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事実の分析的検討における子どもの思考とその構造 : 小学校社会科「情報単元」の授業開発・実践を事例として

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(1)

事 実 の分析 的検 討 にお ける子 どもの思考 とその構造 一小学校社会科「情報単元」の授業開発・実践を事例 として一 兵庫教育大学大学院 教育実践高度化 専攻

P12025H

修 学指 導 教員 指 導 教 員 学校 教 育研 究科 授 業 実 践 リー ダー コー ス 戸 田 征 男

2014年

2月 6日 吉 水 裕 也 森 山

潤 米 田

(2)

<目 次

>

序 論 … … 口・ … … … ・ … … 口… … ・ ― 日■… ロロ… ・・ 1

1

問題 の所在 と研究の 目的

1

2

研究の仮説

2

3

研究の方法

2

I章

第1節 1 2 3 第2節 1 2 3 第 Ⅱ章 第1節 1 2 3 第2節 1 2 小 学 校 社 会 科 「情 報 単 元 」 に求 め られ る役 割 … ・ … 。・ … ・・ 小学校社会科 「情報単元」 と「情報教育」の関連 ・・・・・・・・・・・ 情報単元導入の経緯 小学校学習指導要領 に見 られ る 「情報単元」の変遷 小学校社会科 「情報単元」 と「情報教育」

1

小学校社会科 「情報単元」の現状 と課題 ・・・・・・・・・・・・・・ 2 子 どもの生活経験 と情報産業 との関わ り

2

小学校社会科 「情報単元」の教科書記述 と子 どもの生活経験 との乖離

3

子 どものイ ンターネ ッ ト利用状況の格差

3

3 3 3 6 6 9 9 0 1 意 志 決 定 場 面 に お け る事 実 の 分 析 的 検 討 … ・・ … … ・ … ・

35

社会科教育における 「意志決定」 ・・・・・ ・・・・・・・・・・・・

35

「意志決定」学習の先行研究分析

35

「知識の構造化」か ら「使 える知識」へ

40

小学校社会科 「情報単元」における 「意志決定」学習の現状 と課題

41

意志決定場面における事実の分析的検討の理念型 。・・・・・・・・・

53

意志決定場面にお ける事実の分析的検討 の理念型の構造

53

事実の分析的検討 の理念型

66

(3)

第 Ⅲ章 第1節 1 2 3 第2節 1 2 第Ⅳ章 第 1節 1 2 3 第2節 1 2 第

V章

第 1節 1 2 3 第2節 1 2 社 会 科 に お け る 「意 志 決 定 」 を意 図 した先 行 授 業実 践 の分 析 …

69

分析 フ レームワークの設定 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

69

分析 の観点

69

授業分析 フ レームワー ク

71

分析対象

73

分析 の結果 と考察 ・・ :・

...・

・・・・・・・・・・・・・

77

分析 の結果

77

分析 の考察

86

社 会 認 識 形 成 を意 図 した 小 学 校 社 会 科 「情 報 単 元 」 の 授 業 モ デ ル 開発 と実 践 … ・

87

社会認識形成 を意図 した授業モデル 「情報 を伝 える会社 とわた したち」の提案(前期 プロジェク ト実習)・ ・

87

「情報単元」で育成する社会認識

87

単元 について

93

学習指導案(フ リーの ビジネスモデル を理解 させ る授業

) 102

授業実践の考察 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 。

106

成果

lo6

課題

lo8

合 理 的 意 志 決 定 能 力 の 育 成 を意 図 した 小 学 校 社 会 科 「情 報 単 元 」 の 授 業 モ デ ル 開 発 と実 践 … 1 意志決定場面における事実の分析的検討 を組み込んだ授業モデル 「情報を伝 える会社 とわた したち」の提案 (後期改善実習

)。

・・・1 改善の視点

1

単元 について

1

学習指導案 (意志決定場面を組み込んだ授業

) 1

子 どもの意志決定の実際 。・・・・・・・ ,・ ・・・・・・・・・ 。1 子 どもの事実の分析的検討の帰納的分析

1

課題

1

10

10

10

11

15

19

19

23

(4)

第Ⅵ章 第 1節 1 2 第2節 1 2 3

4

新 しい小 学 校 社 会 科 「情 報 単 元 」 の教 科 書 開 発 と 授 業 モ デ ル 「情 報 を伝 え る会 社 とわ た した ち 」 ・ … ・

126

新 しい小学校社会科 「情報単元」の教科書開発 ・・・・・・・・・ 。

126

新 しい小学校社会科 「情報単元」の教科書開発の必要性

126

新 しい小学校社会科 「情報単元」の教科書

127

新 しい小学校社会科 「情報単元」の教科書を活用する授業モデル 「情報を伝 える会社 とわた したち」 ・・・・・・ 。・・・・・ 。

143

授業モデル改善の視点

143

単元 について

145

学習指導案

149

意志決定場面で使用す るワークシー ト

168

結 論 … … … ・ … … ・ … ・ … ・・ … 。

169

1

研究の成果

169

2

今後 の課題

170

「附記」 「資料編」 「要旨」

(5)

序 論

1

問題の所在 と研究の目的 これまでに実践 してきた小学校社会科 「情報単元」では

,情

報モ ラル を意識 して,「○ ○ してはいけない」といった道徳的な授業 を行つてきた。情報モラルの育成は

,情

報化が 進 んだ現代社会 においては重要なことである。 しか し,「○○ してはいけない」 と教え込 む ことによつて

,本

当に情報モ ラルが育成 され るのであろ うか。社会科 「情報単元」で必 要な ことは

,情

報モ ラルや リテ ラシーを育成す るこ となのであろ うか。 社会科 は,「社会認識形成 をとお して

,市

民的資質 を育成す る」教科である。岩田一彦 は

,市

民的資質の育つている子 どもを,「社会認識内容を踏まえて

,価

値判断 をす ることの できる合理的意志決定能力」(①,p.30を備 えた子 どもであると述べている。つま り

,社

会科 の 目標である市民的資質を育成す るためには,社会科 の授業で,社会的論争問題 に対 して, どのよ うな判断を していけばよいのかについて考える

,価

値判断場面 を取 り入れ ることが 必要である。 この市民的資質 を育成す るための授業構成理論 に

,米

田豊 の 「探究 I」 「探究 Ⅱ」(②) がある。米 田は,「探究I」 を「社会の しくみがわかる過程」,「探究 Ⅱ」を「考 える過程 」 として

,社

会認識形成 に とどま らず

,習

得 した知識や概念装置 を総動員 して

,社

会的論争 問題 に対 して

,価

値判断

,意

志決定 させ る学習を提唱 してい る。「探究 Ⅱ」の「価値判断, 意志決定」では,「探究I」 で習得 した知識や概念装置を総動員 した事実の分析的検討 を 踏まえて

,価

値半J断

,意

志決定 させ るとしている。 それでは

,子

どもは 「探究I」 の過程で習得 した知識 をどのよ うに活用 して

,事

実の分 析的検討 を し

,価

値判断

,意

志決定するのであろ うか。事実の分析的検討は

,子

どもの頭 の中で行われ る思考である。価値判断

,意

志決定 させ る学習で大切なことは

,子

どもが価 値判断

,意

志決定によって出 した結論ではなく

,そ

の結論を導き出すための事実の分析的 検討が

,合

理的であったか どうかである。つま り

,事

実の分析的検討 において

,ど

のよ う な思考を子 どもが行 うかを構造 として示す ことが必要 となる。 そこで

,本

研究では

,は

じめに小学校社会科「情報単元」の現状 と課題 を明 らかにする。 そ して

,価

値判断

,意

志決定場面で行われ る事実の分析的検討 における子 どもの思考 とそ の構造の理念型 を明 らかに し

,そ

の理念型 を組み込んだ

,合

理的意志決定能力 を育成す る 小学校社会科「情報単元」の授業開発 (単元名「情報 を伝える会社 とわた したち」)を 行 う。

(6)

