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原 著 :秋田大学 医短紀要 6( 2):1 45‑1 5 2,1 9 98.

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(1)

り51

原 著 :秋田大学 医短紀要 6( 2):1 45‑1 5 2,1 9 98.

小児看護学実習 における保育園実習の効果 一 時期 による学生 の学 びの比較 ‑

平 元 泉* 野 村 誠 子 * 石 井 範 子 *

TheEf f ec t sofNur s er y Pr ac t i c eon Chi l d Nur s i ng Educat i on

I zumiHI RAMOTO*sei ko NoMURA*Nor i ko l s HI I *

Ⅰ. は じめに

小児看護学 では,「 小児 の成長発達 を理解 し, あ らゆる健康 レベルの個 々の健康上の問題 を解 決 し,成長発達 を促すための,小児 とその家族

‑援助する能力 を養 う」 ことを教授 目標 に して いる。子 どもの健康 に関す るすべての問題への 対応が含 まれてお り,健康 に障害がある子 ども だけではな く,健康 な子 どもに対す る健康の保 持増進の働 きかけが必要である。 したが って, 小児看護学実習 において,病棟 のみではな く, 外来や保育園 ・幼稚 園など多様 な場での実習が 行 われている。特 に保育園実習は

, 9

割の学校

で取 り入れていると報告 されている1 ) 。 一方,小児人口の減少や入院期 間の短縮化 な どにより,実習施設の不足が問題 となっている 傾向にある。秋田大学医療技術短期大学部 ( 以 下,本学) において も,小児科病棟 での学生が 集中 しない ような配慮が必要 となっている。そ のため

, 3

週間の実習期間の うち

, 1

週 目と

3

週 目に分散 させて,保育園実習 を行 っている

保育園実習は,病院実習 に先立 って行われるこ とが望 ま しい とされている

2)

が,病 院実習後の 保育園実習 について も,学びの差異 はない とい

う報告 もある3 ) 0

そこで,本調査 において,保育園実習の時期 による学生の学 びに違いがあるかを明 らかに し, 効果的な実習方法 について検討す ることを目的

とする。

Ⅱ. 調査方法

1)対象 :秋 田大学医療技術短期大学部看護 学科 3 年生82 名 ( 女子7 8 名,男子 4 名) の うち,平成 9 年度小児看護学実習で, 1 週 目と3 週 目に保育園実習 を行 った7 0 名 ( 女子66 名,男子 4 名)。

2

)方法 :小児看護学実習最終 日に,質問紙 により 「 子 どもに対す る見方の変化の有 無」 について調査 した。 また,「 保育園

秋 田大学医療技術短期大学部

*看護学科

Ke yWo r ds: 小児看護学実習、保育園実習

(2)

(16)

小児看護学実習における保育園実習の効果

実習 で役立 ったこと」 について 自由記載 させ た。学生 の背景 との関連 を把握す る ため記名式 とした。

3) 分析方法 :子 どもに対す る見方の変化 の 有無 について, 1週 目に実習 を行 った学 生 ( 以下 ,A 群) , 3 週 目に実習 を行 っ た学 生 ( 以 下

,B

群) の

2

群 につ い て

x 2

検 定 を用 い て比較 した。 また, 自由 記述 については,文章 または段落 を対象 に類似す る内容 を分類 した。その中で共 通 した内容 の もの をまとめて項 目名 を付 けた。次 いで,各項 目毎 の記述件数 につ い て

,A・B

群 で

x

2 検 定 を用 いて比較

した。

Ⅲ.

保育園実習の概要

1.臨床実習 にお ける小児看護学実習の位置 づけ

本学の臨床実習 は

, 1

年次 に基礎看護 Ⅰ実習

45

時間

, 2

年次 に基礎看護 Ⅱ実習

90

時間があ り,

3

年次 に成 人 ・老 人看護学実習

630

時 間,母性 看護学実習 1 35 時間,小児看護学実習 1 35 時間が 行 われる 。 7 カ所 のブロ ックで,それぞれ 3 週 間の実習が 4 月か ら11月 までの期 間に組 まれて いる。その他 に地域保健実習 と老人施設実習各

