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博士(医学)鎌田 正 学位論文題名

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Academic year: 2021

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(1)

     博士(医学)鎌田   正 学位論文題名

       The Role of Radiotherapy in the Management of Extrahepatic Bile Duct Cancer,

 An Analysis of 145 Consecutive Patients Treated With Intraluminal and/or External Beam Radiotherapy,

(肝外胆管癌における放射線治療の意義―腔内および外部照射145例の分析)

学位論文内容の要旨

田背景および目的

  肝 外胆 管癌に 対す る治 療の 第一 は、 外科 切除 と考 えら れ、 積極 的な拡大切除が試みら れて いる が、そ の成 績は 肝側 胆管 切除 断端 ある ぃは 肝十 二指 腸間 膜付近を中心とする局 所再 発の ためになお不良である。また、切除が困難な高齢者や進行癌症例も少なくない。

この ため 、近年 、外 科的 切除 の付 加治 療あ るぃ はそ れに 代わ る治 療法として、従来、胆 管癌 に対 しては 効果 が少 ない とさ れて いた 放射 線治 療が 注目 され るようになってきた。

  本 研究 の目的 は肝 外胆 管癌 症例 に対 して 胆管 腔内 照射 を中 心と した高線量放射線治療 を単 独あ るいは 切除 との 併用 によ り施 行し 、高 線量 放射 線治 療の 肝外胆管癌治療におけ る可能性とその意義を明らかにすることにある。

[n]研究対象およぴ方法 1)症例

  研 究 対 象 は 、 昭 和58年6月 か ら 平 成3年6月 ま で の 間 に 放 射 線 治 療 を 行 っ た 肝 外 胆 管 癌 患 者145例 ( 男 性9、0例 、 女 性55例 、 平 均 年 齢 は66.4才 (34‐90) ) で あ る 。 原 発 部 位 は 、 上 部99例 、 中 部31例 、 下 部10例 、 瀰 漫 性 浸 潤 型5例 で あ っ た 。 切 除 非 適 応 の た め 根 治 的 放 射 線 治 療 を 行 っ た の は54例 、 術 後 照 射59例 、 術 前 照 射9 例 で ある 。 残 り23例 (3例 の 切 除 後再 発 を 含 む ) で は 、 姑 息 的 照 射 を 行 った 。照 射開 始 前 に 病 理 診 断 が 得 ら れ た 症 例 は138例 で い ず れ も 腺 癌 で あ っ た が 、残 り7例 の 診 断 は、臨床経過およぴ画像によった。

2)放射線治療

  胆管腔内照射は、Ir・192seed(37MBq/sced)を用いて行った。腔内照射の線量指示は、

線 源 中心 か ら5mmで 行 い 、 胆 管 長 軸方 向 の 照 射 範 囲 は 、 切 除 非 適 応 例 あ るぃ は術 前照 射 例 に お い て は 、 腫 瘍 辺 縁 か ら 少 な く とも10‐20mmの 胆 管 を 含 む 範 囲 と し 、 術 後 照 射 例 に お い て は 、 胆 管 空 腸 吻 合 部 か ら30‐40mmの 胆 管 と し た 。 上 記 の 照 射 範 囲 を 含 み か つ指 示 点 で10Gy/台 り 前 後 が 照射 さ れ る よ う 、 各 症 例 毎 に り ボ ン 状 線源 を自 作し た。 胆管 腔内へ の線 源挿 入は 、経 皮経 肝胆 道ド レナ ージ チュ ープ あるいは逆行性胆道ド レ ナ ージ チ ュ ー プ な ど を 介 し てx線透 視 下 に 清 潔 操 作 で 行 っ た 。 外 部 照 射は 、4.10M Vリ ニ ア ッ クx線 あ る ぃ は コ バ ル ト 遠 隔 照射 装 置 を 用 い て 行 い 、 一 部 の 症 例 で は 、CT に よ る3次 元 的 な 治 療 計 画 を 施 行 し た 。 切 除 非 適 応 の 根 治 的 照 射 例 で は40‐50Gyの 外 部 照 射 に 加 え て 、25Gy以 上 の 腔 内 照 射 を 追 加 す る こ と を 原 則 と し 、 総 線 量70G y以 上 を 照 射 す る こ と を 目 標 と し た 。 術 後 照 射 例 で は 、30‐40Gyの 外 部 照 射 に 加 え て 腔 内 照 射30.40Gyを 行 う こ と を 原 則 と し た 。 術 前 照 射 で は 、40Gy以 上 の 腔 内 照 射 を 行 う こ と と し 、 姑 息 的 照 射 例 あ るぃ は 腔 内 照 射 が 不 可 能 な 例 で は 、40‐50Gy

(2)

