平成 27 年度
エネルギー需給緩和型インフラ・システム普及等促進事業
インドネシア:ジャワ島北西部電力供給増強計画に係る事業実施可能性
調査報告書
平成 28 年 2 月
経
済
産
業
省
委託先 :
有限責任 あずさ監査法人
東電設計株式会社
1 目次 第1 章 要約 ... 1-1 1.1 プロジェクトの背景と必要性 ... 1-1 1.2 プロジェクトの概要 ... 1-1 1.2.1 必要送電容量 ... 1-1 1.2.2 増容量方法の選定 ... 1-1 1.2.3 増容量低弛度電線(HTLS)の選定 ... 1-3 1.2.4 電線張替工事 ... 1-4 1.2.5 事業総額 ... 1-5 1.3 経済分析結果概要 ... 1-5 1.4 財務分析結果概要 ... 1-6 1.5 代替案との比較結果及び最適案選定理由 ... 1-6 1.6 環境的・社会的影響... 1-6 1.7 プロジェクトの実施スケジュール ... 1-7 1.8 日本企業の技術的優位性 ... 1-7 1.9 プロジェクト資金の調達 ... 1-7 1.10 案件実現までの具体的スケジュールおよび実現を阻むリスク ... 1-8 1.11 調査対象国内での事業実施地点が分かる地図 ... 1-8 第2 章 調査方法 ... 2-1 2.1 調査目的 ... 2-1 2.2 調査内容 ... 2-1 2.3 調査方法・体制 ... 2-3 2.4 調査スケジュール ... 2-5 第3 章 調査の背景及び前回調査レビュー等... 3-1 3.1 対象地域の概要 ... 3-1 3.1.1 インドネシア全体の経済状況 ... 3-1 3.1.2 ジャワ北西部の経済状況 ... 3-3 3.2 電力需要 ... 3-5 3.2.1 電力需要実績 ... 3-5 3.2.2 電力需要予測 ... 3-5 3.2.3 電源開発計画 ... 3-7 3.2.4 RUPTL 2015-2024 における送電線増強計画 ... 3-9 3.3 前回調査のレビュー ... 3-11 3.3.1 2008 年に実施した調査報告書における必要性 ... 3-11 第4 章 潮流分析 ... 4-1 4.1 実施した調査 ... 4-1
2 4.2 検討条件 ... 4-1 4.2.1 検討年 ... 4-1 4.2.2 最新のジャワ・バリ北西部における送電線増強計画 ... 4-3 4.2.3 需要条件 ... 4-7 4.2.4 発電機の運転条件 ... 4-7 4.2.5 電圧範囲 ... 4-9 4.2.6 送電線容量 ... 4-9 4.2.7 系統解析のためのその他の条件 ... 4-9 4.3 潮流解析 ... 4-10 4.3.1 電線張替前の通常状態(N-0 条件)での潮流解析の結果 ... 4-10 4.3.2 N-1 条件での潮流解析の結果 ... 4-11 4.3.3 潮流解析結果の概要 ... 4-13 4.4 事故電流解析 ... 4-13 4.4.1 事故電流解析に関する検討条件 ... 4-13 4.4.2 事故電流解析結果 ... 4-13 4.4.3 事故電流解析結果の概要 ... 4-16 4.5 事故電流問題の対策 ... 4-17 4.6 安定度解析 ... 4-29 4.7 調査団からの提案 ... 4-35 第5 章 送変電工事の技術的検討 ... 5-1 5.1 プロジェクトの範囲 ... 5-1 5.2 送電線工事 ... 5-1 5.2.1 増容量方法の選定 ... 5-1 5.2.2 増容量低弛度電線(HTLS)の選定 ... 5-6 5.2.3 送電ロスの評価 ... 5-11 5.2.4 増容量低弛度電線(HTLS)への張替工事 ... 5-12 5.2.5 張替工事費 ... 5-20 5.2.6 工事期間 ... 5-21 5.2.7 施工に関する留意事項 ... 5-22 5.3 変電所工事 ... 5-26 5.3.1 既設 500 kV 変電所の概要 ... 5-26 5.3.2 変電機器適合化・取替工事 ... 5-35 5.3.3 変電工事費 ... 5-37 5.4 総合工事費 ... 5-37 第6 章 環境・社会的側面の検討 ... 6-1 6.1 プロジェクトの環境・社会的影響 ... 6-1
3 6.1.1 地域住民移転問題 ... 6-1 6.1.2 電磁界強度 ... 6-1 6.1.3 コロナ騒音 ... 6-2 6.1.4 ラジオ騒音 ... 6-2 6.2 国際協力機構(JICA)「環境社会配慮ガイドライン」に関する検討 ... 6-2 6.2.1 JICA ガイドラインにおける環境チェックリストの評価 ... 6-2 6.2.2 JICA ガイドラインにおけるプロジェクト分類 ... 6-7 6.3 相手国における環境関連規制・基準 ... 6-7 6.3.1 相手国の環境関連法、規制の概要 ... 6-7 6.3.2 プロジェクトに対する環境影響調査の詳細 ... 6-11 第7 章 経済・財務的実行可能性 ... 7-1 7.1 プロジェクトの事業費 ... 7-1 7.1.1 建設工程と実施期間 ... 7-1 7.1.2 事業費と前提条件 ... 7-1 7.2 経済的分析 ... 7-4 7.2.1 一般的方法と測定方法 ... 7-4 7.2.2 経済便益 ... 7-5 7.2.3 経済費用 ... 7-6 7.2.4 プロジェクトライフと運営期間 ... 7-7 7.2.5 経済評価の結果 ... 7-8 7.2.6 経済的分析結果の感応度分析 ... 7-10 7.3 財務分析 ... 7-11 7.3.1 一般的方法と測定方法 ... 7-11 7.3.2 財務収益 ... 7-11 7.3.3 財務費用 ... 7-13 7.3.4 プロジェクトライフと運営期間 ... 7-14 7.3.5 財務評価の結果 ... 7-14 7.3.6 財務的視点からの感応度分析 ... 7-17 7.4 財務的経済的分析のまとめ ... 7-18 7.4.1 経済分析 ... 7-18 7.4.2 財務分析 ... 7-18 7.4.3 電線張替工事と送電線新設の比較 ... 7-18 第8 章 プロジェクトの実施スケジュール ... 8-1 8.1 全体スケジュール ... 8-1 8.2 EPC 契約までのスケジュール ... 8-1 8.3 建設スケジュール ... 8-1
4 第9 章 日本企業の技術的優位性及びプロジェクト資金の調達 ... 9-1 9.1 日本企業の技術的優位性 ... 9-1 9.1.1 対象プロジェクトにおける日本企業の国際競争力と受注の可能性 ... 9-1 9.1.2 日本から調達が見込まれる資機材の内容および金額 ... 9-1 9.1.3 日本企業の受注促進するための必要な施策 ... 9-1 9.2 プロジェクト資金の調達 ... 9-2 9.2.1 他国における送電線セクターへの資金調達の状況 ... 9-2 9.2.2 インドネシアの電力セクターにおける資金調達の状況 ... 9-2 9.2.3 PLNにおける資金調達状況 ... 9-7 9.2.4 提案プロジェクトにおける円借款の利用 ... 9-7 9.2.5 インドネシアにおける関連機関の実行能力 ... 9-8 9.2.6 インドネシアの関連機関の実行能力評価 ... 9-11 9.2.7 PLN の財務状況... 9-13 9.2.8 円借款に関わるPLNの手続き ... 9-15 9.2.9 円借款の実行可能性 ... 9-17 (参考資料)現地報告会
5
略語表
略語 英語 日本語
AC Alternate Current 交流
ACSR Aluminum Conductor Steel Reinforced 鋼心アルミより線
BT Bus Tie 母線連絡
cct circuit 回線
CB Circuit Breaker 遮断器
CFCC Carbon Fiber Composite Cables カーボンファイバ複合材ケーブル
COD Commercial Operation Date 運転開始日
CT Current Transformer 変流器
DC Direct Current 直流
DIY Daerah Istimewa Yogyakarta (Special Region of
Yogyakarta )
ジョグジャカルタ特別州
DS Disconnecting Switch 断路器
EIA Environmental Impact Assessment 環境影響評価
EIS Environmental Impact Statement 環境影響評価書
EMoP Environmental Monitoring Plan 環境監視計画
EMP Environmental Management Plan 環境経営計画
EPC Engineering, Procurement and Construction 設計・調達・建設
F/S Feasibility Study 事業可能性調査
FTP II Fast Track Program II 第 2 次発電所開発加速化プログラム
GCB Gas Circuit Breaker ガス遮断器
GIS Gas Insulated Switchgear ガス絶縁開閉器
GPS Global Positioning System 全地球衛星測位システム
GTACSR Gap type Thermal-resistant Aluminum alloy
Conductors, Steel Reinforced
ギャップ型鋼心アルミより線
HTC High Temperature Conductor 増容量電線
HTLSC High Temperature Low Sag Conductor 増容量低弛度電線
HVDC High Voltage Direct Current 高電圧直流