45

時間 を夏季休暇前 に行 っている。

2. 小児看護学実習 と保育園実習 との関連 実習病棟 は秋 田大学医学部附属病院の小児科 病棟 1 ヶ所 のみである 。 1 回の実習学生数 は 1 1

‑12

名 である

。 3

週 間の実習 の うち

1

週 間は保 育園実習 と外来実習 とし,病棟 での実習 は

2

週 間である。病棟 での実習が 2 週 間継続 で きるよ うに,保育園実習 と外 来実習 は 1 週 目と 3 週 目 に組 み入 れている。 ただ し,保育園の都合で

2

週 目に行 う場合 もある。学生 は

5‑6

名の

2

グ ループに分かれて実習 している。

3. 保育園実習の 目的 ・目標 お よび方法 1) 目的 :乳幼児 とのかかわ りを通 して,

健康 な乳幼児 を理解す る。

(2

)成長発達 に応 じた保育の実際 を学 ぶ 。

3 )方法 :

(1)実習期 間

:2

日間

(2

)実習時間 :8 時

30

‑16

30

分 (3 )実習施設 :秋 田市 内保育園 ( 3 カ

所 の うちのいずれか 1 施設 に予 め 学生 を配置)

(4 )実習方法 :

(

丑0歳 〜 5歳児 までのいずれかの クラ ス を受 け持 ち,担 当保母 の指導 を受 けなが ら保育 に参加す る。

②受 け持 ち以外 のクラスの保育状況お よび児 の観察 は見学 によって補 う。

( 参2 日目にカンファレンス を行 う。

( む所 定 の保 育 園実 習記 録 用 紙 (B 5 版) に記録 し,教員 に提 出す る

Ⅳ.

結 果

回答者 数 は

70

名 ( 有効 回答率

100%)

であ っ た。

1.学生 の背景

1年次の小児看護学 の講義開始前 に,同胞 の 有無,子 どもとの接触経験 の有無 ( 「 今 まで子 どもと親 しい関わ りを持 った経験 があるか

),

子 どもに対す る気持 ち ( 好 き,嫌い, どち らで もない) について,質問紙 による調査 を実施 し た。その結果,同胞 の有無 については表 1の通

りであった。一人 っ子 は 2 名 (3 %) と少 な く,

A・B

群 に有意 な差 はみ られなかった。

子 どもとの接触経験 で は,経験が ない と答 え た者 は 5 名 (7 %)のみで, ほ とん どの学生 は なん らかの接触経験 を持 ってお り,有意 な差 は なか った ( 表 2)0

子 どもに対す る気持 ちについては,表 3の通 りであ った。 どち らで もないお よび嫌い と答 え た者 は全体 では

13

(19%)

であった。両群 に 有意 な差 はなかった ( 表

3 ) 0

病 院実習 における学生 の受 け持 ち患児 につい

(3)

平 元 泉 ・野 村 誠 子 ・石 井 範 子

1

学生の背景 ( 同胞の有無)

単 位 :人 兄 姉 弟 妹 兄 姉 弟 妹 同 胞 な し 計

A 群

3 12 19 0 34

B

4 8 22 2 36

7 20 41 2 70

( ) 全 体 の %

2

子 どもとの接触経験の有無

単 位 :人

有 り 無 し 無 回 答 計

A

32 2 0 34

B 群

31 3 2 36

63 5 2 70

( ) 全 体 の %

3

子 どもに対 する気持 ち

単 位 :人 好 き どちらでもない 嫌 い 無 回 答 計

A

28 3 3 0 34

B 群

28 5 2

1

36

56 8 5 1 70

( ) 全 体 の %

4

病院実習 における受 け持 ち患児 単 位 :人

乳 児 幼 児 学 童 計

A

6 17

ll

34

B 群

13 14 9 36

19 31 20 70

( ) 全 体 の %

(17)

(4)

(18)

小児看護学実習 にお ける保育 園実習の効果

5

実習後の子 どもに対 する見方の変化 単 位 :人 変 化 あ り どちらでもない 変 化 な し 計

A 群

20 5 9 34

B 群

25 6 5 36

45

ll

14 70

( ) 全 体 の %

6

自由記述の項 目と記述数

項 目 記 述 数

1)乳 幼 児 の̲ 成 長 発 達 の 特 徴 の 理 解

(3363)

2)

成 長 発 達 に 応 じ た 保 育 の 理 解

(4329)

3

)保 育 園 の 意 義 に 対 す る 理 解

(8)8

4)

病 児 と の 関 わ り 方

(2220)

2.

