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原著 :秋田大学医短紀要1 0( 2):1 0 3‑1 1 1 ,2 0 0 2
基礎看護技術 の教育のあ り方 に関す る検討 一臨地実習における 「 清拭」の実施状況の分析 か ら‑
石 井 範 子 長谷部 真木子 佐 々木 真紀子
要 旨
基礎看護技術 の学内授業 と臨地実習の関連性 お よび教育方法上 の課題 について検討す ることを目 的 とした。
対象 は本学看護学科 3年生72名であった。質問紙 により,臨地実習で経験 した 「 清拭」の経験 回数, 方法 とその理由,学内学習の活用状況 と内容,お よび援助のポイン トの実施状況 について調査 した。
その結果 は,以下の通 りである。
1)「 清拭」の経験 回数は 69. 2%の学生が2 0 回以上であった。
2 )患者 ・学生の双方 にとって便利 とい う理由で7 8. 9%の学生が清拭車 を利用 していた。
3)9 1 . 6%の学生が学内学習 を生か し,生か したことは方法 ・留意事項であった 。
4)8 0%以上の学生が,援助のポイン トの25 項 目中1 9 項 目を毎回実行 していた。
5)援助 のポイン トに基づいて実行 しない理 由 としては , 「 気づかなかった」が多 く,その他 に
「 病棟 のや り方 に従 った」 , 「ものがなかった」 などとい うことが挙 げ られた。
学生 に看護技術 を確実 に習得 させ るためには,基礎看護技術の担当教員 と実習担当教員,病棟 の実 習指導者の密接 な連携や,臨地実習前 に学生 に復習 させ る機会の設定が必要であることが課題 となっ た。
l. は じめに
近年,新卒看護師の看護技術の未熟 さが問題 視 され 1 ' ,卒後臨床研修 の必要性等 も議論 され ている。看護技術の未熟 さの要因 として,平成 2 年のカリキュラム改訂以降の実習時間数の減 少や理論重視の教育等が指摘 されている 2 、 。
秋 田大学医療技術短期大学部 ( 以下,本学 と す る)看護学科では,看護学の各分野の看護技
術教育 に先立 ち, 1 年次前期か ら2 年次前期 に 基礎看護技術 の授業 に 21 0 時間 ( 7 単位) を費 や し,その うち約9 0 時間の演習 を行 っている。
さらに 1年次 に 45 時間, 2 年次 に9 0 時間の基礎 看護実習 を病院で行 っている。 また,成人,老 午,精神,母性,小児,在宅の各看護学の臨地 実習は ,3 年次の 4 月上旬か ら11月中旬 までの 期間に合計1 0 3 5 時間 ( 1 1 5 日)行 われている 。
秋 田大学医療技術短期大学部 看護学科
K e y Wo r ds : 基礎看護技術 教育
清拭
臨地実習
(2) 石井範子/臨地実習中の 「 清拭」の分析による基礎看護技術教育の検討
村上 ら 3 が,臨地実習でなければ学習で きな い内容の一つ として,知識 ・技術 ・態度の統合 性 を掲 げているように,学内で学 んだ基礎看護 技術 は,臨地実習 において患者の状態や場の状 況 に応 じて的確 に適用す ることで, よ り確かな 看護技術 として習得 されるもの と考 えられる 。
今 回,すべての臨地実習が終了 し卒業の近い 学生 に対 して,学内授業 と臨地実習の関連性お よび教育方法上の課題 を明 らかにするために臨 地実習 における基礎看護技術 の実施状況 を調査 した。 ここでは臨地実習 において経験す る機会 が多 く 4 5 ,卒業 まで に実施で きることが期待
を取 り上げた。調査結果 を基 に,基礎看護技術 の教育のあ り方 を検討 したので報告する。
I l .研究方法
1.対象 :本研究の主旨に同意 した本学看護 学科 3 年生7 2名である。
2. 方 法 :調査 内容 は,臨地実 習 にお け る