ICNIRP International Commission on Non-Ionizing
Radiation Protection
国際非電離放射能防護委員会
IEC International Electrotechnical Commission 国際電気標準会議
IEE Initial Environmental Examination 初期環境評価
IPP Independent Power Producer 独立発電事業者
JICA Japan International Cooperation Agency 日本国際協力機構
LAA Land Acquisition Act 土地買収法
LAP Land Acquisition Plan 土地買収計画
MVA Mega Voltage Ampere メガ ボルト アンペア
MW Megawatt メガワット
NGO Non-Governmental Organizations 非政府組織
ODA Official Development Assistance 政府開発援助
6
P3B-JB
Penyalurandan Pusat Pengatur Beban Jawa-Bali (Java-Bali Transmission and Load Dispatching Center )
P3B ジャワバリ
PB Project Brief プロジェクト概要説明書
PQ Prequalification 応募者資格審査
PLN Perusahaan Listrik Negara Persoro インドネシア国営電力公社
PLTA Pusat Listric Tenga Air (Hydro Power Plant) 水力発電所
PLTG Pusat Listric Tenga Gas (Gas Power Plant) ガス発電所
PLTGU Pembangkit Listrik Tenaga Gas & Uap
(Combined Cycle Power Plant)
コンバインドサイクル発電所
PLTMG Pembangkit Listrik Tenaga Mesin Gas (Gas
Engine Power Plant)
ガスエンジン発電所
PLTP Pembangkit Listrik Tenaga Panas Bumi
(Geothermal Power Plant)
地熱発電所
PLTU Pembangkit Listrik Tenaga Uap (Steam Power
Plant)
火力発電所
PSS Power System Stabilizer 電力系統安定装置
PSS/E Power System Simulator for Engineering 系統解析シミュレーター
RJBR REGION JAWA BARAT ジャワ・バラート州
RJKB REGION JAKARTA & BANTEN ジャカルタ・バンテン州
RJTD REGION JAWA TENGAH & DIY ジャワテンガ・ジョグジャカルタ特別州
ROW Right Of Way 敷設権、通行権
RUKN Rencana Umum Ketenagalistrikan Nasional
(General National Power Plan)
国家電力計画
SNI Standar Nasional Indonesia (Standard of
Indonesia)
インドネシア標準規格
SR Shunt Reactor 分路リアクトル
SRB Sub Region Bali バリ準州
S/S Substation 変電所
SVC Static Var Compensators 静止型無効電力補償装置
TACFR Thermal-resistant Aluminum alloy Cable, Fiber
Reinforced
カーボンファイバ心耐熱アルミ合金よ り線
TACSR Thermal-resistant ACSR 鋼心耐熱アルミ合金より線
TAL Thermal-resistant Aluminum alloy wires 耐熱アルミ合金線
T/L Transmission Line 送電線
TR Transformer 変圧器
UTACSR Ultra Thermal-resistant ACSR 鋼心超耐熱アルミ合金より線
WB World Bank 世界銀行
XTACIR/AC Extra Thermal-resistant Aluminum alloy
Conductor, Aluminum-Clad Invar Reinforced
アルミ覆インバ心特別耐熱アルミ合金 より線
XTAL Extra Thermal-resistant Aluminum alloy wire 特別耐熱アルミ合金線
ZTACIR/AC Super Thermal-resistant Aluminum alloy
Conductor, Aluminum-Clad Invar Reinforced
アルミ覆インバ心超耐熱アルミ合金よ り線
1-1
第
1章
要約
1.1
プロジェクトの背景と必要性
インドネシア国ジャワ島の電力系統はバリ島と接続されジャワ・バリ系統として一体的に運用され ている。ジャワ・バリ系統の 2014 年の最大電力は 33,321MW でありスマトラ島等を含むインドネシ ア全体の電力需要の 72%を占めている。また、ジャワ-バリ地域の送電線としては、東西ジャワを東西 に縦貫する2ルートの 500kV 送電線を骨格として、ほぼ全地域を網羅する 150kV 送電網が整備され ている。 PLN では、送電系統への負担軽減の観点から今後の電源開発は、需要中心であるジャカルタから比 較的近い地域での開発を優先する方針のもと、西部ジャワにおいて今後旺盛な電源開発が計画されて いる。しかし、西部ジャワでは、既設送電線の容量不足から、新規電源の発電電力をジャカルタまで 送電することは困難であり、将来の電力安定供給が見込めない事態となっている。 このため、PLN では、西部ジャワにおける新規送電線の建設を計画しているが、人口高密度地域で あり、用地取得の難航、建設コストの増加、建設期間の長期化、資金調達・リスク分散方途の限定等、 多くの課題が山積している。 上記の調査目的と背景、平成 19 年度地球環境・プラント活性化事業等調査「インドネシア・西ジャ ワ 500kV送電網増強事業調査」(以下、「前回調査」という。)のレビュー並びにインドネシア政 府機関による新規発・送配電所建設計画を踏まえたうえで、Banten 州 Suralaya 発電所から西ジャワ州 Gandul 変電所に至る既設 500kV 送電線 111km の電線を張替え及び送変電設備(張替え・新設)の実 効性を評価・提案するものである。1.2
プロジェクトの概要
1.2.1
必要送電容量
調査団は、Suralaya (Lama) - Balaraja - Gandul 間の 500 kV 送電線の張替が必要になると判断した。 限 られた時間で、P3B-JB と調査団が合同で実施した潮流解析の結果からは、電線張替後の必要容量は 1 回線あたり 3,443MVA(3,976A 相当)であった。しかし、これは 2020 年を検討年とした断片的な結果 であり、2020 年以降における西ジャワ地域の電源開発を考慮すると、今回の調査では将来の必要容量 を示すデータを入手することはできなかったものの、調査団としては合理的に達成可能な範囲でより 容量の大きな電線へ張り替えておくことが望ましいと考える。なお、PLN からの情報によると、電線 張替後の想定容量は 4,680MVA(5,404A 相当)とのことであった。
1.2.2
増容量方法の選定
当該送電線の送電容量については、今回実施した 2020 年断面における系統解析結果から、1 回線あ たり 3,976A 以上でより大きな容量の回線がが必要であることから、前回調査時の 987A/条以上(仮に1-2 4 導体線の場合、3,948A 相当以上)が必要であることから、それ以上で可能な限り大きな容量となる 増容量方法を検討した。なお、ここではインドネシアにおける新規用地取得が困難であることから、 新たな送電線ルートの建設は考慮しない。 本プロジェクトにおける増容量方法は以下が考えられる。 (1) 従来電線(ACSR)の利用による増容量化
(2) 増容量電線(HTC, High Temperature Conductor)の適用
(3) 増容量低弛度電線(HTLS, High Temperature Low Sag Conductor)の適用
各増容量方法の概要及び検討結果については以下の通りである。 (1)従来電線(ACSR)の利用による増容量化 この方法は従来電線(ACSR)を使用し、既設電線(ACSR Dove の 4 導体)の導体数や電線サイズ を大きくすることにより、電流容量を大きくするものである。しかし、いずれの方法も電線の重量、 風圧が既設に比べ極めて大きくなるため、鉄塔荷重が大幅に増加し、主柱材や基礎を含め、大規模な 範囲が強度不足となることは明らかである。その結果、鉄塔建替に至り、コスト増や工期の大幅な長 期化が懸念されるため、本対策は妥当とは言えない。 (2) 増容量電線(HTC)の適用 増容量電線(TACSR や UTACSR 等)は従来電線よりもその使用温度を大きくすることができるた め、電流容量が大きくなる。しかし、一方で電線温度を高くすると、電線の弛み(弛度)が大きくな り、地上や他工作物との所要離隔が確保できなくなる恐れがある。高い電線温度で地上高を確保する ためには、径間長を短くする方法が考えられる。径間内に鉄塔を 1 基追加で建設することにより径間 長を短くすれば、弛度が抑制され、地上高を確保することができる。これにより、地上高を確保しつ つ、電流容量を大きくすることができる。しかし、全径間に亘って鉄塔を新設するためのコスト増や 工期の大幅な長期化が懸念されることから、本プロジェクトにおける増容量方法として不適である。 (3) 増容量低弛度電線(HTLS)の適用 増容量低弛度電線は、前述の増容量電線と同様に高い許容温度を有するが、増容量電線よりも弛度 を抑制することができる電線である。一般的に、増容量低弛度電線の弛度抑制機能は、コアとして従 来の鋼線に代わり線膨張係数の小さい線材を使用することで実現される。これにより、地上高を確保 しつつ、電流容量を大きくすることができる。 本方策のメリットは以下の通りである。