(の 意志決定場面における事実の分析的検討の理念型 を明 らかに し,そ の構造を社会科の授 業に組み込む ことができれ ば

,子

どもの合理的意志決定能力を育成する授業モデル を開 発す ることができるだろ う。

3

研究の方法 研究の 目的を達成す るために

,次

の六つの方法によつて研究を行 う。 (1)平成元年版

,平

成 10年版

,平

20年

版 の小学校学習指導要領

,文

部科学省 が発行 した 情報教育に関す る資料 をもとに

,小

学校社会科 「情報単元」の変遷 とその課題 を分析す る。 ② 認知心理学

,教

育哲学の研究成果をもとに

,意

志決定場面における事実の分析的検討の 理念型を示す。 (3)分析 フレームワークを作成 し

,小

学校社会科における「意志決定」学習の先行授業実践 を分析 し

,分

析結果を考察す る。 ④ 社会認識形成 を意図 した小学校社会科授業モデル を開発

:実

践 し

,そ

の成果 と課題 を考 察す る。 (5)事実の分析的検討の理念型を組み込んだ小学校社会科授業モデルを開発

,実

践 し

,そ

の 成果 と課題 を考察す る。 (6)小 学校社会科 「情報単元」の新 しい教科書 と

,そ

の教科書を活用 した授業モデルを開発 す る。 I引用 。参考文献】 ①岩 田一彦『 社会科固有の授業理論30の提言』明治図書 2001.10 ②詳細については

,米

田豊編著『「習得・活用・探究」の社会科授業&評価問題 プラン 小 学校編』明治図書

2011.6を

参照 されたい。米 田は,「探究 Ⅱ」の過程 を,「新たな社会 事象への応用」「深 まった問いの発見

,探

究」「価値分析

,未

来予測」の三つ として論 じ ている。

(7)

I章

小学校 社会 科 「情報単 元」 に求 め られ る役割 近年

,コ

ンピュータの普及 とそれにともな う通信システムの大幅な技術革新によつて, 社会が大きく変化 してきている。 この流れを

,一

般に 「情報化」 とい う。平成元年版小学 校学習指導要領において

,情

報活用能力を育成する情報教育の重要性が指摘 された。 この ことを受けて

,文

部科学省は平成 14年 に『教育の実践と学校の情報化∼新 「情報教育に関 する手引」∼』

,平

18年

に『初等中等教育の情報教育に係る学習活動の具体的展開につ いて』

,平

22年

に『教育の情報化に関する手引』

,平

23年

に『教育の情報化 ビジヨン』 を出し,「情報教育」や 「教育の情報化」について提言 している。 小学校社会科でも

,情

報化が進んだ社会に対応 して

,平

成元年版小学校学習指導要領 【社 会】から

,第 5学

年の産業学習に

,情

報産業に関する内容が加えられ

,現

在に至っている。 本章では

,小

学校社会科 「情報単元」の変遷

,小

学校社会科 「情報単元」と「情報教育」 との関連を明らかにすることによって

,小

学校社会科 「情報単元」に求められる役割は何 かについて論 じていく。 第 1節 小学校社会科「情報単元」と「情報教育」 本節では

,平

成元年版

,平

10年

,平

20年

版の小学校学習指導要領 【社会】をも とに,「情報単元」の変遷を明らかにする。そして

,小

学校社会科 「情報単元」と「情報教 育」 との関連について論 じていく。

1

情報単元導入の経緯 昭和

60年

9月 10日

,当

時 の文部大 臣松永光は

,教

育課 程審議会 に対 して『 幼稚 園

,小

学校

,中

学校及 び 高等学校 の教育課程 の基準の改善 につい て』諮 問 し

,次

の よ うな検討の 観 点 を示 してい る。 幼児児童生徒の人間としての調和のとれた育成を目指し,国 家及び社会の益せ医者 として心身とも に健全な国民の資質を養 うため,時代の変化や教育課程実施の経験などを考慮するとともに臨時教育 審議会の答申をふまえ,幼稚園,小学校,中 学校及び高等学校を通じて教育上の諸問題を検討 し,教 育課程の基準の改善について審議する。

(8)

その際,主として次の事項について検討する。 (1)社会の変化に適切 に対応す る教育内容の在 り方について ② 国民 として必要 とされる基礎的 。基本的な事項の指導を徹底するとともに

,児

童生徒の能力・ 適性等に応 じた教育を充実 させるための教育内容の在 り方について (3)幼稚園,小学校,中学校及び高等学校 を通 じて調和 と統一のある教育内容の在 り方について (の 「6年制中等学校(仮称)」 の教育内容の在 り方について なお,審議に当たつては

,教

科書や指導方法等 との関連のほか,社会教育や家庭教育 との連携の在 り方その他社会情勢の変化 との関連にも留意すること。①,p.6) この検討 の観 点の一つである,「社会 の変化 に適切 に対応 す る教育 内容 の在 り方について」 について

,文

部大 臣松永 は

,諮

問 に際 してのあい さつ において

,次

の よ うに説 明 してい る。 ここでいう社会の変化とは

,科

学技術の進歩と経済の発展により,物質的に豊かな社会になったこ と,産業構造の変化,情報化社会や高齢化社会の進展,国際関係の緊密化などの変化を指している。 これら社会の変化に臨んで主体的に対応できる能力の育成を重視するとともに,児童の発達段階に 応じた教育内容の在 り方について検討する。①,p.7) この諮 問に対 して

,教

育課程審議会会長福井謙 一 は

,昭

62年

12月 24日

,審

議 の結果 を文部大 臣に対 して答 申 した。 その中で

,教

育課程 の基準 の改善 の基本方針 について

,次

の よ うに述べてい る。 今 日の科学技術の進歩 と経済の発展は,物質的な豊か さを生む とともに,情報化,国際化

,価

値観 の多様化,核家族化,高齢化など,社会の各方面に大きな変化 をもた らすに至った。 しかも,これ ら の変化は,今後ますます拡大 し,加速化することが予想 される。 これ らの諸変化は,幼児児童生徒の 生活や意識に深い影響 を及ぼ している。 今回の教育課程の基準の改善は,これ らの社会の変化 とそれに伴 う幼児児童生徒の生活や意識の変 容に配慮 しつつ,次の諸点に留意 して行 う必要がある。①,pp.7‐8) ② 自ら学ぶ意欲 と社会の変化 に主体的に対応できる能力の育成 を重視す ること (中略:戸田)科学技術の進歩や情報化の進展に対応す るために必要な基礎的な能力の育成にも留意 し

(9)

なければならない。(①,pp.8・

0

この よ うに

,答

申にお い て

,情

報 化 に対応 した教 育 が求 め られ る よ うにな った こ とがわ か る。 北俊 夫 は

,当

時 の情 勢 か ら

;情

報 化 に対応 した教育 の必 要性 につ いて

,次

の よ うに 述 べ てい る。 社会の変化に対応 した社会科の内容の改善が求められているが,その一つが,産業構造の変化に対 する対応である。 これまで,第 5学年の産業学習では,農業や水産業など第一次産業を中心 とした食料生産と,近代 工業及び伝統的工業など第二次産業における工業生産を重点に絞つてきた。 しか し,近年の我が国の産業構造の動向を見てみると,産業別就業者数の うち,第二次産業の就業 者数の割合が過半数 を超 えている。 例えば,昭和60年度の国勢調査によると,農業,林業,水産業な ど第一次産業への就業者数の割合 は,9.3%と 10%を切つている。鉱業,建設業,製造業などを含む第二次産業の就業者数の割合は, 33.0%と 3人に1人である。一方,第二次産業の就業者数の割合は,57.7%と

,60%に

せまる勢いで ある。 また,国 民所得の割合 を見ても,第 一産業は,昭和60年度にわずか3.1%にまで下がつて しまった。 その反面,第二次産業はほぼ横ばい(36.3%)になってお り,第二次産業の伸びは大きい(60.6%)。 このよ うに, 日本は

