数学指導におけるコンピュータの道具的利用過程の分析システムに関する研究
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(2) 目. 次. はじめに・…・鱒……・…・・………・鱒・……・……・・鱒・榊・1. 第1章 数学指導におけるコンピュータの利用…………・……3 1.1 今後の数学指導で目指すねらいとn進数の指導・………3 1.2 数学指導におけるコンピュータの道具的利用の意義……11. ユ.3 分析システムの必要性……韓…………・………・・14 1.4 n進数の指導におけるコンピュータの道具的利用の意義鱒13. 第2章. n進数の指導におけるコンピュータの道具的利用………18. 2.1. 指導目標 ・・・・・・・・… ”......+◆....”..,.”・”...”・..21. 2.2. t受業言量言十 .。◆◆...◎→・・,◆◆◆◇・◆・..◆..・・や。..◆◆.・◆・.・・◆・○○◆22. 2.3. コンピュータ教材に必要な機能………・………・・…42. 第3章. コンピュータ教材と分析システムの開発・………・……48. 3.1. コンピュータ教材の開発……・…………・・………48. 3.2. 分析システムの開発・……・…………・・…・…・…・63. 第4章 授業実践とコンピュータの道具的利用過程の分析………78. 4.1 授業実践。……………・………・………・・……78 4.2 、1時問目の授業の分析…・…・・…………………・・83. 4.3 2時問目の授業の分析・…◆……………・………・103.
(3) 4.4 3時問目の授業経過………◆……・…・・…・・……121 4.5 授業実践のまとめ・鱒・…・………・・・・………・。…124. おオ)りここ・..◆.◆●◆........◆.・.・・.○●・,。◆●◆・◆◆・.◆..○。◆◆.◆・.鱒..●135. 文献・……・…………・・……・……・……………・…・138. 参考文献……・…・………・・……・…………・………◆140. 謝辞・……………・…… ………………… …………141.
(4) はじめに. 新しい学習指導要領に基づく教育課程か平成5年4月より全国の中学 校で完全実施されている。この指導要領の数学科の目標には、自ら学ぶ 意欲の高揚、主体的な学習の仕方や数学を意欲的に学習しようとする態. 度の育成という新しい観点からの数学指導が求められている。また、n 進数の指導では2進法などの基礎的・基本的な理解や具体的な活用の仕 方の理解を目指している。このような目標を達成するためには、生徒自 身の主体的な学習活動を11進数の指導の中に適切に組織していくことが 必要である。しかし、Il進数は生徒にとって身近な存在ではなく、数学. 的な題材である。そのようなn進数を生徒の主体的な学習活動を促しな がら・理解させ:ていくためには・どのような指導が考えれるかは重要な. 問題であり、どのような授業を設計し、展開していけばよいかが課題と なっている。. n進数は数学教育現代化が行われた昭和44年の指導要領で取り上げ られ、その後一旦削除され、今回改めて取り上げられた内容である。上. のような新しい観点からの研究はまたなされていない。また、n進数に 対する生徒の理解がどのようなものであるかも解明されていない。 本研究の目的は、生徒にとって身近でない1’1進数の指導において、生. 徒がn進数を考察し主体的に学習していくための授業を設計し、そのた めの教材を開発し、生徒の学習活動を捉えるためのシステムをつけ加え、. 授業実践を通して、生徒の学習活動がどうようなものかを解明し、その 有効性を明らかにすることである。. 授業設計にはいろいろな方法があるが、本研究では、認知科学の知見. 一1一.
(5) をもとに生徒のn進数の理解について考察し、学習過程を、生徒が状況 に埋め込まれた課題を解きながら、n進数のしくみを調べ、調べたこと を利用する活動を通して、そのしくみの規則性や違いを発見していく過. 程ととらえて、授業設計していく。その授業設計の中で生徒がn進数の しくみを調べられるようなコンピュータ教材を開発し、キー操作の記録 と画面の再現ができるシステムを付け加える。そして、授業実践を行い、. 生徒の操作過程の分析を通して、どのような学習活動がなされたかを解 明し、授業設計、指導:方法、コンピュータ教材の有効性を明らかにする。. 本論文の構成は以下の通りである。第1章では、まず、今後の数学指 導で目指すべきねらいとn進数の指導の問題点、数学指導にコンピュー タを道具的に利用することの可能性と意義について述べる。次に、生徒 の学習活動の道具としてコンピューータを利用する場合の分析システムの. 必要性、n進数の指導におけるコンピュータを道具的に利用する研究の 意義について述べる。第2章では、まず、単元の指導目標と授業設計の 基本的な考え方を示し、授業設計に当たって重要な要素である学習素材、. 場面設定、学習課題について述べる。次に、これらを位置づけた指導計 画と指導案を示す。そして、設計した授業を展開するために必要なコン. ピュータ教材の機能について述べる。第3章では、コンピュータ教材の 開発内容について述べ、分析システム開発の基本的な考え方と内容につ いて述べる。第4章では、まず、授業実践の実施状況について述べる。 次に、各時問ごとに授業の経過とコンピュータ教材利用の活動の生徒の 操作過程の分析について述べ、分析結果をもとに授業実践の結果につい てまとめる。. 一Lt一.
(6) 第1章 数学指導におけるコンピュータの利用. 1.1 今後の数学指導で目指すねらいとn進数の指導. 1,1.1 今後の数学指導において目指すべきねらい 平成元年3月に告示された新しい中学校学習指導要領に基づく教育課. 程が、平成5年4月より全国の中学校で完全実施されている。この学習 指導要領は、戦後の教育の民主化と生活単元学習の考えによる昭和26 年、その反省としての系統学習の主張による昭和33年、数学教育現代 化の導入による昭和44年、そして、その軌道修正として基礎・基本の. 重視とゆとりと充実を目指した昭和52年の、それぞれの改訂に続く5 回目の改訂によるものであり、21世紀にむけて、国際化、情報化、価 値観の多様化などの急速な社会の変化に対応する学校教育のあり方を示 したものである。. 中学校学習指導要領Dでは数学科の目標を次のように掲げている。. 「数量、図形などに関する基礎的な概念や原理・法則の理解を深め、. 数学的な表現や処理の仕方を習得し、事象を数理的に考察する能 力を高めるとともに数学的な見方や考え方のよさを知り、それら を進んで活用する態度を育てる。」. この目標は前回の昭和52年の中学校学習指導要領2)の数学科の目標 に比べて、新しく「事象を数理的に考察する能力を高める層とともに数学. 的な見方や考え方のよさを知り、それらを進んで活用する態度を育てる」. 一3一.
(7) がつけ加えられている。このような表現を用いた背景を考慮し、この目. 標に込められた、今後の数学指導で目指すべきねらいを、学習指専要領. 改訂の基本的方向を定めた昭和62年の教育課程審議会r幼稚園、小学 校、中学校及び高等学校の教育課程の基準の改善について(答申)」3) の趣旨を踏まえて、解釈すると次のようになる。. まず、前半の「数量、図形などに関する基礎的な概念や原理・法則の 理解を深め、数学的な表現や処理の仕方を習得し」は「基礎的・基本的 な内容」の指導について述べたものであり、知識の伝達に偏ることなく、 生徒の発達段階や内容の系統性を考慮し、生徒の興味・関心を生かす等、 その指導の徹底が求められている。また、「数学的な表現や処理の仕方 を習得し」には基礎的な技能ばかりでなく、数学的な表現や処理に関わ る見方や考え方にまで習熟を図るねらいが込められていると考える。. 次に、後半であるが、まず「事象を考察する能力を高める」とは論理 的な思考力や直観力の育成の観点から、見通しをもち、筋道を立てて考 え、数理的に処理する能力と態度の育成を求めている。また「数学的な 見方や考え方のよさを知り」は数学的な見方や考え方の有用性のについ ての理解、「それらを進んで活用する態度を育てる」は基礫・基本を含 め、数学的な見方や考え方の活用能力の育成について述べたものである。 この後半全体には「自ら学ぶ意欲と社会の変化に主体的に対応できる能 力の育成」という新しい視点に関連して、自ら学ぶ意欲の高揚、主体的 な学習の仕方や数学を意欲的に学習しようとする態度の育成というねら いが込められているものと考える。. このような目標に込められたねらいは、今後の数学指導を考える上で 常に留意して行かねばならない。. 一4一.
