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Microsoft PowerPoint - 米山先生資料.ppt

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Academic year: 2022

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全文

(1)

後期高齢者医療における 歯科医療の果たすべき役割

自立高齢者及び要介護高齢者の健康の維持 と QOL の改善をめざす歯科医療

米山歯科クリニック

米山武義

(2)

後期高齢者に対する歯科医療の意義

• 低栄養と誤嚥性肺炎等の予防による健康寿 命の延伸

• 食べる楽しみ、話す楽しみの享受よる QOL の改善

• 障害を持った口腔に対するリハビリテーショ ンとしての意義

2

(3)

NHK NHK ラジオ ラジオ 心の時代 心の時代 に出演して に出演して

「 「 口は長寿の門 口は長寿の門 」 」

• • 多くのお手紙やファックスを拝読し、 多くのお手紙やファックスを拝読し、

• • 一見、幸せそうに見えて、口が思うようになら 一見、幸せそうに見えて、口が思うようになら ないことで生き地獄であったりする現実を知 ないことで生き地獄であったりする現実を知

らされました。

らされました。

• • このことが、終末期あるいは後期高齢期に本 このことが、終末期あるいは後期高齢期に本 人と家族が直面する本当の苦しみであるよう 人と家族が直面する本当の苦しみであるよう

に思います。

に思います。

(4)

摂食 咀嚼

構音、発音 嚥下

顔貌

平衡感覚の維持 味覚

消化への関与(消化液の分泌)

脳への刺激 免疫物質の分泌

異物の認識と排除

愛情、怒りなどの感情表現

ストレスの発散

力の発生 呼吸への関与

歯と口腔の働き

4

(5)

27 年前の記憶から

高齢者の口腔が忘れ去られていた

歯頚部に多量の食物残渣とプ ラークが付着し歯肉の発赤が 見られる。

長期間口腔内に入れたままにし

てあった義歯の内面。多量のデ

ンチャープラークが観察される。

(6)

学んだこと

要介護者の口腔環境は

誰かがケアをしない限り 悪くなることはあっても 自然に改善することはない。

そして心も老化してしまう。

口腔は死を迎えるまで大切な

器官である。 6

(7)

現 状

1.歯科治療が必要な人は多いが、

2.治療を受けている人は少ない。

3.治療とケアが一体になった時の

効果について知られていない。

(8)

口腔ケアとは

広義には

口腔の持つ,種々の働き ( 機能)が障害された場 合,これらの働きがより健全に機能するよう手当 て(ケア)をすること。

狭義には

口腔内の衛生状態を改善し,口腔疾患と口腔内 に起因する全身疾患の予防に努めること。

歯科医師とともに歯科衛生士が重要な役割を担う。

8

(9)

①感染予防

口腔疾患の予防(う蝕,歯周病、歯性感染症など)

呼吸器感染症の予防(誤嚥性肺炎など)

②口腔機能の維持,回復

摂食嚥下障害の改善

口腔内爽快感,口腔感覚の向上にともなう食欲の増進

③全身の健康の維持,回復,および社会性の回復

食欲増進による体力の維持,回復 体力の維持,回復に伴う ADL 向上

言語の明瞭化や口臭の消失などによるコミュニケーションの改善

専門的口腔ケア(管理)の目的

(10)

専門的口腔ケア(口腔管理)の内容

• 口腔清掃(バイオフィルム除去)

• 歯石除去

• 義歯の清掃・管理

• 摂食・咀嚼・嚥下機能の回復

• 誤嚥性肺炎、低栄養の予防に配慮し た口腔の管理

10

(11)

ある老人病院での死亡者の 主要基礎疾患と直接死亡原因

主要基礎疾患

脳梗塞, 3 0

脳出血, 1 1

骨折, 1 0 脳炎, 9

ア ルツ ハイ マー , 6 悪性腫瘍, 5 ク モ膜下出血,

4 脳挫傷, 3 脳血管性痴

呆, 3 心不全, 3

術後( 脳以 外) , 3 慢性硬膜下血

腫, 2 褥瘡, 2

その他, 1 2

直接死亡原因

肺炎, 3 3

感染, 1 9 心不全, 1 2

腎不全, 1 1 不整脈, 3

褥瘡, 3 心筋梗塞, 2 多臓器不全, 2

去痰不全, 3

悪性腫瘍, 6

その他, 4 糖尿病性昏 DI C, 2 睡, 2

東北大学老年・呼吸器内科チームによる研究報告

(12)

0 10 20 30 40 50

0 5 10 15 20 25

期間中の発熱発生率

(%)

ヶ月

(**:p<0.01)

口腔ケア群

対照群 *

要介護高齢者に対する口腔衛生の誤嚥性肺炎予防効果に関する研究:米山武義、吉田光由他 日歯医学会誌2001

12

(13)