,工

業国か ら高度工業化社会,高度情報化社会へ とはげ しく変化 してきている と言える。 従つて,社会科の学習においても,以上のような社会の産業構造の変化に対応 して,我が国の運輸・ 通信など第二次産業にかかわる内容を新たに取 り上げるよう,内容の改善が図 られたのである。 (②,pp.74‐75) 北が指摘す る とお り

,当

時 の産業構造 として

,産

業学習 で扱 つて きた第一次産業

,第

二 次産業 よ りも

,第

二次産業 の就業者数の割合が増 え

,第

二次産業が 日本 の中で中心的 な存 在 となつていたので あ る。 この よ うな時代背景か ら

,答

申において

,次

の よ うな改善 の具 体的事項 が出 され るこ ととなつた。 (ウ

)産

業構造の変化などの社会の変化に対応するという観点から,運輸,通信などの第二次産業の

(10)

内容の充実 を図 る。 ① ,p.12) こうして

,こ

の答申を受けて作成された平成元年版小学校学習指導要領に,「通信」力渤日 えられることとなつたのである。

2

小学校学習指導要領に見られる「情報単元」の変遷 (1)平成元年版小学校学習指導要領 【社会】 平成元年版小学校学習指導要領 【社会】(以下:平成元年版)では

,小

学校社会科第

5学

年 の目標を次のように定めている。

(1)我

が国の食料生産、工業生産の特色及び運輸、通信などの産業の様子や これ らの産業 と国民生 活 との関連について理解できるように し、我が国の産業の発展 に関心をもつようにする。

(2)我

が国の国土の様子について理解できるように し、環境の保全 と資源の重要性 について関心を 深めるようにす るとともに、国土に対す る愛情を育てる。

(3)地

図、年表、統計などの基礎的資料を効果的に活用することができるようにす るとともに、社 会的事象の意味について考えるようにす る。(③ ,p.31) 日標の(1)の 中に,「運輸

,通

信などの産業」を扱 うことが明記 されている。 こうして, 平成元年版か ら

,小

学校社会科

5年

生で新たに情報産業が取 り上げ られるよ うになった。 文部省小学校課調査官の高野尚好は

,

日標の(1)に ある「我が国の産業」が

,昭

52年

版小学校学習指導要領(以下 :昭 和

52年

版)まで どのように扱われていたかにういて

,次

の ように解説 している。 `我が国の産業についての扱いについては,従前,第1次 産業 と第2次産業を中心に取 り上げてきた。 この場合,第 1次産業については,農業 と水産業であつた。これは,我が国においては食料の確保が 大切になるか らである。また,第2次産業については,現在の我 が国の工業生産の特色 と伝統的な技 術を生か した工業を取 り上げてきた。この うち前者 については,我が国の技術水準が極めて高いこと か ら,それを取 り上げてきた。 したがって,ここでは,重化学工業が中心 となつてきた。 ところで, 今回の改訂では,産業構造の変化に対応 し,第3次産業について も取 り上げるように した。(④,p.941

(11)

昭和

52年

版 まで は

,食

料 の確 保 の重 要性 か ら第 1次産 業 と,日本 を代表す る工業 で あ る 重化 学 工業 を 中心 と した第

2次

産 業 を取 り上 げ られ て きた。それ に対 し,平成 元年版 で は, 産 業構 造 の変 化 に対応 し

,第 3次

産 業 も取 り上 げ られ るよ うにな った。 この

,産

業構 造 の 変化 につ い て

,高

野 は次 の よ うに角翠説 して い る。 ところで,産業構造の変化 とい うことについては,次のようにとらえられている。つまり

,産

業構 造の変化 とは

,産

業構造の高度化 ということを意味していると取ることができる。この産業構造の高 度化 とい うことは,高次の発達段階への移行を伴 う産業構造の変化のことととらえられている。農林 漁業 とい う第 1次 産業の支配的な産業構造が,鉱 。工業という第2次産業を中心とする構造へ と移行 する工業化,初期の工業化を主導 した消費材産業を中心とする軽工業から,生産財,資本財産業を中 心とする重化学工業へ と工業内部の中心が変わる重工業化,加工度の低い材料産業から加工産業や組 立産業,と りわけ組立産業を中心とする高加工度化の傾向,また,サービス産業の占める割合が高く なるサービス化な どがあるとい うことである。 このような社会の変化 を踏まえ,第 5学年の産業学習の内容については,従前のよ うに,第 1次お よび第2次産業中心の取 り上げ方を改め

,第

3次産業 も取 り上げ られ るよ うに した。③,p.109) 高野 は

,産

業構 造 の変化 を,「工業化→重工業化→高加 工度化→ サー ビス化」 ととらえ, これまでの第

1次

,第

2次

産業 中心の学習か ら

,重

要度が増 した第

3次

産業 も学習す るよ うに改訂 した と述 べ てい る。 これ らの記述か ら

,平

成元年版 では

,情

報化 に対応 して

,小

学校第

5学

年 の産業 学習で第

3次

産業 を扱 うよ うに したこ とが

,改

訂 のポイ ン トとなって いた ことがわかる。 また

,平

成元年版 には

,小

学校第

5学

年社会科 の内容 につ いて

,次

の よ うな記述がある。 イ 我が国の放送、新聞、電信電話などの産業について、見学したり資料で調べたりして、これらの 産業は国民の日常生活と深いかかわりがあることや国民の生活に大きな影響を及ぼしていることを 理解するとともに、これらの産業に従事している人々が工夫や努力をしていることやこれからの生活 において情報の有効な活用が大切であることに気付くこと。(③,p.32) 平成元年版では,「通信 な どの産業」の具体 として 「放送

,新

,電

信電話などの産業」 が取 り上げられた。その理由について

,高

野は次のように解説 している。 7

(12)

これ らの産業は,いわゆる情報 を伝達す る産業であるところに共通性が認められ る。 この内容は, 社会の変化 として上げられている。情報化 に対応できるようにす るため,新設 された もので,ここで は,例示 された産業の一つの事例 を通 して,情報が どのように伝達 され るよ うになつてお り,その産 業に従事する人々は,情報の伝達にどのように関わつているか とい うことを取 り上げ られるよ うにす ることである。現在,我が国において

,放

送,新聞,電信電話な どの普及 は 目覚ま しいものがあ り, 国民生活の中に深 く入 り込んでお り,日 常生活の中でかな り活用 されていることは事実である。 この ことを踏まえ,ここでは,具体的な事例を通 して,これ らの産業が国民の 日常生活に深い関わ りを持 つていることや,国民の生活に大きな影響を及ぼす ようになっていることを理解 させ るようにす る必 要がある。(④,pp.112‐113) つま り

,平

成元年版 では

,情

報産業 とは,「情報 を伝 達す る産業」 で あ り

,そ

の しくみを 理解す るためには

,国

民生活 の中に普及 してい る 「放送

,新

,電

信 電話 な どの産業 」 を 扱 うこ とが適切 で ある とされ た。 また

,内

容 で は,「情報 の有効 な活用」 について も取 り上 げてい る。 この こ とについて, 高野 は次 の よ うに解説 してい る。 ところで,こ のような産業の発展によつて,情 報化社会の到来ということが言われる。人々が,そ の中で生きていくには,情報の正しい収集や活用の仕方,伝 達の方法を身につけることが大切である ことに気付かせるようにする指導も大切なことである。③,p.113) この よ うに

,平

成 元年版 では,「放送

,新

,電

信 電話な どの産業 」の学習 を通 して

,通

信 な どの産業 の しくみ を理解 す るこ とと

,そ

の理解 を とお して

,情

報 の有効 な活用 の大切 さに気付 かせ るこ とが求 め られ ていたのである。 (2)平成 10年 版小学校学習指導要領 【社会】 平成

8年

に文部省が公表 した『

21世

紀を展望 した我が国の教育の在 り方について(第一次 答申)』 の中に

,情

報化について次のような記述が見 られる。

(13)

