• 検索結果がありません。

博士(医学)秋野 学位論文題名

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "博士(医学)秋野 学位論文題名"

Copied!
5
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

     博士(医学)秋野 学位論文題名

ハイドロキシアパタイトセラミックスの頸椎領域における 骨補填材料,骨固定材料としての組織学的検討

学位論文内容の要旨

    I研究目的

  ハイド口 キシアパタイト(hydroxyapatite:以下HAと略す)セラミックスは,骨組織と骨 新生をもっ て直接結合しうる人工骨材料として注目されている。頚椎前方固定術においてHA が,自家骨の代用として使用可能かどうかにっいての動物実験を行い,骨新生に関し組織学的に 検討し,考察した。

    II実験方法

1)porous HA(多 孔体:気孔率30%)とdense HA(緻密体)を移植材料として使用した。

2)組織学的検討:雑種成犬(体重:10〜20kg) 21頭を用い,第2頸椎から第4頚椎までの椎体 部,椎間腔にそれ ぞれporous,dense HA各1個 合計4個を同一個体に移植し た。移植後,4 週(7頭),8週(7頭),24週(7頭)で摘出した。脱灰標本は,Hematoxylin Eosin (HE) 染色を施行し,未 脱灰標本は,contact microradiography (CMR)の撮影後,ワンギーソン 染 色 を 施 行 し た 。 骨 新 生 の 定 量 的 評 価 は , 画 像 解 析 装 置 を 用 い て 行 っ た 。

    m実験結果

1. HA移植部位の組織学的所見

  (1)porous HA椎体部移植:4週ですでにHAのほぼ全周に亘り骨新生が認められた。気孔 内部では,一般に気孔壁に接する薄い板状の骨新生と気孔中心部の骨髄形成とが認められた。炎 症細胞の出現は認めなかった。8週の標本では,HA表面と気孔内部全体に豊富な新生骨と骨髄 形成とが認められ,周辺骨組織と識別が困難となるものが多かった。24週の所見は,8週と大き な差を認めなかった。

(2)

  (2)  porous HA椎間 腔移植 :一般 に椎間 板の線 維性 軟骨部 に接し たHAで は,そ の表面 およ び 気孔 内 部 で の 骨新 生 は 殆 ど 認め ら れ ず , 椎間 腔 の 椎 体 緻 密骨 に 接し たHAで は,そ の表面 や 気 孔内 で 僅 か な がら 骨 新 生 が 認め ら れ た 。

  (3)  dense HA椎 体 部 移植 :dense HA表 面 で の 骨 新 生は ,HA表面 の 陥 凹 部 に 一部 に 一 致 し て出 現 す る こ とが 把 握 さ れ た。

  (4)  dense HA椎 間腔 移 植 :dense HA周 囲 に お ける 骨 新 生 は 乏し く , さ ら に移 植HAが椎 間 腔よ り 脱 落 す るも の が 多 か った 。

2.HA移 植 部位 で の 骨 新 生の 定 量 的 評 価

  (1) 定 量 的 評 価 の 方 法 :4週7頭 ,8週7頭 ,24週7頭 の 計21頭 に っ い て,HA移 植 部位 で の 骨 新 生 の 定 量 的 評 価 を 行 っ た 。 評 価 は , 画 像 解 析 装 置 を 用 い て 脱 灰HE標本 に て 行 っ た 。   (2) 評 価結 果 : 全 体で の評価 では,porous HAの椎体 部移 植にお ける骨 新生が 最も良 好な 結 果 であ っ た 。 椎 間腔 に 移 植 し たporous HAでは , 結 果 不 良 のも の が 多 か った 。dense HAの 椎 体 部 及 び 椎 間 腔 の 双 方 の 移 植 部 位 で の 骨 新 生 の 評 価 は , と も に 不 良 で あ っ た 。

    IV考  察

1. HAの 人工 骨 と し て の物 性的特 徴:人 工骨材 料は ,生体 骨組織 との生 体反応 様式 により ,生 体 許容 性(biotolerant), 生体 不活性(bioinert), 生体活 性(bioactive)の 三っに 分類さ れる。

HAは , 生 体 活性 と し て 位 置 ずけ ら れ て い る。 ア パタ イトとfま ,Aio(MOユ)6Xよで 表現 される 六 方晶 系 の 立 体 構造 の 鉱 物 の 総称 で ,HAtま ,CaiO(P04)6(OH)Zで 表 現され るカ ルシウ ムとり ン酸と の水酸 化化 合物で ,脊椎 動物の骨や歯の主成分を構成する生体内物質である。圧縮強度は,

人 緻密 骨 , 人 海 綿骨 で , そ れ ぞれ1000kg7cnf,l10kg/cnf,dense HAは,2000kg/cnf,気 孔率 30% ,40%,50% のporous HAで それ ぞ れ280kg/cnf,220kg/cnf,170kg/cnfと なって いる。