既設鉄塔の補強や改造、建替を必要としない。
電流容量は既設電線の2倍程度に増大できる。 電線張替のみで増容量化が可能なため、短期間での施工が可能である。1-3 用地の新規取得が不要なため、環境・社会的影響はほとんどない。 以上より、増容量低弛度電線の適用は本プロジェクトにおける増容量方法として最適であると考える。
1.2.3
増容量低弛度電線(HTLS)の選定
増容量低弛度電線にもいくつかの種類があるが、設計にあたっては下記項目を必要条件とした。 既設電線の最大弛度(径間長 500m で 21.70m)を超えないこと。 既設電線の最大使用張力(23,025N)を超えないこと。 既設電線の重量(1,140 kg/km)及び外径(23.53 mm)を超えないこと。 以上の観点から、ここでは以下の電線について比較・検討した。 ① カーボンファイバ心耐熱アルミ合金より線(TACFR) ② アルミ覆インバ心超耐熱アルミ合金より線(ZTACIR/AC) ③ アルミ覆インバ心特別耐熱アルミ合金より線(XTACIR/AC) ‘(1) 電線概要 ① カーボンファイバ心耐熱アルミ合金より線(TACFR) 増容量化は、アルミ素線に 150℃まで連続使用を可能にした耐熱性を有する耐熱アルミ合金線(TAL) を採用することにより、また弛度抑制化は、コア部分に線膨張係数の小さいカーボンファイバ複合材 ケーブル(CFCC)を使用することにより、目的を達成している。 ② アルミ覆インバ心超耐熱アルミ合金より線(ZTACIR/AC) 増容量化は、アルミ素線に 210℃まで連続使用を可能にした耐熱性を有する超耐熱アルミ合金線 (ZTAL)を採用することにより、また弛度抑制化は、鋼心部分に線膨張係数の小さいインバ線を使 用することにより、目的を達成している。 ③ アルミ覆インバ心特別耐熱アルミ合金より線(XTACIR/AC) 増容量化は、アルミ素線に 230℃まで連続使用を可能にした耐熱性を有する特別耐熱アルミ合金線 (XTAL)を採用することにより、また弛度抑制化は、鋼心部分に線膨張係数の小さいインバ線を使 用することにより、目的を達成している。 ‘(2) 評価 候補電線の中で電流容量を可能な限り大きくできる電線を選定すると、アルミ覆インバ心特別耐熱 アルミ合金より線(XTACIR/AC)が推奨される。この電線を採用すれば、電流容量は既設電線の約1-4 2.4 倍とすることができる。 ‘(3) 送電ロス XTACIR/AC の交流抵抗値は既設電線の 1.3 倍程度であるため、同じ電流が流れたとした場合、送電 ロスは既設電線の 1.3 倍程度となる。
1.2.4
電線張替工事
‘(1) 張替工法の種類 張替工法には一般引抜工法と吊金工法との 2 種類がある。両工法の概要について以下に述べる。 ① 一般引抜工法(一般箇所) 既設電線の後に張替え用の増容量電線を繋げ、旧線を引き抜くことにより延線を行う工法であり、 横過物がある場合には横過物の上部に竹等を用いて防護足場を構築して横過物との接触を回避する必 要がある。しかし、4 導体を一度に張替え作業を行うことが出来るために、工事作業速度は速い。 ② 吊金工法(人家密集・重要物横過箇所) 人家密集地や重要物横過箇所等で、防護足場構築が困難と思われる箇所にあっては、既設電線の下 に 2 個の豆金車を有する吊金車を約 20m~30m の間隔で吊下げ、下側の豆金車を使って張替え用増容 量電線を引き抜く工法である。この場合は、工事中の電線の垂れ下がりは、既存電線によって拘束さ れるので、下に住宅等の横過物があっても、足場を構築することなく、延線を行うことが出来る。た だし 4 導体の場合、電線 1 本毎を張替えることになるので、工事作業速度は遅くなる。 ‘(2) 吊金工法適用区間 現場調査の結果、Gandul 変電所周辺の人家密集地域及び一部の高速道路や主要道路、鉄道、他の送 電線との横断箇所等については、吊金工法の採用が望ましいと言える。吊金工法の採用が想定される 架線区間は全亘長の約 36%となる。 ‘(3) 工事期間 一般引抜工法を採用した場合、4 導体電線を同時に延線出来るので、1 班あたり約 8km/月/回線の進 捗が期待できる。一方、吊金工法を採用した場合、電線一本毎の架線になることから、約 4km/月/回 線程度の進捗しか期待出来ない。 経過地の状況から一般引抜工法と吊金工法を選択し、4 班で施工した場合、設計や製品製造を除く 施工期間は 10 ヶ月程度と見積もられる。1-5
1.2.5
事業総額
本プロジェクトの事業費は送電線工事費、変電工事費、コンサルティング費並びにアドミニストレ ーション費等で構成されている。事業総額を表 1-1 に示す。 表 1-1 事業総額 (単位:百万ドル1) 項 目 費用 送電線工事費 83.60 変電工事費 24.20 予備費 10.78 コンサルティング費 5.39 アドミニストレーション費 10.78 合 計 134.75 なお、事業総額の中には次の費用は含まれていない。 ・環境影響評価実施費用 ・公的機関からの承認・ライセンス等の取得費用 ・税金 ・プライスエスカレーション1.3
経済分析結果概要
本プロジェクトの経済評価には、代替法 (With and Without Principle) を適用した。本調査プロジェク トの電線張替に対し、本プロジェクトで計画している送電量の増加分に相当する新しい送電線を新設す る事業を代案として比較した。表 1-2 に示すように経済的内部収益率(EIRR:Economic Internal Rate of Return)は、12.58%であり、インドネシアに対する推定された資本の機会費用としての割引率である 10% を超過している。また、B/C でも 1.028 で 1.0 以上となり、当プロジェクトは実現性が高いといえる。 また、感応度分析の結果から便益が 5%減少した場合、費用が 5%上昇した場合、EIRR はそれぞれ 8.03%、8.10%となる。 表 1-2 経済分析結果 EIRR (%) B/C Ratio B-C (千ドル) 12.58% 1.028 3,205 1 本報告書では、ドル表記はすべて米ドルである。
1-6
1.4
財務分析結果概要
財務収益性の指標となる財務的内部収益率(FIRR:Financial Internal Rate of Return)は 14.31%であり、 インドネシアの金融市場における一般商業銀行の市場金利である 12%を上回っている。 表 1-3 財務分析結果 FIRR (%) NPV (千ドル) 14.31% 45,359 また、感応度分析の結果から収益が 5%減少した場合、費用が 5%上昇した場合、FIRR はそれぞれ 13.54%、13.57%となる。本プロジェクトでは、価格が 5%程度変動した場合でも、市場金利を上回る FIRR を達成することができ、財務的観点からも実行可能性があると結論づけることができる。
1.5
代替案との比較結果及び最適案選定理由
インドネシアではジャカルタ以西の旺盛な電源開発により既設送電線の過負荷が予想され、電力の安 定供給のため、送電容量の増加は緊喫の課題である。 送電容量の増加対策としては送電線の新設、既設送電線の電線張替の 2 案があるが、後者は以下のメ リットがある。 ① 既存の鉄塔を利用することができ、完成遅延の大きな要因である用地取得が不要となる。 ② 社会面、環境面での影響を減らすことができ、2019 年完成予想となり、短期間の完成が期待で きる。 ③ 機器や導体の数が変わらないため、運営管理費の増加が抑えられる。 ④ 工事費が相対的に低く抑えられるため、より高性能のコンダクター技術を使用することができ る。1.6
環境的・社会的影響
本プロジェクトは既設電線の増容量電線への張替により 2 倍程度の送電容量増加を図るものであり、 新たな送電線の建設と比べ用地取得が不要で住民移転も不要である。 電界強度は最低電線地上高 15 メートルで、5kV/m を少し上回る数値である。然し実際の電線地上高 は、16m 少々であり、電界強度は 4.9kV/m である。本プロジェクトの電線は既存の物と同じであるた め、5kV/m を下回るものと予想される。1-7 コロナ騒音、ラジオ騒音のレベルは、電線張替によって変化はない。 これらから環境的・社会的影響は小さいと言える。
1.7
プロジェクトの実施スケジュール
2019 年の運転開始を考慮すると、本プロジェクトにおける両国間での円借款締結からプロジェクト の営業運転開始までの実施スケジュールは、次のように想定される。 建設準備期間 ・コンサルタント選定、契約 6 ヶ月 ・EPC 入札仕様書準備 6 ヶ月 ・応札準備 3.5 ヶ月 ・応札結果の評価・EPC 選定、契約 8 ヶ月 計(業務重複考慮) 18 ヶ月 建設期間 ・Suralaya - Gandul 線張替工事 17 ヶ月 ・変電設備取替工事 18 ヶ月 計(工事重複考慮) 18 ヶ月 合 計 36 ヶ月1.8
日本企業の技術的優位性
アルミ覆インバ心特別耐熱アルミ合金より線は日本で開発された製品であり、日本では 3 社が製造 することが可能である。特に高い許容温度を有する特別耐熱アルミ合金線(XTAL)の製造には、容 易にはまねのできないノウハウが必要である。このため、現時点では他国電線製造会社からの納入実 績は確認できていなく、日本企業の受注可能性は高い。 また、吊金工法は、人口過密地域において送電線の電線を架線する機会の多い日本で開発された工 法である。日本の施工会社は吊金工法の豊富な経験を有しているため、日本企業の国際競争力は高い と言える。1.9
