• 検索結果がありません。

博 士 ( 医 学 ) 渥 美 達 也 学 位 論 文 題 名

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "博 士 ( 医 学 ) 渥 美 達 也 学 位 論 文 題 名"

Copied!
6
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

博 士 ( 医 学 ) 渥 美 達 也

学 位 論 文 題 名

ループス腎炎におけるtumor necrosis factorロ(TNFロ)に関する検討     ―遺伝子多型性とTNFロ産生能にっいて―

学 位 論 文 内 容 の 要 旨

    I  目  的

  Tumor necrosis factor(TNF)ロは、 炎症反応、 免疫反応に 関し て多 様 な生 物 活性 を 有す る サイ ト カイ ン で、ヒトTNFa遺伝 子は第6 染色 体 短腕 上 のHLA遺 伝 子の ク ラ スI領 域とクラ スu領 域の間に位 置 している。 今回、日本人SLE患者のTNFゼ遺伝子のrestriction frag− ment length polymorphism(RFLP)と臨床症状およびHLAの比較、さら に末梢血単 核球(PBMC)のTNFゼ産生能 、腎のTNFdmRNAの発現を検討 し 、 ル ー プ ス 腎 炎 に お け るTNFa、HLAの 関 与 に っ き 考 察 し た 。

    u  方法

  ARA分類基準を 満たすSLE患者を対象 とした。患 者末梢血自 血球か らDNAを抽出し、その10ロgを制限酵素NcoIで切断後、O.8%アガ口一 スゲ ルでTBEーbuf ferを用い て35Vで約18時間電気泳動した。ナイロ ン膜にtransfer後、32Pでラベルしたヒ.トTNFゼのcDNAをhybridizeし 洗浄 後1.5〜7日問X線フアルム にexposeし、RFLP bandを 得た。HLA タイ ピングは、lymphocyte microcytotoxicity testに より行ったo   患者 単核球のTNFロ産生能 を検討する 目的で、106/mlのPBMCをLPS

164

(2)

5 g/mlLPS  10g/mlLPS  lOg/mlお よびConA  10g/ml、無添 加 の 群 に 分 け 、5% C0237℃ で260時 間培 養 し 、上 清 を回 収 し た。

TNFば は 、 ヒ トTNFdELISAキ ッ 卜 (ENDGEN社 、BostonUSA)を 用L て 測定した。

  腎に お け るTNFamRNAの 発現fま、

例 の 凍 結 腎 よ りmRNAを 抽 出 し 、Dot し た 。

SLE患 者5例 、 重 症 感 染 症 患 者1 blot hybridizationに より 検 討 尿 蛋 白は 、 全 経過 中 もっ と も 多量 の 時期 の デ ータ を 用 いた。

    m  結果

  制 限 酵 素NcoIによ っ て2種 類のTNFRFLP band10. 5kb5Skb が 得 ら れ た 。SLE群 、RA群 、 お よ び 健 常 人 群 の 間 に はTNFaRFLP bandphenotypeの 頻 度 お よ び そ れ ぞ れ のRFLP bandの 出 現 頻 度 は 、 3者 間 に 有 意 差 は な か っ た 。 し か し 、 SLEの 臨 床 症 状 とTNFaRFLP bandの 相 関 を 検 討 し た と こ ろ 、55kb band陽 性 群 では 、O5g/日 以 上の 持 続性 蛋 白 尿の 陽 性率 は48. 7%19/39)で あり、55kb band陰性 群の20. 0%7/35)に比べて有意に高かった(ズz=5. 96:p<0. 05)。さら に 、 尿 蛋 白 量 と そ れ ぞ れ の5 5kb band陽 性 率 の 関 係 で は 、 尿 蛋 白 O5 g/日以下の群では55kb band陽性率は41. 7:620/48)、0.5ー3.5 g/日の群で は61.5%(8/12)、3.5g/日以上の群では84. 6%(11/13)であ り 、 尿 蛋 白 が 増え る ほ ど5 5kb bandの 陽 性 率が 上 昇 して い た。 腎 生 検 の 組 織 型 分 類 とTNFRFLP bandの 関 係 に つ い て も 検 討 し た が 、 両 者 に 相 関 は 認 め な か っ た 。 次 に 、SLE患 者 のTNFa55kb RFLP band HLAと の 関 係 を 検 討 し た と こ ろ 、55kb bandHLA B44DRw13 DQwlハプ口タ イプとの間には正の相関が認められた(p―ーO017)。この HLAハ プ 口 タ イ プ を も つ6例 は 全 例TNFa55kb bandを 有 し て お り 、 さら に この う ち66. 7%4/6) が ネ フロ ー ゼ 症候 群 で、 このハ プ口タイ プを も たな い 群 のネ フ 口ー ゼ症候群 陽性率17. 1%6/35)に比べ て極め て高率であった(Z z=12. l:p<0. 01)。

