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博士(獣医学)池田卓也 学位論文題名

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Academic year: 2021

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     博士(獣医学)池田卓也 学位論文題名

ラ ッ ト 肝 細 胞 膜 特 異 抗 体 に よ る 肝 障 害 に 関 す る 実験 的研 究

学 位 論 文 内 容の 要 旨

  

ウイ ルス肝炎を含めた種々の肝 障害において,その発生およ び進展に免疫反応の関与が 指摘されている.特に,肝細胞膜上 に存在する臓器特異抗原と ,これに対する抗体を介した免疫反 応が,肝細胞障害の発生と 進展に深く関わる事が示唆されてい る,しかし,多くの精力的 な研究にもかかわらず,肝障害の発 現に対する肝特異抗原の果たす役割については不明な点が多い。

本論文では,肝障害の発生 に対する免疫学的機序の関与を採る ために,ラッ卜の肝細胞膜 抗原に対する単クローン抗体を用い て の 実 験 的 研 究 を 行 い , 以 下 の 成 績 を 得 た .

  

  

ラッ ト 肝細 胞膜 に存 在す る 分子 量105,000の糖 蛋白質抗原

(RLSA)を認識する,ハイブリ.ドーマ・RM―1株由来のIgM型モ ノクローナル抗体(MoAb)を用い,RLSAの種および臓器特異性 ならびに個体発生過程にお ける発現を免疫組織化学的に検討し た.その結果,ラッ卜では 本抗原は肝細胞膜にのみ認められ,

他の臓器,組織には検出さ れなかった.この抗原は肝細胞表面 を構成する類洞,細胞間お よび毛細胆管側面の膜に均等に存在 し,細胞質内には検出され なかった.また,分離肝細胞の超微 形態学的観察により,RLSAは微絨毛を合む細胞膜表面に存在す ることカi確認された,RLSAはマウス,ウサギ,モルモット,イ ヌ,ネコ,ウシ,ニワトリ,サルおよび.ヒトの肝組織には存在

(2)

しなかった.以上の所見から,

MoAb

により認識される抗原は,

ラット肝細胞膜にのみ存在する,臓器および種特異的な抗原で あるとみなされた.

  

ラット の発生 および 成熟過程 におけ るRLSAの発現を検討し た結果,この抗原は妊娠

18

日齢以前の胎子肝には検出されず,

妊 娠

19

日 齢から の幼若 肝細胞の 接合部 の膜に 発現していた・

こ の抗原 量は生 後急速 に増加し ,生後

25

日で は肝細胞膜全周 に 認めら れるよ うにな り,以後 検索し た

22

週 齢まで変化なく 観察された.RLSAは,成熟ラッ卜において|ま,肝小薬の門脈周 囲,中間帯,中心静脈周囲に存在する肝細胞膜の全周に均等に 観察され,肝小葉内における抗原の局在は認められなかった・

  RLSA

を認識する

MoAb

・を用い,ラットの初代培養肝細胞に急 性壊死性変化を誘導した.すなわち,補体源としてのラット新 鮮血清の存在下゛で肝細胞培養液に

MoAb

を添加した結果,MoAb の 濃度に 依存して肝細胞逸脱酵素

lactate dehydrogenase

が急 激に上昇した,この細胞障害は,補体非存在下では発生しなか ったことから,抗原抗体反応により活性化された補体によって 誘導されたものと考えられた・

  

形態学的には,

MoAb

添加後速やかに細胞表面に多数のブレブ が形成され,細胞内小器官の変性が細胞表面から細胞中心部へ と進行していた,ブレブ内には細胞内小器官はほとんど認めら れず,これは種々の薬剤性肝障害で形成されるブレブの形態と は異なっていた,本障害は補体の腹への直接的侵襲によるもの であり,間接的に膜障害が惹起される薬剤性障害とは成因的に 異なるようであった.一方,肝細胞膜の形態的変化に先行して 細胞膜直下に変性した細胞骨格とみなされる線維様構造が認め られた,したがって,補体による膜侵襲の過程では,細胞内に

(3)

流入した

Ca2

゛により細胞骨格系に破錠が生じ,これが細胞膜 断 裂 を 伴 っ た 変 化 の 一 因 を な す も の と 考 え ら れ た ・

  MoAb

をラットの尾静脈に投与することにより,肝臓に一過性 の劇症型肝炎が誘発された.すなわちMoAb投与直後から,肝 小葉中間帯および門脈域に,充出血を伴った肝細胞の融解壊死 巣が多数形成された.この壊死巣には炎症性細胞浸潤は認めら れなかったが,

MoAb

と補体第

3

成分C3の沈着を認めた,血清中 のMoAbは投与直後から急速に低下し,投与後30分以降では検 出されなかった.血清中補体価はMoAb投与直後から急速に低 下し,投与後10分で最低値に達したが,以後漸次上昇し投与 後4時間には正常値の

50%

まで回復した,一方,コブラ毒ファ クターによって補体系を枯渇させたラットにおいては,M oAb投 与による肝障害の発生は認められなかった・

  M oAb

投与後

1

時間から,12時間まで,壊死巣は次第に拡大し たが,この時期の肝細胞の壊死は凝固壊死であり,壊死巣には

C3

の沈着はなかった.また血清中からはMoAbが消失し,補体 価は回復傾向を示した.以上から,

MoAb

投与1時間以降に生じ る肝細胞の凝固壊死は,融解壊死による局所的な微小循環障害 の結果生じるものと考えられた.