小児看護学実習後の子 どもに対す る見方 について ( 表

5)

3 週間の実習 を終了 した時点で,子 どもに対 す る見方が実習前 と比較 して変化 した者 は45 名

(64%) で あ っ た 。 どち らで もな い が 1

1名

(160/

o

)

,変化 しないが1

4

(20%)

で あった。

両群 に有意 な差 はなか った。

3. 保育園実習が役 だった ことについて ( 表 6

・7)

記述件数 は

,A

群57 件, B群51 件 ,合計1

08

件 であった。

記述内容 を分析 した結果, 1)乳幼児の成長 発達の理解 , 2) 成長発達 に応 じた保育 の理解,

3 )保育園の意義 に対す る理解 , 4) 病児 との

( )%

青の理解42 (

39%)

,乳幼児の成長発達の理解

36 (33%)

,病児 との関わ り方 に対す る理解22

(20%)

, 保 育 園 の 意 義 の理 解 につ い て

8

(8%) の順 であった。

各項 目毎 に

A・B

群 の記 述 内容 を比較 した 結果,以下の通 りであった。

1 )乳幼児の成長発達の理解

記述 内容 は (1)各年齢 に応 じた成長発達 の理解 , (2) 子 ども本 来 の姿 の理解 , (3) 個 人差 の理解 , (4) 遊 び と子 ども , (5) け んか と子 ども, な どであ った。項 目全体 の記 述件数 は

,A

群1

8 (32%),B

群1

8 (35%)

で 有意 な差 はなか った。

2 )成長発達 に応 じた保育の理解

記述件数は

A

群25 (

44%), B群17 (33%)

(5)

平 元 泉 ・ 野 村 誠 子 ・石 井 範 子

7

保 育 園 実 習 が役 だ っ た こ と

述 件数

記述項 目 / 記 述 内宍 E

A 群

l B群 1 )乳 幼 児の成長発蓬の特徴の理 解

( 1) 各 年 齢に応 じた成長発達の理 解

12

1 0

( 2) 子 と も本来の安の理解

1

3

( 3) 個 人 差の理解

0

1

( 4) 遊 び と子 どもの理解

5

2

( 5) け ん か と子 ども

00

1

1

( 6) そ の 他

・ 現 代の子 どもの考え方

18 18

' 2)成長発意 に応 じた保育の理解 ( 1) 成長発達 に応 じた しつけの しかた

6 5

( 2) 遊びの援助

1306 0

9

3

・保母か ら教 えて も らった折 り紙や廃材利用のお もちやが役だった

・年齢に応 じた遊ばせ方の活用

・集団遊びへの活用

(3)

子 どもとの接 し方 .姿勢

・乳幼児への接 し方の理解

・積極的に話 しかけることがで きるようになった

・子 どもへの免疫がついた

・人見知 りの子 どもベの接 し方

・子 どもの 目線で見た り考えた りすること

・あや し方

・子 どもの言 うこ とをゆっ くり聞いてあげること ができるようになった

( 4) 健康な子 どもに対する看護の必要性の理解

・健康 な子 どもに対する成長発達 を促 す援助の必 要性の理解

・すべての子 どもに成 長発達に 応 じた 世話が必 計 25 要

17

3)保育園の意義 に対 する理解

43 01

(1) 保母 と子 ども

・保母の関わ り方 ( 2 ) 集団保育の特徴

・基本的生活習慣の確立が早い

・集団で生捕す ることや奄流の重要性

7 1

4) 病児 との関わ り万 に対す る理欝

007 366

(1) 看護婦の関わ り方

・母親 と協力 しあ うことの重要性

・個々の子 どもの性格や個人差 を考えて接するあ たたかさが保母よ り不足

・子 どもとの信頼関係が保母 よ り不足

(2)

病児 との接 し方

・健康な子 どもとの共通点を探 り対処法を考える こと

・健康な子 どもの発達 を基 に病児 を観察すること

・病児の本来いるはずの環境 を念頭に近づける努 力をすること

・病児 も健康であればこうだろうと考えなが ら行 動で きた

・病児の発達 を促すための援助

・回復への援助が具体的にイメージで きた

・健康な子 どもと同様に厳 しくする必要がある事

(3

) 病児への思い

・恵児への看護の影響の大 きさ実感 した

・患児ががんばっている姿に感動 し、接する気持 ちが変 わっ た

計 7 15 ★

(19)

