• 検索結果がありません。

博士(医学)篠島弘和 学位論文題名

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "博士(医学)篠島弘和 学位論文題名"

Copied!
5
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

     博士(医学)篠島弘和 学位論文題名

Delayed Splotch マウスにおける 膀胱平滑筋の発生についての検討

学位論文内容の要旨

    I.目的

  二分脊椎症は神経管閉鎖不全により発生する先天性疾患である。特に脊髄髄膜瘤に代表 される顕在性二分脊椎症では、先天性神経因性膀胱として生下時から高度の膀胱尿道機能 障 害を 伴う こと が多 く、 未治療 で経 過す ると 尿路 合併 症や上部尿路障害を高率に併発す る。一方、二分脊椎症胎児膀胱の結合組織と筋組織の検討から、平滑筋が正常に発達する ためにtよ神経系が正常に発達することが必要であるとの指摘がなされており,神経発生の 内 因性 障害 に伴 う謄 胱平 滑筋の 発生 異常 が、 勝胱 機能 を障害する因子として作用する。

  本研究tよ、二分脊椎症における神経系の発生障害と麟胱平滑筋の発生障害との関係を詳 細に検討することを目的とした。本研究では正常マウスおよび二分脊椎マウスの胎児を経 時的に観察し、両者における膀胱平滑筋および支配神経の発生過程の差異について検討し た。

    n.対象と方法 1.正常マウス胎児

  C57BLf 6Jを用 いて 、交 配日 を妊 娠O日 とし 、妊 娠14日( 以下E14)、16日(以下E16)お よび18日(以下E18)で犠牲死させ、胎児を摘出した。

2. ‑分脊椎マウス胎児

  Pax3遺 伝 子 変 異 マ ウ ス で あ るdelayed Splotchを 用 い て 同 様 に 行 っ た 。 3.組織学的検討

  マウス胎児は、2日問亜鉛固定しバラフィン包埋後、5ロlllの切片を作製した。この切片 を 用 い て、 ヘマ トキ シリ ン. エオ ジン(HE)染色 およ び筋 組織系 の指 標と してQーsmooth muscle actin(以下aSM aai亅1)、神経系の指標としてPGP9.5、副交感神経系の指標として vesic1ユlaracecylcholむ盻弧n叩。r噺(以下VAChT)に対する抗体を用いた免疫組織化学を行っ た。免疫組織化学憾ABC法にて行った。

4.検討項目

  膀胱のほ。ま中心部の切片を用いて以下の検討を行った。膀胱全体の面積、内腔の面積等 を 測定 し、その値を用いて筋層の面積、筋層の発達の指標として膀胱全体に占める筋層の 割 合、 神経障害による勝胱過伸展の指標として膀胱全体に占める内腔の割合を計算した。

P(瀞9.5およびVAChTによる免疫組織化学を行った切片を400倍で鏡検し、陽性神経線維数 を 数え 、測定 した 筋層 の面 積を 用い て神経密度を計算した。上記についてE14、E16、E18 の3つの 時 期の 問お よび 正常 マウス 胎児 と二 分脊 椎マ ウス 胎児 との 間で の差 異を 検討 し た 。独 立した2群の差の検定にはMann−WhitneyのU検定を用いて、危険率5%以下を有意差 とした。

(2)

    III.結果

  検 討 し た 胎児 膀胱 (正 常マ ウスn=ニ43 (E14:14、E16:14、E18:15) 、二 分脊 椎マ ウ スn=29 (E14:9、E16:9、E18:11) ) に つ い て 、 特 に 形 態 的 な 性差 繕認 めら れな かった。

1. HE染色

  正常 マウ スのE14、E16、E18の胎 児膀 胱( 以下 それぞ れE14n、E16n、E18n)、およぴ二 分 脊椎 マウ スのE14、E16、E18の胎 児膀 胱( 以下 それぞ れE14sb、E16sb、E18sb)におぃ て 、粘 膜、 粘膜 下組 織、筋 層の3層 は明 瞭に区別されていた。正常マウスと二分脊椎マウ スで明らかな差異を認めなかった。