  次 に 、 健 常 人 のPBMC培 養 の 結 果 、LPSlOu g/mlConAlOU g/ml添 加 群 のTNFd産 生 量 が 最 も 多 く 、 約24時 間 で プ ラ ト ー と な っ た 。 そ こ で こ の 条 件 下 で 健 常 人17人 お よ びSLE患 者57人 のPBMCを 培養 し 、上 清 中 TNFa濃 度 を 測 定 し た 。 健 常 人 の 培 養 上 清TNFd濃 度 平 均 は870 29 9pg/mlSLE患 者群 で は902531pg/mlで あり 、SLE患者 と 健常 人 の

(3)

間 に はTNFa産 生 能 に は 差 が な か っ た 。 ま た 、TNFd5.5kb RFLP bandとTNFa産生 能の 関係 では、健常人群では相関を認めなかったが SLE群では、5.5kb band陽性者21人では1,103土533pg/ml、陰性者16 人では773土446pg/mlで、5.5kb band陽性者のTNFゼ産生能は陰性者 に比べて亢進している傾向が見られた。さらに、SLE群にっいて、各 臨 床 症状 とPBMCのTNFゼ 産 生 能 と の相 関 を 検 討 し た 。 培 養 上清 の TNFゼ 濃 度 が 、SLE患 者 の 平 均値 で あ る902pg/ml以 上 の 群をHigh TNFゼinducibility群 (H群 :n=22)、902pg/ml未 満 をlow TNFゼ inducibility群(L群 :n=32)と定義し、それぞれの群と臨床症状の 有無とを比較したところ、O. 5g/日以上の持続性蛋白尿の頻度は、L 群にくらべてH群が有意に高かった(ズ2=5. 08:p<0. 05)oCH50、抗 DNA抗体 価、prednisolone投 与量 にっい ては 、L群とH群との 間には 有意差は認めなかった。また、HLA B44―DRw13−DQwlハプロタイプ陽 性者4人中3人tまH群に属していた。

  腎 におけ るTNFゼ遺伝 子の 発現では、重症感染症例では腎にTNFゼ mRNAの発現 がみ られ たが 、ループス腎炎においてはいずれの症例で もTNFゼmRNAの発現は認めらなかった。

    IV  考案

  制 限 酵 素NcoI処 理 に て 、10. 5kbと5.5kbの2種 類の ヒトTNFaRF LP bandが得られ、SLE群でtま、持続性蛋白尿の陽性例で5. 5kb band が有意に多く出現しており、尿蛋白の程度に相関して5.5kb bandの 出現率が高くなっていた。さらに、HLA B44−DRw13ーDQwlとTNFゼ5.5 kb RFLP bandは、日本人SLE患者では強く連鎖していることが示され B44―DRw13−DQwlハプロタイプとTNFa5.5kb bandをもっSLE患者には 非常 に高 率に 多量の 尿蛋 白を 伴うループス腎炎の発症がみられた。

すなわち、HLA B44―DRw13−DQwl、およびTNFa5.5kb bandをもつ一 群が、ル―プス腎炎発症および重篤化のhigh risk groupであると考 えられた。

  次 にSLE患 者のPBMCのTNFd産生 能を 調ベ 、その 結果 、統 計学 的に 有意差は認めなかったが、5. 5kb band陽性者のTNFゼ産生能は陰性者 に比 べて 亢進 してい る傾 向が 見ら れた。 さら に、SLE患者 をTNFa産 生能 に応 じてH群 、L群に わけ 、SLEの 各臨 床状と の相 関を 調べ たと ころ、H群はL群に比べてO. 5g/日以上の蛋白尿陽性者が有意に多く

‑166

(4)

さら にHLA B44−DRw13ーDQwl陽性 者4人中3人 がH群に 属し ていた。

  以上より、ル―プス腎炎がTNF口を含めたハプ口タイプと関係して いる司能性が考えられた。ループスマウスにおいても腎炎とTNFゼの 関係 にっ き多 く報告 され ているが、TNFaの動態にっいては相反する 報告もあり、いまだ一定の見解は得られていナょい。従って、ループ ス腎炎においては、TNFゼが単純に欠乏あるいは過剰であるという関 係で はな く、TNFdが 複雑 なサイトカインネットワークのー部を担つ てお り、TNFゼ、HLAを含 めた多くの因子が腎症の発症や重症化に関 与 し て い る と推 定 さ れ た 。 ま た 、TNFゼRFLPと 蛋 白 尿 の 相関 は、