(6)

(20)

小児看護学実習における保育園実習の効果

援助

, (3)

子 どもとの接 し方 ・姿勢

, (4)

健 康 な子 どもに対す る看護の必要性の理解の

4

つ であった。記述内容毎 にみ る と,「 遊びへの援 助」 について記述 したのは

A

群のみ

13

,B

群 には見 られなか った。 また,「 健康 な子 どもに 対す る看護の必要性の理解」 についての記述が み られたのは

B

群のみ

3

であった。項 目全体の 記述件数では差 は認め られなかったが,学びの 内容 には違いが認め られた。

3)保育園の意義 に対する理解

記 述 件 数 は

, A

群 が

7 (12%)

B

1

(2 %) よ りも有意 に多かった

(p<

. 05 ) 。記 述内容は, (1)保母の関わ り方

, (2)

集団保 育の特徴 ,であった。「 保母 は子 どもが心 を開 くような接 し方 を してい る と思 った」 な ど,

「 保母の関わ り方」 について記述が見 られたの は

A

群のみ

4

であった。

4)

病児 との関わ り方

記 述 件 数 は

, A

7 (12%), B

群 が

15

( 3 0%) で

,B

群 の記述数が有意 に多 か った

(p<

. 05 ) 。記述 内容 は, (1)看護婦 の関わ り方

, (2)

病児 との接 し方

, (3)

病児への思 い,であった。「 看護婦 の関わ り方」 について, 記述が見 られたのは

B

群のみ

3

であった。 また,

「 患児が,がんばっている姿 に感動 し,接する 気持 ちが変わった」 など 「 病児‑の思い」 につ いて記述が見 られたの もB 群のみ 6 であった。

Ⅴ.

考 察

1.学生の学 びに関連する要因について 本調査 は,保育園実習の時期が,学生の学習 効果 に影響 を及ぼすかを明 らかに しようとする ものである。 したがって,学生の学習効果 と関 連があるとみなされる他の要因 として,学生の 背景 ( 同胞 の有無,子 どもとの接触経験)や子 どもに対する気持 ち,小児看護学実習 における 受け持 ち患児 について も調査 を行 った。以下,

これ らの要因について分析する。

1 )学生の背景

4)

。一方,木村

5)

は子 どもとの接触経験 の有 無 とは関連 しない と報告 している。本調査では 同胞数は調査 しなかったが,いわゆる一人っ子 は

2

名のみ と少 なかった。約

7

割の学生 は弟妹 がいることか ら, 自分 より年下の者 との接触経 験があると推測 される。子 どもとの接触経験の 有無では経験がない者が 5 名のみで,前述の木 村の調査 よりもその割合が少 なかった

2 )子 どもに対する気持 ち

看護学生の子 どもに対す る情動反応 について, 木村 の調査 では,「 子 どもが嫌い」 とい う者の 割合 は1 6%6 ) , 田淵 らの調査 で は, 「どち らと もいえない ・嫌 い」 の割合 は約2 0%7 ) とい う結 果が報告 されている。本調査 において も, どち

らで もない ・嫌い とい う学生の割合 は約2 0%で, ほぼ同様の結果であった。 この結果 を多い と見 るかは意見の分かれるところで もあるが,子 ど もを主な対象 とする小児看護学の教授 において, この ような学生が存在す ることを念頭 に置いた 指導が必要であると考 えられる。

3

)小児看護学実習 における受 け持 ち患児 について

小児看護学実習では,実習期 間中に原則 とし て 1 名の患児 を受け持 ち,看護過程 を展 開す る。

対象 となる小児 は,主 に乳児 ・幼児 ・学童であ る。 どの発達段階の患児 を受け持つかによって, 学習内容が異 なるのは当然であろう。小児の特 徴 を有効 に学ぶためには,乳幼児期が望 ましい と言 われている8 ) 。 しか し,小児各期 の特徴 を 学ぶためには,乳幼児期 に限定す るのは十分 と は言 えない。 また,実習病棟 の入院患児数か ら も選定 に苦慮するところである。 したが って, 本学 において も,実習 グループ内に必ず小児各 期 の子 どもが受 け持 ちになる ように し, カ ン ファレンスなどでお互いのケースか ら学べ るよ うに配慮 している。 したがって

, 2

群 に受 け持 ち患児の偏 りはなかった。

以上の結果か ら, 1)学生の背景

, 2)

子 ど

もに対す る気持 ち, 3)小児看護学実習 におけ

(7)

平 元 泉 ・野 村 誠 子 ・石 井 範 子

とに した。

2.