(8) 1.1。2 n進数の指導のねらい 今回の中学校学習指導要領1,ではIl進数の内容と取り扱いを第2学年. の内容のrC 数量関係」と「3 内容の取扱い」の中て次のように明 直している。. 「(1)数の表現についての理解を深めるとともに、実際の場面で数. を適切に用いることができるようにする。」 「(4)内容のCの(Dについては、2進法などの記数法、a×10nの形 の表現を取り上げるものとする。」. n進数は数学教育現代化の考え方が導入ざれた昭和44,年の中学校学 習指導要領4)で、第1学年「数と式」領域の内容として取り上げられて いた。当時は位取り記数法の基本的な考え方を一般的に理解させること. をねらいとしで1、5進数、2進数などを数の表現から加法、乗法を中 心とした計算まで取り扱われていたむ。それが昭和52年の改訂で基礎 ・基本の重視と内容の精選の観点から、中学校段階では発展性、応用性 に乏しいとして削除された7Z。そして、今回「社会の変1ヒに主体的に対 応できる能力の育成」の観点から、コンヒ:ユータ内部の数の表現方法で. ある2進法に慣れさせるというねらいから改めて取り上げられることに なった。そのため、内容を2進法を中心とした数の表現に限定し、軽減 した形になっている。「数量関係」への領域変更も勘案すろと、.技能習. 熟等の深入りを避け、2進法などの基礎的・基本的な理解や具体的な活 用の仕方の理解に重点をおいた指導が求められていると考える。. しかし、2進数に慣れさせろねらいはあろものの、2進数には他のn 進数と比べ、次のような指導上の問題が考えられる。桁の進みが速く、. ’tb一.
(9) 数のまとまりをつけで表す数表記の利点が薄れる可能性がある。大きい. 数を2進数に表すと桁数が増え、使い慣れた10進数と違いに戸惑う危 険性がある。10進数との相互の変換の際、計算そのものは簡単である が計算:回数増え、機械的になる恐れがある。2進数の利点である1桁の 四則演算の単純さが正規の内容として取り上げられない。. 学ふ側にとって、2進法を学ふということは10進法以外の記数法、 即ち11進法の一つを学:ふことであって、1’1Lts法のどれを学ふかは一・部の. 生徒を除けばあまり重要な問題ではない。2進法の理解がコンピュータ を身近なものにするかどうかは、その理解の質に関わっている。もし、. 上のような問題が予想される2進法を無理に教え込むことになれば、コ ンピュータはより遠い存在になる。ここでねらう2進法などの基礎的・ 基本的な理解とは、2進法などの表現の1士方の背後にある位取りの原理 やこれに従う記数法を拡張し、統話する数学的な見方・考え方について. の理解である。このような理解が2進法の理解を一層深めるという立場 から、2進法にあまり偏らない指導が必要であると考える。. なお、位取りの原理は10進法の場台、数字をかく位置が1つ左へす れることに値か10倍になるという各位の焔心にはたらく法則をいう6,。. 1.1.3 1!進数の指導. 11進数はn進法に基づいて数を表現したものであり、n進法は通常、 位取り記数法の一般形を指している。代数学におけるn進法の定義は次 のようになっている;。。. nξN(自然数cou11七im3 nUmber)とする。1壬意のa(NU{0}は、 a=aU LY+a円nし一1+aトこnF−2+…樋+alt!十a・ as ,. 一{1’,’.
(10) 0≦al<n,. i=O, L2,・φ◎. k一正. O 〈a,, 〈n. の形に一意的に表現される。右辺をaのn進展開または11進表現といい、 数をn進展開により表す方法をn進(記数)法という。これを簡単に、. a=akaHa卜2…・・ala。(ll進) とまiす。このとき、aiをniの位の数という。これを読むとき、普通棒. 読みにする。n=10の場合、すなわち10進法のとき、(10進)と 書くのを省略する。. 中学校段階では、このような一般的な定義を指導することは難しいの. で、2進怯などの具体的な場台を、具体的な数を使っで指導することに なる。実際の指導として、10進法を拡張しn進法を理解させる展開と、. n進数を考察しn進法を学習していく展開の2つが考えられる。 (1)10進法を拡張しn進法を理解させる指導展開 上の定義をもとに具体的な数をあてはめて、10進法を拡張し5進法 を理解させる場合の大まかな流れを示す。. まず、10進数を野桁の単位と各桁の数の積に分解する。 423=100×4十10×2十1×3 ,,.,...〈IDt)・. 次に、各桁の単位を10の累乗の形に表す。 423= 1 Oc× tl 十 1 O×2十 1 ×3 ..,.,・,ikl.’ ,”ii. ここで、10の累乗を単位として数を表す方法を10進法と定義する。 そして、単位を10の累乗から、5の累乗に変えて、次のような数を 5の累乗を単位として表す方法、即ち5進法を示す。 ある数が、. 5L’ ×2十5×4十1×3 ,・・+・.,;r3]). 一7一.
(11) と表されたとき、この数を、. =243(5進). 鱒φ・・←・. と表す。. このような10進法の拡張を基本にした展開は新教科書le)にも見られ る。この指導展開における問題点は次の通りである。. まず、生徒は10進数に慣れているので式①は割に理解し易い。式②. は式①の100を10こに直しただけであり、大半の生徒は1()0と10 三が等しいことを知っているので、その式の変形も理解できる。しかし、. 何故そのようにするのかは分からない。423の4は400の4、10 0が4つあることで、10三が4つあることではない。10こにする必然 性は式の正しさからは分からない。生徒にとっての工0進法は式②のよ うな10の累乗を単位とした式や考えによるものではない。. 式③は式②の10を5に変更するという数の拡張であるが、ここでも 何故そうするのかということが理解しにくい。また、そのような拡張が 正しいかの判断も難しい。式③から式㊥は5進法の定義でありx’指導の. 流れとしては10進法という表現方法を拡張したことになる。しかし、. 生徒の10進法が10の累乗を単位とした式や考えによるものではない 以上、この拡張の意味は分からない。また、次のように、式③は答えを. 出す計算式と見るのが常であり、5進数に表現するための式と見ること ζま難し・L、Q. 5:’ ×2十5×4十1×3=73 5;’ ×2十5×4十1×3= 243(5 Lk). 一8’ 一.
(12) さらに、式④のように5進数で表しても、その表記からそれが表す数 の大きさは分からない。何のために表現するのか、その意義が欄めない。. このように、数と式の見方を通して、10進法を5進法に拡張する展 開は生徒にとって必然性のない、受身的な学習になりがちである。そこ. で、次のような物を数える操作などを取り入れ、指導することが必要に なる。. 数の表現の仕方を知る最も初歩的な方法は、実際の物を数え、数に表 してみることである。10進法が10の累乗を単.位としていることも、. 物を10のまとまりをつけて数え、10のまとまりが10できたとき1 00としたことなどを振り返えらせることで、気づかせることができる。 しかし、物を数えるような具体的ではあるが初歩的な活動に中学校の生. 徒が興味をもって取り組むかは疑問であり、略図などを使った念頭操作 には教師の補助が必要になる。. ま炬、10以外の数にまとめるという発想を生徒に要求するのは難し く、10進法以外のn進法の具体操作の方法は教える以外には難しい。 そのような与えられだ方法による活動は単なる作業になりがちである。. さらに、物を操作して5進数や2進数に表せ炬としても、式④同様、そ の表記の意義は掴み難く、生徒にとっては、何のために数えるのか、活 動の意義が分からない。. このように、10進法をn進法に拡張していく指導展開の中では具体 的な操作も生徒の自主的な活動とはなり難いと考える。. (2) n進数を考察しn進法を学習していく指導展開 これに対し、生徒がn進法自体を発見的に学習していくような三筆展 開として、生徒が日常生活の中で既に知っているn進数を考察させるこ. 一9一.