情報化の進展は、今、新たな段階を迎えつつある。既に我が国では、企業活動、研究活動か ら教養 文化活動、娯楽の世界まで、社会のあらゆる分野に情報化が浸透 し、情報化社会 と言われるにふ さわ しい社会を迎えているが、今 日見 られるインターネ ッ ト、マルチメディアー体型のパ ソコン、携帯電 話などの普及は、想像をはるかに超 えて我々の生活様式 をさらに急速に変えつつある。 世界的規模での情報通信ネ ッ トワークを通 じて、不特定多数の者が、双方向に文字・音声 。画像等 の情報を融合 して交換することを可能 とす る高度情報通信社会が現実のもの とな りつつあり、それは かつての産業革命にも匹敵するような変化を全地球的にもた らし、今後の社会の姿を大きく変 え、21 世紀へ向けて新たな展望を開 くもの として大きな期待が寄せ られている。高度情報通信社会の全体像 については、今後の技術革新や基盤整備の動向によつても左右 され、なお明確でない ところがあるが、 情報化が、さらに急速に進展することは確実である。(⑤,p.89 情報の豊富 さは、プラスに生かせば子供たちの発想 を膨 らませ、 日常生活の幅を広 げ、豊かにする ものであることは間違いない。 しか し、情報は常に正 しいもの とは限 らない し、また意義のあるもの とも限 らない。興味本位 のものも相当に含まれていると考えた方がよい。そ うした懸念をよそに、子 供たちが手にす る情報は、パ ソコンや情報通信ネ ッ トワークの普及などによって今後増加の一途 をた どるもの と考えられ る.このような溢れる情報の中で、子供たちが誤 つた情報や不要な情報に惑わさ れることなく、真 に必要な情報を取捨選択 し、自らの情報を発信 し得る能力 を身に付 けることは、子 供たちにとつてこれか らますます重要なこととなつてい くと言わなければな らない。(⑤ ,p.82) この よ うな情報化 の進展 に対応すべ く改訂 されたのが

,平

10年

版小学校 学習指導要領 (以下 :平成

10年

版)である。平成 10年版 では

,小

学校社会科第

5学

年 の 目標 を次の よ うに 定 めてい る。

(1)我

が国の産業の様子,産業と国民生活との関連について理解できるようにし,我が国の産業の 発展に関心をもつようにす る。│

(2)我

が国の国土の様子について理解できるように し,環境の保全の重要性について関心を深 める ようにするとともに,国土に対する愛情を育てるよ うにする。

(3)社

会的事象 を具体的に調査 し,地図,統計などの各種の基礎的資料 を効果的に活用 し,調べた ことを表現す るとともに

,社

会的事象の意味について考える力 を育てるよ うにす る。⑥,pp.25・26)

(14)

目標 の(1)は

,平

成 元年版 では,「我 が国の食料生産

,工

業 生産 の特色及び運 輸

,通

信 な ど の産業の様子や これ らの産業 と国民生活 との関連 について理解 できるよ うに し」 とされて いた ものが

,平

10年

版 では

,「

我 が国の産業 の様子

,産

業 と国民生活 との関連 について 理解 できるよ うに し」 と表現が改め られている。 平成

10年

版 では

,内

容 の 中で

,情

報産業 の学習 を次 のよ うに定 めてい る。

(3)我

が国の通信などの産業について,次のことを見学したり資料を活用したりして調べ,こ れら の産業は国民の生活に大きな影響を及ぼしていることや情報の有効な活用が大切であることを考 えるようにする。 ア 放送

,新

聞,電信電話などの産業と国民生活とのかかわり イ これらの産業に従事している人々の工夫や努力⑥,p.20 この 「我 が国の通信 な どの産業」 と「これ らの産業 は国民 の生活 に大きな影響 を及 ぼ し てい るこ と」について

,平

10年

版小学校学習指導要領解 説社会編(以下 :平 成

10年

版解 説社会編)は

,次

の よ うに解説 してい る。 「我が国の通信などの産業」とは,多種多様な情報を収集し,選択 。加工して,提供している放送, 新聞などの産業や,情 報を文字,音声,映像などで瞬時に伝えるサービスを提供している電信電話な どの情報産業を指している。ここでいう情報とは,あ る事柄についての知らせであり,人間が判断し たり行動を起こしたりする上で必要な知識である。⑦,p.6つ 「これらの産業は国民の生活に大きな影響を及ばしていること」を考えるようにするとは,我が国 の通信などの産業が国民の日常の生活や産業活動(下線:戸田)にとつて欠かすことのできない様々な 情報を収集 し提供 していることや,そ れらの産業が国民生活の向上や産業の発展(下線:戸田)に大き な役割を果たしていることを考えることができるようにすることである。(⑦,p.68) ここで

,平

成元年版 か らの変化 と して注 目すべ き点は

,情

報産業 が 「産業活動 に とつて 欠 かす こ とので きない様 々 な情報 を収集 し提供 してい るこ と」や 「産業の発展 に大 きな役 割 を果 た してい るこ と」 を取 り上 げてい るこ とであ る。つ ま り

,情

報産業 は

,国

民の生活 だ けでな く

,他

の産業 に も影響 を与 えてい ることが考 え られ るよ うに しなけれ ばな らない

(15)

と述べているのである。 このことは,「通信 などの産業が国民のニーズを考え

,様

々な情報 を収集 し提供 していることや

,人

々がそれ らの産業か ら発信 され る情報を 日常の生活や産 業活動の中で活用 していること」(⑦,pp.68‐69)とい う記述か らも読み取ることができる。 また,「情報の有効な活用が大切であることを考えるようにする」について

,平

10年

版解説社会編は次のように解説 している。 「情報の有効な活用が大切であることを考えるようにする」とは,高度情報通信社会において人々 が主体的に生きてい くには,情報の有用性や役割,情報化のもた らす様々な影響な どについて考える とともに,情報の適切な収集や活用,発信や伝達の仕方などの能力や態度 を身に付 けることが大切で あることを考えることができるようにすることである。(⑦ ,p.68) このよ うに

,平

10年

版でも

,情

報産業の学習 をとおして,「情報の有用性や役割

,情

報化のもた らす様 々な影響な どについて考えるとともに

,情

報の適切な収集や活用

,発

信 や伝達の仕方などの能力や態度 を身に付ける」ことが求め られてい ることがわかる。 (3)平成20年版小学校学習指導要領 【社会】 「新 しい知識・情報 。技術が政治・経済 。文化をはじめ社会のあ らゆる領域での活動の 基盤 として飛躍的に重要性 を増す

,い

わゆる『 知識基盤社会』の時代である」(③,p。1)現代 社会に対応するため

,平

17年

2月 に文部科学大臣か ら国の教育課程の基準全体の見直 し について検討するよう,中 央教育審議会に対 して諮問 し,同 年 4月 か ら審議が開始 された。 その審議の末

,平

20年

1月 に中央教育審議会は 「幼稚園

,小

学校

,中

学校

,高

等学校及 び特別支援学校の学習指導要領等の改善について」答 申を行 つた。その答 申の小学校社会 科の改善の具体的事項の中で

,情

報産業の学習について次のよ うに述べてい る。 (イ)(中略:戸田)また,社会生活を営む上で大切なルールや法及び経済に関する基礎となる内容の充実 を図るとともに,我が国の情報通信に関する内容について,高度情報化の進展を踏まえつつ学習の ねらいを一層明確にする観点から改善を図る。⑥,p.80) この答 申を うけて

,改

訂 されたのが

,平

20年

版小学校学習指導要領(以下 :平成

20年

版)である。

(16)

平成

20年

版 で は

,小

学校 社 会科 第

5学

年 の 目標 を次 の よ うに定 めてい る。

(1)我

が国の国土の様子,国土の環境 と国民生活 との関連について理解できるようにし,環境の保 全や 自然災害の防止の重要性について関心を深め,国土に対する愛情を育てるようにする。

(2)我

が国の産業の様子,産業と国民生活 との関連について理解できるようにし

,我

が国の産業の 発展や社会の情報化の進展に関心をもつようにする。

(3)社

会的事象を具体的に調査するとともに,地図や地球儀

,統

計などの各種の基礎的資料を効果 的に活用 し,社会的事象の意味について考える力,調べたことや考えたことを表現する力を育てる ようにする。(⑨,p.36) 情報 産業 の学習 に関連 す る 目標 の(2)の中に

