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Japan Advanced Institute of Science and Technology

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https://dspace.jaist.ac.jp/

Title 仲間の立場から人間の行動を誘導するゲーム AI に向けて

の考察

Author(s) 山田, 直央

Citation

Issue Date 2022-03

Type Thesis or Dissertation Text version author

URL http://hdl.handle.net/10119/17640 Rights

Description Supervisor:池田 心, 先端科学技術研究科, 修士(情報 科学)

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仲間の立場から人間の行動を誘導するゲームAIに向けての考察 2010184 山田 直央 近年では通信技術の向上により,通信遅延の問題などが緩和されたことで,

数フレームの通信の遅れが人間にとって不快になるようなゲームを,今まで より遠隔に住む人間で,しかもより大人数で遊べるようになってきた.その 恩恵を受けたゲームの中でも,マルチプレイ・シューティングゲームは国内・

国外問わず人気の高いゲームジャンルであり,e-sportsのひとつのジャンル としても人気が高い.

このジャンルで新たに遊び始めたいと考える人間は多いが,操作技術の 拙い初心者がプレイする場合,他の人間との実力差によりすぐに打ち倒さ れてしまい,楽しみながら試行錯誤し学ぶ機会を得る時間が少なくなる.ま た,ゲーム内にはそのゲーム特有のジェスチャーを利用した意思伝達が存在 するが,初心者はこの意思伝達を見逃してしまう場合も多く,意思伝達によっ てゲームのクリアに繋がる情報のやり取りがうまくいかない.このように,

ゲーム初心者は学習の時間もなく,仲間との意思伝達が円滑にいかないため にゲームを楽しめない場合がある.

もし機械が人間に伝わりやすい,人間らしい意思伝達を行えるようにな れば,人間に作戦を学ぶ取っ掛かりになるような行動をするように誘導する ことができ,作戦を学ぶ機会を多く提供できる.人間への適切な練習・教育 の環境の提供のために,言葉を介さない意思伝達をモデル化することが求め られる.

言葉を介さない意思伝達をモデル化するためには,「人間の意思伝達方法 の分析と再現」と「人間らしい意思伝達の利用方法の分析と再現」・「意思伝 達が相手に及ぼす効果の分析と再現」が必要である.本研究では,このうち の1つである「人間らしい意思伝達の利用方法の分析と再現」を目的として 行っている.

この目的のために我々は,人間らしい意思伝達が発生しやすい条件として

「人間プレイヤの持つ情報に差があること」・「仲間の行動が見やすいこと」・

「行動空間の幅と時間的余裕がある事」の3つを検討し,意思伝達の発生し やすい実験環境を自作した.また,この実験環境では,意思伝達を1ボタン で行えるようにすることで,いつ意思伝達をしたかというラベル付けを簡単 にしている.なお,本研究で取り扱う意思伝達は,ステージ選択中・アイテ ム出現中・戦闘中の3つの状況についてそれぞれ2通り(2ボタン)の計6種 類とした.

この実験環境から約1351分の人間の行動データを収集し,その行動デー タを使って,ゲーム中のどのタイミングでどの意思伝達が行われるかを出力 とする教師あり学習を行った.学習のネットワークにはC-LSTMという,畳 み込み層とLSTM層をつなげたものを使用した.入力データには86×43の マップデータと,56のマップデータ以外のデータを使用した.マップデータ

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は畳み込み層から入力し,そこで得られた出力をマップデータ以外のデータ と結合してLSTMに入力した.また,出力データは「意思伝達をしているど うか」・「意思伝達ボタン1を押しているか」・「意思伝達ボタン2を押してい るか」の3パラメータとした.

この教師あり学習を,入力データから一部の情報をマスクして行ったり,

入力データの時間長さを変えたりして行った.そして,ここで得られたネッ トワークの予測精度を比較し,タイミングの予測が「どの人間が組んでいた か」の影響を強くうけること,入力データが500フレーム分(50秒分)であ るときより100フレーム分(10秒分)の方が精度が高いことを確かめた.予 測を行った中で,最も高かったF値は 0.306で,決して高い値とは言えない が,そもそも人間の間でも「押す押さない・早い遅い」には差があることも わかっており,これだけで性能が悪いということはできない.

人間にとって提案手法のタイミングが自然であるかを確かめるための実 験も行った.人間の行動データで,「実際に意思伝達が行われていたタイミン グ」と,「機械学習で予測された意思伝達が行われるタイミング」の動画を作 成し,人間に対し,次の瞬間に意思伝達を行うかの被験者アンケートを行っ た.「実際に意思伝達が行われたタイミング」の正解率は62.7%,「機械学習で 予測された意思伝達が行われるタイミング」の正解率は55.0% であった.結 果として,提案手法の予測するタイミングの自然さは,人間のタイミングに 比べて劣っていたが,0.306というF値の値から受ける印象よりは,人間に とってずっと自然な意思伝達をしていたことが明らかになった.このように,

本研究の目的はある程度達成されたと考えている.

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