リ ウ マ チ 足 に 関 す る 臨 床 的 研 究
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(2) 114. 表1. 小. 野. 臨. 床. 田. 像. 太. 郎. の 分. 類. 基. 準. (A). (B). 図1 は66:238=1:3.6で. あ る.リ. ウ マ チ患 者 の 比 率 は. 病 院 の 性 格 に 多 分 に 左 右 され る た め,諸 家 の 報 告 と 差 が 現 われ て い るが,女 子 が 男 子 よ り多 い こ と は比 較 的 一 致 して い る. Laine et al1)の 報 告 で も全 リウ マ チ患 者 で1:2と 1:2〜4と. な つ て い る.ま た,304人. チ 患 者 中,足 56%で. な つ て そ の他 も 報 告 を 合 せ て. あ り,男 女 の比 率 は37:133=1:3.6と. 前 記 の 比 率 と変 りな い.藤 は,患 者 の84.7%に ガ ラス 板 の 上 に 牛 乳 を3mm程 に 満 し,そ の 上 に 立 た せ,下 み る.. 度の厚 さ の鏡 で 足 底 を. の 関 節 リ ウマ. にな ん らか の 訴 え を 持 つ もの は170人. 手 に 障 害 が あ り,こ れ と比 較 す. る と足 の 場 合 は56%と. 少 くな つ て い る が,そ れ で も. 半 数 以 上 の もの に足 の障 害,変 Vainio3)は. な り,. 井2)が 報 告 した 手 の 方 で. 形 を認 め た.. 彼 の ク リニ ッ クで 関節. リ ウ マ チ 患 者.
(3) リ ウ マ チ 足 に 関 す る 臨 床 的 研 究 1000人 に お い て,女 子618人 中91%,男 %,小. 子337人 中85. 児45人 中69%に 足 の障 害 を 認 め,足 の 障 害 が. 115. リウ マ チ足 患者 の 初 発 部 位 は表4に. 示 す ご と く,. 手 関 節 に 初 発 す る者 が 最 も多 く48%,足. 関 節 は39%. 今 ま で考 え られて い た以 上 に そ の頻 度 が 高 い こ とを. と これ に続 い て お り,足 に 病 変 の あ る場 合,そ. 示 して い る.. 発 は 足 に か な り高 率 に 現 わ れ て い る.藤 井2)は 手 に. 検 査 した リウ マ チ 足 患 者 数 は103人182足 で あ り, X線 撮 影 は102足 に 行 な つ た. 第1節 第1項. 初 発 した 者 は42.6%で. の初. あ つ た と 述 べ, Short et al4). は 関 節 リウ マ チ患 者293人 を 調 査 し,足15.7%,手 14.7%と. リウ マ チ 足 患 者 の 動 静. リウ マ チ の 初 発 は か えつ て 手 よ り足 に 現 わ. れ や す い と報 告 して い る.. 全身的病態. 表2に 示 す ご と くで あ る.. 表4. 年 令 は 中年 以 上 に 多 く,発 病 か ら経過 の 長 い こ と. 初. 発. 部. 位 (103人). を 示 して い る.ま た 罹 患 関節 も大 部 分 が多 発性 を示 し,足 の み に病 変 が あ る もの は 少 く,多 発性 関節 炎 とい う全 身 の リウ マ チ性 炎 症 の 中 の 部分 症 状 た る こ と を意 味 して い る.. 表2. 臨 床 像 の 分 類 (103人). 第4項. 初発 よ り足お よび足 指に来 た年月. 初発よ り足関節 に症状 が現われ た年 月は表5に 示 す ように初発を のぞ けば,特 に時期 的な もの はない が,1年 以上経 つてか ら足関節 に症状 が現われ るも. 第2項. のが相当数 あつ た(21例) .ま た足 指関節 に おいて は表6に 示す よ うに足関節の場合 と比 較 して初 発が. 来 診時愁訴. ほ とん どであ り,他 関節よ り続発 する ことは少 いよ. 表3に 示 す. 初 診 時 の 愁 訴 は ほ とん どが 多 発 性 関 節 痛(78%) で あ り,つ い で 手 関 節(12%),足. 関 節(11%)と. うであ る. 表5. な り,手 の 場 合 と 比 較 して 多 発性 関 節痛(85%), 手 関節(10.7%)と. あ ま り変 りな い2).す. 初発 よ り足 関 節 に 来 た 年 月 (71人). なわち手. に お いて も足 に お い て も多 発性 関 節 炎 の 部分 症状 た る ことを 示 して い る.. 表3. 来 診 時愁 訴 (103人). 表6. 初発 より足指関節に来 た年月 (19人). 第3項. 初発部位.