「 清拭」 の経験 回数,清拭 の方法 とその 理由,学内学習の活用状況 と活用で きた あるいは活用で きなかった内容 ,2 5 項 目 か らなる援助のポイン トに基づ く実施の 状況 ならびに実施 しなかった場合の理由 とその状況である。経験 回数は実数 を記 述 させ,清拭の方法 については,用具 に よって手順や留意事項等が異 なるため, 使用 した用具 についての回答が得 られる よう 「 毎回,清拭車 を使用 した」 , 「 毎回, 洗面器 を使用 した」 , 「どちらか といえば 清拭車 を使用することが多かった」 , 「ど ちらか といえば洗面器 を使用す ることが 多かった」 , 「 清拭車 と洗面器 を併用する ことが多かった」か ら選択 させ,その理 由を自由記述 させた。学内学習の活用状 況は 「 充分生かせ た」 , 「まあまあ生かせ た」 , 「あま り生かせ なかった」か ら選択 させ,活用 で きたあ るい は活用 で きな かった内容 は自由記述 させ た。援助のポ イン トに基づ く実施の状況 については,
「 毎 回実行 した」 , 「 時々実行 した」 , 「 実 1 0 4
行 しなかった」か ら選択 させた。 さらに 実行 しなかった場合 はその理由を 「 機会 がなかった」 , 「 気がつかなかった」 , 「 行 お うとしたがで きなか った」 , 「 その他」
か ら選択 させ , 「 行お うとしたがで きな かった」 , 「その他」 の理由の内容 を自由 記述 させた。尚,選択式回答の場合はす べて択一 とし, 自由記述 による回答では, 記述件数の指定は しなかった。調査 は臨 地実習終了後の 1 2 月初旬 に一斉回答方式 で実施 した。
「 清拭」 とは, ここで は全 身清拭 また は部分清拭 のことをいい,足浴等の部分 浴 は含 まないこととした。
3. 分析方法
1 )経験 回数,使用 した清拭用具,学内学 習の活用状況,援助 のポイン トに基づ く実施の状況 については単純集計 し, 割合 を求めた。
2 ) 自由記述 された事項 については,著者 らで分類 し,内容 ごとの件数 を求めた。
日.結 果
7 2名 に調査票 を配付 し ,7 1 名か ら回収で きた。
1.清拭 の経験 回数 ( 図 1)
臨地実習で経験 した 「 清拭」のおお よその回 数 は ,5 0 回以上 が 1 4 名 ( 1 9. 7%) ,4 0‑4 9 回が 1 4 名 ( 1 9. 7%) ,3 0‑3 9 回が 1 3 名 ( 1 8. 4%) ,2 0
‑2 9 回 が 8 名 ( l l . 4%) , 1 0‑1 9 回 が 5 名 ( 7 . 0%) ,9 回以下が 1名 ( 1 . 3%) ,不明 1 6 名 ( 2 2. 5%) であった。不明 とした学生の全員が
「 何 回 も経験 したが回数はわか らない」 と記述 している 。
2. 「 清拭」の方法
「 清拭」の方法 は , 「 毎回 , 清拭車 を使用 した」
5 6 名 ( 7 8 . 9%) , 「どちらか といえば清拭車 を使 用す ることが多かった」11名 ( 1 5 . 5%) , 「 清拭 車 と洗面器 を併用 す る こ とが多 か った」 4名
( 5 . 6%) であった。「 毎回,洗面器 を使用 した」,
「どち らか といえば洗面器 を使用することが多 かった」のいずれについて も回答がなかった。
「 毎 回 , 清拭車 を使用 した」の理 由 として 6 4
秋 田大学医短紀要 第1 0巻 第 2 号
石井範子/臨地実習中の 「 清拭」の分析による基礎看護技術教育の検討 (3)
9 回以下 1 名 ( 1 . 3%)
1 0‑19 回 5 名( 7 , 0 %)
図 1 清拭の経験回数
件 の記述があ り,① 「 使いやす く便利であ り, 効率的である」 , 「 お湯 をこぼす ことがない」等 の作業効率 に配慮 した内容が 41 件,② 「 清拭車 の方が楽」等の学生の都合 を述べ た内容が1 0件,
③ 「 待 たせ る時間が少 ない」 , 「 清拭車内の タオ ルの色分 けでセルフケアにも役立つ」等の患者 にとってのメリッ トを考慮 した内容が 8 件,④
「 援助 を受 け入れて もらいやすい」等の患者 と の関係 に配慮 した内容が 2 件,⑤他者の指示 を 表す内容が 3 件であった ( 表 1 ) 。 「どちらか と いえば清拭車 を使用することが多かった」 の理 由は,①清拭車が便利 7 件,②洗面器 と温湯 を 使用す ることは不便 3 件,な どであった。「 清 拭車 と洗面器 を併用す ることが多かった」の理 由は,①患者の汚れに合わせ た 2 件,②患者の 状態 に合わせた 1 件 な どであった。