,平

20年

版 か ら

,新

た に 「社 会 の情 報 化 の 進 展 」 とい う文言 が加 え られ てい る。 また

,平

20年

版 で は

,小

学校 社 会科 第

5学

年 の 内容 を次 の よ うに定 めて い る。

(4)我

が国の情報産業や情報化 した社会の様子について,次の ことを調査 した り資料 を活用 した り して調べ,情報化の進展は国民の生活に大きな影響 を及ぼしていることや情報の有効な活用が大切 であることを考 えるよ うにす る。 ア 放送

,新

聞な どの産業 と国民生活 とのかかわ り イ 情報化 した社会の様子 と国民生活 とのかかわ り(⑨,p.3つ ここで,「我 が 国 の情報 産 業 」 と 「情報 化 した社 会 の様 子 」,「情 報 化 の進展 は国民 の生活 に大 きな影 響 を及 ぼ してい る こ と」につ い て

,平

20年

版 小 学校 学 習指導 要 領解説 社 会編 (以下 :平成

20年

版 解 説 社 会 編)は次 の よ うに解 説 してい る。 「我が国の情報産業」とは,多種多様な情報を収集 し,選択 。加工して提供 している放送

,新

聞な どのマスメディアや,インターネ ットなどの情報ネットワークを形成 して情報を文字,音声

,映

像な どで瞬時に伝えるサービスを提供 している産業を指 している。③,p.661 「情報化した社会の様子」とは,通信技術の発達と高度化によつて情報の生産や相互のや りとりが 大量・高速・広域化 し

,教

育,文化,産業, 日常生活などの様々な場面において大きな変化が見 られ

(17)

ることを指 している。(⑧,p.60 「情報化の進展は国民の生活に大きな影響を及ぼしていること」を考えるようにするとは,我が国 の情報産業が様々な情報を提供 し,国民の多くがそれ らを多方面で利用 していることや,情報ネ ット ワークの働きが公共サービスの向上のために利用されていることなどを手掛かりにして,情報化の進 展が国民生活の向上や産業の発展に大きな影響を及ぼ していることについて考えることができるよ うにすることである。③,p.60 この よ うに

,平

20年

版 か らは,イ ンターネ ッ トな どの通信技術 の発達 に よる情報ネ ッ トワー クの働 きを理解 させ ることが重要視 されてい ることがわかる。 このこ とは

,内

容 の 取扱いに,「情報ネ ッ トワー クを有効 に活用 して公 共サー ビスの向上 に努 めてい る教育

,福

,医

,防

災な どの 中か ら選択 して取 り上 げるこ と」(⑨,p.38)が新 たに加 え られた こ とか らも読み取 ることができる。また

,平

20年

版解説社会編 は

,情

報化 の進展 が産業 の発展 に大 きな影響 を及 ぼ してい ることがわか るよ うにす るために

,内

容 の取扱 い について

,次

の よ うに解説 してい る。 「生産地と消費地を結ぶ運輸などの働き」を調べるとは,農業や水産業の盛んな地域では

,運

輸の 働きにより鮮度を保ちながら生産物を早く消費地へ届ける努力をしていることや,生産物の輸送手段 や経路,出荷先や出荷量などを判断するために情報を収集していること(下線:戸田)などを取り上げ, 生産地と消費地を結ぶ運輸の働きや情報の利用の様子を具体的に調べることである。③,p.50 (前略:戸田)その際

,野

菜の生産に従事 している人々が,インターネ ッ トを活用 して相場の情報を 市場か らいち早 く入手 し,出荷す る場所,量 ,種類

,時

期を判断 していること(下線:戸田)など,農 業における情報の利用について取 り上げることが考えられる。(③,p.60) 「工業生産を支える貿易や運輸などの働き」を調べるとは,原材料の確保や製品の販売などに見 ら れる貿易や運輸な どの働 きを取 り上げ,貿易や運輸な どが工業生産を支える大切な働 きをしているこ とについて具体的に調べ ることである。 ここでは,例えば,自動車の生産に必要な鋼板の原料 となる鉄鉱石が外国か ら運ばれ輸入 されてい ることや,我が国で生産 された 自動車が国内だけでなく世界の様 々な国や地域に輸出されていること 13

(18)

を取 り上げることが考えられ る。また,貿易や運輸のほかにも工業生産を支えるもの として

,情

報の 働きについて取 り上げることも考えられる(下線 :戸 田)。 0,p.6の この よ うに

,第

1次産業や第

2次

産業 の学習 の中で,「生産物の輸送手段や経路

,出

荷先 や 出荷量な どを判 断す るた めに情報 を収集 してい ること」 「イ ンターネ ッ トを活用 して相 場 の情報 を市場 か らい ち早 く入手 し

,出

荷す る場所

,量 ,種

,時

期 を判 断 しているこ と」 を扱 うことによつて

,情

報化 の進 展 が産業 の発展 に大 きな影 響 を及 ぼ してい ることが わか るよ うに してい る。 また,「情報 の有効 な活用 が大切 であるこ とを考 えるよ うにす る」 について

,平

20年

版解説社会編 は次 の よ うに解説 してい る。 「情報の有効な活用が大切であることを考えるようにする」とは,情報の有用性や役割,情報の適 切な収集 。活用,発 信や伝達の仕方,情報化のもたらす様々な影響などをもとに,情報化した社会に おいて人々が主体的に生きていくためには情報を有効に活用することが大切であることについて考 えるとともに,様々な情報に対して適切に判断し,望ましい行動をしようとする能力や態度を身に付 けることである。(③,pp.66‐67) 平成

20年

版 では,「情報 の有効 な活用」の仕方 だ けでな く,「様 々な情報 に対 して適 切 に 判 断 し

,望

ま しい行動 を しよ うとす る能力や態度」 を身に付 け させ ることが求 められ てい る。 これ は

,中

央教育審議会 の答 申の中で述べ られ てい る次 の よ うな課題 に対応す るため である。 他方,こ うした情報化の光の部分のほか,情報化の影の部分 も子 どもたちに大きな影響を与えてい る。インターネ ッ ト上の 「掲示板」への書き込みによる誹謗中傷やい じめ,個人情報の流出やプライ バシーの侵害,インターネ ッ ト犯罪や有害情報,ウィルス被害に巻 き込まれ るなど様 々な問題 が挙げ られる。 これ らの問題への対応については,家庭の果たすべき役割 も大きく,学校では家庭 と連携 し なが ら,情 報モ ラルの育成,情 報安全等に関する知識の習得などについて指導することが重要である。 《こ),p.65)

(19)

このように

,平

20年

版では

,情

報産業のしくみを理解 させるだけでなく

,そ

の理解を とおして

,情

報モラルを育成することも求められている。 答申及び小学校学習指導要領 【社会】に見 られる情報化への対応をまとめると

,表

I‐1‐1 のようになる。 表I…

1-1

答申及び小学校学習指導要領 【社会】に見 られ る情報化への対応の変遷 年 月 学習指導要領及び答申 特 色 昭和60年 「幼稚 園

,小

学校,中学校及 び高 等 学校 の教 育課程 の基 準 の改善 に ついて」 ・情報化の進展に対応するために必要 な基礎的な能力 の育成 。運輸,通信などの第二次産業の内容の充実 平成 元年 平成 元年版 小学校 学習指導要領 。運輸,通信などの産業を扱 う (通信などの産業の具体 として,「放送,新聞

,電

信 電話などの産業」をあげる) 平成8年 「21世紀を展望 した我が国の教育 の在 り方について彿 一次答申)」 ・企業活動等

,社

会のあらゆる分野への情報化 の浸透 への対応 。子 どもたちが誤 つた情報や不要な情報に惑わ される ことな く,真に必要な情報 を取捨選択 し,自 らの情 報を発信 し得 る能力の育成 平成10年 平成10年版小学校学習指導要領 ・情報の適切な収集や活用