(4) 116. 小. 第2節. 野. 田. 郎. 太. 表9. 足の臨床像の分類. 足. 児 玉5)の 臨 床 像 の 分 類 規 準 に ほ ぼ 従 い(表1), リウ マ チ足 の 臨床 像 を分 類 した.そ の 内 訳 は 表7に. の. 変. 134足. (74%). 変形 なし. 48足. (26%). 計 182足. 示 す ご と くで あ る. 表7. 形. 変形 あり. 足 の 臨 床 像( 182足). Ⅰ:軽 度 の 変 形 Ⅱ:高 度 の 変 形 外 来 で通 院 加 療 中の 患 者 で あ る関 係 上,第. Ⅳ度 の. もの は ほ とん どな く,第 Ⅱ度 の ものが 中心 とな り,. 扁 平 足 は 水 野6)の 判 定 法 と横 倉7)のX線. 基 準 によ. 第 Ⅰ度 が それ に続 いて い る.し か し,腫 脹 の み は 第. り,さ らに 考 案 した装 置(図1)に. Ⅲ,Ⅳ 度 が36%を. 考 に して 判 定 し た.後 足 部 外 反 は立 位 で 後 方 か らそ. 占 め,慢 性 化 し,長 期 に わ た つ て. の 変形 の 有 無 を 調 べ た.な. い る こ とを 示 す.疼 痛 ・熱 感,圧 痛 は 第 Ⅱ度 が1つ の 山 とな つ て い るが,運 動障 害 は そ れ に比 し,第. Ⅰ. 度 が そ の 中心 と な つ て い る.す な わ ち炎 症 の 活 動 性 が か な り強 く と も,運 動障 害 は 比較 的 少 く,距 腿 関. お後 足 部 外 反 と 扁 平 足. と は た が い に 密 接 な 相 関 関 係 を 持 つ て い るが,形 態 的,構 造 的 変 化 の上 か ら時 に分 離 せ しめ た. リウ マ チ に お け る 足 の 変 形 は後 足 部 外 反,扁 平 足, 槌 状 足 指,外 反 母 指 が そ の ほ と ん どを 占 めて い る.. 節 の 運動 性 は よ く保 た れ て い る. X線 撮 影 で は表8を. よ る足 圧 痕 を参. み て わ か るよ う に,高 度 の 病. 変 を きた し,第 Ⅲ 度 以 上 が 約 半 分 を 占 めて い る.こ. そ の 代 表 的4型 を 図2〜5に さて,後. 足 部 外 反 が 表9の. 示 す. ご と く特 に め だ つ て お. れ は前 記 の 臨床 像 か ら想 像 され る以 上 に病 変 が 強 く,. り,各 変 形 は2つ 以 上 の 組 合せ の 場 合 が 多 く,単 一. 両 者 の大 きな相 異 で あ るが,一 面 表2に 示 す ご と く. の 変 形 は少 い.変 形 の 程 度 は 後 足 部 外 反,扁. 中 年 以 上 の 発病 お よ び病 年 の 長 い こ と も関 係 して い. は 高 度 の 変 形 は少 く,足 指 変 形 に 高 度 の もの が 多 く. る と思 われ る.し たが つ て,臨 床 的 に は 症 状 が 軽 減. 認 め られ る傾 向 に あ る.リ ウ マ チ 足 の 各 変 形 の 総 合. して いて もX線 的 に は高 度 の変 化 が あ り,病 変 の 強. 的 統 計 の報 告 が 少 い ため,や. さ,頑 固 さ,さ. 平足で. や比 較 しに くい が,い. らに進 行 の停 止 が 少 い こ とを 物 語 つ. わ ゆ る外 反 扁 平 足 は最 も一 般 的 な 中 ・後 足 部 の 変 形. て い る.運 動 性 の 問題 は 後 述 の ご と く骨 変 化 が 背 底. で あ り,リ ウ マ チ症 状 の 進 行 と と も に強 直 性 扁 平 足. 屈 に密 接 な 関 係 を 持 つ 距 腿 関 節 に比 較 的 少 い た め,. の 発 生 が 増 す とVainio3)は. 歩 行 障 害 等が 少 い もの と考 え る. 表8. 足 のX線. 像 (102足). 子50%,男. 子40%の. 反36%.扁. 平 足22%を. し, Morton10)は. 述 べ,彼. の 症 例 中,女. 多 数 に の ぼ り,著 者 の 後 足 部 外 は る か に 上 廻 つ て い る.し か. ア メ リカ人 の 扁 平 足 の 発 生 率 は40. %以 上 で あ る と も述 べ て い る. 足 底 検 査 に よ る扁 平 足 の 判 定 は 水 野6)神 中17)等 は 脂 肪 褥 も関 与 して い る た め 必 ず し も明 確 な判 定 に は 役 立 た な い と述 べ て い るが,図6に. 示 す ご と く足. に 障 害 の 強 い 側 に特 に高 度 の 変 形 が 認 め られ る. 第3節. リウ マ チ 足 の 変 形. 足 の 各 部 にお け る変 形 は表9の 形 は134足,. 74%に 認 め られ た.. 外 反 母 指 は リウ マ チ前 足 部 の 最 も普 通 な,そ ご と くで あ り,変. して. 早 期 か らの最 もめ だ つ た 変 形 で あ り8),Vainio3)は 外 反 母 指20° ま で は 正 常 だ が,リ. ウマ チ の 場 合 そ れ 以.
(5) リ ウ マ チ 足 に 関 す る 臨 床 的 研 究. 図2. 後 足 部 外 反. 図3. 扁. 平. 足. 図6. 117 足 底 の 写 真. 図1の 装 置 を 用 い下 か ら写 真 を撮 つ た も の で,病 変 の 強 い 例 に 著 明 な 扁 平 足 が 認 め られ る. 上 の も のが 相 当 数 あ る と報 告 して い る.ま. たHardy9). は外 反 位 の あ る 程 度 は 全 く生 理 的 で あ り,年 令 と と も に増 加 す る と述 べ て い る.し か し,若 い 男 子 に は あ ま りな い が(2〜5%),若. い 女 子 に は10%以. 認 め られ る と も記 載 され て い る が,特. 上に. に女 工 員 に多. 発 の 傾 向 が あ る. 槌 状 足 指 も関 節 リウ マチ の 一 般 的 変 形 と して 諸 家 の 報 告 が な され て い るが,統 図4. 外. 反. 母. 指. 見 当 ら な い.著 者 の19%か. 計 的 な も の は ほ とん ど らみ て 特 に 欧 米 で は 相 当. 数 あ る変 形 と考 え られ る.. 第4節. 切断足 による足関節の正 常滑膜組織 像. 図7に 示 す10ヵ 所 の 部 位 よ り滑 膜 を 採 取 し組 織 学 的検 査 を 行 な つ た.図8は 部 位 の組 織 像 で あ る. 図7. 図5. 槌. 状. 足. 指. 最 も病 変 を き た しや す い.