3. 学内学習の臨地実習 における活用状況 学内で学習 したことを臨地実習 に 「 充分生か せ た 」3 1 名 ( 4 3. 7%) , 「まあまあ生かせた 」3 4 名 ( 4 7 . 9%) , 「 あ ま り生 かせ なか った 」6 名
( 8 . 4%) であ った。生 かす ことがで きた事項 と して 1 5 7 件 の記述があ り,①手順,拭 く方向
や圧 の強 さ,ワッシクロスの使い方等の清拭 の 方法 に関す ること 9 5 件,②留意事項全般,保温, 蓋恥心 に対する配慮等の留意事項 4 8 件,③ その 他 1 4 件 であ った ( 表 2 ) 。生 かす ことがで きな かった事項 としての記述が 41 件あ り,( 丑洗面器 と温湯 を用いた清拭法,綿毛布やバス タオルに よる身体の覆い方,等の清拭 の方法 に関する事 項 2 9 件,②温湯の準備,室温や湿度の調節等 の 使用物品 と準備 に関する事項 6 件,③一通 りの 就床患者 に対す る清拭がで きなかった等,経験 で きなかった事項 4 件,④ その他 2 件であった
( 表 3) 。
4. 援助のポイン トに基づ く実施の状況 ( 表 4)
「 清拭」 は患者 の全 身の皮膚 に直接施 し, 患者の心身の安楽や安全 に大 きく影響す るケア であることか ら,提示 した全ての援助のポイ ン トに基づいて実施することが原則 とされる。患 者の状態 によっては患者 自身で部分清拭するが で きる場合 もあることを考慮 し, ここでは 8 0%
以上の学生が毎 回実行 していることを期待 した。
8 0%以上の学生が 「 毎回実行」 としていた援
(4) 石井範子/臨地実習中の 「 清拭」の分析による基礎看護技術教育の検討
表 1 「 毎回,清拭幸 を使用 した」理 由
6 4 件中, ( ):記述件数
理 由
① 作 業 効 率 に 配 慮 :合 計 41 件
・使いやす く便利 であ り、効 率的 で あ るO (1 8)
・いつ も温 かい タオル が準備 され て手軽 で あ るO (1 4)
・タオル が加熱 され 清潔 であ る o ( 5)
・冷 えた タオル を再 度保 温 で きる D ( 2)
・お湯 を こぼす こ とがない ロ ( 2 )
② 学 生 自 身 の 都 合 :合 計 10 件
・清拭 車 の方 が "莱 " であ る o ( 9)
・洗 面器 に湯 をいれ て使 う方法 に気 がつか なか ったo ( 1 )
③ 患 者 に と つ て の メ リ ッ トを 考 慮 :合 計 8 件
・待 たせ る時 間が短 いo ( 7)
・タオル が部位別 に色分 け されセル フケア に役 立つ¢ ( 1 )
④ 患 者 と の 関 係 に 配 慮 :合 計 2件
・援助 を受 け入れ て も らいやす い○ ( 1 )
・患者 に清拭 車 の タオル の使 用 を希 望 され たD ( 1 )
助 のポイン トは 25 項 目中 1 9 項 目であった。「 毎 回 実行」が 8 0% 未満 であ った援助 のポイ ン トは 6
項 目で,実行 した学生数の少 ない順 に 「 清拭後, 乾燥 した タオルで湿気 を除いた」l o 宅 ( 1 4. 0%) ,
「 清拭 タオルには柔 らかい保温性 のある物 を選 んだ 」3 8 名 ( 5 3. 5%) , 「 汚れの度合い ・部位 に 応 じた清浄剤 を選 び使用 した 」3 9 名 ( 5 4. 90 / o ) ,
「 腹部 は腸嬬動 を促進す るように配慮 して拭 い た 」4 3 名 ( 6 0 . 6%) , 「 保温 のための掛 け物 の掛 け方 を工夫 した 」5 1 名 ( 7 1 . 8%) , 「 室温 に配慮 した 」5 5 名 ( 7 7. 5%) で あ っ た。 これ ら に は
「 室温調整」 , 「 清拭 タオルの選 び方」 の ように 病 院の システムに よ り学生が主体的 に実行 で き ない とい う制約 を持つ もの も含 まれている。 ま た,全員 が毎 回実行 が 1 0 0% の 「 充分温 かいお 湯 の準 備」 と 「 患 者 へ の事 前 の説 明」 お よび
9 8 . 6% の 「 お湯 ( タオル)が冷めない工夫」以 外 の全ての援助 のポイ ン トにおいて,実施 しな か った理 由 に , 「 気 がつ か なか った」 とい うこ とが挙 げ られていた。その他 に 8 0% 未満 であっ た援助 のポイ ン ト 「 室温 に配慮 した」 , 「 保温 の ための掛 け物 の掛 け方 を工夫 した」 , 「 清拭後,