,発

信の伝達の仕方な どの 能力や態度の育成 平成20年 「幼稚園,小学校,中学校,高等 学校及び特別支援学校の学習指導 要領等の改善について」 。「知識基盤社会」への対応 。高度情報化の進 展 を踏 まえた学習のね らいの一層の 明確化 平成20年 平成20年版小学校学習指導要領 。情報ネ ットワークの働き 。情報モラルの育成 15

(20)

3

小学校社会科「情報単元」と「情報教育」の関連 (1)情報教育の目標 文部科学省は

,初

等 中等教育における情報教育の 日標 を 「情報活用能力」の育成である としている。平成

9年

10月 に,「体系的な情報教育の実施に向けて」(第

1次

報告)が提言 さ れ

,情

報教育の基本的な考 え方 と

,体

系的な情報教育の内容 について

,次

の図I‐1‐1(「情 報教育の基本的な考え方 と体系的な情報教育の内容」のよ うに整理 された。 このよ うに

,文

部科学省 は

,情

報教育の 目標を 「情報活用の実践力」 「情報の科学的な 理解」 「情報社会に参画す る態度」の育成 としている。 ○従来の 「情報活用能力」 ① 情報の判断,選択,整理, 処理能力及び新たな情報 の創造,伝達能力 ○情報教育の 目標 としての 「情報活用能力」 → 見直 しの観点 ・教育 目標 として の明確化 ・求め られ る能力 観の変化 慢 け身か ら主体 性重視→ 繰 作中心か ら問 題解決の道具へ) ・コンピュータ等の整 備の進展 ・情報通信ネットワーク の整備の進展 → (1)「情報活用の実践力」 課題や 目的に応 じて情報手段 を適切に活用 す ることを含めて,必要な情報 を主体的に 収集・判断・表現・処理・創造 し,受け手 の状況な どを踏まえて発信・伝達できる能 力 ④ 情報科学の基礎及び情 報手段(特にコンピュータ)の特 徴の理解,基本的な操作 能力の習得 → ② 情報化社会の特質,情報 化の社会や人間に対する 影響の理解 → 0)「 情報の科学的な理解」 情報活用の基礎 となる情報手段の特性の理 解 と,情報 を適切 に扱 つた り, 自らの情報 活用を評価 。改善す るための基礎的な理論 や方法の理解 → ③ 情報の重要性の認識,情 報に対する責任感 → → ③ 「情報社会に参画す る態度」 社会生活の中で情報や情報技術 が果た して いる役割や及ぼしている影響を理解 し,情 報モラルの必要性や情報に対す る責任につ いて考え,望ま しい情報社会の創造に参画 しようとす る態度

I-1…

1

情報教育の基本的な考え方と体系的な情報教育の内容

(① ,p.12)

(21)

①情報活用の実践カ 文部科学省は

,情

報活用の実践力で重要なこととして

,次

のことをあげている。 第二に重要なことは,情報を主体的に収集・判断・表現 。処理・創造 し,受け手の状況などを踏ま えて発信・伝達するとい う一連の作業が しつか りと行 えることである。すなわち,「情報活用の実践 力」は,収集 。判断・表現 。処理 。発信・伝達などを切 り離 して訓練するだけで身に付 くわけではな い。(中略 :戸 田)具体的な 目的があってこそ,収集 した情報が役立ったか,情報手段の活用は適切で あつたかとい うことが明 らかになる。また,発信する目的があってこそ,表現や処理の工夫が生 きて くることになる。(⑪,p.20 第二に,「情報活用の実践力」では,主体性や,受け手の状況などを踏まえることを強調 している 点が重要である。 これは,情報の発信先

,伝

達先には,それを受 け取る人間がいることを意識 して, 受け手にとつて分か りやす く

,か

つ不快な思いをさせないような情報の発信 。伝達ができることを意 味す る。 これ らの背景には,情報通信ネ ッ トワークの普及にともなって さまざまに発生 している影の 影響への対応 とい う観点もある。それ らの問題の中には,情報発信者の受信者に対す る配慮不足や, 逆に,発信 した情報が どのように利用 され る恐れがあるかについての発信者の認識不足が原因になつ ている場合 も少なくないか らである。そ して,これ らの問題を正 しく理解す る上でも,情報技術 を正 しく理解するための 「情報の科学的な理解」力`必要であ り,また,情報技術が人間や社会に及ぼす影 響を認識する 「情報社会に参画す る態度」 との関連付 けが重要である。(①,p.20 これ らの記述か ら

,情

報活用の実践力 を身に付 けさせ るために

,具

体的な 目的を明確に もたせ ること

,情

報の受け手の存在 を考えさせ ることを重視 してい ることがわかる。 そ し て

,情

報の受け手の存在 を考えさせ ることによつて

,情

報モ ラル を身に付 け させ よ うとし ていることがわかる。 ②情報の科学的な理解 文部科学省は

,情

報の科学的な理解について

,次

のように述べている。 「情報活用の実践力」では,課題や 目的に応 じて情報を活用す る際,「情報手段の適切な活用」と い う観点を重視す る必要がある。 この時に必要なのは,情報技術 を活用すべきか どうか判断 した り, 17

(22)

どのように活用するとより効果的かを考える力である。 このような力 を身に付けるには,「情報活用の実践力」を体験重視で育成するだけでは不十分であ る。情報に関わる学問の成果 を適切に教育内容や教育方法に取 り入れ,情報活用の経験 とその裏付け となる基礎的な理論や手法 とを結びつけ,「情報活用の実践力」を深化

,定

着 させた り,様々な情報 手段に共通の原理や仕組みを理解 させることで,情報手段を活用する能力の一般化 と一層の向上 を図 る必要がある。 これが 「情報の科学的な理解」である。(①,pp.26・27) つ ま り

,「

情 報 活 用 の 実践 力 」 を身 に付 け させ るた め に

,「

情 報 の科 学 的 な理解 」 が必 ′要 で あ る と述 べ て い る。 また

,文

部科 学省 は次 の よ うに も述 べ て い る。 ここでまず大切なのは「情報活用の基礎 となる情報手段の特性の理解」とは,コンピュータや情報 通信ネ ットワークなどの情報手段の特性を理解することで終わるのではなく,情報手段の特性を知る ことによつて情報手段を適切に選択 し活用できることまでを含んでいることである。つまり,コンピ ュータやインターネットをブラックボックスとして,闇雲に信 じて利用するのではなく,その長所や 弱点を知 り,あわせて他の情報手段の特性も理解 し,様々な情報手段の中から適切な手段を選択でき るこ とが必要である。 ① ,p.27) このように

,「

情報の科学的な理解」をさせるためには

,コ

ンピュータやインターネ ッ トの長所や弱点を理解 させることが必要であると述べている。 ③情報社会に参画する態度 文部科学省は

,情

報社会に参画する態度について

,次

のように述べている。 「情報社会に参画する態度」については,特に,「望ましい情報社会」は,誰かに与えられ るもの であつた り,一部の人の意見で決め られるべきものではないとい う立場に立ち,一人一人が,情報の 進展が生活に及ぼす影響 を理解 し,情報に関する問題に適切に対処 し,積極的に情報社会に参加 しよ うとする倉1造的な態度が大事であるとしている点が重要である。 このためには,情報や情報技術 につ いての正 しい理解をもつ必要があ り,「情報社会に参画する態度」は,体験に根 ざした 「情報活用の 実践力」 と,適切な知識 としての 「情報の科学的な理解」とに基づき,情報化が人間や社会に どのよ

(23)

うな光 と影の影響 を及ぼ しうるのか,また,その影の影響を克服す るためにはどのよ うな注意や配慮 が必要なのかを考えさせ ることで培われる。⑩,pp.28‐

2"