(6) 118. 小. 図8. 野. 田. 太. 郎. 正常足関節の滑膜組織像 d. a. a). 1の. 部 位 でfibrous. が あ り,表. typeの. 層 のlining. な 所 が 少 い.小. 滑膜で軽い凹凸. cellの. d). 7の. 下 に はloose. 血 管 は 多 い が,毛. 部 位.. areolar. typeに. 少 しfibrosisが. か か つ た よ う な も の で 絨 毛 が 著 明.. 細 血 管は. 少 い. e. b. d). 3の. 部 位,. 1に 似 て い る が 凹 凸 が 著 明 で 絨. 毛 状 に な つ て お り,一. 部 に はadipose. type. と 思 わ れ る 所 も あ る.. e). 8の 部 位.. fibrous. typeで. 軽 度 の凹 凸がみ. ら れ る.. 一 般に これ らは滑膜 表層細胞 の下層 に確 りした結 合織が認 められ,膝 の場合 のご とき粗結 合織や脂肪. c. 組織の多 い型ではない. 第5節. 足 関 節 にお け る特 に炎 症 の 強 い 部 位. 前 記 の 正 常 滑 膜 採 取 部 位 と ほ ぼ一 致 して,疼 圧 痛,腫. 痛,. 脹,熱 感 等 を 主 体 と して 調 べ た.表10に. 示. す ご と く,特 に 炎症 が 強 い の は, 1・3・5・7・8す な わ ち 内果 の前 部 お よ び外 果 の 前 部 に 多 く炎 症 が 認 め られ,つ. い で 内 ・外 果 の 後 部 が これ に 続 い て い る.. シ ョパ ー ル 関 節 に も比 較 的 障 害 が 多 く認 め られ る. しか し リス フ ラン 関 節 の 障 害 を 訴 え る者 は少 い.こ れ らの主 要 障 害 部 に は 外 反 扁 平 足 の 疼 痛 発 現 部 位 と c). 5の 部 位.純 areolar. typeと. 然 た るfibrous. typeの. 所 と. の も の が あ り, areolarの. 層 に は 脂 肪 組 織 が み ら れ る 所 も あ る.. 下. もほ ぼ 一 致 して い る.. 足指関節 において はほ とん ど全 て中足指節 関節 に 病変が認 め られ,他 関節で は変形 はあつて も炎症 々.
(7) リ ウ マ チ 足 に 関 す る 臨 床 的 研 究. 表10. 足 関 節 に お け る特 に 炎 病 の強 い 部 位 (182足). 第7節. 119. 諸 関 節 と 骨 障 害 との 関 係. 足 に な ん ら か の 訴 え を 持 つ リウマ チ 足 患 者170人 の う ち, X線 撮 影 を 行 な つ た102足. の 諸 関節 の 骨 の. 病 変 を 児 玉5)の 臨 床 像 の 分 類 基 準(表1)の. 第Ⅲ ・. Ⅳ 度 を 中心 に 調 査 した.こ れ はSteinbrocker11)の 基 準 の Ⅱ 〜 ⅢStageに. 相 当 す る.. 表12に 示 す ご と く,骨 の病 変 を 認 め る もの が64足 (63%),認. め な い も のが38足(37%)で. あ り,過. 半 数 に か な り高 度 の骨 障 害 を 認 め た わ け で あ る.病 変 は 全 般 的 に み られ る が,シ. ョパ ー ル 関 節 に頻 発 す. る傾 向 に あ り,特 に距 舟 関 節 に多 くの 変 化 が 認 め ら れ る.ま た,距 腿 関節 は 意 外 に 障 害 が 少 い. 表12. 諸 関 節 の 骨 障 害. 状 は少 い.す なわ ち. (102足). 第 Ⅰ中足 指 節 関節: 53例 第 Ⅱ 〜 Ⅴ 中足 指 節 関節: 76例 で あ るが 後 者 の76例 中16例 は い わ ゆ るball of foot の 疼 痛 が 主 体 で,他 の症 状 は少 な かつ た. 第6節. 変 形 と障 害 部位 と の 関係. 表11に 示 す ご と くで あ る. 足 指 の 障 害 は 中 足 指 節 関 節 が主 体 で あ る た め,こ 骨 障 害 あ り: 64足(63%). れ を 省 略 した.. 〃 表11. 変 形 と障 害 部 位 と の関 係 (182足). Vainio3), Mason14)等. Calabro12,. な し: 38足(37%). Bywaters13),. Kuhns8). は リウマ チ 足 のX線 的 所 見 と して 踵 骨 の. ア ヒ レス腱 附 着 部 の 下 お よ び 踵 骨 下 面 の 骨 破 壊,骨 の増 殖突 出 を,さ. ら に 中足 骨 々頭 の 骨 萎 縮,骨. 破 壊,. 骨 増 殖 突 出等 を 指 摘 して い るが,足 根 骨 関 節 の病 変 に つ い て の 詳 細 な デ ー タは 非 常 に 少 い.た. だVai. nio3)は 距 舟 関 節 が 最 も侵 され や す い と 報 告 して い る.著 者 の調 査 結果 で も距 舟 関 節 に 最 も多 く病 変 を み て い る. また,中 足 指 節 に 相 当数 の 骨 変 化 が 認 め られ た. しか し,ア. ヒ レ ス腱 附 着 部 の 下 お よび 踵 骨下 面 に は. ほ とん ど骨 の 病 変 を 認 め な か つ た. 第8節. 変 形 と 骨 障 害 との 関係. 臨 床 症 状 を 特 に 精 査 し た103人 後 足 部 外 反 お よ び扁 平 足 で は圧 倒 的 に 内果 お よ び 外 果 の前 部 ・後 部,さ. らに シ ョパ ー ル 関 節部 に炎 症. の う ち, X線 撮 影. を 行 な つ た79足 に つ い て 変 形 と骨 障 害 部 位 との 関 係 を 調 査 した.単 一 な 変 形 が ほ と ん どな い た め,変 形. 々状 が 強 く,そ の 大部 分 を 占 め て い る.特 に 内 ・外. と骨 障 害 部 位 との 間 に は特 異 な 関 係 は 認 め が た い が,. 果 前 部 に 顕 著 で あ る.こ れ は 先 に 少 し触 れ た ご と く,. 前 足 部 の 変 形 で は 模 舟 関 節,リ. 成 書 に あ る扁 平 足 の疼 痛 部 位 と全 く一 致 して い る.. 指 節 関 節 に 障 害 が 多 く見 出 され,後. ま た 逆 を い え ば,内 果 ・外 果 の 前 ・後 部 等 の障 害 が. 距 腿 関 節,シ. あ れ ば 外 反 扁 平 足 を起 しや す い と も いえ る.. 変 が 認 め られ るよ うで あ る.す な わ ち,槌 状 足 指,. そ の 他 の 変 形 は 症 例 が 少 い た め明 かで な い.. ョパ ー ル 関 節,距. ス フ ラ ン関 節,中 足 足部の変 形で は. 骨 下 関 節 に 多 くの病. 外 反 母 指 で は 中 足 指 節 関 節 の ほ か, intrinsic muscle.