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表 2 臨地実習 で学内学習 を生 かすことがで き
た事項 1 57 件 中
① 清 拭 の 方 法 に 関 す る こ と ・(合 計 9 5件 ,60.5 %)
・拭 く 方 向 ( 23)
・拭 く圧 の 強 さ (1 9)
・手 順 (1 8)
・タ オ ル の 温 度 の 確 認 方 法 (9)
・体 位 の 工 夫 ( 7)
・関 節 部 の 支 え 方 ( 7)
・方 法 全 般 ( 6)
・ワ ッ シ ク ロ ス の 使 い 方 ( 3)
・陰 部 の 拭 き 方 ( 2)
・乾 燥 し た タ オ ル で の 拭 き 方 (1)
② 留 意 事 項 に 関 す る こ と (合 計 4 8件 ,30 6 %)
・患 者 の 蓋 恥 心 に 対 す る 配 慮 (1 9)
・患 者 の 保 温 (8)
・所 要 時 間 ( 5)
・身 体 の 露 出 に 対 す る 配 慮 ( 5)
・患 者 の 心 身 の 観 察 の 必 要 性 ( 4)
・ケ ア に 対 す る 患 者 の 同 意 ( 3)
・留 意 事 項 全 般 ( 3)
・施 行 中 の コ ミ ニ ュ ケ ‑ シ ョ ン (1) ( 雷そ の 他 :(合 計 1 4件 、8.9 %)
乾燥 した タオルで湿気 を除いた」 , 「 清拭 タオル には柔 らかい保温性 のある物 を選 んだ」 では,
「 物 が なか った」 , 「 病棟 の看 護 師 のや り方 に 従 った」, とい う内容 の理 由が み られ た。 と く に実施者が最 も少 なかった 「 清拭後,乾燥 した タオルで湿気 を除い た」 におい ては , 「 病棟 の 看護 師のや り方 に従 った 」9 件 , 「 乾燥 した タ オルが なか った 」2 件 で あ った。「 汚 れの度合 い ・部位 に応 じた清浄剤 を選 び使用 した」では,
「 機会 が なか った」 とす るほか に , 「 洗 浄剤 が なか った」 と言 う理 由が 3 件 あ った。「 腹 部 は 腸嬬動 を促進す るように配慮 して拭 いた」 では,
「 患者 自身でで きる場合が多か った 」3 件 , 「 順 調 な排便 がで きる人 には しなか った 」 2 件 とい うように患者 の状態 によって実施 しなか った と い う内容 の理 由が挙 げ られていた。
I V. 考 察
1.経験 回数 について
「 清拭」 は,皮膚 の清 潔,血 液循 環 の促 進 , 患者 の爽快感 な どの効果 と同時 に,患者 と看護 者 の コミュニケーシ ョンが促進 され る看護技術
秋田大学医短紀要 第1 0巻 第 2 号
石井範子/臨地実習中の 「 清拭」の分析による基礎看護技術教育の検討 (5)
表 3 臨地実習 で学内学習 を生 かすことができ 2. 「 清拭」方法 について なかった事項 4 1 件中
① 清 拭 の 方 法 に 関 す る こ と (合 計 2 9 件 ,70 . 7 %)
・洗 面 器 ・温 湯 を使 用 した 清 拭 法 (17)
・綿 毛 布 や バ ス タ オ ル に よ る 身 体 の 覆 い 方 (5)
・ワ ッ シ ク ロス の 使 い 方 ( 3)
・バ ス タ オ ル に よ る水 分 の 拭 き取 り ( 2)
・目的 に 応 じた 方 法 の 選 択 (1)
・拭 く方 向 (1)
② 使 用 物 品 と準 備 に 関 す る こ と ( 合 計6 件 , 1 4.6 %)
・室 温 や 湿 度 の 訴 節 ( 2)
・温 湯 の 準 備 ( 2)
・使 用 す る タ オ ル の 数 (1 )
・清 浄 剤 の 準 備 ( 1)
③ 経 験 で き な か っ た こ と (合 計 4 件 , 98%)
・就 床 患 者 に 対 す る清 拭 の 全 般 ( 2 )
・ ドレー ン挿 入 中 の 患 者 の 清 拭 ( 1)
・絶 対 安 静 の 患 者 の 清 拭 (1 )
④ そ の 他 (合 計 2 件 ,4.9 %)
であることか ら,学生の臨地実習中に経験 を重 ねて在学中に技術 を習熟 させ ることを期待 して いる 。
卒業時の 「 清拭」の経験 について,二 つ森 7.
