玉だけから、n個ずつまとめていって整理するとn進数になる。従って、
変換のための機能は両替で行えるので必要ない。しかし、位取り原理を お金を順に崩していく様子やまとめていく様子を動きのある映像で示す ことはn進数のしくみをイメージする一つの方法として有効なものであ る。結果を得るための機能としてではなく、n進数のしくみのイメージ づくりのため、両替の繰り返しが自動的にできるようにする。
2,3..3 ソロバンによるn進数の表現
11進数のソロバンは、従来の10進数のソロバンの玉数を変えるだけ で表現できる。ただ、我国で現:在広く使われているソロバンの場合、玉 上げの操作を簡略化するため、5を表す玉と1を表す玉の2種類の玉を 組み合わせて使用するようになっている。これは10進法を5進法と2 進法で行うものである。n進数のしくみをi表すためには図2,3、図2.
4のように、玉は1種類にし、位取り記数法が一般的に捉えられるよう にする必要がある。
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コンピュータ教材のソロバンの機能としては、まず、実際のソロバン のように、各桁の玉を自由に上げ下げできるようにする。
実際のソロバンでは各桁の数は心許の上がった玉数に対応している。
n進数のソロバンでも同様であるが、n進数の各桁の数がソロバンの上 がった玉の数で表現されていることを明確にするために、n進数自体を 入力して、各桁の玉の上げ下げを自動的に行えるようにする。
また、n進数のくり上がりの規則をイメージさせるため、 n進数自体 を入力して、加法を行えるようにし、その際、玉が全部上がったら次は それらをすべて下ろし、次の桁の玉を1つ上げる、ソロバンでのくり上 がりを自動的に行うようにする。
くり下がりについて同様に減法とくり下がりができるようにする。
このn進数のソロバンを使えば、先の72c5)はあり得ない。そこで、
n進数自体を入力して玉を自動的に上げ下げする場合、入力値をn進数 として捉えるのでなく、上げる画数を10進数で指定しているととらえ て取り扱うことにする。そして、72cs)のような誤解があった場合でも 入力をできるようにし、図2.3のようにソ[:1バン上では112(5)にく
り上がりして、表示させ、生徒が自らその誤りに気づくことができるよ うにする。
2.3,4 数の計算
買物問題を解決するため、n進数を10進数に変換するとき、変換の ために計算させることは指導目標の達成には重要なことである。そのた めに課題解決を整理させ、数式処理に方向付ける課題を投げかけること はすべに述べた。その場合、計算:は計算の仕方、n進数を10進数に変 換するだめ、どうのような計算をすればよいかが重要なのであって、計
算自体は問題ではない。問題解決を行う場合、一般に、考え方は分かっ ていても、単純な計算の繰り返しや複雑な数値計算に手間取ると、問題 が解決できなかったり、先に進めなかっtaりする。そこで、コンピュー
タを計算の道具として、電卓代わりに、利用できるようにする。買物問 題の解決に必要な計算は10進数の整数の四則であり、これがコンピュ ータ教材でもできるようにする。
また、n進数の変換方法や計算の仕方をコンピュータ上でシミュレー トできるようにするば、n進数の表現方法や変換方法が理解できた段階 で、生徒の興味・関心を高めるtaめ、生徒が変換してみたい数を自由に 調べるような活動に利用できる。発展的な扱いとして、計算を取り上げ
る場合、n進数の計算を統合的に見たり、特長を明確にするため、5進 数や2進数などの計算の仕方を比較させる活動に利用可能である。そこ で、n進数の変換やn進数の計算が自動的に行えるようにする。
第3章 コンビz一タ教材と分析システムの開発
3.1 コンピュータ教材の開発
n進数の指導において、コンピュータ教材を開発する目的は、生徒自 身がn進数のしくみを調べ、考察し、そのしくみの規則性や違いを発見
していくための道具を生徒に提供することである。そのために必要な機 能については前章で述べた通りである。ここでは、開発したコンピュPt