(8) 120. 小. 表13. 野. 田. 太. 郎. 図9. 変 形 と骨 障 害 との 関 係. a. (79足). b. (固 有 筋)に. 関 係 す る リス フ ラ ン関 節 等 が,外 反 扁. 平 足 で は距 腿 関 節,シ. ョパ ー ル 関 節,距 骨 下 関 節 が. 変 形 に 関 係 して い る もの と推 察 で き る. 第9節. 常 用 履 物お よ び 踵 の 高 さ. 患 者 が 日常 使 用 す る 履物 を 問 診 し,調 査 した と こ ろ,一 般 に足 底 に多 少 弾力 性 を 感 ず る ス ポ ン ジ底 の つ つ か け ま た は草 履 が 好 ま れ,足 を 締 めつ け る靴 の 使 用 者 は 非 常 に少 い(表14).ま. た,踵 の 高 い もの. は 敬 遠 され て い る よ うで あ る(表15).こ. れ は欧 米. の 履物 と大 い に異 な る点 で あ る と思 う. 表14. 常. 用. 履. 状 に 出 現 して い る.ま た 滑 膜 の 表層 に は析 出 した フ. 物. ィブ リンが 機 質 化 して い る所 も見 え る.な お,リ (103人). ン. パ 球 様 細 胞 の 濾 胞 状 の 集 因 は膝 関 節 にみ られ る場 合 の ご と き胚 芽 を 作 る完 全 に 近 い 濾 胞 状 で は な く,結 合織 の増 殖 と入 り乱れ て い る.こ れ は 膝 関 節 と関 節 自身 の構 造 が 異 な り,ま た,滑 膜 自身 も膝 のareolar typeを 中心 と した も の と異 な り,足 関 節 で はfibrous typeが. 主 で あ る こ とに 基 因 し,臨 床 症 状 が よ く適. 合 す る.ち な み に手 関 節 に お い て は膝 関 節 と足 関 節 との 中間 の 所見 が 認 め られ て い る2)5)21)24). 表15. 踵. の. 高. さ. 第4章 (56人). 総括お よび考 按. 関 節 リウ マ チ に お け る 足 の 症 状 は 非 常 に特 異 的 か つ一 般 的で あ るに もか か わ らず,そ. の 統 計,病. 態機. 構 の 探 究 に 関 す る報 告 が 僅 か に散 見 され る程 度 で あ る.特 に リウマ チ 足 の 変 形, X線 学 的 検 索 お よ び そ. 第10節. 滑膜切除 術を行なつた症例の滑膜 組. 織像 少 数例 のため参考 まで に図9に 示す. 滑膜 の組織像 をみ ると,結 合織が 中等度 に増殖 し, その間 および滑膜 の表層部 に リンパ球様細 胞が濾胞. れ らの メ カ ニ ズ ム に関 して は わが 国 で は ほ とん どな く,外 国 文 献 に 僅 か に み られ る の み で あ る. さて,リ. ウマ チ 足 の 変 形 の メ カ ニ ズ ム を 解 明 す る. に あ た り,正 常足 関 節 の構 造 と運 動 は非 常 に重 要 な 意 義 を 持 つ て い る..
(9) リ ウ マ チ 足 に 関 す る 臨 床 的 研 究 第1節 1). この 関 節 の運 動 は 最 小 で あ り,僅 か に背 屈,底. 足の関節運動 について. 足 関節および距骨下 関節の運動. 正 常直 立 姿 勢 にお い て,重. 額 面 対 に し30° 回 転 して い る.す な わ ち膝 関 節 軸 を. 4). 中足 指 節 関 節 の 運 動. 足 で 地面 を 蹴 る際,重. 力 線 が 前 足 部 に 移 つ た時,. 指 骨 と中足 骨 の 間 の 調 整 に 役 立 つて い る.. 前 額 面 に 一 致 せ しめ る と足 関節 軸 は 前 額 面 に 対 し ら に,距. 屈. が 可能 で あ る.. 力線は足関節軸の前方. を 通 り,足 関 節 軸 は 後 外 方 か ら前 内方 に む か い,前. 30° 回転 して い る.(図10)さ. 121. 第2節. 足 弓の構成. 骨下関節 軸. 足 は足 関 節 で三 つ の 弓 構 成 を な して い る.す な わ. は矢 状 面 に25° 偏 位 して お り,回 内,回 外 運 動 に 関. ち外 側 弓,内 側 弓 お よび 横 軸 弓 で あ る.内 側 弓 に か. 与 して い る.し た が つ て,足 関 節 運 動 は 斜 位 の 関 節. か る重 力 は全 て 踵 骨 の 載 距 突 起 に 加 わ り,距 骨 に垂. 軸 を持 つ た め,足 の 外 転 を 伴 つ た背 屈 お よ び 内転 を. 直 に 加 つ た重 力 は前,後. 伴 な つ た底 屈,距 骨 下 関 節 の 回 内を 伴 な つ た背 屈 お. 達 され た力 は 内,外 弓 を 伝 わ り,踵 骨 後 突 起 に達 す. よ び 回外 を伴 な つ た底 屈 を 起 す.. 方 向 に 伝 達 され,後 方 に 伝. る.ま た 前 方 へ の 力 は 内,外 弓 を 放 散 し,中 足 骨 々 頭 に達 す る.し た が つ て 後方 支 持 は踵 に,前 方 支 持. 図10. は5つ の 中足 骨 々頭 に集 中 す る.. 足 関 節 軸 と距. 第3節. 骨 下 関 節軸 の. 1). 方向. 関 節 運 動 と作 用 筋. 距腿 関節. 底 屈 は 下腿 三 頭 筋 が 主 体 で あ り,長 指 屈 筋,長. 母. 指 屈 筋,後 脛 骨 筋,足 底 筋,長 腓 骨 筋 が 補 助 的 に 働 く. 背 屈 は前 脛 骨 筋,長. 母 指 伸 筋,長 指 伸 筋,第. Ⅲ腓. 骨 筋 に よ り行 な われ る. 両 者 の 各 合 計 筋 力 で は,背 屈 は底 屈 の1/4〜1/5に 過 ぎな い.こ れ は人 体 が 直 立 す る た め,下 腿 三 頭 筋 が 発 達 した た め と,重 力 線 は 足 関 節 軸 の 前 方 を 通 る の で 回 旋 力 が 働 き,こ の力 に 拮 抗 す る た め と され て い る. 2). 距 骨下 関 節. 回外 筋 と して 原 則 的 に は後 脛 骨 筋 で,母 指 の 屈 筋, 足 指 の 屈 筋 が 補 助 的 に 働 く. 