  

一方,血清中の肝細胞逸脱酵素aspartete aminotransferase

(AST),alanine  aminotransf erase(ALT)はMoAb投与後急速 に上昇し ,投与

12

時間後には最高値に達した.しかしAST,

ALT

|ま

MoAb

投与3日後には正常値に復した.病理組織学的には

MoAb

投与後

12

時間以降では肝細胞の壊死性変化は終息に向か い,肉芽組織による置換を経.て瘢痕化した.なおMoAb投与後

3

週目 では, 肝臓組織像は正常であった.以上の成績から,

MoAb

によるラットの肝細胞の壊死は,抗・原抗体反応により誘発

(4)

されたキm体の活性化により引き起こされるものと考えられた.

  

以 上,RLSAを認 識するMoAbと肝 細胞膜との抗原抗体反応に 基づく,補体依存性細ー胞融解(complement−dependent cyto−

toxicity:CDC

)により,急性の壊死性肝細胞障害が惹起される ことを示した.これまでに多くの肝細胞膜特異抗原を認識する 抗体 が報告 されて いるが, これら の抗体による肝細胞障害性 は示されていない.本研究において確立した肝細胞障害の実験 系は,肝細胞膜特異抗原と液性免疫因子との関与によって生じ ると推洞されている肝障害,例えば劇症型肝炎の発症機序の解 明 に 極 め て 有 用 な モ デ ル に な る も の と 考 え ら れ る .

(5)

学位論文審査の要旨

    学他論 文腦 名

ラ ッ卜 ハ1‐荊 川J包 ‖炎 !I#う せわ ヒ1本に よるn ̄1| ;江讐fに|矧する災験的りfシヒ

  本 研 究 で は 、 ラ ッ ト のJJrIJJ'dl JL:!に 存 在 す る 分 子 畳 】05000の 枇 蛋 白 質LLb,(11 1」SA)を認 |池 する1gM聾|J.モノ ク口 ―ナルL'Pb:(MoAb)を 用い 、UL Ii,iliL'Ph:

反応 によ って亅J;i1雌害 の起こ るこ とをIリJらか にし た。

  1く1. ,S八 は ラ ット の 亅 亅 ・l‐gflllJJ亅 炎 に の み 認め ら れ 、 こ のlr:IIIJi'dt彊 、 亅 亅l:議 以 外 の 荊 川 包

・ 荊 .t織 、 他 の 励 物 : 、1¢ び に ヒ ト の あ ら ゆ る8111)Jに は 認 め ら れ な い'rsH『 | ′ 、Jな ゎ .c肌 ( で あっ た 、この 抗原 は、胎 齢19口 からHj現し 始め、 生後25日以 降ではJJr荊1‖J包JJ葵 仝

J問 に及ん で存7FしたlI

  ラ ッ ト の 初f 野 ヨ 缶 亅 亅 :I. 荊lIJ胞 のJ 捲 養 液 に 、MObと 、 和n1 泓 〔 と し て ラ ッ ト 新 角f

.Irllね|jを添カ ‖し たキ|li冫に 、J亅I‐荊 川J包に坡タピ.1型:変化が±|ニじた.,しかし、この′将j聖み藍にh6 仆源 を添 加しな い場 合には 、JJ1‐ 荊‖ 胞蛾死 は誘 導され なか った. ・

  Mobを ラ ッ ト のJEi伽 脈 内 に 投 与 し た 茄 − 泉 、J亅 ・l‐ 臓 に 多 発 性 域 死 巣 が 一 過 ・ ピl にA悉発さ れた 。づ. なわ ち、域 死巣 はMO八b投与後 血ち に起こ り、1211暑|flJまで

j広 人し、J災後 修j鎚に |句 かったl、MO八bj殳与 後JilI】川の 壊死 欒には 、Mn八h ね6体成分 じごIの沈着 を総 めたが 、llJふ |‖J後の 坡死巣 にはC^の沈 着は なかっ た( 、

   flf肖 |1| のMobは 、 投 与 後10分 で 最 低 1| 虹 に 述 し 、 以 後 漸 次 上 昇 し 、 投 与 後 イ ‖ 、0川 で 正 ↑ ;010150% ま で 匝lj鉅 し た 。 一 方 、 コ ブ ラi缶 フ ァ ク ク ー に よ っ て キm

敏誠 昭之 智

   

文 昌 倉 村 藤 藤 板 杉 佐 斉 授 授 授 授 教 教 教 教 査 査 査 査 主 副 副 副

(6)

系を'fiii沁させたラットにおいて1よ、M()八b投与によるJJi:lf,iii胞壊7/Lは誘発され

ti ij   ‑)  t‑ "ま  t‑ .    I(ILiilJ ili a) nl:!f:IIIJJ'rliE)ll;Zn筆索;lsixirLn t.cこlm i11()L rans「c rascと;l Iミ1.ー

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参照

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