タ教材の内容や操作方法について具体的に述べる。
開発したコンピュータ教材は前章で述べたように、操作法を簡単にす るため、入力装置をキ・・一・一ボードのみに限定し、キ」ボードだけで操作で 使用するようになっている。
3.1,1 コンピュータ教材の操作
コンピュータ教材の操作はすべて生徒に任されている。使用する機能 の指示や入力する値の制御、教授は一切行わない。生徒が自ら考え、判 断してコンビュ・・一一タを操作していけるように、コンピュータ教材の各々 の機能は、メニュー・・方式で選択するようになっている。
メニューでは利用できる機能の略称(以下、メニュー項目と呼ぶ。)
とメニュー番号が画面上に表示されるので、生徒はそれらを正確に記憶 する必要はない。各々の機能はその一メニュー・■項目の位置にカーソルを矢 印キーで移動し、リターンキーを押すことによって選択できる。メニュ
ー一≠桃?Aもしくは、ファンクションキーで選択することもできる。.メニ ュー選択のための汎用プロシージャーを開発し、メニューの選択方法を
統 している。
各々の機能の選択後には数値や記号の入力がある。それらの入力は生 徒のキー操作を簡略化するため、テンキーとBS(バックスペース)キ ーで操作できるようになっている。1つの入力はキー操作の最後にリタ ーンキーを押すことで確定し処理される。
コンピュータ教材の操作は起動時のファンクションキー(f・5)以外、
テンキーと矢印キー、BSキーだけでできるようになっている。
3.1.2 画面構成と移動メニュー
コンピュータ教材の画面は、図3.1に示すように、お金工場、ソロバ ン、11進数の表示・計算、10進数の表示・計算の4つのブロックと移 動メニューで構成されている。お金工場ではn進数のお金の取り扱いが できる。ソロバンでは玉数を変え、玉の上げ下げで1!進数の表示や加減 ができる。n進数、10進数の表示・計算では整数の加減乗法、変換な
どの数処理ができる。実行時の画面の様子を図3.2に示す。
移動メニュー
n進数の表示・計算 お金工場
10進数の表示・計算 ソロバン 目
図3.1 画面構成
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移動.メニューは、4つのブロックに移動するためのメニューである。
図3,3のように、メニュー番号とブロックの略称が表示される。矢印キ ーで移動したいブロックの略称の位置にカーソルを合わせリターンキー を押すと移動できる。何れかのブロックを移動した際は移動先のブロッ ク名が反転表示される。
移動 摺厭進 2:10進 3:お金 4:ソ0バン 5:終了
図3。3 移動メニュー
3,1.3 お金工場
お金工場は図3.4に示すブロック内で、n進数のお金を取り扱う。
ブロックの最上段の「入力二〉」の後が数値などの入力位置、「前:」の 後が前回の入力内容の表示位置になっている。
その下にはお金工場で扱える、n進数の各位の単位のお金を硬貨や紙
幣で表示している。左側に10000円札が5枚表示されているが、こ れは6桁目の位の単位が10000円札5枚分であることを表している。
この表示により、現在、お金工場で取り扱われているお金は何進数のお 金であるかが分かるようにしている。この場合、5進数のお金を扱って いることになる。単位のお金の下の数値はその下の領域に表示されてい る単位のお金の数である。
中下部の領域がn進数のお金を表示する部分である。n進数のお金の 表示は図のように、単位のお金を縦に並べて表示するようになっている。
現在、100円玉1個、10円玉2個、1円玉3個が表示されているが、
この場合、5進数のお金であるから、5進数の123円を表示している
ことになる。取り扱えるお金の種類は後述のメニュー「レト変(消)」で任 意のn進数のお金に変えられるが、その変更の際に表示されているお金 はすべて消去され、異なる種類のお金が同時表示されないようになって いる。また、この領域いっぱいにお金が表示されると処理を中断する。
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