回 内筋 は原 則 と して は長,短 腓 骨 筋 で あ り,補 助 筋 と して 足 指 の 伸筋 群 と第 Ⅲ腓 骨 筋 が 働 く.ま. た前. 脛 骨 筋 は回 内 した足 に回 内筋 と して,回 外 した 足 に 回 外 筋 と して 両 方 の 働 きを な し う る.両 者 の筋 力 は 足 関 節 と距 骨 下 関 節 に お い て,背 底 屈 で は脛 骨 に 対 して 距 骨 は他 の足 部 の骨 と と もに 動 き,回 内外 で は距 骨 は脛 骨 と と もに1単 位 と し踵 骨 に 対 し て 動 く. 2). 回外,背 屈,底. 3). シ ョパ ー ル関 節. 群,長. 屈,外 転,内 転 運 動 が 行 な わ れ る.. そ して 足 に変 形 の な い 場 合 に の み前 足 部 を 地 面 に 固 定 し なが ら 後 足部 の 回 内,回 外 が 行 な われ る.ま た この 関 節 は 距 骨 下 関 節 と非 常 に密 接 な関 係が あ り. ,. 舟 状 骨 に 対 して 同 時 運 動 を 行 な うの で あ る. リス フ ラン関 節 の 運 動. の 差 は重 力 が 回. 内 力 と して 働 くた め で あ る.. 正 常 で は 回 内 と回 外 の み で,回 mid‑tarsal joint(足 中部 関 節)の 運 動 ,. この 関 節 は少 い 運 動 範 囲 しか 持 つ て な い が ,回 内,. 3). 回 外 筋 群 が 回 内筋 群 の 約2倍 で,こ. 内 筋 と して 指 屈 筋. ・短 ・第 三 腓 骨 筋 が あ り,回 外 筋 と して 前 脛. 骨 筋(中. 間 位 に お い て の み),後. 脛 骨 筋 ,長 指 伸 筋,. 長 母 指 伸筋 で あ る. 他 関 節 は 略 す.. 第4節. 足の構成靭 帯. 非 常に複雑な ため,主 要な ものだけ挙 げる. 三 角靱帯は内果の下 縁よ り扇状 に広が り,踵 骨 と 舟状骨 に次の3つ に分 れて附着す る..
(10) 122. 小. 野. 田. 太. 郎. 1). 脛舟部. 2). 脛踵部. は リンパ 管 が あ る.か. 3). 脛距部. 増 殖 と細 胞 浸 潤 を き た し,滑 膜 の 正 常 機 能 で あ る栄. この3つ. て お り,滑 膜 の 内層 に は 豊 富 な 血 管 が あ り,外 層 に. の う ち脛 踵 部 が 最 も強 靱 で あ る.. くして 病 変 は 滑膜 細 胞 の 肥 厚,. 養 供 給 と潤 滑 の 作 用 が 失 われ,つ. いで軟骨 は破壊 さ. れ,滑 膜 の腫 脹 は 関 節 嚢 を膨 脹 せ しめ,さ. 外 側 副 靱 帯 と して は. ら に靱 帯. 1). 前腓距靱 帯. 構 造 を 伸 展 弱 化 せ し め る.病 変 の 増 大 は 正 常 の筋 緊. 2). 腓踵 靱帯. 張 を 減 退 せ しめ,弛 緩 を 生 ず る.一 方 滑 膜 炎 症 が 鎭. 3). 後腓距靱 帯. ま るに つ れ て 関 節 嚢 を は じめ,関. 節周囲軟部組織 に. が あ り,こ れ らは距 腿 お よ び 距 骨 下 関 節 を 強 固 に し. 結 合 織 化 が 起 る と共 に,軟 骨 の 破 壊 か ら骨 破 壊 へ と. て い る(図11).. 進 み,最 後 に軟 部 組 織 の 拘 縮 ま た は骨 性 癒 合 と恒 久. 他 は 略す.. 的 変 形 に固 定 され るに 至 るの で あ る16). 図11. こ こに 足 の 場 合特 に 歩 行 とい う体 重 の 負 荷 が 加 わ 足関節の靱帯 りそ の変 形 の メカ ニ ズ ムを 複雑 化 して い る. 第1項. 外 反扁平足. 後 足 部 外 反 と扁 平 足 と は 緊密 な 相 互 関 係 に あ る た め,い わ ゆ る外 反 扁 平 足 と して そ の メ カニ ズ ムを 分 析 した. 第1節 で 述 べ た ご と く,直 立 し た場 合 重 力 線 は足 関 節 の 前 方 を 通 る の で 回 旋 力 が 働 き,正 常 距 腿 関 節 は 斜 位 の 関節 軸 を 持 つ た 足 の 外 転 を き た し,距 骨 下 関 節 軸 も斜 位 を と る た め,踵 骨 の 回 内 を き た す が (図10)こ. れ らの 力 に対 し拮 抗 す る底 屈 筋 お よび 回. 外 筋 は 非 常 に 強 力 で,重 力 に対 抗 し,さ. ら に 関節 構. 成 靱 帯 が よ り強 固 に支 持 して い る の で あ る.か か る 平 衡 状 態 を 保 つ て い る足 に ひ と た び リウマ チ に よ る 炎 症,す. な わ ち滑 膜 の腫 脹,そ れ に と もな う 関 節 嚢. の 肥 大,弛. 緩,靱 帯 の伸 展 弱 化,さ. らに は 筋 力 の 低. 下 が 惹 起 さ れ る と,今 迄 の 平 衡 状 態 は 崩 れ,重 力 に 対 抗 で き な くな り.足 部 の 外 転 お よ び 踵 骨 の 回 内 等 の変 形 を きた す よ うに な る.表10, 表16. 第5節. 代 表 的 リウ マ チ 足 変 形 の 発 生 機 構. リウ マ チ足 の変 形 は,足 の 解 剖 学 的,運 動 力 学 的 要 因 と局 所 の病 変 に よ り惹 起 され る もの と考 え る. 表9に. 示 し た ご と く,圧 倒 的 に後 足 部 外反,扁. 平 足,. 外反 母 指,槌 状 足 指 が 多 く,リ ウ マ チ足 の 代 表 的 変 形 を な して お り,諸 家 の報 告 と一 致 して い る2)3). 足 関 節 にお け る特 に炎 症 の 強 い 部 位 は表 中 に 示 し たが,リ. ウマ チ性 炎 症 は他 の 関 節 と同 様,足. 膜 の腫 脹,関. 節 嚢 の 肥 大,さ. に も滑. らに 隣 接 軟 部 組 織 の 炎. 症 性 変 化 が 加 わ り,こ れ ら の病 変 は 変 形 の根 本 的 原 因 とな つ て い る.す な わ ち,滑 膜 は 関 節 組 織 の う ち, 軟 骨 以 外 の す べ て の み な らず,腱. や靱 帯 を も被 覆 し. 16か らみ て わ か. 障 害 部 位 と靱 帯 との 関 係.