(13) とが考えられる。その考察を通して、n進数のしくみ、即ちn進法;を理 解させていくという展開である。. 実際、日常生活では時問や角度、月日などの量を表すのにn進法が使. われている。しかし、これらは各位の数に10進数を使い、位の意味が 不明確で、厳密な意味の11進数とは考えにくい。使われる位も2つの場 合がほとんどで、表したい数(量)の大きさにより単位を使い分けてい る。また、次のように、各位の数の後に単位をつけるなど、数の表現と いうより特定の量の特殊な表現いう色彩が強い。. 150分、2時間30分00秒 即ち、生徒の身近な素材の中からn進数を取り出し、考察し、n進法 に結びつけることは本格的には難しい。. そこで、次のような同じ数を表すn進数を与え、どのような表現方法 で表したものかを時間の表し方と対比して考えさせることが考えられる。. 32、112(5進). 150分、2時間30分 しかし、n進数の存在さえはっきりしない生徒に、 n進数のみ与え、 表現方法を考えさせること自体、無理がある。. このように、これまでは生徒がn進数を考察していくような展開は考 えられなかった。そこで、本研究ではn進数のしくみを調べることがで. きるようなコンピュータ教材を開発し、n進数を考察しn進法を発見的 に学習していく指導展開を行う。. 一10一.
(14) 1.2 数学指導におけるコンピュータの道具的利用の意義. 1.2.1 数学指導におけるコンピュータの道具的利用 中学校学習指導要領Dの数学にコンピュータが登場したのは今回がは じめてある。しかし、これまでの数学指導においてもコンピュータは有. 用な教育機器の一つとして、グラフィックス機能を生かした教材提示や. 学習の個別化を図る古典的なCAI、人工知能を応用した知的CAI「な どいろいろな形でその利用が考えられてきた。. その中には、一つの単元を決められたコースにしたがって、コンピュ ータが教師の仕事を代行して流していく場合と、教師がコンビZ一’タを 学習活動の道具として、単元の学習の随所に、必要に応じて使っていく 場合がある。一般に後者をコンピュータの道具的利用と呼んでいる。 最近では、コンピュ・一一タを学習の道具として、学習者自身が利用する. とき、学習者がコンピュータを介して教材に働きかけ、教材を変化させ. たりしながら、得られた情報をもとに、学習者自身が考え、判断し、整 理し、教材の性質や原理・法則を自ら発見していくような学習活動に利 用する研究が行われるようになってきた。この場合、コンピュP・タは問 題を提示したり、答えの正誤を判定したり、答えの出し方を教えだりし ないで、学習者の操作に対する教材の変化や情報を提供するだけである。 学習者はコンピューータを操作しながら、納得がいくまで試行錯誤を繰り. 返すことができる。気づいたことを確かめ、試しながら、意味ある特長 や規則性、関連性などを見い出していくことができる。コンピュータは そのための道具の一つである。本研究では、このような学習者の主体的 な学習活動を目的としてコンピュータを利用する。. 一11一.
(15) 1.2.2 数学指導におけるコンピュータの道具的利用の意義. (1)数学三三におけるコンピュータの道具的利用の可能性. コンピュータは最近の数学研究でも少なからぬ影響を与えている。関 数の数値実験や証明等にコンビこz・・一タが利用され、新分野を切り開く契. 機となるなど、学問としての数学の進歩にも貢献している11)。数学は現 実の世界にある物や現象そのものではなく、直接触れたり、観察したり、 操作したりが難しい富山や図形など抽象的な概念を考察の対象としてい る。コンピュータは優れた数値処理や図形処理の能力をもっているので、. 抽象的な数学の対象をより具体的に取り扱う道具として、大きな可能性 をもっている。. これは学問としての数学ばかりでなく、数学教育においても同様の可 能性を秘めている。. まず、複雑な計算は、そのことが指導内容でない場合には、コンピュ ータに処理させることにより、生徒は自らの思考に集中することができ る。正確な作図やグラフの作成も、そのことが指導内容でない場合はコ ンピュータに任せ、生徒は図形の性質やグラフの特長をより詳しく調べ ることに時間と労力を傾けることができる。このような処理が容易にな れば、値や現象が理想化されていない身近な素材も取り上げ易い。 また、コンピュータを利用して計算や作図、グラフ化が短時間で繰り 返し行えるので、生徒の発想を生かし、少しずつ数や図形を変えながら、 繰り返し結果を確認していくような学習活動が可能である。. 図形やグラフを動かしたり、変形したり、特殊化するなどもコンピュ ータ上では可能であり、生徒の具体的な操作ができるようになる。これ まで静的であった図形やグラフが動的に取り扱え、その観察を通して、. 一12一.
(16) 生徒の視覚的なイメージや直観が思考や学習活動に生かされ易くなる。. (2)数学指導におけるコンピュータの道具的利用の意義 コンピュ・一タを道具的に利用することは、先に述べた今後の数学指導 におけるねらいの達成にも貢献できる。. まず、コンピュータを学習活動の道具として利用する場合、コンピュ ・…一. Oが問題や指示を出し、生徒がそれに応えてコンピュータを操作する. のでなく、生徒自身がコンピュータに命令を出し、教材に働きかけなけ ればならない。これはこの利用方法自体が生徒の自主的、自発的な活動 の上に成り立っているものであり、生徒の主体的な学習活動を目的とし ていて、これを促すものである。. また、思い通りの試行が許されているので、生徒の自由な発想が生か され易く、自ら学ぶ意欲を高める効果が期待できる。ざらに、教材のも つ性質や原理・法則を明らかにする方法も生徒の考えに従っているので、 主体的な学習の仕方を身に付けさせるには有効なものと考える。 生徒がコンビュー・タを道具的に利用して何らかの発見がなされたとす. れば、そこには生徒自身の直観力や洞察力が働いたものと考えられ、そ の育成につながる可能性がある。特に数学指導において、生徒が数量や. 図形などの数学的な対象に働きかけ、試み、発見していく過程は数学的 な見方や考え方を活用し、また、新たに身に付けていく場面そのもので あり、その意義も大きいものと考える。. 一13一.
(17) 1.3 分析システムの必要性. 1.3.1 コンピュータの道具的利用過程を知る必要性 コンピュ・・一・・タを学習活動の道具として利用することの効果を確かめる. ことは、評価の問題も含めて、重要な問題である。このことにはコンビ ュPtタを利用した研究がはじまった当初から注意が払われきた。. 学校現場で学習指導に対する教育効果を測る方法としては、一般に、 テストやアンケートなどの最終的な結果を分析する方法と、学習シbeト などを指導の過程で記入ざせ、その変容の様子を分析する方法の二通り が考えられる。もちろん、これらを併用する場合もある。どちらも各々 長所、欠点があるが、後者がより教育的である。コンビz一一タを利用し た学習指導の際も、最終的な結果から多くのことは判断できないし、後. の指導にも生かしにくい。このような意味で、CAI研究でも学習記録 の重要性が指摘されてきた12)。. 特に、コンピュ・…Aタを道具的に利用する場合、CAIのように教材の 論理や教師の考えにもとづいた、ある程度定まった道筋の学習を進める のでなく、生徒自身の自主的、自発的な活動を前提として、学習を進め ていく。コンピュータを使った学習活動が生徒自身に全面的に任されて いるとき、学習活動が単なる遊び1こ終ってしまわないか、数学的に意味 ある活動がなされ得るか、そして、実際、どのような活動がなされるか という疑問に対して、適切に応えていく必要がある。. 一つ目の疑問は学習課題の与え方や目的意識をもたせるなど学習態度 の指導や操作の仕方の指示、着眼点の指導によって一応解消できる。二 つ目は学習指導において重要な問題であるが、利用方法の問題というよ り、教材開発の問題である。コンピュータでどのような情報の提供をす. 一14一.
