 20. 25. 30. 35. 表面からの深さ(cm). 40. 45. 50. 検 出 さ れ ず. A-1 A-2 A-5 A-7 B-1 B-2 B-7 B-9 B-11 B-12 C-1 C-2 C-6. 橋台. 20. 10. 0. 橋台. 主桁. 床板. 図-3 中性化. 静弾性係数(kN/mm2). 圧縮強度(N/mm2). 図-2 超音波伝播速度. 主桁. 30. 20. 10. 0. 橋台. 床板. 主桁. 床板. 図-5 静弾性係数. 図-4 圧縮強度. 4.実験結果及び考察 超音波伝搬速度の試験結果を図-2 に示す.主桁,床板においては表層,内部において低い値が確認された.また,橋台にお いては,表層から内部に進むにつれ超音波伝播速度が上昇する傾向が確認された.外観上顕著な劣化が認められていた場 合でも内部は健全であったと推察される. 中性化深さの測定結果を図-3 に示す.最も中性化が進行していた部位は橋台で あり,中性化速度係数は 6.04mm/年であった.橋台は最も水掛かりが少なく常に乾燥状態にあったためだと推察される.主 桁においては,中性化深さは平均 43mm であり,中性化速度係数は 4.85mm/年であった.なお,床版では中性化が確認でき なかったが,これはコア採取の際,表層部 10~20mm 程度が崩壊したためと考えられる.また,圧縮強度を図-4 に示す.橋 台,主桁,床板の各平均圧縮強度は橋台 15.2N/mm2 ,主桁 16.5N/mm2,床板 17.3N/mm2 であった.また,静弾性係数を図-5 に 示す.主桁,床版において静弾性係数にばらつきが生じたが,圧縮強度試験後のコンクリートコアより,内部において粗大 な空隙,および不純物の混入が確認された事に起因するものだと考えられる. 5.まとめ 橋台においては,主として中性化が確認された.雨掛かりが少ないため,中性化が促進されたと考えられる.主桁,床版に おいては静弾性係数にばらつきが生じたが,圧縮強度試験後のコンクリートコアより,内部において粗大な空隙,および不 純物の混入が確認された事に起因するものだと考えられる. 本研究では,青森県内の実橋梁を対象に調査を実施した.今後,他の橋梁についても同様の調査を行いデータを蓄積する とともに,力学的特性との関わりについて検討を行うことが,橋梁インフラの長寿命化および適切な維持管理において重 要であると考えられる.. ‑1076‑.

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