(11) リウ マ チ足 に 関 す る臨 床 的 研 究. 123 図14. るよ うに 障 害 多 発部 位 と重 要 構 成 靱 帯 と は ほ ぼ一 致 した 位 置 に あ り,特 に リウマ チ の 場 合,筋 力 の低 下 とい う よ り は 関節 嚢 及 び 靱 帯 の 伸 展 弱 化 が 最 も関 与 して い る もの と考 え る.し た が つ て 麻 痺 性 変 形 に 比 して その 変 形 は比 較 的 軽 度 で あ る.病 変 が 進 む と と も に踵 骨 は 回 内 と同 時 に その 前 部 が 下 垂 し,そ の た め 踵 骨 は底 屈 位 を と る(図12,. 13).こ. の状 態 が 後. 足 部 外 反 で あ り,リ ウ マ チ足 の初 期 に よ く み ら れ る.こ の変 形 が 長 く続 くと重 力 線 は次 第 に 外 側偏 位 を起 し,重 力 は 回 旋 力 と して ま す ま す 働 き,踵 骨 の 病 的 回 内 を 増 強 さす.こ れ に加 えて 距 骨 は圧 迫 され, 前 下 方 に 移 行 す る と同 時 に踵 骨 上 を 内方 に逸 脱 を起 し(図14),距. 骨 と踵 骨 軸 の なす 角(35° 迄 は 正 常). b)足. の 内 線 は 凸 とな る. mid‑tarsal jointは 元 来 正. が増 す.し た が つ て 踵 骨 が よ り回 内す る と そ の上 に. 常 で は回 内,回 外 運 動 だ け で あ るが,後. あ る距 骨 は そ れ に伴 つ て 内側 突 出が 増 して く る(図. を 代 償 す る回 外 が 起 る と と もに 背 屈 お よ び 外 転 が 生. 14. b).距. じ(図12b. 骨 の 水 平 面 で の回 転 は踵 骨 に対 して距 骨. 14b).し. 足部の 回内. た が つ て 内,外 弓 特 に 内 弓 は著. が 脛 骨 と と もに1つ の 単 位 と して 生 ず る た め,膝 関. 明 に低 下 す る(図12b).こ. 節 軸 を 前 額 面 に一 致 せ し め る と足 は高 度 の 外 転 位 を. 力 学 的 の み な らず,リ. と る(図10参. 及 び 長 足 底 靱 帯 の 伸 展 が 特 に変 形 の 促 進 に 関 与 す る. 照).か. か る状 態 にな る と距 骨 々頭 は. 舟 状 骨 に対 して 内 方 へ 亜 脱 臼 の 状 態 とな り(図14. 図12. と思 わ れ る.さ. の縦 軸 弓 の 低 下 に は静. ウ マ チ に よ る短 指 屈 筋 の 弱 化. らに 横 軸 弓 は前 足 部 が 回 外 す る た め. と これ を 保 護 す る靱 帯 な ど の弱 化 が 関 与 して い る. この 外 反 扁 平 足 は い わ ゆ る静 力 学 的 外 反 扁 平 足 に類 似 して い る17).水 野18)は外 反 扁 平 足 の 易 変 位 性 と長 時 間 荷 重 に よ る立 業 変 位 の場 合 の 足 骨 格 構 造 上 の可 撓 性 と は あ る程 度 分 けて 考 え る べ きで あ る と も述 べ て い るが,リ. ウ マチ 足 変 形 の病 因 は あ くま で も滑 膜. の 炎 症 が 主 役 で あ り,こ れ に 附随 して 関 節構 成 靱 帯 お よび 筋 力 の弱 化 を きた し,荷 重 に よ り除 々に 変 形 を 生 じ,初 期 に は 免 荷 時 正 常 形 に 戻 るか,手. によ り. 容 易 に矯 正 し う る.こ の 時 期 に は 関 節 の 骨 病 変 は ほ とん どな いが 次 第 に 関 節 周 囲 軟部 組 織,関 節 嚢 に結 合 織 化 が 起 り,骨 破 壊,骨 増 殖 さ ら に骨 癒 合 と不 可 図13. 逆 性 の高 度 の 変 形 を の こす の で あ る. X線 上,骨. 障. 害 は変 形 の メ カ ニ ズ ム と一 致 し,や は り転 位 お よ び 圧 迫 の か か りや す い シ ョパ ー ル 関 節,距 骨 下 関 節 に 多 発 し て い る(表12.. 13).. Vainio3)も. 距 舟 関節. に そ の障 害 が 多 い こ と を 指 摘 して い る.外 反 扁 平 足 の 発 生 に 関 してCalabro12)も. 筋 力 低 下,靱. 帯 の 伸 展,. 荷 重 を 重 視 して い るがVainio3)は 女 性 に あ つ て は 特 に 軟 か い ス リッパ を 家 で 履 くた め 足 弓 の 低 下 を き た しや す い こ と も述 べ て い る.ま たKuhns8)は. 扁平. 足 の重 要 な 発 生 原 因 と して 膝 の 屈 曲 変 形 お よ び mid‑tarsal jointの 障 害 を 挙 げ て い る.. 第2項. 外反母指. 本来 日本人 に は少 く,欧 米人 には比較 的多 くみ ら.