2, 骨新生 に関す るHAの 物性, 移植部 位によ る組 織的差 異

  HAの 物 性の 差 に 関 し ては ,porous HAで は , 気 孔 の中 ま で 豊 富 な骨 新 生 が 確 認さ れ た が , dense HAで は 接 触面 で の わ ず かな 骨 新 生 し か 認め な か っ た 。移 植 部 位の 骨新生 に関す る差 異 は ,椎 体 部 と 比 較す る と 椎 間 腔で のHAの 骨新 生 はporous,dense HAの両 者で不 良であ った 。 こ の原因 は,第1に 椎間腔 は可動 性を有 する ためこ の部位 での骨 新生 が著し く制限 された ため,

第2は 椎 体 部 に 比し 椎 間 腔 で の骨 新 生 量 が 少な い という 組織学 的特 性によ る,と 考えら れた。

3. porous HAの 骨新生 に関す る組織 学的 特性

  骨 周 囲 組 織か ら は ,porous HAは , 骨 侵入 の 場を 保証 する極 めて骨 親和性 の高い 「足 場」と

(3)

して機能する軽石様構造物としてとらえることができた。

4.椎間腔移植HAの骨新生に関する組織学的特性

  30%気孔率HAの圧縮強度は,人緻密骨の約Xであり,椎間固定の材質としては,強度的に 脆弱であり,頭部を支持する十分な強度が確保できず,骨新生の「足場」としての機能を発揮で きなかったと推 測された。dense HAは,そもそも骨新生が乏しく,頚椎領域での固定材料と して使用不可と判断された。

    V結  語

1.ハイドロキシアパタイ トセラミックス(HA)の頸椎領域での移植の要否に関しての組織学 的検討を行った。成犬頚椎 前面の椎体,椎間腔にporous,dense HAを移植し,4週,8週,24 週目に移植部位の組織を採 取し,contact microradiography (CMR),未脱灰樹脂包埋切片ワ ンギーソン染色,脱灰パラフアン切片HE染色の各標本を作製した。

2.椎 体 部に 移植 したporous HAで の 骨新 生は ,移 植4週でHAの表面および気 孔内部に認 められ,8週,24週でより 豊富に認められた。porous HAは,骨補填材として頸椎領域におい て使用可能であることが確認された。

3. dense HAは表面性状が ガラス状の光沢を有しており,このため接触面での骨新生は椎体 部移植でも椎間腔移植でもきわめて乏しく,したがって頚椎領域での骨補填材,骨固定材として は適さないことが判明した。

4.椎間腔部移植HAにおけ る骨新生は椎体部移植と比較すると不良であった。これは,椎間 腔では十分な非可動性の確保が困難であること,porous HAの強度上の脆弱性,骨新生に関す る椎間腔の組織学的劣悪性,などがおおきな要因と考えられた。これらから,頚椎領域での椎間 腔 固 定 材 料 と し て の HAの 臨 床 応 用 は , 種 々 制 約 が あ る と 結 諭 さ れ た 。

‑66

(4)

学位論文審査の要旨

    I研究 目的

  ハ イ ド口 キ シ ア パ タイ 卜 (hydroxyapatite: 以 下HAと 略 す ) セ ラミ ック スは, 骨組織 と骨 新 生 を も っ て直 接 結 合 し うる 人 工 骨 材 料と し て 注 目 され て い る 。 頚 椎前方 固定 術にお いてHA が ,自家 骨の代 用と して使 用可能 かどう かに っいて の動物 実験を 行い, 骨新 生に関し組織学的に 検 討し, 考察し た。

    H実験 方法

1)porous HA( 多 孔 体 :気 孔 率30%) とdense HA( 緻 密 体 ) を 移植 材 料 と し て使 用 し た 。 2) 組 織 学的 検 討 : 雑 種 成犬 ( 体 重 :10〜20kg) 21頭を用 い, 第2頸 椎か ら第4頸椎 までの 椎体 部 , 椎 間 腔 に そ れ ぞ れporous,dense HA各1個合 計4個 を 同一 個 体 に 移 植し た 。 移 植 後,4 週 (7頭 ) ,8週(7頭 ) ,24週(7頭 ) の 時 点 で 摘 出 し 組 織 学 的 に 検 討し た 。 脱 灰 標 本は , Hematoxylin Eosin(HE) 染 色 を 施 行し , 未 脱 灰 標本 は ,contact microradiography (CMR) の 撮影後 ,ワン ギー ソン染 色を施行した。骨新生の定量的評価は,画像解析装置を用いて行った。