プロジェクト資金の調達
西ジャワ系統の電力供給能力の強化は、インドネシアの緊急課題である。インドネシアでは KPPIP (Komite Percepatan Penyediaan Infrastruktur Prioritas )を2014 年大統領令により設立し、優先度の高いイ ンフラを選定・推進を行っている。その過程で、資金調達手段を多様化させ、国家予算、国際開発金融 の利用、民間資金の活用まで検討されている。また、西ジャワ地域で新しい発電所の開発が進んでおり、1-8 これらを確実なものとするためにも、工事をスケジュール通りに進めることが重要な課題となっている。 日本政府は、このようなインドネシアにおける活発なインフラ投資に対して、「PROMOSI(日本イン ドネシア投資・輸出促進イニシアティブ)」の開始で合意するなど積極的な外交を展開している。JICA でも、ODA 円借款の手続きに必要な期間を短縮させ、政府以外の政府関連機関にも貸出ができるよう に検討をすすめている。 現時点で、このプロジェクトに関して円借款の要請は行われていない。しかし、インドネシア国内 においては、事業の重要性は認識されていることに加え、JICA がすでに検討を始めているジャワ島 中・西部の送電線プロジェクトとあわせて実施を検討していくと予想される。
1.10
案件実現までの具体的スケジュールおよび実現を阻むリスク
電力系統に発電機を連系すると、事故電流が増加する。Jawa 5 およびJawa 7 を含む発電機がJawa-Bali 系統に連系されることにより、近い将来事故電流レベルが既設機器の容量を超過するため、何らかの 対策を準備しなくてはならない。事故電流増加に対する対策の一つは事故電流レベルを 50kA から 63kA に格上げすることであるが、一般的には事故電流レベル格上げには何年もかかるため、この事故 電流レベル格上げが新規発電機の連系を遅らせることになるかもしれない。
1.11
調査対象国内での事業実施地点が分かる地図
本プロジェクト事業は、Banten 州 Suralaya 発電所から西ジャワ州 Gandul 変電所に至る既設 500kV 送 電線 111km の電線を張替え、送電容量を増加させるプロジェクトである。事業実施地域の地図を図 1-1 に示す。
1-9
2-1
第
2章
調査方法
2.1
調査目的
インドネシアのジャワ-バリ地域には、東西ジャワを東西に縦貫する2ルートの500kV 送電線を 骨格として、ほぼ全地域を網羅する150kV送電網が整備されている。しかしながら、同系統では、 需要と供給の地域不均衡が顕在化しつつある。すなわち、東西に約900kmに及ぶ供給地域において、 需要の約60%をジャカルタが位置する西ジャワ地域が占める。一方、発電所設備は東西でほぼ均 等に分布している。こうした東西の需給不均衡により、東部から西部へ電力が送られている。 PLNでは、送電系統への負担軽減の観点から今後の電源開発は、需要中心であるジャカルタか ら比較的近い地域での開発を優先する方針のもと、西部ジャワにおいて今後旺盛な電源開発が計 画されている。 しかし、西部ジャワでは、既設送電線の容量不足から、新規電源の発電電力をジャカルタまで 送電することは困難であり、将来の電力安定供給が見込めない事態となっている。 このため、PLNでは、西部ジャワにおける新規送電線の建設を計画しているが、人口高密度地 域であり、用地取得の難航、建設コストの増加、建設期間の長期化、資金調達・リスク分散方途 の限定等、多くの課題が山積している。 上記の調査目的と背景、平成19年度地球環境・プラント活性化事業等調査「インドネシア・ 西ジャワ500kV送電網増強事業調査」(以下、「前回調査」という。)のレビュー並びにインドネ シア政府機関による新規発・送配電所建設計画を踏まえたうえで、Banten州Suralaya発電所から西 ジャワ州Gandul変電所に至る既設500kV送電線111kmの電線を張替え及び送変電設備(張替え・新 設)の実効性を評価・提案するものである。2.2
調査内容
本調査の内容は、以下をポイントとして実施した。 A) 事業実施可能性調査の対象 「国営電力公社(PLN)電力供給総合計画(RUPTL)(2015-2024)」のジャワ島北西部におけ る主な新規発電所建設計画(Jawa5,Jawa7,ロンタール等)の影響を考慮した形で、特に Suralaya-Gundal 線等の 500kV送電線を中心に送電線容量増強について事業実施可能性調査 を行った。2-2 【ジャワ島北西部バンテン州】 検討にあたっては、下記をコンポーネントとするプロジェクトを想定し事業実施可能性調査を行っ ている。 個別発電所の建設工事(近傍の電力系統へ接続するための送電線建設工事を含む) 個別発電所の接続に伴い、必要となる送電線容量増強(電線張り替え)工事および変電所での機 器取り替え工事 ただし、事故電流増加対策工事はプロジェクトのコンポーネントには原則として含めない。 既設 変電所 既設 変電所 既設送電線 既設送電線 新規個別 発電所 接続のための 電源送電線 既設送電線 発電所接続に伴い容量増強が必要 (電線張り替え工事) (変電所機器取り替え工事) 事業実施可能性 調査の対象
2-3 B) 系統解析からの設備増強の必要性確認 PLN と共同して RUPTL 2015-2024 及びその他情報を踏まえて解析を実施し、系統解析からの 設備増強の必要性を確認した。 解析にあたっては、潮流解析、事故電流解析、安定度解析を実施した。なお、事故電流解析 については、系統解析による事故電流の予測と対応策の提案のみを行っている。 C) 対象となる工事の検討方法 電線張り替え工事、変電所機器取り替え工事は、前回調査の内容を最大限に活用して検討を 行った。 D) 経済財務、環境社会配慮 上記の技術調査の結果を踏まえ、経済財務分析、ならびに資金調達手法を検討した。 環境社会配慮に関しても、前回調査からの規制等の変更点を確認した。
2.3
調査方法・体制
具体的な調査方法は以下のとおりである。 ① プロジェクトの背景確認 電力需要、電源開発、需要と電源の地域分布、系統増強計画に関しては、RUPTL 2015-2024 を前回 調査実施時点の 2007 年版 RUPTL との比較の観点からレビューを行った。 ② 前回調査の系統解析面のレビュー 上記、電力需要、電源開発、需要と電源の地域分布、系統増強計画の比較を基に、前回調査の検討 結果等について、比較の観点からレビューを行った。 ③ 系統解析からの設備増強の必要性確認 PSS/E デジタルデータに基づき、潮流解析及び安定度解析の検討を行った。 また、現地調査にて PLN 等へのヒアリングを行い、既に実施している同様の調査等がないか、ま た認識の相違点等について確認した。 ④ 事故電流解析および課題の抽出 PSS/E デジタルデータに基づき、事故電流解析および課題の抽出を実施した。 また、現地調査にて PLN 等へのヒアリングを行い、既に実施している同様の調査等がないか、ま た認識の相違点等について確認した。 ⑤ 送電線線増容量化検討 上記の調査を踏まえ、前回調査の結果を最大限活用して、送電線増容量化について検討を行った。 現地調査においては PLN 等へのヒアリング、図面類を中心とした設備確認(厳選したうえでの現2-4 地視察)、類似プロジェクトの実施状況や工事費の確認を行った。 ⑥ 経済・財務分析 経済分析及び財務分析については、前回調査のレビュー及び①~⑤の結果を主に変更点等を加味し て実施した。 ⑦ 環境社会配慮事項の確認 主に下記の点を中心に、文献、規制省庁を含む関係者聞き取り等の現地調査を実施した。 ⑧ 日本企業の技術的優位性とプロジェクト資金の調達 文献・机上調査に加え、本邦企業、現地の主管機関(財務省、PLN、P3B JB 等)公的・民間融資 機関等からのヒアリングを実施した。 また、調査体制は以下のとおりである。 実施体制 役割 有限責任 あずさ監査法人 全体総括、分析・調査とりまとめ等 東電設計株式会社 電力系統解析※、送電線調査、変電所調査、工事費分析等 KPMG ASPAC インフラストラクチャ ー プロジェクト グループ 経済・財務分析、環境社会配慮評価、資金調達手法の検討等 ※ 一部業務を東京電力株式会社が実施。
2-5
2.4
調査スケジュール
本調査期間は、次の通りである。 平成 27 年 8 月 31 日(契約締結日) ~ 平成 28 年 2 月 29 日 本調査のスケジュールを図 2-1 に示す。また第 1 回、第 2 回および第 3 回の現地調査ならびに現地報 告会の概要をそれぞれ図 2-1、表 2-1 から 2-4 にて示す。 図 2-1 調査実績工程 9月 10月 11月 12月 1月 2月 国内作業 国内作業 第1 回現地調査 (9/6~9/12) 第2 回現地調査 (11/8~11/14) 第3 回現地調査 (11/15~11/21) 現地報告会 (2/10) 報告書提出2-6
表 2-1 第 1 回現地調査概要
年月日 概 要
1 2015.9.6 (月) 移動(東京発、ジャカルタ着)
2 2015.9.7 (火) ・PT.PLN (Directorate of Finance, Directorate of Planning) インタビュー ・Ministry of Energy and Mineral Resources インタビュー ・PT.PLN(System Planning) インタビュー
3 2015.9.8 (水) ・日本大使館 インタビュー ・Ministry of Finance (Directorate General of Financing and Risk management, Directorate of Government Guarantee)インタビュー