(12) 124. 小. 野. れ る19)20).リ ウマ チ に よ る外 反 母 指 の 発 生 原 因 は多. 田. 太. 郎. い は足底 に有痛性の胼胝 を生ずる. 第6節. くの 人 に よ り挙 げ られ て い るが,要 約 す る と不 適 当 な 靴 の 圧 迫 とPathomechanicalな 中 足 指 節 関 節(MP関 関 節 嚢 の肥 厚,背. 原 因 とで あ る3)9)19).. 節)の 滑膜 の リウ マ チ性 炎 症 は 側 靱 帯 の 弛 緩 を 来 し, MP関. 節の. リウマ チ手 と リウマ チ足 の比較. リウマチ足患者 の発生頻 度 は56%で リウマチ手の 約80%2)に 比べ てややす くな くな つてい るが,そ れ で もかな り高率 に現 われて いる.さ て リウマチ手 ど. 伸 展 が 障 害 され,長 母 指 伸 筋 に よつ て 指 関 節 が 過 伸. リウマチ足の変形 発生機序 におけ る大 きな相違 は,. 展 し,母 指 外 転 筋 の 収 縮 に よ り外方 に牽 引 され るの. 手 では滑膜 の リウマ チ性炎 症か ら波及 した軟部組織. でMP関. の弱化 と解剖学 的な平衡 の乱れ によ るが,足 では さ. 節 の屈 曲 外 転 拘 縮 を 起 す(図16).こ. 態 に な る とMP関. 節 の 内 側 にbunionを. の状. 生 じや す く,. らに重力 が非 常 に重要 な要因 と して加 わつて い るこ とで あろ う.ま た関節軟 部組織 の性格 にもよ る.す. 非 常 に 疼 痛 を 訴 え る.. な わち,手 で は運動 の多様性 および荷重 の必要 がな. 図15. いため,足 に比 して菲 薄で あ り,滑 膜 も足 では しつ か りした結 合織 をその下層 に持つて いる(図8). 骨 障 害 に お い て手 で は 手 根 骨 周 囲 の滑 膜 が 足 よ り 骨 の 割 合 に 多 く,比 較 的 早 期 よ りfollicular‑fibrous typeに. な り易 い21).ま た1個 当 た りの 骨 の 大 き さ. が 小 さ い た め そ れ だ け リウ マチ 性 炎 症 を 受 け や す い. し たが つ て骨 も高 度 に侵 され,骨 萎 縮,破. 壊 さ らに. は骨 性 癒 合 の 傾 向 が 強 い.足 は 体 重 負 荷 の 関 係 上 強 固 で あ り,中. ・後 足 部 の 変 形 は比 較 的 少 い.ま た 骨. 障 害 は 萎 縮 が 少 く,特 に 骨 の転 位 を 起 しや す い 部 位 に 生 じて い る(表8.12). 図16. これ に反 し,指 と足 指 と は 類 似 し た メ カニ ズ ム を 持 つ て い る. 疼 痛 は足 で は変 形 に よ りま す ます 増 悪 され る 傾 向 に あ る が,手 で は割 合 少 な い. 機 能 障 害 の 面 で も足 は 骨 障 害 や変 形 の 割 に 訴 え は 少 く(表7),手. 第7節. と 大 きな 差 異 を 示 す.. 欧 米人 と日本人 の リウマ チ足の差異 について. 変 形 自体 は さほ ど差 異 を認 め が た い が,外 反 母 指, 槌 状 足 指 発 生 因 子 の1つ. と して 履物 を 非 常 に重 要 視. して い る よ うで あ る3)12).こ の履 物 と関 連 して 欧 米 で は靴 で の 生 活 が 主 体 で あ り,そ の た め い わ ゆ る bunion, corn, callusの 発 生 を特 に 促 し,疼. 痛 およ. び変 形 が 増 強 さ れ る こ と は十 分 察 知 され う る.し た が つ て これ に対 す る手 術 な ど多 くの 研究 が な さ れ て い るが22)23),著 者 の 調 査 に よ る と わ が 国 の 変 形 は履 第3項. 槌状足指. 物 と必 ず し も関 係 はな い.ま た 変 形 の割 に は訴 え が. リウ マ チ足 に お け る一 般 的 な 変 形 で あ り,そ の 原 因 と して 最 近Kuhns8)はintrinsic 筋)の 弱 化 を 強 調 して い る. MP関. muscle(固. 有. 節 は 伸展 し,指. 伸 筋 が さ らに伸 展 作 用 を 増 強 させ,ま. た関節嚢が弛. 緩 して い るた め,中 足 骨 々頭 の 低 下 を 強 制 し,脱 臼 を 起 して くる.か か る変 形 を き たす と 指 関 節 上 あ る. 少 な く,前 足 部 の 変 形 は 日常 生 活 に 多 少 の 不 便 さは あ つ て も機 能 障 害 は 日本 人 が い わ ゆ るStamp歩. 行. す る た め か あ ま りな い.履 物 は ス ポ ン ジ底 の つ つ か け ま た は 草 履 が 好 ま れ,い. わ ゆ る扁 平 足 挿 板 式 の足. 裏 装 具 は 必 ず し も適 当で は な い よ うで あ る.. なお変形防止 のため の早期 の滑膜切 除術 とか 変形.