19%

11%

0 5 10 15 20

対照群 口腔ケア群

2年間の肺炎発症率

肺炎発症率

( % )

Yoneyama T, Yoshida Y, Matsui T, Sasaki H:Lancet354(9177), 515, 1999.

p<0.05

(14)

11%

29%

0 5 10 15 20 25 30

義歯あり 義歯なし

無歯顎者の肺炎発症率

肺炎発生率

( % ) p<0.01

要介護高齢者に対する口腔衛生の誤嚥性肺炎予防効果に関する研究:米山武義、吉田光由他 日歯医学会誌2001

14

(15)

在宅における家族の悩みと苦しみ

1、病院から帰ってきたけど、家族にとって食事介 助がよくわからない。とくにむせが激しい時、不安に なってしまう。

2、熱を出したり、食事がとれなくなったら、家では 介護が出来ない。そのことを、本人も家族も分かって いる。気軽に相談出来る人はいないか。

3.どうしても、胃に穴を開けるのはいやだ。最後

まで口から食べさせたい。でも、これからどうして

いいか不安で自信がなくなってしまった。

(16)

地域における

口腔ケアネットワークの必要性

病院にいる時から(入院時から)、地域で口に 関わる多職種のネットワークができていたら、ど んなに安心か。

口から食べることの支援と誤嚥性肺炎の予防 のために安心のネットワークがほしい。

病院の専門スタッフにとっても退院後、どうなっ

ているか。まったく、その後が、見えてこない。 16

(17)

老人性肺炎の予防と免疫力 老人性肺炎の予防と免疫力

1.免疫力と心の問題 1.免疫力と心の問題

2. 2. 免疫力と栄養の問題 免疫力と栄養の問題

(18)

低栄養

• 急性期病院入院中の高齢者で3 0~ 4 0%、在宅診療を受けている 人で、32~35%といわれる。

(葛谷雅文、高齢者ケアマニュアル より )

18

(19)

0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4 4.5 5

0 10 20 30 40 50 60

血清アルブミン値(ALB値)の結果

( g/dl)

平均3.7±0.3g/dl

ある特別養護老人ホームでの調査

(20)

お茶でむせる

3 .5 0 3 .5 5 3 .6 0 3 .6 5 3 .7 0 3 .7 5 3 .8 0

な い ときどき しばしば

(g/dl)

20

(21)

食べこぼしがある

3.55 3.60 3.65 3.70 3.75 3.80

ない ときどき しばしば

(g/dl)

(22)

口腔機能と ALB値

3.4 3.5 3.6 3.7 3.8 3.9 4 4.1

口腔機能異常 正常

P<0.05

22

(23)

要介護高齢者に対する口腔 の機能に重点を置く

栄養改善の試みは

有効か?

(24)

口腔ケアの介入が与えた効果

P<0.05

1.20 ± 0.24 1.14 ± 0.20

A/G ratio

11.75 ± 1.75*

11.39 ± 1.76

Hemoglobin(g/dl)

53.44 ± 11.27*

49.39 ± 13.39

HDL cholesterol(mg/dl)

174.15 ± 29.09 174.12 ± 29.24

Total cholesterol(mg/dl)

3.77 ± 0.33*

3.65 ± 0.32 Albumin(g/dl)

7.02 ± 0.47 6.92 ± 0.38

Total protein(g)

介入後(6ヶ月)

介入前

24

(25)

頭頸部進行がん患者の再建手術 頭頸部進行がん患者の再建手術

における口腔ケア介入効果 における口腔ケア介入効果

„ „ 結果 結果 術後合併症率 術後合併症率 (単変量解析) (単変量解析)

0%

20%

40%

60%

80%

100%

16%

64%

P<0.0001: Fisher Exact Test

口腔ケアあり(S病院) 口腔ケアなし(A病院)

(

大田洋二郎

, PRACTICE IN PROSTHODONTICS, 2005)

(26)

高齢者の口腔に関わる現状 高齢者の口腔に関わる現状

26

(27)

1人平均現在歯数(年齢階級、年次別)(平成17年歯科疾患実態調査)

(28)

歯数別「何でもかんで食べることができる」

と回答した者の割合(40歳以上)

(平成16年国民健康・栄養調査)

28

(29)

後期高齢者における歯科医療の受療率

0 2000 4000 6000 8000 10000 12000 14000

入院総数 外来総数 歯科外来

人口1 0万 対

平成

14

年患者調査より作成。歯科については傷病小分類(う蝕+歯肉炎及び歯 周疾患+その他の歯及び歯の支持組織の疾患+歯の補綴)により算出した。

(30)

0% 20% 40% 60% 80% 100%

J1 J2 A1 A2 B1 B2 C1 C2 不明 総数

訪問診療のみで対応 通院治療も必要 入院治療も必要 指導のみで対応 必要なし

不明

(対象者:新潟県内施設入所者

4,887

名))