・Coordinating Ministry of Economic Affairs インタビュー ・P3B-JB インタビューおよび系統解析調査
4 2015.9.9 (木) ・Ministry of Environment インタビュー ・Ministry of Finance(Fiscal Policy Agency) インタビュー ・PT Indonesia Infrastructure Guarantee Fund インタビュー ・Ministry of National Development Planning インタビュー ・JICA Indonesia インタビュー
調査団一部帰国(ジャカルタ発)
5 2015.9.10 (木)
・P3B-JB (System Planning) 系統解析調査 ・Multfab インタビュー
・PLN(Corporate Finance, Foreign Loan and ODA) インタビュー 調査団一部帰国(ジャカルタ発、東京およびシンガポール着) 6 2015.9.11 (金) ・P3B-JB (System Planning) 系統解析調査 移動(ジャカルタ発) 7 2015.9.12(土) 移動(東京着)
2-7 表 2-2 第 2 回現地調査概要 年月日 概 要 1 2015.11.8 (日) 移動(東京発、ジャカルタ着) 2 2015.11.9 (月) ~11.11 (水) P3B-JBにて系統解析調査 3 2015.11.12 (木) ・系統解析に関するWrap-up Meeting準備作業 ・アジア開発銀行インタビュー 4 2015.11.13 (金) P3B-JBにてWrap-up Meetingおよび追加調査 移動(ジャカルタ発) 5 2015.11.14 (土) 移動(東京着) 表 2-3 第 3 回現地調査概要 年月日 概 要 1 2015.11.15 (日) 移動(東京発、ジャカルタ着) 2 2015.11.16 (月) ・P3B-JB Gandul事務所にてキックオフミーティング ・Gandul変電所及び周辺送電線の視察調査 3 2015.11.17 (火) ・Gandul変電所及び周辺送電線の視察調査 4 2015.11.18 (水) ・Balaraja変電所及び周辺送電線の視察調査 5 2015.11.19 (木) ・Suralaya変電所及び周辺送電線の視察調査 ・PLN (Corporate Finance) インタビュー ・JICA インタビュー ・KfW インタビュー ・PLN(Environment) インタビュー 6 2015.11.20 (金) ・P3B-JBにてWrap-up Meeting(送変電および系統解析) ・現地施工会社インタビュー ・PLN System Planning インタビュー 移動(ジャカルタ発、シンガポール着) 7 2015.11.21(土) 移動(東京着)
2-8 表 2-4 現地報告会概要 年月日 概 要 1 2016.2.9 (火) 移動(東京、シンガポール発、ジャカルタ着) 2 2016.2.10 (水) 現地報告会 移動(ジャカルタ発、シンガポール着) 3 2016.2.11 (木) 移動(東京着)
3-1
第
3章
調査の背景及び前回調査レビュー等
3.1
対象地域の概要
インドネシアは、行政的には、ジャカルタ首都特別州、ジョクジャカルタ特別州を含む 33 州にわか れる。今回の調査対象地域は、特にジャワ北西部にあるジャカルタ首都特別州とバンテン州となる。以 下、インドネシア全体の経済状況を俯瞰した後、ジャワ北西部について概要を述べる。 ※ の範囲がジャワ島の州であり、ジャカルタ首都特別州(上表31.DKI JAKARTA)とバンテン州(上表36.BANTEN)がジャワ 島の北西部に位置する。3.1.1
インドネシア全体の経済状況
IMFが公表するインドネシア全体の実質GDP成長率によると、2009 年のリーマンショック後、 2010 年にはインドネシア経済は回復したものの、2015 年にかけて徐々に成長率は減少してきている。 これらは、従来経済成長が堅調な個人消費や安定した為替や低金利に支えられてきたが、足元インフレ 圧力の増大や経常赤字の拡大のなどから、政策金利が引き上げられたため成長が鈍化したことが要因で3-2 ある2。
しかし、IMFの予測では、2015 年以降は 5%から 6%の成長率を維持するとされており、安定した 経済成長が期待される。図 3-1に、IMF による実質 GDP 成長率の実績と予測値の推移を示す。
図 3-1 実質GDP成長率
(Source: International Monetary Fund, World Economic Outlook Database, October 2015) * 推計値
次に、名目GDPと政府債務の推移をみると、名目GDPの伸びに対して、政府債務残高は伸びが大 きくなく、政府債務の対GDP比率は 2000 年の約 87%から 2010 年には約 24%まで下落している。ま た、2020 年までの予測においても、政府債務の対GDP比率は横ばいとなる見込みである。
図 3-2:名目GDPと政府債務の推移、政府債務のGDP比率(単位: 10 億インドネシア・ルピア,%)
(Source: International Monetary Fund, World Economic Outlook Database, October 2015) * 推計値
2 「インドネシア経済の現状と今後の展望」三菱UFJリサーチ&コンサルティング 0.0% 1.0% 2.0% 3.0% 4.0% 5.0% 6.0% 7.0% 8.0%
Gross domestic product, constant prices 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% Rp0 Rp5,000,000 Rp10,000,000 Rp15,000,000 Rp20,000,000 Rp25,000,000 2000 2005 2010 2015* 2020*
Gross domestic product, current prices
General government gross debt General government gross debt (Percent of GDP)
3-3
また、財政収支の推移からは、財政収入と財政支出の総額が年々増加していることと、それらの差額 である財政収支が近年若干のマイナスとなっていることが見られる。
図 3-3:財政収入、財政支出及び財政収支の推移
(単位: 10 億インドネシア・ルピア)
(Source: International Monetary Fund, World Economic Outlook Database, October 2015) * 推計値
また、インドネシアの財政支出の特徴として、エネルギー補助金の政府の財政支出に対する割合が 約 3 割と大きいことが挙げられる。このエネルギー補助金は、燃料及び電力価格の補填等に充当される が、インドネシア政府は当該補助金制度改革に取り組み、削減に努めている。
3.1.2
ジャワ北西部の経済状況
ジャワ島における人口は 2015 年度の推計で 1 億 4 千万人強であり、インドネシア全体の約 57%を 占めている。ジャワ北西部に当たるジャカルタ首都特別州とバンテン州の人口は合計で、ジャワ島にお ける人口の約 15%となる。今後の予測を見ると、西ジャワ州の大きな増加が見込まれているが、ジャ カルタ首都特別州とバンテン州においても逓増していくとされている。 (Rp1,000,000) (Rp500,000) Rp0 Rp500,000 Rp1,000,000 Rp1,500,000 Rp2,000,000 Rp2,500,000 Rp3,000,000 Rp3,500,000 Rp4,000,000 2000 2005 2010 2015* 2020*General government revenue General government total expenditure
General government net lending/borrowing
3-4
図 3-4:ジャワ島における人口推移と予測 (単位:千人)
(Source: BPS STATISTIK INDONESIA) * 推計値
また、ジャワ島の実質GDP合計はインドネシア全体の約 6 割を占めており、GDP成長率の推移も インドネシア全体の推移と同様な動きをしており、約 5~6%において堅調な経済成長を達成している。 ジャワ島の中で、ジャカルタ首都特別州とバンテン州のGDP合計は 約 4 割弱となっており、絶対額 で行くと、ジャカルタ首都特別州、東ジャワ州、西ジャワ州の順に大きくなっている。 図 3-5:州別実質GDP推移 (単位: 10 億インドネシア・ルピア)
(Source: BPS STATISTIK INDONESIA) -10,000 20,000 30,000 40,000 50,000 60,000 2000 2010 2015* 2020* 2025* 2030* 2035* Banten(バンテン州) DKI Jakarta(ジャカルタ首都特別州) Jawa Barat (西ジャワ州) Jawa Tengah(中部ジャワ州) DI Yogyakarta(ジョグジャカルタ特別州) Jawa Timur(東ジャワ州) 0.0% 1.0% 2.0% 3.0% 4.0% 5.0% 6.0% 7.0% Rp-Rp200,000 Rp400,000 Rp600,000 Rp800,000 Rp1,000,000 Rp1,200,000 Rp1,400,000 Rp1,600,000 Rp1,800,000 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 Jawa Timur (東ジャワ州) DI Yogyakarta (ジョグジャカルタ特別州) Jawa Tengah (中部ジャワ州) Jawa Barat (西ジャワ州) DKI Jakarta (ジャカルタ首都特別州) Banten (バンテン州) 実質GDP成長率 (ジャワ島)