(13) リ ウ マ チ 足 に 関 す る 臨 床 的 研 究. 125. き た し,さ らに 静 力 学 的,運 動 力 学 的要 素 が 加 つ て. 矯正術の適否は今後の検討 に待 ちたい.. 決 定 的変 形 が 生 ず る.. 第5章 1). お. わ. り. に. 4). 5). か な り頻 度 が 高 い. 2). リウマ チ 手 と リウ マ チ足 との 差 異 を 比 較 検 討. した.. 足 に 病 変 を 有 す る 関節 リウマ チ 患者 は56%と. 足 関 節 の 病 変 の最 も強 い 部 位 は 内,外 果 の 前. 欧 米 人 と 日本 人 の リ ウマ チ 足 の 差 異 に つ い て. 述 べ た.. 部 お よび 後 部 で あ り,シ ョパ ー ル 関節 が そ れ に 続 い (稿 を 終 るに あた り,終 始 御 指 導 を い た だ き,御. て お り,外 反 扁 平 足 の主 因 とな つ て い る. 3). リウ マ チ足 の 代 表 的 変 形 は 後 足 部 外 反,扁 平. 校 閲 を 賜 わ つ た 恩 師 児 玉俊 夫 教 授 に 深 謝 い た し ま す.. 足,外 反 母 指 な らび に 槌状 足 指 で あ り,そ れ らの 発. な お,御 指 導,御. 生 機 構 は リウ マ チ に よ る 滑膜 の 炎 症 か ら始 ま り,そ. に 教 室 員 の皆 様 に感 謝 い た し ます).. れ に伴 つ て 関 節嚢,関. 節 構 成 靱 帯 お よび 筋 の 弱 化 を. 参 1). Laine, sed. V. A. by. 526, 2). 3). I., et. Rheumatoid. Vainio,. S.:. 222,. The. Cau. J. B.. 39‑A:. J. S.,. 献. arthritis. Ann. Rheumat. Dis., 13: 42, 1954. 14) Mason, R. M. et al:A comparativeradiological. with. pathological Ann.. and ankylosingspondylolitis. J.B. J.B., 41‑ B: 137, 1959.. る 手 の 臨 床 的 研. 1964.. rheumatoid. chir.. foot: and. et. A. clinical. 15) Steindler,A.: Kinesiologyof the human. under normal and pathologicalconditions.Ch. roentgenological. gynaec.. Fenniae. body. arles C. Thomas, 1955.. 45:. 16) Staub, L. R.: The rheumatoid hand. Clin. Or. suppl.. 1,. 1956.. Short,. C. L., et al: Harvard. Rheumatoid. Arthritis.. thop., 15: 127, 1959. 17). 神 中 正 一:神. 中 整 形 外 科 学. 児 玉 俊 夫:慢. 性 関 節 炎 の 分 類 と そ の 臨 床 .整. 形. 18). 水 野 祥 太 郎. 長 時 間 荷 重 の 足 骨 骼 に 及 ぼ す 影 響. 外 科4:. 1953. 平. 19). Kalmus,. 水 野 祥 太 郎:荷. 横 倉 誠 次 郎:本 を 定 め,扁. Press,. Ca. 1957.. 188,. University. 日 整 会 誌. 重 と 足 骨 骼 構 造(第1部)扁. 足 判 定 法 の 批 判,日 7). Defomities. リ ウ マ チ に お け. ウ マ チ5):. mbridge,. 6). Arthritis.. 節. comments.. 5). Finger. 文. study of Reitersdisease,rheumatoidarthritis. 藤 井 慶 祐:関. study. 4). al:. 考. 1957.. 究.リ. 協 力 くだ さ つ た 田辺 助 教 授 な らび. 整 会 誌15:. 715,. 1940.. ngsursache. 邦 成 人 内 外 両 長 軸 足 窮 隆 の基 準. 平足の分類に及ぶ. 日 整 会 誌3:. 16: R.:. 331,. u. 20). 1928.. 8) Kuhns,J.G.:The careof thefeetin chronic arthritis. J.A.M. A. 109:1108,1937. 9) Hardy,R. H. et al: Observations on hallux valgus.J.B.J.S. 33‑B:376, 1951. 10) Morton,D.J: Footdisorders in generalprac tice.J.A.M.A. 109:1112,1937. 11) Steinbrocker, O. et al: Therapeutic criteria in rheumatoid arthritis. J.A.M.A.,140:659,1949. 12) Calabro, J.J.: A critical of thediagnostic fe. Sandelin,. T.: Affektion. Fusses,. sowie. Frage. Valgus.. 30:. Uber. dieser. zur. Hallux. Chir.,. 84,. der. Entstehu. Arch.. orthop.. 1931.. Hallux. valgus. bedingte uber. Acta. 1957.. 1941.. Beitrag. des. Unfall. derselben.. und. die. Verunstaltung. die. operative. Chir.. von des. Behandlung. scandinav.,. 56:. 1,. 1924, 21). 児 玉 俊 夫:関 21:. 22). 1072,. Marner,. 節. Rheumat., 23). Mack,. L. C.:. rheumatoid 24). リ ウ マ チ の 臨 床 像. 日 本 臨 床. 1963. L.:. Current. Rheumatoid. aturesof the feetin rheumatoidarthritis. Ar thritis& Rheumatism, 5: 19, 1962. 13) Bywaters, E.G.L.:Heel lesionsof rheumatoid. 342,. 南 山 堂. 吉 久 正 昭:滑. Methods. Deformity 2:. 749, Surgery. of. of. the. Treatment:. Foot.. Arth.. &. 1963. of. arthritis.. the. lower. extremity. J. B. J. S. 45‑A:. 1517,. 膜 の 病 理 組 織 像 よ り み た. 様 関 節 炎 の 病 態 生 理.中. 部 整 災 誌4:. 1,. in 1963.. リ ウ マ チ 1961..
(14) 126. 小. Clinical. 野. Study. 田. 太. 郎. on Rheumatoid. Taro. Foot. Onoda. Department of Orthopaedic Surgery Okayama University Medical School Okayama, (Director: Prof. Toshio Kodama) Author's Despite specific vely. the. and. fact. common,. that. the. studies. pathologic. changes. on statistics. and. Japan. Abstract of the. foot. in rheumatoid. pathomechanism. arthritis. of rheumatoid. foot. are are. quite relati. rare.. In view of this, clinical and X-ray studies as well as study on pathomechanism of defor mation of foot were carried out with 103 patients of rheumatoid foot (182 foot) that visited the outpatient ward of Orthopaedic Surgery of Okayama University for the period covering from January 1963 to March 1964. The results are in the following. It has been found that the rheumatoid patients having pathologic changes of the foot amounted to 56%, showing the incidence to be higher than what is generally thought. It is to be noted that the sites where pathologic change of ankle joint proved to be most severe are the anterior and posterior regions of medial and lateral malleolus, followed by Chopart's joint, and these proved to be the main factors for talipes planovalgus. Rep esentative deformations of the rheumatoid foot are eversion of heel, talipes planus, hallux valgus, and hammer toe. The onset mechanism of these deformations may be explained as to start with inflammation of synovial membrane due to rheumatism, which is followed by the weakening of ligaments and muscles constituting the joint capsule and the joint, then the subsequent accumulation of static and kinesiologic factor makes the pathologic deformation definitive. Differences between rheumatoid hand and inflammation and anatomical elements, but also of weight bearing. With respect to functional main complaints are less in spite of the injury when on. the. ple with they are. the. other,. comparison. is made. differences. in the. rheumatoid feet they not so much bothered. between modes. of. rheumatoid foot are not only limited to local to the foot there arises an additional problem disturbances in the case of a rheumatoid foot of bone and deformation.. Europeans living. have. and Americans a telling. may experience some inconvenience by their functional disturbance.. on one hand. influence, in. their. and Japanese. and of Japanese routines. of life. peo but.
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