保育園実習の時期 による学びの比較 学習効果 を評価する指標 として,今回は小児 看護学実習前後の子 どもに対する見方の変化の 有無 と,保育園実習が役だったことについての 自由記述内容の分析 を行 った。以下, この 2 点 について述べ ることにす る。

1)小児看護学実習前後の子 どもに対する 見方の変化

小児看護学実習前後の子 どものイメージの変 化 については多 くの報告がある。「 子 どもに接 する機会が少 ないまま学習す るとい う現状 に加 え,行動がイメージに依存する, イメージが知 覚 ・記憶 ・思考 に密接 な関係 を持 ち,看護の対 象 に対す るイメージが看護行為 を規定するとい う前提 に立脚 している。 しか し,イメージの測 定用具が異 なるため,類似 した変数 との関係 を 分析 して も,結果が異 なる」 と指摘 されてい る

9)

。 この指摘 の通 り, イメージ調査 として子 ども観 をあ らわす

50

項 目について

SD

法 による 因子分析1 0 ) や子 どもについてイメージが変わっ たか否か とい う設問の調査1 1 ) など多様 である。

本調査 では,「 学習 によって,対象認知のあ り 方 に質的な変化が生 じる」 とい う報告1 2 ) を基 に,

「 子 どもの見方の変化の有無」 を設問 とした。

その結果,実習後 に変化 した者 は,全体 で約 60% であった。「 変化 しない」

,

「どちらで もな い」 の内容 を分析 す る必要 が あ り, 「変化 し た」 ことを学習効果 とみなす ことは十分 とはい えないが,本調査の 目的である保育園実習の時 期の効果 を比較する指標 として用いると両群 に 差 はな く,学習効果に差 はない と言 えよう。

2 )保育園実習が役だったこと

保育園実習 に よって,「 乳幼児 の成長発達の 特徴 の理解」 や 「成長発達 に応 じた保育 の理 解」が深 まる と報告 されている1 3 ) 。保育園実習 の位置づけは,学校 によって異 なってお り,小 児看護への導入 として 2 年次 に実施 していると い う報告 もある1 4 ) 。実習 目的 によって実習方法 や教員の関わ り方 も異 なるのは当然であろう。

本学では, 3 年次の小児看護学実習の中に位置 づ け,健康 な小児の理解 を深めることや健康 な

( 2 1 )

小児 に対する保育 を学ぶ ように意識づけている。

保育園実習後 に提 出 される レポー トにはこれ ら の視点 について書かれてお り,両群の差 につい て明 らか にで きない ことも予測 された。 した が って,今回は時期 による差の有無 を知 るため, 保育園実習の レポー トとは別 に,「 役 だったこ

と」 とい う自由記述 を分析対象 とした。 この結 莱,若干の差が認め られ,時期 による学 びの内 容 にそれぞれ特徴が認め られた。

共通 してい る項 目は,「 乳幼児 の成長発達の 理解」 と 「 成長発達 に応 じた保育の理解」であ り,先行研究

15)

と同様であった。 しか し,具体 的な記述内容では,「 遊 びの援助」 は

A

群,「 健 康 な子 どもに対する看護の必要性の理解」 は

B

秤, と片方のみに偏 った ものがあった。保育園 実習 を行 ってか ら,病院実習 を行 った

A

群は, 受 け持 ち患者 に対 して,保 育園で学 んだ 「 遊 び」 について活用で きた とす る学生が多かった と言 える。病院実習の後 に保育園実習 を行 った

B

群は,看護 とい う視点での子 どもの見方が深 まった と考 えられる。

次 に,異 なった項 目についてみ る と,「 保育 園の意義 に対する理解」 は

A

群が多かった。特 に,保母 と子 どもの関わ り方 についての記述が 多かった。一方, B群 は 「 病児 との関わ り方」

についての項 目が多かった。記述内容 を見ると,

「 看護婦の関わ り方」 として,保母の関わ り方 を通 して,看護婦のあるべ き姿勢 について記述 している とい う特徴が認め られた。 これは前項 目の 「 保母の関わ り方」 と同 じ内容 とみなす こ ともで きる。保母の子 どもとの接 し方について 両群 とも学 んでいるが