は全学生が経験 し,平均 回数は 3 5 回であったこ とを,片岡 ら 8 ‑は平均 回数が 3 3. 3 回であったこ とを,それぞれ報告 している。本調査では,回 数の不明な回答があったことか ら平均 回数 を把 握す ることはで きなかったが ,5 7 . 8% の学生 は 3 0 回以上の経験 を してお り,不明 としている 1 6 名の学生全員が 「 何 回 も経験 した」 と述べてい
ることか ら,平均 回数は前二者の報告 と同等の 3 0 回 を越 える もの と察せ られる。本学 の 1 1 5 日 間の臨地実習 において , 「 清拭」の頻度が高い 分野 は,受 け持つ患者の特徴 か ら成人 ・老年 ・ 小児看護学の病棟実習であ り,それ らの実習 日 数は合計で約 6 0 日である 。2‑3 日に 1 度の割 合で 「 清拭」 を実施す ると ,2 0‑4 0 回の経験 を す ることはで きる もの と推測 される。その よう な中で 4 9 名 ( 6 9. 2%) は 2 0 回以上経験 していた が ,6 名 ( 8. 3%) は 2 0 回未満であった。「 清拭」
の経験 回数が一定以上 になるよう学生 に意識づ けるために指導者か らの働 きかけや,受 け持 ち 患者の選定時に 「 清拭」 を必要 とする患者 を選 択す るような配慮が必要であると考 える。
本学 の 「 清拭」の学 内授業 で は , 「 洗面器 と 温湯」 による方法 を中心 に教授 している。洗面 器 と温湯 による方法は,準備や後始末が簡便で 常時蒸 しタオルが準備 されている清拭車 を用い た方法 に比べ,準備 ・後始末 に時間かか り, タ オルが冷めない よう気配 りが必要であるが,汚 れに応 じてタオルに含 ませ る湯の量 を調節 した り,清浄剤 を含 ませて清拭で きること,使用す るタオルが少 ない等の利点 もある。 また , 清拭 車は高価であることか ら学生が卒業後 に就業す る全ての場 に設置 されているとは考え難い。本 学の実習病院では全病棟 に設置 されていること か ら清拭車 による方法で 「 清拭」 を経験 した学 生が圧倒的に多かった もの と考 えられる。 しか し,在学中に適温の温湯や適切 なタオル類の準 備,汚れの程度 にあわせて清浄剤 を使用する方 法等 を学習す ることは , 清拭車 を用いるだけの 経験 では,不十分である。 したがって,作業効 率の良い ことや学生の都合 を優先するだけでは な く,患者の身体の汚れの状況 も十分 にアセス メン トし,清拭車 による方法か,洗面器 と温湯 による方法か,両者 を併用する方法か,を選択 する態度 を養 うことも必要であると考 える 。
3. 学内学習の活用状況 と援助のポイン トに 基づ く実施の状況
学内で学習 したことを 9 1 . 6% の学生 は生かす ことがで き ,8 . 4%の学生 は生かす ことがで き なかった としていることか ら,学生 は概ね学内 学習 を意識 して実習 を していると捉 えることが で きる 。
学内学習 を活用で きた事項 と活用で きなかっ た事項のいずれにおいて も,記述 された内容 は 方法や留意事項 に関する もので,援助のポイン トとして提示 している事項で もある。援助のポ イ ン トの 2 5 項 目中 2 2 項 目で , 「 気 がつかなか っ た」 とい うことが実行 しなかった理由の一部 と して挙 げ られていることは,学生がそのポイ ン トを実施 に反映 させ るまでの知識 として習得 し ない まま実習 に臨んでいた もの と推察 される 。
実施の場面で想起 させ るような指導者の関わ り
が求め られると同時 に,学校側ではその看護技
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