前後の外部照射を行うことを原則とした。

  放射線治療終了後には、32例において、照射部胆管にexpandablemetanics忙nt(EMS)を 留置し、胆汁外ろうチュープからの早期離脱を図った。

3)分析

  生存率の計算は、放射線治療開始日を起点とし、Kapb‐Meier法を用いて平成6年5月 の時点で集計し、追跡率は100%である。生存率の差の検定には、generむz甜Wilcoxon 蝋tを行った。

[IIq結果 1)放射線治療

  145例 中103例 (71% ) で 胆 管 腔 内 照 射 が 施 行 可 能 で あ っ た 。 そ の う ち の85 例 では外部照射を併用を行った。42例では、進展範囲、全身状態等により腔内照射の 適 応外と判断 し、外部照 射を単独で 行った。全 症例の平均 照射線量は、67.8Gy(1 O‐135Gy)、133例(92%)で40Gy以上の照射が可能であった。

2)生存期間

  145例 全 体 の1、3く5年 累 積 生 存 率 は 、 そ れ ぞ れ55% 、18% 、10% で あ っ た 。 切除 非 適 応で 根 治照 射 を行 っ た54例で は 、平均83.1Gyを照射し 、生存率は5 6% 、13% 、6% (生 存 中央 値12.4カ月 ) であ った。これ らのうちEMSを留置し た 31例 の生 存 中央 値 は14.9カ 月 でEMS非 留 置例23例の生存 中央値9.3カ 月に比ベ有 意 の 延長 を 認 めた (pくO.05)。 術 後 照射59例では 、平均61.6Gyを照射し 、1、 3、5年 累 積 生 存 率 は 、 そ れ ぞ れ73% 、31% 、18% ( 生 存 中 央 値21.5カ 月 )で あった。組織学的に切除断端に癌の遺残を認めた症例では、肝側胆管切除断端に腫瘍残 存 を 認 め た18例 の1、3、5年 累 積 生 存 率 は 、89% 、44% 、28% で あ っ た ( 生 存 中央値29.1カ月)。 一方、胆管 周囲組織(肝実質等)に腫瘍残存を認めた15例で は 、2年以上の長期生存例を認めず(生存中央値lO.1カ月)、両者の間に有意の差を 認 めた(pくO.001)。術 前照射では切除標本の組織学的検索により、照射効果を確 認できたが、生存期間の延長を得るには至らなかった(生存中央値8.4カ月)。また姑 息 的 照射23例では 、 平均45.9Gyを照射 したが15カ月 以上の生存 例を認めず 、生 存中央値は4.3カ月であった。各照射群において、原発部位あるいは線量と生存期間に ついて検討を加えたが、有意の差を認めなかった。

3)合併症

  輸 血を 必 要と す る上 部 消化 管 出血 を 非切 除 で90Gyを 照 射し た11例 中3例 で 認め た が、それ以 下の線量で 照射を行っ た35例では認 めなかった 。また術前照射9例中3 例において術後重篤な胆道出血を認め、他の1例では腔内照射後、胆道感染の合併のた め 切 除 を 施 行 で き な か っ た 。 術 後 照射 で は、50Gyの 外部 照 射に 加 えて50Gyの 腔 内 照 射を 行 っ た1例に おいて25カ月 後に致死的 な上部消化 管出血の合 併を認めた 。

[IM結論

  肝 外 胆 管 癌 症 例 に 対 す る 胆 管 腔 内 照 射 を 中 心 と し た 高 線 量 放 射 線 治 療 は 、 1)切除非適応例あるいは術後例で肝側胆管切除断端陽性例においてその生存期間を延   長させることが期待できる。

2)切除非適応例においてEMS留置により、胆汁外ろうから早期離脱を可能とし、生存   期間についても延長させる可能性があることが示唆される。

3)術前照射においては組織学的に治療効果を確認できたが、術後胆道出血の合併等を   認め、生存期間の延長等の意義は明らかにできなかった。

4)術後例中、胆管周囲組織に腫瘍残存のある例では、生存期間の延長を認めなかった。

5)姑息的照射での適応は困難であり、低線量による照射では生存期間の延長は認めな   かった。

(3)

学位論文審査の要旨

     主査   教授   宮坂和男      副査   教授   長嶋和郎      副査   教授   加藤紘之      副査   教授   玉木長良      学位論文題名

       The Role of Radiotherapy in the Management of Extrahepatic Bile Duct Cancer,

‑An Analysis of 145 Consecutive Patients Treated With Intraluminal and/or External Beam Radiotherapy,

(肝外胆管癌における放射線治療の意義―腔内および外部照射145例の分析)