2.a SM act亅1

  E14、E16お よ びE18の い ず れ に お ぃ て も膀 胱筋 層に は強 く陽 性染 色さ れて おり 、aSM   actinはE14で 既に 発現 して いる こと が示唆 され た。 筋層 の面 積| よ、E14n:0.048、 E14sb:0,042、E16n:O.12、E16sb:0.099、E18n:0.147、E18sb:0.123(mm2)であっ た 。正 常マ ウス の各 時期間 、二 分脊 椎マ ウスの各時期間およびE16nとE16sbの問に有意差 を 認め た。 筋層 の占 める割 合は 、E14n:52.3、E14sb:50、E16n:57.2、E16sb:47.6、 E18n:59.5、E18sb:51.9(矚)であった。各時期の正常マウスと二分脊椎マウスの問およ びE14nとE18nの 間、E14sbとE16sbの 問に 有意 差を 認め た。 内腔 の占 める割合は、E14n: 7.3、E14sb:6.3、E16n:8.2、E16sb:18.1、E18n:7.4、E18sb:14.8(矚)であった。

E14sbとE18sbの問およぴE18nとE18sbの問に有意差を認めた。

3. PGP9.5

  E14、E16およ ぴE18のい ずれ にお ぃて も膀胱筋層内にPGP9.5陽性神経線維が認められた が 、前 壁に 比して後壁で密度が高かった。PGP9.5陽性神経の密度|ま、E14n:1831. 75、 E14sb:71.43. E16n:838.41、E16sb:222.22、E18n:1347.22、E18sb:401.96(本/mmz) で あ っ た 。 各 時 期 の 正 常 マ ウ ス と 二 分 脊椎 マウ スの 問お よびE14nと16nの問 、E14sbと E18sbの間、E16sbとE18sbの問に有意差を認めた。

4. VAChT

  PGP9.5と 同様 にE14、E16およ ぴE18の いず れに おぃて も膀 胱筋 層内 にVAChT陽性神経線 維 が 認 め ら れた 。PGP9.5と同 様に 、前 壁に比 して 後壁 で密 度が 高か った 。VAChT陽 性神 経 の 密 度Iよ、E14n:531.25、E14sb:98.04、E16n:478.11、E16sb:102.56、E18n: 925 .17、E18sb:138.21( 本/mm2)であ った。E14nとE14sbの問および、E18nとE18sbの問 に有意差を認めた 。

    IV.考察

  マ ウス 胎児膀胱は、正常マウス、二分脊椎マウスともE14で既に筋層におけるQSM actin の免疫反応が明瞭に認められたが,筋層の発達|よ不十分である。E16、E18と進むにっれ、

筋層 の面 積は増大する。ただし、正常マウスにおいては在胎日数に伴い筋層の面積自体も 増大 し、 膀胱全体に占める筋層の割合も増加する一方、二分脊椎マウスにおぃては筋層の 面積は増入するものの、膀胱全体に占める筋層の割合|よ明らかな増加を示さなぃ。膀胱全 体に 占め る筋 層の 割合 は全 ての 時期 で有 意に 正常マ ウス の方 が二 分脊椎マウスより大き かっ た。 正常マウスと二分脊椎マウスとの問で神経密度にも差を認める。従来報告されて いる 様に 、二分脊椎マウスでは胎児期より膀胱平滑筋の発育異常がみられ、そこにおける 神 経 支 配 の 異 常 も 、 筋 発 達 異 常 に 関 与 し て い る こ と が 推 察 さ れ る 。     V.結語

  マウス正常胎児および二分脊椎胎児を経時的に観察し、膀胱平滑筋およぴ支配神経の発 生過程を検討した。二分脊椎症に伴う神経障害を軽減するための胎児治療の可能性、ある

(3)

いは母体内での何らかの発症予防の可能性を考慮する時、二分脊椎マウスはモデル動物と

して貴重な存在であると考えられる。本研究で得られた知見を基礎として、今後二分脊椎

マウスの胎児膀胱における受容体の発現や尿道の発生に関する研究が展開されることを期

待したぃ。

(4)