この よ うに

,「

情 報 社 会 に参 画 す る態 度 」 は

,「

情報活 用 の実 践 力 」 と 「情 報 の科 学 的 な理解 」 に基 づ い て

,形

成 させ る こ とが必 要 で あ る と述 べ て い る。 また

,文

部 科 学省 は

,次

の よ うに も述べ てい る。 「情報社会に参画する態度」の育成は,「社会生活の中で情報や情報技術が果たしている役割や及 ぼしている影響を理解」することから始まる。ここでは,光の部分 と影の部分とその両面を常に考慮 することが必要である。情報化の進展によつて生活の利便性の向上や産業の効率化 。生産性の向上な どがもたらされたことを認識 させるとともに,情報の信頼性や信憑性の問題,個人情報や著作権の保 護,コンピュータ犯罪,実体験の欠乏と対人関係の変化,健康問題なども含め,情報化の進展に伴い 生 じてきた問題について認識 させ,日 常生活において直面する情報に関する問題を,どのように捉え どう対処すべきかとい う心構えを子どもたちに持たせ,情報社会に参画 しその進展に寄与しようとす る態度を育てることが大切である。 様々な手段を通 して得 られる情報の中には,誤つた情報や偏つた情報,伝達される過程で情報が損 なわれてしまうもの,作為的に加工された情報も含まれている可能性がある。 したがつて,必要な情 報を主体的に収集 し,的確に判断するためには,それ らの情報が どのような過程を経て収集

,処

理, 加工,伝達されているのか,その仕組みの理解や,それに関わる情報手段や人間の特性の理解が重要 である。そして,そのような理解の上に立って,その情報を信頼 して判断 し,行動 したときに負 うリ スクや責任を知ることも, 自己責任がより強調される今後の社会では極めて重要である。(①,p.2の 必要 な情報 を主体 的 に収集 し,的確 に判 断す るた めには,その情報 が信頼 で き るもの か, 信 憑性 が あ る もの か を見極 め られ る よ うに しな けれ ば な らな い。 「情 報社 会 に参画す る態 度 」 を育成 す るた め に は

,そ

れ らの情報 が どの よ うな過 程 を経 て収 集

,処

,加

,伝

達 され てい るの か

,そ

の仕組 み の理解や

,そ

れ に関 わ る情報 手 段 や 人 間 の特性 の理解 させ る こ とが重 要 で あ る と述 べ てい る。 この よ うに

,情

報 教 育 で は

,「

情報活 用 の実践 力 」 「情 報 の科 学 的 な理解 」 「情 報 社 会 に参 画す る態度 」 を総 合 す る こ とに よって

,情

報 活 用 能力 を育成 す る こ とが 求 め られ てい る。

(24)

また,,この二つ の観点の関連 について

,文

部科学省 は次 の よ うに述 べてい る。 以上の3つの観点は独立したものではない。総合することによつてはじめて子どもの情報活用能力 を高めることができる。すべての教員がそれぞれ担当するさまざまな教育活動の中で, 3つ の観点を 意識し, 3つ の観点をバランスよく身に付けさせるように指導することが求められている。③,p.31) この よ うに

,二

つ の観 点 の どれ かだけを指導す るのではな く

,バ

ランス よ く指導す るこ とが求 め られ てい るので あ る。 ただ し

,こ

の記述 は情報教育 を

,小

0中 。高等学校段階を 通 じて体系的に実施す る とい う前提 に立っている。 つま り

,小

。中 。高等学校で三つの観 点 をバ ランス よく身 に付 け させ るこ とが必要である と述べてい るので ある。 文部科学省 は

,平

22年

に発行 した『 教育め情報化 に関す る手引』において

,小

学校, 中学校及 び高等学校 におい て身 に付 け させ たい情報活用能力 を

,次

の表

I-1-2よ

うに整理 してい る。

(25)

表I…

1-2

小学校

:中

学校及び高等学校において身に付けさせたい情報活用能力 小学校 中学校 高等学校 児童が コンピュー タや情報通 信ネ ッ トワー クな どの情報手 段 に慣れ親 しみ,コンピュー タで文字 を入力す るな どの基 本的な操作及び情報モ ラル を 身に付 け

,情

報手段 を適切 に 活用できるよ うにす るための 学習活動を充実 生徒 が情報 モ ラル を身 に付 け,コンピュータや情報通信 ネ ッ トワー クな どの情 報 手 段を適切かつ主体的,積極的 に活用 で き るよ うにす るた めの学習活動を充実 生徒が情報モ ラル を身に付 け,コンピュータや情報通信 ネ ッ トワー クなどの情報手 段を適切かつ実践的,主体的 に活用できるようにす るた めの学習活動を充実 A   情 報 活 用 の 実 践 力 基本的な操作 。文字の入力・電子 ファイル の保存 。整理・インターネ ッ トの閲 覧 。電子メールの送受信 など 情報手段の適切な活用 。様々な方法で文字や画像な どの情報 を収集 して調べた り比較 した りす る 。文章を編集 した り図表 を作 成 した りする 。調べた ものをま とめた り発 表 した りする 。ICTを使 つて交流する 情報手段の適切かつ主体的! 積極的な活用 。課題を解決するために自ら 効果 的 な情報手段 を選 ん で必要な情報を収集す る 。様々な情報源から収集 した 情報 を比較 し必要 とす る 情報や信 頼 で きる情 報 を 選び取る

′ 。ICTを用いて情報の処理の 仕方を工夫する 。自分の考えなどが伝わ りや す い よ うに表 現 を工夫 し て発表 した り情報 を発信 す るなど 情報手段の適切かつ実践的, 主体的な活用 。直面する課題や 目的に適 し た情報手 段 を主体 的 に選 択する 。自ら課題 を設定 して課題の 解 決 に必 要 な情報 を判断 し,適切な情報手段 を選択 して情報 を収集する 。収集 した情報の客観性 。信 頼性について考察す る 。考察の結果 を踏 ま えて, 様 々な情 報 を結 び付 けて 多面的に分析・整理 した り 新 たな情 報 を創 造 した り 発信 した りする 。相手や 目的に応 じて情報の 特性 を と らえて効 果 的に 表現する B   情 報 の 科 学 的 な 理 解 情報手段の特性 と情報活用の 評価・改善 。コンピュータな どの各部の 名称や基本的な役割,イン ターネ ッ トの基本的な特性 を理解 ・情報手段 を活用 した学習活 動の過程や成果 を振 り返 る ことを通 して, 自らの情報 活用 を評価 。改善す るため の方法等を理解 情報 手段の特性 と情報 活用 の評価・改善 ・コンピュータの構成 と基本 的な情報処理の仕組み,情 報 通信 ネ ッ トワー クの構 成,メディアの特徴 と利用 方法等,コンピュー タを利 用 した計測 。制御の基本的 な仕組みを理解 ・情報手段を活用 した学習活 動 の過程や成果 を振 り返 ることを通 して, 自らの情 報活用を評価 。改善す るた めの方法等を理解 情 報手段 の特性 と情 報活用 の評価・改善 ・情報や情報手段の特性や役 割の理解 。問題解決において情報や情 報 手段 を実践的 に活用す るための科学的 な見方や 考 え方 と して

,手

順や方 法,結果の評価等に関する 基本的な理論の理解 21

(26)

平成

20年

版の小学校

,中

学校

,高

等学校学習指導要領 【総則】において

,小

学校段階で は

,コ

ンピュータや情報通信ネ ットワークなどの情報手段に 「慣れ親 しみ」

,中

学校段階で は

,小

学校で身に付けた基礎の上で,「主体的

,積

極的」に活用できるようにし

,高

等学校 段階では

,小

学校及び中学校段階の基礎の上に,「実践的

,主

体的」に活用できるようにす るための学習活動へと発展 させていくことが求められている。 (2)小学校学習指導要領 【社会】における「情報単元」の内容の変化と「情報教育」 平成