,B

群は病院実習で看護 婦の関わ り方の実際 を見ているため,看護婦 に 不足 している部分 としてよ り印象づ けられた と 推察 される。 また, 「 母親 との信頼 関係 の重要 性

「 病児へ の思い」 について も病 院実習が先 行 した ことか ら, 自分の経験 に立脚 して,「 看 護」への視点で学 んでいると言 える。

以上の ことか ら,実習後の子 どもの見方の変

化 に大 きな影響 はないので,必ず しも病院実習

前 に保育園実習 を組み込 まな くて も良い と考え

られ る。 しか し, 「保 育 園実習 が役 だ った こ

(8)

( 22) 小児看護学実習における保育園実習の効果

と」 についてみると花野

'6)

の報告 とは異 な り, 保育園実習の時期 によって,学生の学びの視点 が異 なる項 目があることが明 らかになった。 し たがって,それぞれの違いを念頭 にカンファレ ンスなどによって,補足 してい くような関わ り をしてい く必要があるとい う示唆が得 られた。

Ⅵ.

結 論

本学では, 3 週間の小児看護学実習 において 保育園実習 を, 1 週 目と3 週 目に 5‑ 6 名ずつ 分散 して行 っている。保育園実習の時期 によっ て,学生の学びに違いがあるか調査 した。その 結果,以下のことが明 らかになった。

1.小児看護学実習後の 「 子 どもの見方」 に ついて,変化 した と答 えた学生 は全体の 63%で,保育園実習の時期 による差 はな かった。

2.「 保育 園実習が役 だった こと」 について, 自由記述 の内容 を比較 した結果,「 乳幼 児 の成長発達 の理解」 「 成長発達 に応 じ た保育の理解」 の項 目に差 はなか った。

「 保育園の意義 に対する理解」 は 1 週 目 の学生,「 病児 との関わ り方」 について は 3 週 目の学生の記述が多い ことが明 ら かになった。

したが って,保育園実習の時期 によって,学 生の学 びの視点に若干の差があることを念頭 に 指導す る必要があることが示唆 された。

Ⅶ.

あわ りに

子 どもの入院期 間が短縮 され,本学の実習病 院において も , 2 週間継続 して受け持つケース は少 な くなっている。 したが って, 3 週 日では な く

2

週 目の中間に保育園実習 を組み入れるこ とも検討 している。今回, 2 週 目すなわち中間 で保育園実習 を行 った学生 については分析 しな かったが,今後中間で保育園実習 を行 った学生 の学 びについて も調査 したい と考 えている

引用文献

護学 における臨床実習の実態‑ その 1‑実 習施設の状況 と学習課題 を中心 に, 日本看 護学教育学会誌 4 (2)72‑ 7 3,1 99 4.

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5 ・6 ・7

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, 5

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5

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)‑ SD

法 による短期大学生の子 どものイメージに ついて‑ , 日本看護科 学会誌1 2 (1) 5 0‑ 5 6,1 99 2.

6

)前掲

5)

7

)

田淵和子,山本捷子 :看護学生の子 どもに 対する認識や態度 に変化 を及ぼす実習の影 響, 日赤 中央女子短期大学紀要 5,47‑ 55 , 1 98 4.

8 )演中喜代 :受持患者の選択基準一受持患者 決定 までの プロセス

, Quality Nursing

l (6) :1 2‑ 1 5,1 995.

9

)舟島なをみ,走贋和香子 :小児看護学教育 研 究 の動 向 と今 後 の課 題 , 看 護 教 育 36

(6) :5 31‑ 5 35,1 995.

1 0) 前掲

5)

l l )前掲 7) 1 2) 前掲

5)

1 3)藤原宰江 :小児看護学 における保育園実習 の展 開 とその学習効果,看護教育2 6 ( ll ), 689‑ 7 02,1 985 .

1 4) 中新美保子 :小児看護への導入 としての保 育園実習の検討, 日本看護学会集録,第2 4 回小児看護,2 72‑ 27 4,1 993.

1 5 )前掲1 3 )

参照

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