日常生活自立度別要介護高齢者の歯科的対応の必要性

(歯科健診担当医による評価)

31.0 15.6 1.0 15.8 27.0 9.7%

(江面晃 新潟県要介護者歯科治療連携推進事業における調査に関する報告-特別養護老人ホームを対象 とした全身・口腔内状況、歯科治療診療の必要性及び病診連携の状況に関する調査、2000)

30

(31)
(32)

血清アルブミンの変化

3.0 3.5 4.0 4.5

g/dl

**

N=22

食支援群 食支援群

ベースライン 2ヵ月後

**;p<0.01

3 3.5 4 4.5

g/dl

***;p<0.001,

N=17 ***

食支援・ 食支援・

口腔機能向上訓練群 口腔機能向上訓練群

ベースライン 2ヵ月後

平成平成

16年度厚生労働省未来志向研究プロジェクト 16

年度厚生労働省未来志向研究プロジェクト

(菊谷ら、老年歯学,2005.) (

菊谷ら、老年歯学,2005.)

32

(33)

専 門 的 口 腔 ケ ア

専門的口腔ケアが高齢者の健康や生活機能に与える効果

生活習慣病予防

歯科治療 歯科保健指導

歯牙喪失防止 ・ 咬合回復

摂食機能訓練 専門的口腔清掃

栄養の改善によるADLの維持と食の楽しみによる生活機能の 改善

家族と一緒の食事により在宅継続の可能性を高める

肺炎の予防

要介護度悪化の防止 介護者の負担軽減 咀嚼機能維持による低栄養の予防

嚥下機能維持による気道感染予防 発音改善、容貌回復、口臭改善に よる閉じこもり予防(社会参加向上)

平衡機能維持による転倒骨折予防

高齢者リハビリテーション研究会中間報告「高齢者リハビリテーションのあるべき方向」

(平成16年1月)(抜粋)

(34)

兵庫県歯科医師会・兵庫県国民健康保険団体連合会:8020運動」実態調査の報告に ついて,2006

2005年5月診療分歯科レセプト数31,870件,医科レセプト数55,093件

1,5541,795 1,658 1,642 1,655 1,680 1,733

2,016

1,784

2,047

1,839

2,480

0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000

達成者 非達成者 達成者 非達成者 達成者 非達成者

 70~74歳       75~79歳       80歳以上

歯科 医科

「8020」達成者・非達成者別1件あたりの点数(医科・歯科)

34

(35)

後期高齢者の口腔保健の現状

高齢者の歯の保存状況をみると、80 歳で 20 歯以上を有する者の割合は、

ようやく 20%を超えたに過ぎず、後期高齢者の多くは義歯などによる口腔 機能の回復が必要となっている。

歯科治療はこれまで外来によるものがほとんどである。その歯科(外来)

受療率は、医科(入院・外来)の受療パターンと異なり、75 歳以上の後期 高齢者で急速に低下するという実態があった。

平成 18 年度から「口腔機能の向上」が介護保険制度上位置づけられたもの の、施設入所者を中心とした重度者に対する対応は制度化されておらず、

こうした要介護高齢者、有病(入院)高齢者の口腔内状況が劣悪な状況に おかれていることが指摘されている。

病院、要介護高齢者施設および在宅医療において、いずれも医科と歯科の 連携が不十分である。

(36)

後期高齢者に対する歯科治療および口腔ケアの意義

○ 「食べること」と発話・表情などを通した「コミュニケーション」を直接支 える口腔機能は、人がその人らしく生きていくために欠かせない機能であり 生涯における QOL の維持向上に深く関わる。

○ 後期高齢者の口腔衛生状態の改善と咀嚼能力の改善を図ることが、誤嚥性肺 炎の減少や低栄養および ADL の改善に有効であり、健康寿命の延伸に寄与す る。

脳卒中患者への歯科的対応は、入院期間中の急性期からが効果的であり、

しかもそれは入院期間の短縮につながる。

歯数が多く、よく噛めている高齢者ほど健康で総医療費が低いという調査 結果が報告されており、高齢者の口腔機能を維持・増進することは、活力 ある健康長寿社会を実現するために不可欠な課題の一つである。

36

(37)

1. 後期高齢者の健康寿命を延長するためには、口腔ケア(管 理)を含む歯科的介入がぜひ必要(医療連携を踏まえ)

2.特に誤嚥性肺炎や低栄養の予防のためにも口腔機能の向上 および義歯の装着・調整を含む維持管理などが必要

3.唾液分泌が減少し、極度に口腔乾燥が起き易い終末期にお いては、特に口腔の維持管理が大切

4.後期高齢者の健康保持のためには、早い時期から歯の喪失 が防止されるようむし歯や歯周病の管理が必要

まとめ

参照

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