(18) るのかやコンピュ・’一タにどのような機能をもたせるか、どのような画面. の表示をするかなどに関わった問題であり、各々の教材によって別個に 考えるべき問題である。そこで、この問題に関しては以後の章において 具体的に述べる。三つ目は仮に何らかの意味ある活動がなされるとして も、実際、どのような活動がなされるか、予想がつきにくいということ. である。これは生徒一人ひとりの発韻の違いや個人差、数学的な活動の 多様性に関わった問題でもある。. これらの疑問に応えるためには、一人ひとりの生徒によってどのよう. な活動がなされるのかをよく観察し、調べていく研究を積み重ねて行か ねばならない。そして、そのkめの、生徒一人ひとりの活動の様子、即 ち、コンピュータの道具的利用過程を知るための方策がとられなけばな らない。. 一15一.
(19) 1。3.2 コンピュータの道具的利用における分析システムの必要性 コンピュータを道具的に利用する場合において、どのような活動がな されるかを知る方法として、実際に、生徒がコンピュータを操作し、学 習を進めている様子を教師自身が自分の目で見て確かめるという方法が ある。確かに、この方法は生徒の表情や仕草まで正確に捉えられ、理解 や考えといった生徒の内面にまで踏み込んで考察するごとが可能である。 しかし、見られる側の生徒の中には教師に見られることを嫌う生徒もい る。生徒の学習の妨げないように、その生徒の学習過程をじっくり観察 することは容易ではない。また、平常の授業形態では一人の教師が数十 名の生徒を指導するのが一般的であり、現実問題として学校現場で、こ の方法をとることは不可能である。. また、教師自身による観察の代わりに、VTRを用いる方法がある。 VTRの場合、教師は授業を進めながら生徒の学習活動がありのままに 記録でき、後に、再生して克明な分析が行える。リアルタイムの再生だ けでなく、分析に必要ないところは早送りしたり、詳しく分析したいと ころはスロ・一euしたりや巻戻して繰り返し見たりしながら、効率的に分. 析することもできる。生徒の学習活動ばかりでなく、認知や理解過程に ついてまで克明な分析が行える点、有効な方法である。録画記録は授業 者だけでなく公共的に利用でき、客観的な評価を得たり、共同研究にも. 生かされる。ただ、学校現場では生徒の数に近い台数のVTRを設置し て、生徒一人ひとりの活動を録画することは難しい。現実的には予め特 定の生徒を決めておき、その数名の生徒について録画し分析することに なる。特定の生徒を取り上げ録画することになると、その生徒の心理的 な影響は大きくなると考えられる。 これに対し、コンピュータを学習活動に利用した場合、コンビュ…一・二. 一16一.
(20) で何らかの記録を採ることは容易にできる。VTRのように、生徒の表 情や仕草までは記録できないが、生徒一一人ひとりの記録を生徒の心理に. 影響を与えないように採ることも可能である。また、画面をいくつかの 数値をもとに計算して描いている場合は、それらの数値を記録すること で生徒がコンピューータを操作していた画面を記録することができる。そ. して、その後、記録された数値を読み出し、再度計算して画面を描けば、. コンピュータの画面を再現することができる。VTRで再生しているか のようにコンピュ・・一・タ画面を再現し、これを観察することで生徒の学習. 過程をイメージすることが可能である。また、記録された数値は処理手 続きが定まっていれば、コンピュータによって高速、大量に処理するこ とができ、必要なら、それらの記録を大量に複製し、加工したり、伝達 しだりすることも容易である。. このような意味で、コンピュータの道具的利用過程を知るための方策 として、コンピュータの画面を再現できるシステムを開発することは必 /. 要であり、意義あるものと考える。分析システムに関してはCMIなど の分野で様々な研究が行われているが、VTRのようにコンピュータの 画面を記録し再現して分析を行う研究は少ない。本研究では生徒のキー 操作を記録し、学習後、生徒が操作した画面を再現する方法を基本とし て分析システムの開発を行う。. 一17一.
(21) 1.4 n進数の指導におけるコンピュータの道具的利用の意義. 数学指導におけるコンピュータの道具的利用については、これまでも 図形指導を中心に、コンピュP・タを学習者の思考を助ける道具として利 用する研究がなされ、その有効な利用方法が模索されてきている。 図形指導に関する、これまでの主な研究は次の通りである。 M.Yerushalmy(1986)は作図や図の変形、測定等ができるソフトGeo一 障le七ric Supposerを用いた授業実践を中学生に実施し、生徒が自ら発見. した推測や定理を示し、科学的探究学習の道具としてのコンピュータ利 用の可能性を示唆した13)。. 飯島康之(1991)は作図ツールGeQme七ric Cons七ruc七〇rを用いた大学. 生の問題解決過程の分析をもとに、作図による理解の深化や定理の発見、 修正などの作図ツ…一・ルによる支援について述べている14)。. 成田二二・垣花京子・東原義訓・中山和彦・能田伸彦・清水克彦(1− 992)は幾何学習ソフトCabri−Geome七ryを使った授業実践を行い、図形 の性質の推測、動的な図形の捉え、主体的な学習態度の育成などの効果 を指摘している15)。. 数と式、関数、統計の指導に関する主な研究は次の通りである。. 井上正記(1991)は速さと時間の方程式の授業に、生徒が速さを変化 させながら移動の様子をコンピュータの画面上で観察する活動を取り入 れ、「自分で考えた後、パソコンで確かめができたのでよくわかった」 等の生徒の感想を得たと報告している16)。. 高橋正(1992)は高校での連立方程式の解法に数式処理システムを用 いる実践を行い、問題の発展的扱いや図形問題とめ関連付けにおける道 具としての効果について述べている17》。. 一18一.
(22) 徳峯良昭(1989)は関数を見つける発展的問題の解決にコンピュータ を利用した実践を行い、解決過程における関数的な見方、考え方の指導 の可能性を指摘している18)。. 徳峯良昭(1991)は生徒が資料を選び、その特長や関連を考察するた めの道具としてコンピュータを利用した実践を示し、統計指導の活性化 について述べている191。. 以上のように、図形指導に関する幾何学習ソフトや作図ツールを用い た研究では、本研究でいうコンピュ・一・タの道具的利用の教育効果や有効. 性が確かめられつつある。他の分野の指溝に関しても、その効果的な展 開方法が次第に明かにされてきている。. しかし、これまでのコンピュータの道具的利用の研究では、本研究の ようにその後の分析にまで焦点を当てたものは見当らない。. また、本研究で取り上げるn進数の指導に関する研究はまだ行われて いない。n進数の指導において、どのようなコンピュータの道具的利用 が有効か、コンピュータの道具的利用はどのようなn進数の指導を可能 にするかなど、まだ、ほとんど解明されていない。. n進数の指導において、先に述べたように、これまでは10進法をn 進法に拡張する指導展開しか考えられなかっだ。そのような指導展開で. は、「なぜ、そのような変形をするのか」、rなぜ、そのような拡張を するのか」、「なぜ、そのような表現するのか」などの生徒の疑問に答 えられなかった。そのような展開では生徒の学習がn進法を受け入れる 受動的なものになり、その後の指導も伝達的で、形式的になる可能性が 高かった。. まだ、生徒の身近な素材の中に適当なn進数は見当らず、n進数を生 徒自身が考察し、その表現方法を生徒自身が発見的に学習していくよう. 一19一.