10年

版小学校学習指導要領 【社会】(以下:平成

10年

版)と平成

20年

版小学校学習 指導要領 【社会】(以下 :平成

20年

版)の第

5学

年の 「情報単元」の内容をまとめると

,次

の表I‐1‐3(「平成

10年

版 と平成

20年

版における『 情報単元』の内容」)よ うになる。 C   情 報 社 会 に 参 画 す る 態 度 情報モラル (情報社会で適正に活動す る た めの 基 とな る考 え方 と態 度) 。情報発信 による他人や社会 への影響 ・情報には誤 つた ものや危険 なものがあること 。健康を害するような行動 ・ネ ッ トワー ク上のルールや マナーを守ることの意味 。情報 には 自他の権利がある ことな どについての考 え方 や態度 情報モラル (情報社会 で適 正 に活 動す るた めの基 とな る考 え方 と 態度) 。情報技術の社会 と環境にお ける役割 ・ トラブルに遭遇 した ときの 自主的な解決方法 。基礎的な情報セキュリティ 対策 。健康を害するような行動 。ネ ットワーク利用上の責任 ・基本的なルールや法律の理 解 と違法 な行為 に よる問 題 。知的財産権など権利を尊重 す るこ との大切 さな どに ついての考え方や態度 情報モラル (情報社会 で適正 に活動す るた めの基 となる考 え方 と 態度) ・望ま しい情報社会を構築す る上で必要 となる,個人の 役割 と責任 。トラブルに遭遇 した ときの 実践的,主体的な解決方法 ・情報セキュ リティの具体的 な対策 ・心身の健康 と望ま しい習慣 に配慮 した情報や 情報手 段 との関わ り方 ・ネ ッ トワーク利用時の適切 な行動 。ルールや法律の内容の理解 と違法 な行 為 に よ る個人 や社会への影響 ・情報化の 「影」の部分の理 解 を踏まえた,よ り良いコ ミュニ ケー シ ョンや人間 関係 の形 成 な どにつ いて の考え方や態度 (⑫,p.75)

(27)

I-1-3

平成10年版と平成20年版における『情報単元』の内容 平成

10年

版か ら平成

20年

版への内容の変更点は

,次

の六点にま とめることができる。 i「 我が国の通信 な どの産業」が 「我が国の情報産業」 となっている。 五「情報化 した社会の様子」が付け加 えられている。 五 「見学 した り」が 「調査 した り」 となつている。 市「これ らの産業」が 「情報化の進展」 となってい る。

v「

電信電話」が削除 されている。 宙 「イ これ らの産業に従事 している人々の工夫や努力」が 「イ 情報化 した社会の様子 と国民生活 とのかかわ り」 となっている。 それでは

,具

体的には どのよ うに変化 したのか。平成

10年

版 と平成

20年

版の小学校学 習指導要領解説社会編 をもとに

,そ

の変化 と「情報教育」 との関連について論 じてい く。 ① 「情報産業の定義」について 平成

10年

版 と平成

20年

版 における 「情報産業の定義」についての記述をま とめたもの が,次の表I‐1‐4(「平成

10年

版 と平成

20年

版における『 情報産業の定義』に関する記述」) である。 平成 10年版 平成20年版 (3)我が国の通信な どの産業について,次のことを 見学 した り資料を活用 した りして調べ,これ らの 産業は国民の生活 に大 きな影響 を及 ぼ している ことや情報の有効 な活用が大切であることを考 えるようにす る。 ア 放送,新聞,電信電話などの産業 と国民生活 とのかかわ り イ これ らの産業に従事 している人々の工夫や 努力⑥,p.2め ④ 我が国の情報産業や情報化 した社会の様子に ついて,次 のことを調査 した り資料 を活用 した り して調べ,情報化の進展は国民の生活に大きな影 響 を及ぼしていることや情報の有効 な活用が大 切であることを考えるよ うにす る。 ア 放送,新聞などの産業 と国民生活 とのかかわ り 情報化 した社会の様子と国民生活とのかか わ り(⑨,p.37) 23

(28)

平成

10年

版では

,「

放送

,新

聞などの産業」 と

,「

電信電話などの情報産業」と分 けて いる。平成

20年

版では

,情

報産業を

,「

放送

,新

聞などのマスメデ ィア」 と 「インターネ ッ トなどの情報ネ ッ トワー タを形成 して情報を文字

,音

,映

像な どで瞬時に伝えるサー ビスを提供 してい る産業」 と定義 している。 ここでの大きな変化 として

,「

インターネ ッ トな どの情報ネ ッ トワーク」が付け加 えら れたことがあげ られ る。 これは

,コ

ンピュータや携帯電話 な どが広 く個人に も普及 してい る現代社会への対応 を意図 している。 ②「情報化 した社会の様子」について 平成

10年

版 と平成

20年

版における「情報化 した社会の様子」についての記述をま とめ たものが

,次

の表I‐1‐5(「平成

10年

版 と平成

20年

版における『情報化 した社会の様子』 に関する記述」)である。 表 I-1-4(「 平成10年版 と平成20年版における「情報産業の定義」に関する記述 平成 10年版 平成20年版 「我が国の通信な どの産業」 とは,多種多様 な情 報を収集 し,選択 。加工 して,提供 している放送, 新聞な どの産業や,情報を文字

,音

声,映像 な ど で瞬時に伝 えるサー ビスを提供 している電信電話 などの情報産業を指 している。 (⑦,p.67) 「我が国の情報産業」 とは,多種多様な情報 を収 集 し,選択 。加工 して提供 してい る放送

,新

聞な どのマスメデ ィアや,イ ンターネ ッ トなどの情報 ネ ッ トワークを形成 して情報を文字,音声

,映

像 などで瞬時に伝 えるサー ビスを提供 している産業 を指 している。③,p.60 表

I-1-5

平成10年版 と平成20年版における「情報化 した社会の様子」に関する記述 平成 10年版 平成20年版 記述 な し 「情報化 した社会の様子」 とは

,通

信技術 の発達 と高度化によつて情報の生産や相 互のや りとりが 大量 。高速 。広域化 し

,教

,文

化,産業, 日常 生活 などの様 々な場面において大 きな変化 が見 ら れ ることを指 している。(③,p.66)

(29)

平成

20年

版か ら

,「

情報化 した社会の様子」が付 け加えられた。 このことか ら

,情

報化 の進展が

,国

民の生活 に どのような影響 を及ぼ しているかを考えさせ ることを重視 してい ることがわかる。 この部分は

,情

報教育の 日標の 「情報社会へ参画す る態度」の 「情報化の進展によつて 生活の利便性の向上や産業の効率化 。生産性の向上などがもた らされたことを認識 させ る」 に関連 している。 ③ 「調べ方」について 平成

10年

版 と平成

20年

版 における学習の際の 「調べ方」 についての記述 をまとめたも のが

,次

の表I‐1‐6(「平成

10年

版 と平成

20年

版における『 調べ方』に関す る記述」)であ る。 調べ方について

,平

10年

版で「見学や視聴覚教材の活用」としていたものを

,平

成 20 年版では 「調査や資料

,視

聴覚教材の活用」 としている。 また

,調

べ る対象 については, 平成

10年

版で 「通信な どの産業に従事 している人々の仕事の様子」 としていたものを

,平

20年

版では「人々が 日常の生活や産業で必要な情報をどのように入手 し活用 しているの 表

I-1-6

平成 10年版 と平成20年版 にお ける「調べ方」 に関す る記述 平成10年版 平成20年版 「見学 した り資料を活用 した りして調べ」 とは, ここでの学習の仕方を示 している。 ここでは,例 えば,通信などの産業に従事 している人々の仕事 の様子について

,放

送局や新聞社 などを実際に見 学 した り,視聴覚教材な どを活用 した りして調べ ることが考えられ る。(⑦,p.60 「調査 した り資料を活用 した りして調べ」 とは, ここでの学習の仕方を示 している。 ここでは,例 えば,人々が 日常の生活や産業で必要な情報 をど のよ うに入手 し活用 しているのかを調査 した り資 料を活用 した りして調べ ること

,放

送,新聞など の産業では多種多様な情報を収集 し,選択 。カロエ して提供 していることを視聴覚教材 などを活用 し て調べること,情報ネ ッ トワークを有効に活用 し て公共サー ビスの向上に努めている人から話 を聞 いた り資料を活用 した りして調べ ることな どが考 えられ る。(③,p.60

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