3-5
3.2
電力需要
3.2.1
電力需要実績
インドネシア国ジャワ島の電力系統はバリ島と接続されジャワ・バリ系統として一体的に運用され ている。ジャワ・バリ系統の 2014 年の最大電力は 33,321MW でありスマトラ島等を含むインドネシ ア全体の電力需要の 72%を占めている。2014 年のジャワ・バリ系統の販売電力量は約 150TWh であり、 これは日本全体の約 18%である。表 3-1に、インドネシアの地域別の販売電力量実績を示す。 表 3-1 インドネシアの地域別の販売電力量実績 単位: TWh/年間 Region 2009 2010 2011 2012 2013 2014*) 2009 年~2014年 の平均 Jawa-Bali 104.1 113.4 120.8 132.1 142.1 149.9 Growth rate 3.3 8.9 6.5 9.3 7.6 5.5 7.1 Sumatera 17.6 19.7 21.5 24.2 25.8 27.9 Growth rate 7.2 11.6 9.3 12.6 6.4 8.2 9.4 Kalimantan 4.7 5.1 5.7 6.4 7 7.8 Growth rate 9.7 10.3 10.1 12.9 9.6 11.8 10.5 Sulawesi 4.6 5.1 5.6 6.4 7.3 7.8 Growth rate 8.8 10.7 11 13.7 13.3 7.7 11.5Maluku, Papua & Nusa Tenggara 2.2 2.4 2.7 3.1 3.6 4.0
Growth rate 9.7 10.7 13 16.1 13.8 11.4 12.7 Indonesia 133.1 145.7 156.3 172.2 185.7 197.3 Growth rate 4.3 9.4 7.3 10.2 7.8 6.3 7.8 *) 推定値 (出典: RUPTL 2015-2024) 2013 年以降、一部の地域を除き販売電力量の伸びが低下しており、特にジャワ・バリ系統は全国平 均と比較しても低下が顕著である。
3.2.2
電力需要予測
図 3-6 は、各種需要予測を比較したものである。エネルギー鉱物資源省は国家エネルギー戦略に基 づいて総合的電力計画である RUKN を発行し、PLN はその RUKN を踏まえて RUPTL を策定した。3-6
図 3-6 各種需要予測比較
(出典: RUPTL 2015-2024)
最新の RUPTL 2015-2024 では、Draft RUKN 2015-2034 よりも 2009 年以降、需要予測を下方修正し ている。2008 年に実施した以前の検討での需要は、RUPTL 2007 に基づいている。ジャワ・バリ系統の RUPTL 2007 での需要予測と RUPTL 2015-2024 に示された実績の比較を図 3-7に示す。需要面では前 回検討時点とそれほど大きな差は無かった。 図 3-7は、RUPTL 2015-2024 に基づいたジャワ・バリ系 統の需要予測も示している。 図 3-7 前回検討での需要予測と実績の比較 (出典: RUPTL 2015-2024, RUPTL 2007 を基に調査団で作成)
3-7
3.2.3
電源開発計画
表 3-2 は、RUPTL 2015-2024 における Jawa-Bali 系統全体の需要予測(MW)および電源開発計画を示 す。最終年の 2024 まで、十分な予備率を確保する計画となっている。 表 3-2 Jawa-Bali 系統全体の需要予測(MW)および電源開発計画 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 供給可能量 (①) 32,757 34,738 37,426 42,172 54,024 55,172 57,306 59,463 62,767 65,550 需要 (②) 25,875 27,840 29,993 32,213 34,578 37,103 39,960 43,031 46,376 49,934 需給バランス (③=①‐②) 6,882 6,898 7,433 9,959 19,446 18,069 17,346 16,432 16,391 15,616 予備率 (③/②) 27% 25% 25% 31% 56% 49% 43% 38% 35% 31% (出所: RUPTL 2015-2024 を基に調査団作成) なお、Jawa-Bali 系統内の個別の電源開発計画は以下の表 3-3 の通りである。3-8
表 3-3 Jawa-Bali 系統の電源開発計画 単位: MW
(出典: RUPTL 2015-2024)
プ ロ ジ ェク ト 発電方法 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024
Pembangkit PLN on Going and Committed
Tj. Awar-awar (FTP1) PLTU1 350
Adipala (FTP1) PLTU 660
Indramayu #4 (FTP27) PLTU 1,000
Upper Cisokan PS (FTP2) PLTA2 1,040
Peaker Pesanggaran PLTMG3 200
Sub Total PLN on Going & Committed 860 350 1,915
Pembangkit IPP on Going and Committed
Celukan Bawang PLTU 380
Banten PLTU 625
Sumsel-8 MT PLTU 1,200
Sumsel-9 MT (PPP) PLTU 600 600
Sumsel-10 MT (PPP) PLTU 600
Cilacap exp PLTU 614
Jawa Tengah (PPP) PLTU 1,900
Rajamandala PLTA 47 Patuha (FTP2) PLTP4 110 Kamojang-5 (FTP2) PLTP 30 Karaha Bodas (FTP2) PLTP 30 110 Tangkuban Perahu 1 (FTP2) PLTP 55 55 Ijen (FTP2) PLTP 110 Iyang Argopuro (FTP2) PLTP 55 Wilis/Ngebel (FTP2) PLTP 55 110 Cibuni (FTP2) PLTP 10 Tangkuban Perahu 2 (FTP2) PLTP 60 Cisolok - Cisukarame (FTP2) PLTP 50 Ungaran (FTP2) PLTP 55 Wayang Windu 3-4 (FTP2) PLTP 220 Dieng (FTP2) PLTP 55 55 Tampomas (FTP2) PLTP 45 Baturaden (FTP2) PLTP 110 110 Guci (FTP2) PLTP 55 Rawa Dano (FTP2) PLTP 110 Umbul Telomoyo (FTP2) PLTP 55 Gn. Ciremai (FTP2) PLTP 110 Gn. Endut (FTP2) PLTP 40
Sub Total IPP On Going & Committed 1,024 655 47 - 1,770 3,575 1,040 205 110
-Rencana Tambahan Kapasitas
Jawa-1 (Load Follower ) PLTGU5 1,600
Jawa-2 (Load Follower ) PLTGU 800
Jawa-3 (Load Follower ) PLTGU 800
Muara Tawar Add-on Blok 2,3,4 PLTGU 650
Grati Add-on Blok 2 PLTGU 150
Peaker Muara Karang PLTGU 500
Peaker Grati PLTGU 300 150
Peaker Jawa - Bali 1 PLTGU/ MG6 400
Peaker Jawa - Bali 2 PLTGU/ MG 500
Peaker Jawa - Bali 3 PLTGU/ MG 500
Peaker Jawa - Bali 4 PLTGU/ MG 300 150
Karangkates #4-5 PLTA 100
Kesamben PLTA 37
Jatigede (FTP2) PLTA 110
Matenggeng PS PLTA 450 450
Indramayu #5 PLTU 1,000
Lontar Exp #4 PLTU 315
Jawa-1 (FTP2) PLTU 1,000 Jawa-3 (FTP2) PLTU 660 660 Jawa-4 (FTP2) PLTU 2,000 Jawa-5 (FTP2) PLTU 2,000 Jawa-6 (FTP2) PLTU 2,000 Jawa-7 PLTU 2,000 Jawa-8 PLTU 1,000 Jawa-9 PLTU 600 Jawa-10 PLTU 660 Jawa-11 PLTU 600 Jawa-12 PLTU 1,000 1,000 Jawa-13 PLTU 2,000 Bedugul PLTP 10 新設分出力合計 MW 1,884 1,755 2,897 5,115 13,005 2,162 2,300 2,325 3,560 3,000 発電端定格出力合計 MW 35,304 37,439 40,336 45,451 58,224 59,461 61,761 64,086 67,646 70,646 送電端可能出力合計 MW 32,757 34,738 37,426 42,172 54,024 55,172 57,306 59,463 62,767 65,550 1. PLTU : 火力発電 2. PLTA : 水力発電 3. PLTMG : ガスエンジン発電 4. PLTP : 地熱発電 5. PLTGU : コンバインドサイクル発電(複数の発電機から構成される主にガスを燃料とする高効率発電) 6. PLTGU/ MG : PLTGU または PLTMG 7. FTP2 : 第2次発電所開発加速化プログラム; 2010年第4号大統領令に基づいて、PLNは合計容量 10,000 MWの石炭火力発電所建設の要請を受けた。