TNFaの 産 生 量あ る い は 生 物活 性と 関係し てい る可 能性 、またTNFa 遺伝 子と 連鎖 して存 在し ている他の因子の遺伝子の影響を反映した ものの可能性も考えられた。

    V  結言吾

  日 本人SLE患者 では 、NcoITNFゼ5.5kb RFLP bandは、HLA B44ー DRw13−DQwlとハプロタイプを形成していた。さらに、5.5kb band陽 性者のPBMCによるTNF口産生能は陰性者に比ベ亢進している傾向がみ られ、TNFa産生亢進群には尿蛋白陽性者が多かった。5.5kb band陽 性率 は尿 蛋白 量と相 関し ており、以上より、ループス腎炎の発症、

重 症 化 に はHLA、TNFゼ が 関 与 し て い る 可 能 性 が 示 唆 さ れ た 。

(5)

学位論文審査の要旨

学 位 論 文 題 名

ル ー プ ス 腎 炎 に お け る tumor  necroslSfaCtora      TNFa) に 関 す る 検 討

  遺 伝 子 多 型 性 と TNFa産 生 能 に つ い て   

  Tumor necrosis factorTNFaは 、 炎 症 反 応 、 免 疫 反 応 に 関 し て 多 様 な 生 物 活 性 を 有 す る サ イ ト カ イ ン で 、 ヒ トTNFa遺 伝 子 は 第6 色 体 短 腕 上 の HLA遺 伝 子 の ク ラ ス I領 域 と ク ラ ス H領 域 の 間 に 位 置 し て い る 。 今 回 申 請 者 は 、 日 本 人 SLE患 者 の TNFば 遺 伝 子 の rest riction fragment length polymorphismRFLP) と 臨 床 症 状 お よ ぴ HLAの 比 較 、 さ ら に 末 梢 血 単 核 球 (PBMC) のTNFば 産 生 能 、 腎 のTNFa mRNAの 発 現 を 検 討 し 、 ル ー ブ ス 腎 炎 に お け る TNFa HLAの 関 与 に つ き考 察した。

  その 結果、

1) 制 限 酵 素 NcoIに よ っ て 2種 類 の TNF RFLP band 10‑ 5kb 5 5kb) が 得 ら れ た 。SLE群 、RA群 、 お よ び 健 常 人 群 の 間 に は 、TNFa RFLP band phenotypeの 頻 度 お よ ぴ そ れ ぞ れ のRFLP bandの 出 現 頻 度 には 有意差は なかっ た。

2 SLEの 臨 床 症 状 とTNF RFLP bandの 相 関 の 検 討 で は 、 55kb bandの 出 現 頻 度 が 尿 蛋 白 の 程 度 と 相 関 し て い た 。 す な わ ち 、 尿 蛋 白 O 5g/ 日 以 下 の 群 で は55kb  band陽 性 串 は41. 7%2048) 、O5 3. 5g/ 日の群 では61. 5%(812)、3.5g/日以上の群では84. 6%(1113)で あ り 、 尿 蛋 白 が 増 え る ほ ど5  5kb bandの 陽 性 率 が 上 昇 し て い た 。

3  次 に 、SLE患 者 の TNF55kb RFLP bandHLAと の 関 係 を 検 討 し た と こ ろ 、5.5kb bandHLA B44DRw13DQwl)¥プ ロ タ イ プ と の 間 に は 正 の 相 関 が 認 め ら れ た (p O 017) 。 こ のHLAハ プ ロ タ イ プ を も つ 6例 は 全 例TNF5 5kb bandを 有 し て お り 、 さ ら に こ の う ち 66. 7%

46) が ネ フ ロ ー ゼ 症 候 群 で 、 こ の ハ プ ロ タ イ プ を も た な い 群 の ネ フ ロ ー ゼ 症 候 群 陽 性 率17. 1%635) に 比 ぺ て 極 め て 高 率 で あ っ た (X2   12.1pく001)

‑168 ‑

一暹 章 昌

…お 飄 中葛 大 授授 授 教教 教 査査 査 主副 副

(6)