(23) な指導展開も考えられなかった。. n進数の指導における授業設計では、認知科学の知見をもとに生徒の 捻進数の理解について考察し、学習過程を、生徒が状況に埋め込まれた. 課題を解きながら、n進数のしくみを調べ、調べたことを利用する活動 を通して、そのしくみの規則性や違いを発見していく過程ととらえて、. 授業の展開を考えていく。その授業の展開の中で生徒がn進数のしくみ を調べられるようなコンピュータ教材を開発し、キー操作の記録と画面 の再現ができるシステムを付け加える。. 一20一.
(24) 第2章 11進数の指導におけるコンピュータの道具的利用. 2.1 単元の指導目標. 今後の数学指導において目指すべきねらいについては既に述べた。ま. た、n進数の指導における基礎的・基本的な理解が、2進法などの表現 の仕方の背後にある位取りの原理やこれに従う記数法を拡張し、統合す る数学的な見方・考え方についての理解であることも既に述べた通りで ある。. 生徒が数をn進数に表しても、その表記そのものからそれが表す数の 大きさは分からず、何のために表現するのか、その意義が欄めないこと. も既に指摘した。生徒がn進数の表す数の大きさ知るtaめには、実際の. 物や量に対応させるか、生徒がよく知っている10進数に直すかのいず れかしかない。また、中学校段階では数式による処理が中心となるので、. n進数を10進数に直したり、10進数をn進数に直すことはn進数の 基本的な技能として重要である。このような意味も含めて単元の指導目 標を、次のように設定する。. 単元の指導目標. 「2進法などの数の表現方法を理解させ、位取り記数法についての. 数学的な見方・考え方を養うとともに、n進数と10進数の相互 の変換ができるようにする。」. 一21一.
(25) 2.2. 授業i設言十. 2.2.1 授業設計の基本的な考え方と指導方法 11進数の指導において、生徒がIl進数を考察しn進法を発見的に学習 していく指導展開を行うことは、既に述べた。具体的にいうと、生徒に 5進数や2進数などを与え、それらの表現のしくみを生徒自身に調べさ:. せ、それぞれの表現方法の問の規則性や違いに気づかせ、n進法として 統合していくという展開である。. しかし、生徒にとってn進数はあくまで架空の存在であり、そのよう なn進数を、いくら調べられるような形で与えられても、そのしくみを 調べる意義や価値は分からない。生徒の主体的な活動にはつながらない。. 人間の理解や思考について科学的な研究がなされている認知科学の知 見の一つに、状況に埋め込まれた課題がある。知識や概念はそれが生成 され使用されてきた状況に依存していて、新たな状況、交渉、活動によ って変化し発達していくものである。学習や認知も本質的に状況に埋め 込まれたものであり、学習は状況の中で活動することの結果として引き 起こされる。 J.S. Brown, A, Collins, P. Duguid(1992)は「知ること」と「行』. うこと」を分離し、抽象的な知識を教えることの問題点を指摘し、使用・. 可能な知識を獲得させるためには、学習を状況の中に埋め込み社会的・ 物理的な文脈を利用する認知的徒弟制のアブtu・一一チの有効性について述 べている2e}。. これig n進数の指導にあてはめて考えると、まず、 n進数のしくみを. 知る目的や意義をはっきり示さなければならない。n進数のしくみを知 る目的や意義を示しても、生徒がn進数のしくみを調べる目的や価値を. 一22一.
(26) 見いだしにくいのであれば、生徒が調べる必要に迫られるような、生徒 にとって目的のはっきりした学習活動を組織しなければならない。もし. くは、生徒にとって意味ある問題を解決していく過程で、n進数のしく みが分かってくるような学習課題やその与え方、学習活動などを工夫し なけらばならない。. 本研究では、n進数の指導における生徒の学習過程を、生徒が状況に 埋め込まれた課題を解きながら、n進数のしくみを調べ、調べたことを 利用する活動を通して、そのしくみの規則性や違いを発見していく過程 ととらえて、授業設計を行う。. そのためには、基本的に、次の3点が重要である。. ① 生徒の日常生活の体験や習慣と関連付ける ② 生徒の既習の知識を活用する. ③生徒の具体的な操作や行為を取り入れる. これから学習する内容が生徒の日常生活の体験や習慣と結びついてい れば、それらをもとに考えることができる。学習する内容に体験や習慣 を当てはめたり、学習内容と体験や習慣とを関連付けたり、比べたり、. 体験や習慣から学習内容を類推したりできる。また、新しく学習する内 容に関連した既習事項があれば、そこで学習した方法や見方・考え方を 新しい内容に適用したり、新しい内容に適合できるよう修正したりする ことが可能になる。これら①、②は生徒が考える際、予想や見通しをも. たせ、考える出発点をつくるためにも必要である。①、②は生徒が教材 に働きかける際、これを生徒の内面から助ける働きをすると考える。 これに対して、③は生徒の教材への働きかけを外的に、具体的に行う. 一23一.
(27) というものである。具体物や道具を操作する場合、物や道具は操作の目 的や方法が定め易い。操作や行為には変化をもたせ易く、いろいろな操 作は繰り返し、試すことができる。振り返りや後戻りしながら、反省的 に考えることもできる。操作や行為の結果に確信がもてる。具体的な操 作や行為は生徒の能動的な活動を促す意味でも重要である。. 以上のような立場から、上の3点に留意した、生徒がn進数のしくみ を調べ、その規則性や違いに気き、n進法として統合させていく指導方 法を図2.1に示す。この一連の指導の流れは一つの単元として構成し、 指導計画を作成し、授業設計を行う。. 生活体験に関連のある場面の設定 場面にあった課題の提示. r一一一一一一一一一一一一.一.. 「課題解決に必要な準備的な活動 [コンピュ’・・一・タの道具的利用]. 既習知識の活用法を示唆する指導. 課題解決のための主体的な活動 [コンピュータの道具的利用]. 課題解決を整理し数学化する課題の提示l r一一一一L一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一.一一H−ntmff. i課題解決を整理し数学化する活動と指導. 図2.1 指導の流れ. 一24一.
(28) 2.2.2 単元の指導計画の作成 ここでは単元の指導計画の作成に当たって、授業設計の重要な要素で ある学習素材と場面設定、学習課題について順に述べる。. なお、中学校数学では「234(5進)」を「234てs)」と記す。以下、 この表記を用いる。. (D学習素材 rl進数の指導を考える際、まず、どのような学習素材をn進数として、 生徒に与えるかは重要である。身近な素材の中のn進数はそのまま利用 できないことは既に述べた通りであるが、生徒がn進数の存在を感じら. れような素材を考える必要がある。n進数の存在とは10進数以外の数 の表現が存在するということであるが、それが感じられるためには、次 のような、表記、即ち、見かけは異なるが同じ数の大きさを表す場合や. 見かけは同じでも表す数の大きさは異なる場合が意識されることが必要 である。. 32. 112,c.,. 10000(2) 100. 100,,,). 100(2). また、この点が最も重要なことであるが、生徒がその素材に対して、. 自然に働きかけられなければならないし、その素材を通してn進数に働 きかけられなければならない。. このような学習素材として、n進数の通貨、 n進数のお金を選ぶこと にする。. 通貨、お金は最も生徒の身近な数量である。生徒は日常生活の体験を. 一25一.