3-9
3.2.4
RUPTL 2015-2024 における送電線増強計画
表 3-4 に、RUPTL 2015-2024 におけるJawa-Bali 系統内各地区の 500kV 送電線増強計画を示す。
表 3-4 Jakarta 地区の送電線増強計画
From To Voltage Conductor type Length(km) COD
Bekasi Tx. Mtawar-Cibinong 500 kV 2 cct, 4xDove3 12 2016
Cawang Baru (GIS) Gandul 500 kV 2 cct, 4xZebra 40 2017
Kembangan Durikosambi (GIS) 500 kV 1 cct, 4xZebra 6 2017
Tx Kembangan Durikosambi (GIS) 500 kV 1 cct, 4xZebra 6 2017
Priok Muaratawar 500 kV 2 cct, 1xCU2500 30 2018
Priok Muarakarang (GIS) 500 kV 2 cct, 1xCU2500 20 2018
Muarakarang (GIS) Durikosambi (GIS) 500 kV 2 cct, 4xZebra 30 2018
PLTU Jawa-5 Balaraja 500 kV 2 cct, 4xZebra 60 2021
Total 204
(出典: RUPTL 2015-2024)
表 3-5 Banten 州の送電線増強計画
From To Voltage Conductor type length(km) COD
Bojanegara Balaraja Baru 500 kV 2 cct. 4xDove 120 2015
Suralaya Baru Bojanegara 500 kV 2 cct. 4xDove 32 2015
PLTU Banten Inc4.(Suralaya Baru- Balaraja) 500 kV 2 cct. HTLSC (4xDove) 40 2016
Lengkong 500 kV Inc. (Blrja-Gndul) 500 kV 4 cct. 4xDove 4 2017
Balaraja Kembangan 500 kV 1 cct. 4xZebra 80 2017
Bogor X Tpcut 500 kV DC 2 pole. HVDC OHL5 220 2019
Bogor X Inc (Clgon-Cibinong) 500 kV 2 cct. 4xDove 60 2019
Bogor X Inc (Depok-Tsmya) 500 kV 4 cct. 4xDove 6 2019
Tpcut Keteranganapang 500 kV DC 2 pole. HVDC CABLE 80 2019
PLTU Jawa-7 Inc(Suralaya Baru - Balaraja) 500 kV 4 cct. HTLSC (4xDove) 20 2019
Bojanegara Balaraja Baru 500 kV 2 cct. HTLSC (4xDove) 120 2019
Suralaya Baru Bojanegara 500 kV 2 cct. HTLSC (4xDove) 32 2019
Balaraja Gandul 500 kV 2 cct. HTLSC (4xDove) 92 2019
Suralaya Lama Balaraja 500 kV 2 cct. HTLSC (4xDove) 129 2020
Total 1,035 (出典: RUPTL 2015-2024) Balaraja-Gandul 間送電線の電線張替が 2019 年に、Suralaya(Lama)-Balaraja 間送電線の電線張替が 2020 年 に計画されている。 3
4xDove: 4 導体。Dove は ACSR の 1 種を表す慣例名称
4
Inc: 既設送電線の間に新規に建設される変電所または発電所を連系するための送電線を示す
5
3-10
表 3-6 西ジャワ州の送電線増強計画
From To Voltage Conductor type length(km) COD
Tambun 500 kV Inc. (Bkasi-Cibinong) 500 kV 2 cct, 4xDove 2 2016
Bandung Selatan Inc. (Tasik-Depok) 500 kV 2 cct, 4xGannet 4 2016
Delta Mas Inc. (Cbatu-Cirata) 500 kV 4 cct, 4xGannet 8 2017
Cikalong Dbphi. (Tasik-Depok) 500 kV 4 cct, 4xGannet 4 2017
Cibatu Baru Inc (Muaratawar-Cibatu) 500 kV 4 cct, 4xGannet 20 2018
PLTGU Jawa-1 Cibatu Baru 500 kV 2 cct, 4xZebra 80 2018
Mandirancan Bandung Selatan 500 kV 2 cct, 4xZebra 118 2019
Upper Cisokan PLTA Incomer (Cibng-Sglng) 500 kV 2 cct, 4xGannet 30 2019
PLTU Jawa-1 Mandirancan 500 kV 2 cct, 4xZebra 116 2019
Indramayu Delta Mas 500 kV 2 cct, 4xZebra 260 2019
Suralaya Lama Suralaya Baru 500 kV 1 cct, 4xZebra 2 2019
PLTU Jawa-3 Switching S/S Jawa-3 Inc 500 kV 4 cct, 4xZebra 40 2021
Matenggeng PLTA Inc (Tasik-Rawalo) 500 kV 2 cct, 4xDove 20 2022
Total 704
(出典: RUPTL 2015-2024)
表 3-7 中部ジャワ州の送電線増強計画
From To Voltage Conductor type length(km) COD
Rawalo/Kesugihan Dbphi (Pedan-Tasik) 500 kV 4 cct, 4xGannet 4 2015
Rawalo/Kesugihan PLTU Adipala 500 kV 2 cct, 4xZebra 28 2015
PLTU Cilacap Exp Adipala 500 kV 2 cct, 4xDove 10 2015
Tanjung Jati B Tx Ungaran 500 kV 2 cct, 4xZebra 260 2016
Ampel Inc (Ungaran-Pedan) 500 kV 2 cct, 4xGannet 2 2017
PLTU Jateng Pemalang 500 kV 500 kV 2 cct, 4xZebra 40 2019
PLTU Jawa-12 (KBN) Inc (Muaratawar - Priok) 500 kV 2 cct, 1xCU2500 10 2019
Tx Ungaran Pemalang 500 kV 2 cct, 4xZebra 63 2020
Pemalang Indramayu 500 kV 2 cct, 4xZebra 256 2020
Ungaran Pedan 500 kV 1 cct, 4xZebra 60 2020
Total 733
(出典: RUPTL 2015-2024)
表 3-8 東ジャワ州の送電線増強計画
From To Voltage Conductor type length(km) COD
Surabaya Selatan Grati 500 kV 2 cct, 4xGannet 160 2015
Bangil Inc. (Paiton-Kediri) 500 kV 2 cct, 4xGannet 4 2017
Paiton Watu Dodol 500 kV 2 cct, 4xZebra 262 2018
Watu Dodol Segararupek 500 kV 2 cct, ACS 380 8 2018
Tandes Gresik 500 kV 2 cct, 4xZebra 24 2018
Total 458
3-11
表 3-9 バリ島の送電線増強計画
From To Voltage Conductor type length(km) COD
Gilimanuk Antosari 500 kV 2 cct, ACSR 4xZebra 185 2018
Segararupec Gilimanuk 500 kV 2 cct, ACSR 4xZebra 20 2018
Total 205 (出典: RUPTL 2015-2024)
3.3
前回調査のレビュー
3.3.1
2008 年に実施した調査報告書における必要性
