博士(歯学)河端哲也 学位論文題名
DIVIBA 誘 発 / ヽムスター舌癌に及ぼす Hydrocortisone の 影 響
学位論文内容の要旨
【緒言】舌の扁平上皮癌は、口腔粘膜癌のなかでも発生頻度の高いもののーつで あり、早期にりンパ節に転移をすることや、筋層に広範に浸潤すること など、問題の多い悪性腫瘍である。一方、グルココルチコイドは、抗炎 症作用をはじめ多くの薬理作用をもち、広く使用されている薬物であり
、腫瘍に及ぼす影響にっいても、乳癌などのホルモン感受性のある腫瘍 を中心に多くの研究がなされている。しかし、口腔領域の腫瘍について の研究は少なく、しかもそのほとんどは、腫瘍誘発や転移に及ぽす影響 を検討したもので、原発巣の変化を病理組織学的に検索したものはさら に少なぃ。
著者は、グルココルチコイドの、舌の扁平上皮癌の発育と浸潤に及ぼ す影響 を、 明ら¨ かに するた めに 、
DMBA
誘発 ハムス タ一 舌癌を用い、病理組織学的、一部免疫学的に検討した。
´【材料と方法】
実験 動物 として は
4
週 齢、 雄、ゴ ール デンハ ムス タ‑77
匹を用いた。発癌剤としては
9
、10
―dimethyl
−1,2ーbenzanthracene(DM.BA)の1%ア セ卜ン 溶液 を用い 、週3
回、 エーテ ル麻 酔下に 左舌 側縁粘 膜中央部1/3
を歯科用クレンザーで擦過後、ピンセッ卜で塗布した。動物は発癌群と 対 照 群 に わ け 、 発 癌 群 は さ ら に 、Groupl
とGroup2
に わ け た 。Groupl
は5
、10
、15
、20
週間発癌処置を行なった。Group2は、20
週間発 癌処置 をお こなっ たも のを1
週間放 置後 、4
週 間、グ ルコ コルチコイド として、Hydrocortisone
(HC)を投与する群と、投与し.なぃでその間放 置する群にわけた。対照群(Group3
)も21
週間、無処置で放置したもの を4
週 間 、HC
を投 与 す る 群と 、投 与しな ぃで その間 放置 する群 にわ け た。各群とも処置終了後、ただちに屠殺し、下顎骨と一塊にして、舌を 取り出した。通法に従って10
%中性ホルマリン液に24時間固定し、10
%EDTA
(Ethylenediamine Tetraacetate
) で脱 灰 後 、 パ ラ フイ ンに 包 埋し連 続切 片を作 製し 、HE
染 色を 施し、 病理 組織学 的に 検索した。ま,た、上皮細胞の細胞動態を検索するため、屠殺の1時間前に5−bromo一2.
−deoxyuridine(BrdU)を、体重lKgあたり25mgの割合で腹腔内に投与し、
抗
BrdU
モ ノ ク ロ ― ナ ル抗 体 を用い て、ABC
法 により 免疫 染色を 施し た。さらに、
foot pad assay
法と直接プIラーク形成法を利用して免疫能を 測定した。【結果および考察】
1
.5
週間の発癌処置で、舌粘膜上皮に異形成上皮が発生した。15週間 以上の発癌処置により、すべての勁物に舌扁平上皮癌が発生した。20週 間の発癌処澄により、腫瘍の舌固有筋への浸潤傾向が全例に認められた2
.DMBA
に よっ て誘発 された 舌扁平 上皮 癌の多 くは、 肉眼的に外向 性の腫 瘤を 形成し た。HC投与発癌群では、HC非投与発癌群に比ベ、腫瘤の増大傾向は弱くなり、多くは潰瘍形成を伴い、腫瘍の発育方向が 内向性になる傾向を示した。
3.