  従来 、放 射線 治療が 無効 とさ れて ぃた 肝外胆管癌症例に対して胆管腔内照射を中心とし た 高線 量放 射線 治療を 単独 ある ぃは 切除 との併用により施行し、高線量放射線治療の肝外 胆 管 癌 治 療 に お け る 可 能 性 と そ の 意 義 を 明 ら か に す る こ と を 目 的 と す る 。   肝 外 胆 管 癌 患 者145例 を 対 象 と し 、lr‑192 seed(37MBq/seed)を 用 い た 胆 管 腔 照 射 を 外 部 照 射 と の 併 用 で 行 な っ た 。 そ の 結 果 、145例 中103例 (71% ) で 胆 管 腔 内 照 射 が 施 行 可 能 で あ っ た 。 そ の う ち の85例 で は 外 部 照 射 の 併 用 を 行 っ た。42例 では 、 進 展範 囲、 全身 状態等 によ り腔 内照 射の 適応外と判断し、外部照射を単独で行った。全症 例 の 平 均 照 射 線 量 は 、 6 7.8Gy( 10‑135Gy) 、 133例 ( 92% ) で 40Gy 以 上 の 照 射 が 可 能 で あ っ た 。145例 全 体 の1、3、5年 累 積 生 存 率 は 、 そ れぞ れ55% 、 18% 、10% で あ っ た 。 切 除 非 適 応 で 根 治 照 射 を 行 っ た54例 で は 、 平 均8 3.1Gy を 照 射 し 、 生 存 率 は56% 、13% 、6% ( 生 存 中 央 値1 2.4カ 月 ) で あ っ た 。 こ れ ら の う ちexpandable metallic stent (EMS)を 留 置 し た31例 の 生 存 中 央 値 は14.9カ 月 で EMS非 留 置 例23例 の 生 存 中 央 値9.3カ 月 に 比 ベ 有 意 の 延 長 を 認 め た (pく0.05) 。 術 後 照 射 59例 で は 、 平 均6 1.6Gyを 照 射 し 、1、3、5年 累 積 生 存 率 は 、 そ れ ぞ れ 73、 % 、31% 、18% ( 生 存 中 央 値2 1.5カ 月 ) で あ っ た 。 組 織 学 的 に 肝 側 胆 管 切 除 断 端 に 腫 瘍 残 存 を 認 め た 18例 の1、3、5年 累 積 生 存 率 は 、89% 、44% 、28% で あ っ た ( 生 存 中 央 値2 9.1カ 月 ) 。 ― 方 、胆 管周 囲組 織( 肝実 質等 )に 腫瘍 残存 を認 め た15例 で は 、2年 以 上 の 長 期 生 存 例 を 認 め ず ( 生 存 中 央 値1 0.1カ 月 ) 、両 者 の 間 に 有 意 の 差 を 認 め た (pく0.0 01) 。 術 前 照 射 で は 切 除 標 本 の 組 織 学 的 検 索に よ り 、 照 射 効果 を確 認で きたが 、術 後胆 道出 血の 合併等を認め、生存期間の延長を得るには至らな か っ た ( 生 存 中 央 値8.4カ 月 ) 。 ま た 姑 息 的 照 射23例 で は 、 平 均45.9Gyを 照 射 し た が15カ 月 以 上 の 生 存 例 を 認 め ず 、 生 存 中 央値 は4.3カ 月 で あ っ た 。 各 照射 群 に お ぃ て、原発部位あるぃは線量と生存期間について検討を加えたが、有意の差を認めなかった。

肝 外胆 管癌 症例 に対す る胆 管腔 内照 射を 中心とした高線量放射線治療では、以下のことが

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示された。

1)切除非適応例あるぃは術後例で肝側胆管切除断端陽性例におぃてその生存期間を延長     させることが期待できる。

2)切除非適応例におぃてexpandable metallic stent留置により、胆汁外ろうから早期離     脱 を 可 能 と し 、 生 存 期 間 に つ い て も 延 長 さ せ る 可 能 性 が 示 唆 さ れ た 。 3) 術 前 照 射 に お ぃ て は 、 生 存 期 間 の 延 長 等 の 意 義 は 明 らか に でき な かっ た 。 4) 術 後胆 管周囲組織 に腫瘍残存 のある例で は、生存期 間の延長を 認めなかっ た。

5) 低 線 量 に よ る 姑 息 的 照 射 で は 生 存 期 間 の 延 長 は 認 め な か っ た 。   公開発表時には、副査の玉木、加藤、長嶋教授より腫瘍因子側(形態、大きさなど)か らみた腔内照射の適応、術前照射症例と術後照射症例との治療法選別の基準と生存率の差 の原因、ステン卜併用群における生存率改善の原因、胆管癌自体の悪性度(進展度)によ る局所効果の差異の有無、外科治療と非外科治療(ステント十放射線)選択のための controlled studyの必要性、iridiumによる胆管照射の生物学的あるぃは病理学的効果の特 性の有無、胆管癌の形状により病理学的に治療効果の差の有無およびradioactive stentの 可能性等の質問がなされた。申請者の回答はおおむね妥当であった。審査員一同は、肝外 胆管癌症例に対して高線量放射線治療の意義を明らかにした本研究による成果を高く評価 し、申請者が博士(医学)の学位を受けるのに充分な資格を有するものと判定した。

参照

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