(29) 通して、その価値や使われ方を学んでいる。取り扱いにも慣れ、操作や. 働きかけが抵抗なくできるものと期待できる。しかし、n進数の通貨は 存在しない。そこで、次のような異なる国の通貨の比較から、表記が同 じでも価値は異なる、表記が違っても価値は等しいことがあることに気 づかせ、n進数の存在を類推させる。. 100円、100ドル 110円、 1ドノレ. n進数への働きかけとして、両替を考える。両替は10進数のお金の 場合、次のようになる。. @ . (i.)o¢a)oo.(t)a)r(ti)’ct). 5進数のお金の両替は、次のようになる。. to 一〉 o¢@@o,. このような両替により、表現には表れないn進数のしくみを生徒自ら に発見させていく。. ただ、日常生活ではお金を使用するとき、次のような単位のお金に整 理しないことがある。. @@@ @O@(D(D. ooo@@. 一) 42. @o. 一26一.
(30) これはn進数のしくみをお金で学習する場合、次のような誤解を生む 可能性がある。. to(D(D(Dtw OOO (i一(bOt. . 73(s). ζのような誤りに生徒自ら気づいていくための手立てとして、ソロバ ンを用意する。ソロバンはこれまで最もよく使われてきた計算の道具の 一つであり、生徒は小学校時代にソロバンを使って計算した経験をもっ ている。中にはソロバン塾に通った経験のある者もいる。生徒にとって、. ソロバンは割に身近な道具の一つである。また、位取り記数法のしくみ が、その操作方法を含めて的確に表現されている。n進数のソロバンは 素数を変えるだけでっくることができ、従来のソロバンから類推してn 進数のしくみを考える一つの道具となると考える。. (2)場面設定. お金を扱う場合の最も一般的な行為は買物である。そこで、図2,2の 「数のしくみの異なる国の買物場面」を提示し、場面設定を行う。. まず、買物場面を提示する前に、外国で買物をするとき自国の通貨で は買えないことを想起させ、世界には価値の違うお金があることや表記 が同じでもお金の価値は異なる、表記が違ってもお金の価値は等しいこ. とがあることに気づかせる。そして、図2.2の買物場面を提示し、数の しくみが違う国での買物を連想させる。それぞれの店の値段を見比べさ せ、生徒に感想を述べさせるなどして場面設定を行う。. 一27一.
(31) ,. 抑進Wt av国西文具店. 1豊ヂ[壷 〔コ. 103円. 順「、. 2避敵O国O文具店 ヂ. D. 3進i敷。国由文具店. ,・…罰. 1111呂艦. /Jt. 111〕恥}. 1〔掴. 禰. 闇・. 11〔:II〕01〕〔a}. L. /. 1脱〔3」. 11〔ll〕1ロロ〔3〕. 脚〔3). 一. 1011舳. 図2,2 数のしくみの異なる国の買物場面. (3)学習課題. 日常生活で買物をするとき、「どこの品物が高いか、安いか」や「ど の店は高い」などは、生徒の関心事として、一般的な話題である。そこ で、次のような学習課題を取り上げる。. 一28一.
(32) 「どの店の鉛筆が一番高いか」 「どの店が一一as安いか」. これらの課題によって、課題追求の意義をつかませ、目的意識をもっ て学習に取り組ませる。. 最初の課題は各店の鉛筆の値段を比べる問題である。この解決はそれ ぞれの国の鉛筆の値段はそれぞれの国の数のしくみで表現されているの で、それぞれの値段を共通のしくみで表現し直して比べる必要がある。 このことは単位の異なる数量を比較する場合に一方の単位に換算するな どの経験をもつ生徒にとって、それほど抵抗なく気づくことができる。 共通なしくみで表現し直すということは、即ち、n進数の変換であり、. 生徒は捻進数を変換する必要に迫られることになる。n進数をどの11進 数に変換するかは数学的には同等であるが、生徒が価値判断できるのは. 10進数である。従って、生徒は10進数以外のn進数を10進数に変 換することを考えることになる。. ただ、これらの課題をはじめから与えて解決させることはできない。 これらの課題に生徒の独力で取り組むためには、生徒に数のしくみが異. なることを実感させ、そのしくみを知るための手立てを与えておく必要 がある。そのような準備的な活動を次の課題で行う。. 「n進数のお金のしくみを調べよう」. 準備的な活動では5進数や2進数などのお金を両替することで、同じ. 10のお金でもlO(5,=5、10(2)=2のように、価値が違うことな どを調べることになる。しかし、現実の世界には11進数のお金も11進数. 一29一.
(33) 同様存在せず、生徒が確かに10(5》を両替すると5、10(2》を両替す ると2になることを調べることはできない。そこで、そのための道具と して、コンピュータを利用する。コンビt一三教材を開発する目的はn 進数のしくみを調べるための道具を生徒に与えることである。. また、先の課題の解決に生徒が取り組む過程では、次のような、解決 方法を整理させるための課題を生徒に投げかける必要がある。. 「計算で求めましょう」. 生徒にとって、重要なことは、課題を適切に解決することであり、解 決方法はどのようなものでもよい。確信のもてる方法であれば、数や式 を用いなくてもよい。これは生徒に具体物や道具を操作して問題解決さ. せるとき、留意すべきことである。ここでの最終目標であるn進法につ なげていくためには、数や式による一般化や形式化が必要である。中学. 校2学年段階では計算や数式処理もかなり経験していて、具体的な問題 解決を数や式で置き換えていく能力も育ってきている。問題解決の過程 で、生徒自身の学習活動をそのような数式処理へ方向付けることは、数 学的な見方や考え方の育成にも重要である。そこで、生徒が数式処理に 向かわざる得ないようにするため、買物場面の品物の値段には、コンピ ュータでは処理できない値を含ませておく。 そして、最終的には数学的な課題に取り組ませていく。. 一30一.
(34) 2.2.3 単元の指導計画と各時間の指導案 場面設定と学習課題を位置づけた単元の指導計画を表2,1に示す。生. 徒がコンピュータを使用するのは、n進数のお金のしくみを調べる1時 問目後半と買物場面での課題を解決する2時問目の活動においてである。 また、単元の目標は既に示したように、次の通りである。. 単元の指導目標. 「2進法などの数の表現方法を理解させ、位取り記数法についての. 数学的な見方・考え方を養うとともに、n進数と10進数の相互 の変換ができるようにする。」. 表2。1 単元の指導計画(3時間取り扱い). 「学醇項 1,n進数のしくみ. 主な学習内容. 時. (買物場面の設定) 10:進数のしくみを考える。. 1. n進数のお金のしくみを調べる。. 2.買物課題. 買物場面で、次の課題を解決する。 「どの店の鉛筆が一番高いか」 「どの店が一番安いか」. 解決方法を整理し変換法をまとめる。. 3.変換の仕方とn 進法. n進数の10進数への変換方法を考える。. 10進数のn進数への変換方法を考える。 1 n進数のしくみをまとめる。. 一31一. 1.
(35) 1時問目の導入では場面設定の後、最初の学習課題を一旦生徒に投げ. かける。そして、前半、その解決のため、10進数のしくみについて復 習し、後半、n進数のお金に調べる準備的な活動を行わせる。. 2時間目は買物場面に戻って、コンピュータの道具的利用を行いなが ら、学習課題「どの店の鉛筆が一番高いか」、 「どの店が一番安いか」. の解決に取り組ませる。1時問目で調べたn進数のしくみをもとに、生 徒が自ら考え、n進数に働きかけながら、変換の方法を発見していくこ とになる。. 3時問目は変換の方法とl/進数の表し方を教師とともに学習する。ま. ず、n進数と10進数を相互に変換する方法については、2時問目の解 決の際に生徒が見いだした方法をもとに、変換方法を数式に整理させ、 累乗を単位とした式につなげていく。そして、しくみの規則性や変換方 法の類似性も含め、累乗を単位とした数の表し方として、統合していく。 コンビu.・一一タは教師の説明のために用いる。. これらの各時間の指導案を以下に示す。. 一32一.