病 理 組 織 学 的 に は 、WHO
の 分 類 でHC
投 与 発 癌群 の30
例 中2
例 がgradeu
、 他 はgradeI
で あ っ た 。HC
非 投 与 発 癌群 は 全 例gradeI
で あった。HC投与により腫瘍細胞に著名な変化は認められなかったが、腫瘍の進展範囲に変化がみられ、最も深く浸潤した症例では、オ卜ガイ 舌骨筋にまで浸潤がみられた。また、問質のりンパ球、形質細胞を主体 とした炎症性細胞浸潤の減少傾向が認められた。
4
.HC
投与 発癌 群に、 腫瘍の顎下リンパ節転移が3
例認められたが、それらはいずれも最も深部のオ卜ガイ舌骨筋に浸潤した症例であり、浸 潤の深さが、腫瘍の転移に影響を及ばしている可能性が示唆された。
5
.HC
投与 は、 正常舌 粘膜上 皮細胞 のBrdUの標 識率に 影響を及ばさ なかった。.6
.HC
投与発癌群では、内向性発育を示した腫瘍に、外向性発育を示 した腫瘍に比ぺて、BrdUの標識率が高くなる傾向がみられた。また、外 向性の発育を示した腫瘍では、腫瘤の辺縁部にある腫瘍細胞の胞巣で、内向性の発育を示した腫瘍では、浸潤している先端部の胞巣で、BrdUの 標識率が高くなる傾向が認められた。
7
.免 疫 学 的 に はHC
投 与 、 な ら びにDMBA
に よ る発 癌 操 作 に よっ て、foot pad assay法では低値を示し、直接プラ―ク形成法では溶血斑 散の減少がみられた。HCの免疫抑制作用は、細胞性免疫と液性免疫の 両者に作用していると考えられているが、今回の結果もそのことを裏付 けるものであった。
【結諭 】 グルコ コルチコイドは、
DMBA
誘発ハムスタ一舌癌に対し て、腫瘍の浸潤を促進する可能性が示唆され、また、その要因として、全 身 的 な 免 疫 能 の 抑 制 が 関 与 し て い る 可 能 性 が 示 唆 さ れ た 。
学位論文審査の要旨
副 査
教授 教授 教授
学 位 論 文 題 名
DMBA 誘 発 ハ ム ス 夕 一 舌 癌 に 及 ぽ す Hydrocortisone の 影 響
に d ̄る1ミln勺で本耐「究をf,. った。
《刷f究方法》
尖 験 動 物 と し て ィ 遡 卉liとして9、10−(lim(〕
の 1% ア セ ト ン 溶 液 を 1腆IIl火1/3ぬ5をN§ 科‖
Cと し て tよ ヒ ドU ‑Jル mgを 、 淵t1亜 .1、4淵1!
齢 の 雄 ゴ ー ル デ ン ハ ム ス 夕 一 を 川 い た 。 発 撕 Lhyt ‑1、 2一boJlza11thr 1c( 〕nc(1)Mlj八)
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]クレンツ ーで1察jめt受、発j繭押Jを塗わiした。〔;
チ ゾ ン ( H〔 ニ ) を 川 い 、 休mlkgあ た り100 IJ、Jl塑雌Iりに投与した。
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放心終了後、ただらに腓殺し、下愀りt,nし、迎法に従 )て、I o%rliセtニ.rトルマリ ハ で 眦 灰 後 、 ´ く ラ ソ イ ン 包 りuし 、 辿 絖 切 片 を 翁 ‖Jは の斜‖0包剄J態を 検索す る′こめ に、JH殺 の1
(1(、´0xyLlri(lin(j(ljr(iU)を休mtkBあたり25m ljr(tUモ ノクHーナル抗 休をJnい てAlj( :法に .1: に 、I・I〔ニーtSエkびl)MIj八投与が免j攴1fヒに故ば J聴u汁にっいて、足凱ほ試験に.lこり翁‖眦ゼI:免疫能
ckに . に り 液 ゼ ヒ5屯j芟f悒 を諍 ドmriした 。
‑ 379一
ルー ‐/Iと グル プノ2
発 癌 処vを 行 ′ 、 ′ こ 。 グ 刪 川 放f| : ! 後 、11〔 : を 投 21刪 ‖qnほ 処 泄 で 放 j麗 し わけ7.こ 。
:m 『j. と ・一 塊に し て雨 を ン 川 定 し 、10%1こ1)′I` 作製 した 。 よた 、上 皮
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《尖験納楽と龕!i諭》
1.5遡li‖の党繊処越に.にって雨*I川災.||皮に514J『シ成上皮が発刈ニし′こ。
2. 15遡 IiU以 上 の 発 繃 処 ぬ にJニ ル 、 す べ て の 鋤 物 に 舌 扁 平 上 皮 癇 が 発生した。
絖 い て 、 今 後 の 展 望 街 Jこ り そ れ よ びf刈 辿 ウ } 舌 緬 は1: : | 恢 移bき た 変 の 治 療 の し ば 併 発 す GCが 口 腔 究 は }tl礎 医 以 上 、 ホ め ら れ た 。
め ら れ た 。 翁 ‖J胞 没 tWの にJI皿 煽 のiJj 岡 5の オ ト ガ 襾 も 川 災 .l∴ 皮 た 。
で は 、1勾 I向 べ て ljr【 lU C投 与 な ら で は 低 位 を
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ニ Jル チ コ イ 促 逝 .j. る 可 の 抑 制 が | 刈
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