(4) 健常 人 のPBMC培 養では 、LPS10皿g/ml十ConAlopg/ml添加 群の TNFa産生 量が最 も多 く、 約24時 間で プラ 卜ー となったので、この条 件下で健常人17人およびSLE患者,57人のPBMCを培養し、上清中のTNF ば濃 度を 測定し たと ころ 、SLE患 者と 健常人 の間にはTNFぱ産生能に は差がなかった。

(5)TNFa5.5kb RFLP bandとTNFa産 生能 の関係 では 、健 常人 群で は相 関を 認めな かっ たが 、SLE群 では 、5.5kb band陽性者21人では 1,103土533pg/ml、陰性者16人では773土446pg/mlで、5.5kb band陽 性者 のTNFa産生 能は 陰性 者に比 べて 亢進 して いる傾向が見られた。

(6)さ らに 、SLE群 につ いて、 培養 上清 のTNFぱ濃度がSLE患者の平 均 値 以 上の 群 をHigh TNFぱinducibility群 (H群 :n=22)、そ れ未 満 をlow TNFばinducibility群(L群 :n=32)と定 義し 、そ れぞ れの 群と臨床症状の有無とを比較したところ、O.5g/日以上の持続性蛋白 尿 の 頻 度 は 、L群 に く ら べ てH群 が 有 意 に高 か っ た (X 2=5.08: p<0. 05)。CH50、抗DNA抗体 価、prednisolone投与量については、L 群とH群 との 間には有意差は認めなかった。また、HLA B44−DRw13− DQwlハ プ ロ タ イ プ 陽 性 者 4人 中 3人 は H群 に 属 し て い た 。

(7) 腎 に おけ るTNFa遺 伝 子 の 発 現 で は 、重 症 感 染 症 例 で は 腎 に TNFばmRNAの 発現がみられたが、ループス腎炎におぃてはいずれの症 例でもTNFamRNAの発現は認めらなかった。

  以上の結果、

  日 本 人SLE患者 では 、NcoITNFゼ5.5kb RFLP bandは、HLA B44− DRw13−DQwlとハプロタイプを形成していた。さらに、5.5kb band陽 性者 のPBMCによ るTNFぱ産生能は陰性者に比ペ亢進している傾向がみ られ、TNFぱ産生亢進群には尿蛋白陽性者が多かった。5.5kb band陽 性率 は尿 蛋白量 と相 関し ており 、ル ープ ス腎 炎の発症、重症化には HLA、TNFaが関与している可能性が示唆された。

  ル ープ ス腎炎 にお ぃて は、TNFaが 単純 に欠 乏あるいは過剰である とい う関 係では なく 、TNFaが複 雑な サイ 卜カ インネッ卜ワークの一 部 を 担 って お り、TNFa、HLAを含 めた 多く の因子 が腎 症の 発症 や重 症化に関与していると推定された。

  試問に際し、

  葛 巻 教 授 よりTNFaRFLPの 疾 患 特 異 性 につ い て 、SLEと 健 常 人 の HLA B44―DRw13―DQwlハプロタイプの出現頻度の違いについて、また TNFぱの 腎症 への 関与の 機序 につ いて の質問 、大河原教授よりTNFゼ 5. 5kb  RFLP  bandと生命予後との関係、治療上の指針となるかどうか の 可 能 性に つI、 ての 質問、 吉木 教授 より 健常人 にお けるTNFa5.5 kb RFLP bandと連鎖 する ハプ ロタ イプに つい て、 またTNFば5.5kb RFLP bandとHLAを含 めた ハプロ タイ プ上 の腎 症と関係している要素 につI、 て質 問・意見があったが、申請者は概ね適切な答弁をした。

  以 上 に よ り 、 本 論 文 は 学 位 授 与 に 値 す る も の と 判 定 し た 。

参照

関連したドキュメント

[r]

   さらに、in vivo や臨床研究を行うことにより、軽度・中等度低体温の脳保護効果の役割をさらに解

19 例 ( 44 %)に みられ た。Cox 比例ハザードモデル分析の結果、AF 事故では FPV/E が、 VT 事 故ではIVST が 、 HF 事故 でFPV/E が、また 総心事故 につい ては、LAD

[r]

[r]

選 択的 kappa 受容体リガンドであるU‑50 ,488H とnor‑BNI それ自身はラットの呼吸循環 系 に何 等影 響を 及ぽ さな かっ た。 これ らの結 果は 、麻 薬系 鎮痛 剤に おいて生じる呼

[r]

[r]