(36) (1) 11進数のしくみの指導案(1時問目). 目標 n進数の存在を知り、n進数のお金のしくみを調べる活動を通 して、n進数のしくみについての基礎的な理解を図る。 展開 過程. 時間. 学習活動 導. 1.n進数の存在 を知る。. 外国での買物を考えさせ、価値 の違うお金の存在に気づかせる。 買物場面を提示し、しくみの違う数 の存在を連想させる。. 入. 2.本時の目標を 知る。. i. 指導上の留意点. n進数の表記法、棒読みの指導 日常の買物場面での話題を出しなが ら課題「どの店の鉛筆が一番高いか」 「どの店が一番安いか」を投げかけ、 そのためにn進数のしくみを考えるこ とを知らせる。. 展 3,10進数のしく みを考える。. 10個の数字を並べて表す表現方法を 思い出させる。各位の数の大きさの関 係に着目させる。 10進数のしくみをお金で考える。. 開. 4.n進数のお金 のしくみを調べ る。. 5 1分. 10. コンピュータでの両替で、10進数の 各界の数が順に10倍になっていること に気づかせる。他の操作法を教える。 コンピュータを自由に使いながら、 調べさせる。. 調べ方や操作法について分からない ことは質問させるよう指示する。. 20. 雪間巡視し、操作法を指導する。 40. 整 5.n進数のしく みをまとめる。 理. 6,予告を聞く。. 学習シートに分かったこと、気づい たことをまとめさせる。 各生徒に発表させ生徒の調べ拒こと を中心にn進数のしくみをまとめる。 買物課題につなげ、瞬時予告する。. 一33一. 50.
(37) 流し方. 数のしくみについて勉強します。まず、数のしくみをお金で考え ることにします。みなさんはお金を使って買物をしたことはありま すね。お金ではいろいろな品物が買えます。 でも、海外旅行でアメリカに行ったときはどうでしょう。みなさ んが使っているお金は使えますか。. 50ドルの品物を同じ50でも50円では買えませんね。. 50ドル. 50円. 50ドルの品物を買うには50でなく5500円程いりますね。 世界のお金は各々の国で使われているお金が違うから、同じ50. でも価値が違い、違う数50と5500でも同じ価値になることが あります。. でも、円もドルも数を表すしくみは同じです。 これから考えるのは、数を表すしくみが違う国でのお話です。. ここに4つの国の文具店があります。それぞれ、10進数の国、 5進数の国、2進数の国、3進数の国の文具店です。これらの国で は数を表すしくみが違っていて、しくみの違うお金が使われていま す。品物の値段も異なるしくみで表されています。. 私たちが使っている数は10進数で、私たちは10進数の国に住 んでいることになります。 何が買いたいですか。 ノートはどの国のお店で買いたいですか。. 5進数と2進数はしくみが違うから、数の後に(5)や(2)をつけて. その違いが分かるようにします。そして、「5進数の2、3」円と か、「2進数の1、1、0、0」円と棒読みします。 さて、これから、この数のしくみが異なる4つの国の文具店で、 「どの店の鉛筆が一番高いか」、 「どの店が一番安いか」を考えてもらいたいのですが、… どんなしくみかが分からないと解けないだろうから、まず、どん なしくみになっているか、一緒に考えてみましょう。 私たちの使っている数は10進数です。 10進数に使われる数字はいくつあるかな。. 一34一.
(38) O、1、2、3、4、5、6、7、8、9の10個ですね。 たった10個の数字で、どんに大きな数も小さな数も表せるので すが、どんなしくみになっているのかな。. 2134の場合、このように(板書)数字を並べてかきます。. 2134の3は、3ではなくて、30の3ですね。 10が3つあると考えてもいいですね。. 2134の1は、1ではなくて、100の1、または、100 が1つという意味の1。 10進数のしくみをお金で考えると、. 2134の3は、10円玉の3個の3。 2134の1は、100円玉の1個の1。 100円玉1個;を10円玉に両替すると、どうなるかな。. 10円玉10個。 10円玉を1円玉に両替すると、 1円玉10個。 ということは、各桁の数の大きさの関係はどうなっているかな。. 3桁目の1は2桁目の1の… 、 10倍になっているね。 各桁の数は順に10倍ずつなっているね。 このように、10進数は、桁によって大きさが違い、左から順に 10昂ずつ大きくなっているね。 では、コンピュータを使って、 「n進数のお金のしくみを調べましょう。」. n進数のしくみが分かりましたか。 分かったことを、学習シートにまとめましょう。 では、n進数のしくみについて分かつだことを発表して下さい。. 一35一.
(39) (2)買物課題の指導案(2時問目). 目標 買物場面での課題解決を通して、n進数は変換できることに気 づかせ、n進数のしくみについての理解をさらに深める。 展開. 一一he u一一「. 1過. 学習活動 程. 導 1.数のしくみの異 なる買物場面での. 入課題を確認する。. 展 2.買物場面での課 題を解決する。. 指導上の留意点. ’. 課題解決の計算のため、ソロバン の操作法を簡単に指導する。 1時での予想や調べたことを思い 出させ、しくみの違う値段をどうや って比べるかを出発点に、課題意識 をもって、解決に取り組ませる。. 時. 間. 5. 分かったことや計算は学習シート に記入するよう指示する。 10. 開. 学習課題 「どの店の鉛筆が 一・番高いカ、」. 「どの店が一番安 いか」. 生徒はn進数を玉0進数に変換し ようとすることが予想される。コン ピュータでの両替ができているかを 机問巡視し、できていない生徒には 指導する。. 課題「計算で求めよう」を個別に 投げかけ、解決を整理し、数式によ. 25. る処理へ方向付ける。. シート記入の少ない生徒には処理 磁 できない値があることを知らせ、計 i算に向かわせるようにする。 i算に 40 整. 3.解決方法を整理 する。. 各 各課題の解決のts一無、解決方法をl l確認する。変換の仕方に気づいた生1. [徒二二㌶繍灘たこi. 理. 4.予告を聞く。. 瀞講と盗辮腰変換5。i 一36一.
(40) 流し:方. 7 この時間は、はじめにいいました数のしくみが違う国での課題 「どのお店の鉛筆が一番高いか」 「どの国のお店が一一ts安いか」. を1時問目に分かったことをもとに、解いてもらいます。 課題を解くのに計算をすると思いますが、そのためにコンピュー タのソロバンの使い方を説明します。. 1時問目に調べたように5進数や2進数のしくみは違います。だ から、各店の値段はそのままでは比べられませんね。違うしくみで 表された値段はどうやってくらべたらよいでしょうか。 では、コンピュータを使って、解いてみて下さい。コンピュータ なしでできる人は使わなくても構いません。 途中でn進数のしくみについて分かったことや計算は学習シート にかくようにして下さい。. 10進数にうまく直せましたか。 コンビt一タを使わないで、できませんか。 計算の仕方は分かりませんか。 10進数ではいくつになるか、 「計算で求めましょう。」. できましだか。では、まず、「どのお店の鉛筆が一番高いか」は どうですか。. どうやって解きましだか。 次に、rどの国のお店が一番安いか」はできましたか。 どうやって解きましたか。. 数のしくみが違うから、そのままでは比べられません。だから、. 各国の値段を10進数に直して比べると解けますね。10進数を直 しても比べられますね。. この時間はコンピュータを使って直していたようですが、次の時 間はコンピュータを使わないで、. n進数を10進数に直す計算の仕方と、 逆に、10進数をn進数に直す計算の仕方を考えます。. 一37一.