    m 結   果

1 .HA 移植部位での骨新生の定量的評価

  (1) 定 量 的 評 価 の 方法 :4週7頭 ,8週7頭,24週7頭の 計21頭に っ い て ,HA移 植 部 位 での 骨 新 生 の 定 量 的 評 価 を 行 っ た 。 評 価 は , 画 像 解 析 装 置 を 用 い て 脱 灰HE標 本 に て行 っ た 。   (2) 評 価 結 果 :全 体 での評 価では ,porous HAの椎 体部 移植に おける 骨新生 が,21頭中19頭 がexcllent,2頭 がgoodで 最 も良 好 な 結 果 であ っ た 。 こ れに 反 し て 椎 間腔 に 移 植 し たporous HAで は ,excellentが なく ,goodは1頭 の みで , 残 り の20頭 はfair,poor,noのい ず れ か で 結 果 不 良 の も の が 多 か っ た 。dense HAの 椎 体 部 移 植 で は,fairが4頭 ,poorが4頭 ,noがl 3頭 で あ っ た 。dense HAの椎 間 腔 移 植 で は,fairが1頭 , 残 りの20頭 は すべ てnoであ っ た 。 すな わち ,dense HAの 移植で は, 椎体部 および 椎間腔 いずれ にお いても 骨新生は不良であった。

志 従

   

   

清 正

部 田

阿 金

授 授

教 教

査 査

主 副

(5)

2. HAの骨新生に関する組織学的特徴

  組織学的所見では,porous HAでの骨新生は,HA表面のほぼ全周に亘り骨新生が認められ,

気孔内部では気孔壁に接する薄い板状の骨新生と気孔中心部の骨髄形成とが認められた。一方,

dense HA表面での骨新生は ,HA表面の微細な陥凹部に一 致して出現したが,その新生量は 僅かであった。porous HAは骨侵入の場を保証する骨親和性の高い「足場」として機能する軽 石様構造物としてとらえることができた。

    IV考  察

1.骨新生に関するHAの物性上の差異

  HAの物性 の差に関しては,porous HAでは,気孔の中まで豊富な骨新生の出現が確認され たが,dense HAでは接触面でのわずかな骨新生しか認められず,両者で骨新生量に大きな差 異を認めた。

2.骨新生に関するHAの移植部位による差異

  骨新生に 関する差異は,椎体部と比較 すると椎間腔でのHAの骨新 生はporous,dense HA の両者とも不良であった。この原因は,第一に椎間腔は可動性を有するため,この部位での骨新 生が著しく制限されたこと,第二は椎問腔移植部位での骨新生量は,豊富な海綿骨が存在する椎 体部に比し僅少であるという椎間腔の組織学的特性による,と考えられた。このほかに,本実験 では強度実 験を実施していないが,気孔率30%のporous HAの圧縮強度は,人緻密骨の約Xと 報告されており,この強度では,頭部の荷重を支持できず,骨新生のr足場」としての機能を果 た せ な か っ た と 推 測 さ れ , こ れ が 骨 新 生 の 不 良 の 大 き な 要 因 と 考 え ら れ た 。

    V結  語

1.ハイド口キシ アパタイ卜セラミックス(HA)の頸椎領域での移植の要否に関しての組織学 的検討を行った。

2. 椎体 部に 移 植し たporous HAでの 骨新 生 は, 移植4週でHAの表面および気孔内 部に認 められ,8週,24週でより豊富に認められた。porous HAは,骨補填材として頸椎椎体内にお いては使用可能で あることが確認された。

3. dense HAは 頚椎 領 域で の骨 補填 材, 骨 固定 材と して は適 さ ない こと が判明 した。

4.椎間腔部移植HAにおける骨新生は椎体部移 植と比較すると不良であった。頚椎領域での 椎 間 腔 固 定 材 料 と し て のHAの 臨 床 応 用 は , 種 々 制 約 が あ る と 結 論 さ れ た 。

68

参照

関連したドキュメント

   運動閾値に対して 74 %ならびに110 %の刺激強度を用いた連続3

[r]

炎 症組 織に 対する 応用が盛んに行われるようになった.本研究の予備実験として行った非 汚染環境下の検討で,線維長6011m のhigh porous ePTI:E 人工血管に大綱を被覆して門脈置 換

の有無について質問があった。申請者は共同研究者による細胞分離培養実験、In Situ PCR

5 匹の覚醒ラット(体重 260 ‑ 390g )に ArPSl00 〃 l/kg を1 回動脈内投与し肺動 脈圧の変化,投与前,投与後1 時間の血小板数,白ifn 球数を調べた.肺動脈圧は 投与 後 30

CD8+ 細胞の抗ウイルス効果とレては、感染細胞に対する抗原特異的な細胞障 害性T 細胞( CTL)

[r]

[r]