前回実施調査「インドネシア・西ジャワ500kV 送電網増強事業調査」は、2007 年度に東電設計(株) および三菱商事(株)により実施された。全体需要の想定や電源開発計画といった重要な条件については、 RUPTL 2007 年版を元にした一方、各変電所での需要配分や各発電所の出力条件については、検討実施 時点での最新の情報で見直した。 (a) RUPTL 2007 におけるジャワ・バリ系統西部の電源開発計画 表 3-10は、ジャワ・バリ系統西部の既設電源容量およびRUPTL 2007 における電源開発計画を示す。 表 3-10 西部ジャワ地域の既設電源容量および電源開発計画 ‘Unit:MWSite Existing 2008 2009 2010 2011 2012 -16 Capacity at the end of 2016
Suralaya(Lama) 3,400 - - 600 - - 4,000 Cilegon 740 - - - 740 Teluk Naga - - 300 600 - - 900 Anyner - - - - 300 - 300 Labuan - - 600 - - - 600 計 4,140 - 900 1200 300 - 6,540 (出典: RUPTL 2007)
3-12 図 3-8は、上記表での新設電源の位置を示す。 図 3-8 RUPTL 2007 での新規電源計画位置図 (出典: RUPTL 2007) (b) 系統解析の検討年 表 3-10 に示されるように、大型の電力開発プロジェクトが 2009~2010 の間に完成すると期待され ていたため、系統解析は 2010 の需要や電源開発を含む条件の基で実施した。また、RUPTL 2007 での 検討最終年度の 2016 年の条件でも検討した。 (c) 2016 年断面での系統構成の見直し 当時最新の発電機連系計画に基づいて、新規発電所(Bojonegara)の連系を見直した条件で 2016 年断 面での系統解析を実施した。
3-13 Legend
Connection plan in the RUPTL Revised connection 図 3-9 Bojonegara の新設発電所の連系見直し Muara Tawar Cawang Bekasi Cibinong Depok Gandul Kembangan Balaraja Suralaya Cilegon Bojonegara (出典: JICA 平成19年度 地球環境・プラント活性化事業等調査、インドネシア・西ジャワ500kV 送電網増強事業調査報 告書(平成20年3月)を基に調査団で作成) (d) 潮流解析の結果 図 3-10 は、2010 年断面での潮流図を示している。矢印のついた黒字は通常(N-0)状態で事故設備がな い条件での潮流を示している。特に Suralaya–Balaraja 間について、黒字の 2,586MW は通常状態で事故 設備がない条件(N-0 状態)での 2 回線分の潮流の合計値を示している。赤字の2,332MWは、1 回線事故 時の N-1 状態での同送電線区間健全回線(1 回線)の潮流を示している。既設送電線の容量は 1 回線あた り 1,628MW であり、Suralaya–Balaraja 間の電線張替がない条件では、以下の式の通り、N-1 状態で健全 回線(1 回線)は過負荷する。(2,332MW>1,628MW) 一方、Balaraja-Gandul 間については、青字の1,505MWは 1 回線事故時の N-1 状態での同送電線区間 健全回線(1 回線)の潮流を示している。同区間の電線張替がなくても、以下の式の通り、N-1 状態で健 全回線(1 回線)は過負荷しない。(1,505MW<1,628MW)
3-14 図 3-10 西ジャワ系統の潮流(2010 年) 115 473 Cibinong Depok 661 Gandul 319 Kembangan 699 Balaraja 3180 98 Suralaya -219 Cilegon 917 319 880 759 560 139 N-Suralaya 421 1873 (1505) 1135 (1389) (1398) 2586 (2332) ( ):Contingency of 1circuit Red : Suralaya-Balaraja Blue : Balaraja-Gandul Transmitting Cap. (2472A) 2033MW (PF0.95) Transmitting Cap. (1980A) 1628MW (PF0.95) Unit (MW) (出典: JICA 平成19年度 地球環境・プラント活性化事業等調査、インドネシア・西ジャワ500kV 送電網増強事業調査報告書、 平成20年3月) 図 3-11 は、2016 年断面での潮流図を示している。 図 3-11 西ジャワ系統の潮流(2016 年) 565 Depok 1014 Gandul 529 Kembangan Balaraja 2387 160 Suralaya 354 Cilegon Bojonegara 1459 1777 1420 530 244 1064 Lengkong 550 226 N-Suralaya 324 1254 (1654) 448 858 2250 1565 685 DC 3000 Parung 1877 1995 539 ( ):contingency of Balaraja-Gandul 534 901 Unit (MW) (出典: JICA 平成19年度 地球環境・プラント活性化事業等調査、インドネシア・西ジャワ500kV 送電網増強事業 調査報告書、平成20年3月)
3-15 線(1 回線)の潮流を示している。この条件では、以下の式の通り、N-1 状態でこの健全回線(1 回線)は過 負荷する。(1,654MW>1,628MW) (e) 建設年 当該の電線張替には、1 年半程度掛かると想定された。比較的長い電線張替期間中、Suralaya 発電所 の発電機出力をある程度抑制する必要が発生する。ジャワ・バリ系統の需給バランスを考慮して、報告 書では前年までと比較して供給力がより十分にある 2010 年に電線張替工事を開始すべきであるとした。 (f) 張替工事中の潮流解析 上記と同じ条件ならば、電線張替工事中に Suralaya-Balaraja 間に過負荷が発生する。この過負荷を避 けるためには、Suralaya 発電所の出力を 1,200MW 抑制する必要があった。(3,740MW た。この過負荷 を避け (g) 安定度解析 安定度解析は、電線張替工事期間中の条件で実施した。このような厳しい条件であっても、系統は安 定であった。 (h) 前回報告書の結論 前回報告書では、上記の潮流解析・安定度解析の結果から、Suralaya- Gandul間の電線張替の 必要性はあると結論づけた。 (i) 系統解析に関する前回の報告書のレビュー Suralaya-Balaraja 間送電線は、表 3-10 に挙げられている新設発電機の連系により過負荷すると予想さ れた。 当該区間の電線張替は、本来新設発電機の系統連系前に実施されるべきであった。潮流解析の 結果から、新設発電機を含む Suralaya 石炭火力発電所は電線張替工事期間中、出力抑制しなければなら ないことが予想された。一般的には、増設したばかりの発電所の出力抑制を余儀なくされることは通常 のことではない。前回の報告書では、”クラッシュプログラム”のために 2010 年時点では十分な供給力 増加が期待できるため、2010 年に張替工事を開始すべきであると提案した。しかしながら、このプロ グラムは資金不足や中国の会社により提供された石炭火力発電所が所定の性能を満たさないことから、 うまく機能したとはいえない。これらのことを踏まえると、本来であれば事前に整備されるべきものが
3-16 整備されていなかったため発電所の出力を抑制しなければならなかった状況で、当該発電所の低稼働と いう偶発的事象の発生により、結果的に送電線過負荷の問題が顕在化しなかったと推察される。 以上より、2008 年当時(リーマンショック直前)の電力需給バランス上緊急性の高い状況を踏まえると、 調査団が、用地取得や環境影響評価等に時間がかかる送電線新設よりも、電線張替を提案したという判 断は妥当であったと判断される。
4-1
第
4章
潮流分析
4.1
実施した調査
新規発電機を電力系統に連系する前や流通設備増強の必要性を判断するためには、送電網の信頼度 を解析する必要があり、潮流解析、事故電流解析および安定度解析を実施し、もしも何か問題が発生す ることが予想された場合には何らかの対策を準備しなければならない。そこで、調査団は系統解析とし て、以下の事項を実施している。 ・潮流解析 ・事故電流解析 ・安定度解析4.2
検討条件
4.2.1
検討年
P3B-JB より入手したSuralaya(Lama)-Gandul 間送電線の潮流に影響を及ぼす電源開発計画は、表 4-1 のとおりである。 表 4-1 Suralaya-Gandul 間送電線の潮流に影響を及ぼす電源開発計画 発電所 連系箇所 定格出力 COD Banten #1 Banten S/S 660MW 2017 Jawa-9 Banten S/S 600MW 2019 Jawa-5 Tanara S/S 1000MW 2019 1000MW 2020 Jawa-7 Bojonegara S/S 1000MW 2019 1000MW 2020 (出典: P3B-JB からの情報) また、図 4-1 は、表 4-1 に示された新設発電機の連系箇所を示している。連系箇所および連系年か ら、調査団は Jawa-5 の 2 号機および Jawa-7 の 2 号機が Suralaya-Gandul 間送電線の重負荷をもたらす原 因であると仮定した。これより、調査団は 2020 年を検討年とする条件でこの検討を実施すべきである と判断した。4-2
Substation A
図 4-1 ジャワ・バリ系統北西部での電源開発計画