(41) (3)変換の仕方とn進法の指導案(3時問目). 目標 n進数のしくみをもとにn進数と10進数の相互の変換の仕方 を理解させ、変換ができるようにするとともに、しくみや変換 の仕方、累乗を単.位とした式の共通性から、n進法を統合的に 理解させる。. 展開 時間. 過程. 学習活動 導. 1.学習のめあてを 知る。. 指導上の留意点. 常時までの学習を想起させ、n進 数と10進数の相互の変換の仕方を学 習することを知らせる。. しくみの違う数があり、これらを 比べるには直さなけばならなかった 1ことをふり返らせ、変換法の学習に. 入. 橋果題意識をもたせる。. 5. 展 2.10進数に直す方 法を考える。. 開(1)計算問題に挑戦 する。 (2)全体で考える。. 具休的な計算問題でどんな計算を するか考えさせる。. コンピュータで両替しながら計算 法に気づかせる。. (3)累乗を単位とし た表し方を知る。. 累乗を単位とした式に変形し、統 合化を図る。. 20. 累乗の式を使って求められること. 3,10進数を直す方 法を考える。 (1)計算問題に挑戦 する。 (2)全体で考える。. を確認する。. 具体的な計算問題でどんな計算を するか考えさせる。. コンピュータで両替しながら計算 法に気づかせる。 累乗を.単位とした式に変形し、統 合化を図る。. (3)連除法:を知る。. 連除法による求め方を指導し、累 乗の式での証明を示す。. 一38一. 30. 40.
(42) 進法を知る。. 理i l. これまでの学習をふり返らせ、し ュみの規則性、変換法の共通性を累 乗の式で整理する。累乗の式をもと にした数の表し方を位取り記数法と. 桐 1. してまとめる。. 流し方. r一一一一一ny一一一 一nt一一一一一一MN一一一nv一一 2時二目は数のしくみが違うお店の値段をコンピュータを使って 10進数に直して、買物の問題を解きました。この時間は、 n進数を10進数に直す計算の仕方と、 逆に、10進数をn進数に直す計算の仕方ig一一緒に考えます。. まず、n進数な10進数に直す方法を考えましょう。 012(5),1110(2)は、10進数では、いくつになりますか。 05進数の12 c5) ig 10進数に直すにはどうしたらよいですか。 コンピュータで10 (5) ig両替すると、5。5と2をたして7。. 1 式にすると、5×1+2=7。. l. lO5進数の44‘5)を10進数に直すと、どうなりますか。. 1. 5×4十4= f“) O十4=2 4,. 05進数の241働を10進数に直すと、どうなりますか。 コンピュータで100で5)を両替すると、10(5)が5。. 10‘5》は5だから、IOOc5)は5×5で25。. だから、25×2十5×4十1=50十20十1==71。 式にすると、5×5×2+5×4+1=71 累乗を使うと、52×2+5×4+1=71. 02進数の1110(21を10進数に直すにはどうしたらいいかな. コンピュータで10で2》を両替すると、2。 コンピュータで100(2) ig両替すると、10(2)が2。. 10(2)は2だから、2×2で4。 コンピュータで1000(2)を両替すると、100(2)が2。 10012)は10{2)の2倍。 10(2)は2だから、2×2×2で8。. だから、8十4十2で14e 式にすると2×2×2×1+2×2×1+2×1+1×0=14 累乗を使うと、23×1+22×1+2×1+1×0=14 各桁の数を、5や2の累乗にかけると、求められますね。 今度は、10進数をn進数に直す方法を考えましょう。. 一39一.
(43) 10玉0進数の12、258を5進数に直すといくつになりますか。l 10進数の12、258を2進数に直すといくつになりますか。. i010進数の12を5:進数に直すにはどうしたらよいですか。 i コンビll・一一タで12円を両替すると、1円が12個。 【 5進数の10(5)を両替すると5になるから、. 1円を5個ずつまとめると、10(5ンが2個になる。 だから、2桁目は2、1桁目は残りの2で、2215)。 式にすると、12瓢5×2+2だから、22(5) 010進数の46を5進数に直すにはどうしたらよいですか。’. 46円は1円が46個。 1円を5個まとめるとlO(5}になるから、 1円46個を5個ずつまとめると10(5♪はいくつできるかな どんな計算をすれば、いいかな。. 46÷5で9。あまりが1。 10《5)が9個になるね。 10,5,が5個で100・5)になるから、10,5,は残りの4。. 従って、100(5)が1個、10c5)が4個、そして、あまりの1 だから、 141(5)。. 式にすると、46=5×9+1 = ,5 × (5 十4) 十1. =5×5十5×4十1 =5×5×1十5×4十1 累乗の式にすると、46=52×1+5×4+1で、141(5) 010進数の12を2進数に直すにはどうしたらよいですか。 1円を2個まとめると10‘21になるから、 1円12個を2個ずつまとめると10(2,はいくつできるかな どんな計算をすれば、いいかな。. 12÷2で6。あまりは0。1桁目は0たね。 10(2}が2個で100(21になるから、. 6を2でわると3。あまりが0。2桁目も0。 2個でまた位が上がるから、2でわって、. 3÷2=1、あまり1。 3桁目はあまりの1で、4桁目は商の1。 つまり、 1100(2)。. 2進数に直すには2でわっていけばいいね。 これを、2) 12. 至聖蓬:::8. 1 ...1 . 1100,2, のようにして、求めることもできます。 累乗の式にすると、. 一40一.
(44) 12=23×1十22×1十2×0十〇だから、 1100(2) 5進数も5でわっていくと求められますね。 このように、n進数は同じ方法で互いに直したりができます。 それは、n進数がみな同じしくみになっているからです。. 141f5)は52×1十5×4十1 1100{2)は23×1十22×1十2×0十〇 のように、みな累乗を使った式を使って表した数なのです。 10進数も同じように、累乗を使って表すと、. 2158=1000×2+100×1十10×5十8 =1 03×2十1 02×1十10×5十8. となります。. このような数の表し方を位取り記数法またはn進法といいます。 位取り記数法に従って表した数がn進数といえますね。. 一4レ.
(45) 2.3 コンピュータ教材に必要な機能. 2.3.1 コンピュータ教材の操作性 前節に示した指導計画における生徒のコンピュータの利用は、1時誌. 上には生徒がn進数のしくみを考察し調べていく、2時間目には買物問 題を生徒が独力で解決していく、それぞれの学習活動の道具として行わ れるものである。いずれも、生徒自身が考え、判断し、コンピューータを. 操作していく。その場合、生徒が自分の意図したことをコンピュータを 操作してうまくできるかは重要である。. 生徒ははじめてコンピュータ教材を使用する。コンピュータ教材でど のようなことができるか、分かりやすくする必要がある。また、操作方. 法は簡単なものにする必要がある。そのため、コンピュータ教材の操作 はキーボードに限定し、メニューを選んで値を入力する形式に統一する。 コンピュータの入力装置にはキーボード以外にマウスなど他にもある がキーボードが一般的であり、キーボードだけで操作できるようにして おけば、コンピュータがある学校ではどこでもコンピュータ教材が実行 できる。また、コンピューータの操作に不慣れな生徒の中にはキーボード. やマウスなどを併用することに抵抗を感じる者もいる。そこでコンピュ ータ教材の操作はキーボードのみに限定する。. また、生徒がコンピュータ教材でできる機能を覚えやすくするため、 入力をメニュー方式にする。メニュー方式では略称ではあるが、そこで できる機能が明示されるので、覚えることの負担を少なくすることがで きる。メニュー方式でもメニューの数が多かったり、階層が深くのなる と、生徒の負担が大きくなるので、メニュ・一・ig選んで値を入力する形式. に統一し、さらに、覚えやすくする。. i42一.
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