学位論文審査の要旨 主査    教授    野々村克也 副 査    教 授    岩 崎 喜 信 副 査    教 授    岩 永 敏 彦

学 位 論 文 題 名

Delayed Splotch マウスにおける 膀胱平滑筋の発生についての検討

  顕 在性二分 脊椎症で は、生下 時から高度 の膀胱尿 道機能障害を伴い、生後早期から適切 な 尿路管理 が必要で ある。神 経管閉鎖不 全を出生 前に診断し、胎児手術により神経機能障 害の軽減を図る試みがなされているが、膀胱尿道機能の改善は得られていない。ーヒト二分 脊 椎症胎児 の、膀胱 支配神経 と平滑筋組 織の検討 から、平滑筋組織の正常な発達には正常 な 膀胱の神 経支配が 必要である可能性が推測されている。.Splotchマウスは、器官発生の 調 節 遺 伝子 で あるPaX3遺 伝子の変 異体であ り、ヘテロ 接合体で は体表に 白斑を認 めるの み だが、ホ モ接合体 では神経 管の閉鎖障 害を来す 。高率に腰仙部や菱脳の閉鎖不全を認め る が、これ が葉酸の 補給によ り予防され るなどヒ トの二分脊椎と類似しており、先天性二 分 脊椎の研 究モデル として有 用である。 本研究は 、二分脊椎症における神経系発生障害と 膀 胱平滑筋 の発生障 害との関 係を検討す ることを 目的とし 、正常マ ウスおよ びSplotchマ ウ スの胎児 を経時的 に観察し 、両者にお ける膀胱 平滑筋および支配神経の発生過程の差異 を 検討した 。対象は 、二分脊 椎マウスと してdelayed Splotchマウ スを、正 常contolとし て そ のwildtypeで あ るC57BL/6Jを 用 いた 。 交 配日 を 妊 娠0日 (EO) と し 、E14、E16、 E18で 犠 牲死 さ せ胎 児 を 摘出 し た。 摘 出 胎児 の 切 片を 作製し 、HE染色お よび免疫 組織染 色 を 行 った 。 免疫 組 織 染色 は 筋組 織 系 のマ ー カ ーと し てaSMactin、 神 経系 一 般 のマ ー カ ー と してPGP9.5、 副交 感 神 経系 の マー カ ー とし てVAChTに 対す る 抗 体を 用 いた 。膀 胱 の 割 面が 最 大面 積 と なる 切 片を 用 い て以 下 の 検討 を行 った。1)aSMactin染色を行 っ た 切 片 で、 膀 胱全 体 の 面積、 膀胱全体 から筋層を 除いた面 積および 内腔の面 積を測定 し た 。平滑筋 の発達に 関して、 筋層の面積 および発 育による膀胱全体の面積の増大を考慮し 膀 胱全体に 占める筋 層の割合 を計算した 。また、 平均的な膀胱容量を示す指標として膀胱 全 体 に 占め る 内腔 の 割 合を 計 算し た 。2) 神経 密 度の 測定 は、PGP9.5お よびVACHI染色 を 行った切 片を400倍で 鏡検し膀 胱筋層内の 神経線維 数を数え 、筋層の 面積で除 して筋層 の 神 経 密度 と した 。2群 間 の差 の 検定 に はMann−WhitneyのU検 定を 用 い て危 険 率5%で 有 意 差 判定 を 行っ た 。 結果 は 、HE染 色で は 正 常マ ウ ス、二 分脊椎マ ウスともE14から粘 膜 、 粘 膜下 組 織、 筋 層 の3層を 認 めた 。aSMactin染 色では 正常マウ ス、二分 脊椎マウ ス と もE14からaSMactinの 発現 を 認 めた 。 筋層 の 面 積は 正常マ ウス、二 分脊椎マ ウスとも 経 時的に増 大してい たが、両 群間の比較 では明ら かな差は認められなかった。筋層の占め る 割合は、 正常マウ スでは経 時的な増大 を認めた が、二分脊椎マウスでは経時的な変化を 認 めず、両 群問の比 較では二 分脊椎マウ スで有意 に低値であった。内腔の占める割合は、

(5)

参照

関連したドキュメント

(30 − 30000FFU/ 匹)に非依存的であり、45% から70cYo であった。発症したマウ スの一部は発症後1 日以内に死亡し、死亡率は全体の20%

TribV2は過去の報告で、その過剰発現によりマウス移植実験でAMLを発症することが示され

  

   骨 粗 鬆 症性外 傷後 椎体圧 潰の病 態と発 現機 序解明 のため 、手術 時に摘 出し た外傷 後の胸 ・腰椎 の47 椎 体 ( 骨粗 鬆 症 性 椎 体圧 潰 36 椎 体、 骨 粗 鬆 症 のな い

  

(7 )sFas がmvi 廿0 実験で、Fas を介するアポトーシスに対し抑制活性を有すること、正常

にされた.IL‑7 は骨髄ストローマ細胞よりpre‑B 細胞の増殖を指標に同定された分子l:25kD の糖蛋白で、胸蕨細胞や1

   ヒトアポA ―I をoverexpress しているマウスでは、血清アポA −I 値(マウスおよぴヒトアポA ―I    の累計)が381 土18mg/dl (平均士SEM) と正常のマウスの153