地域教材を視点にした中学校社会科公民的分野の授業開発:―経済単元を手がかりにして―
180
0
0
全文
(2) 目次. 序章 研究の目的と方法・………………・………………・・… ………………・…1. 第1章中学校社会科公民的分野経済単元における地域教材の性格と課題・………………・… 6 第1節中学校社会科公民的分野経済単元における地域教材の性格…・・……………… …・6 1.中学校社会科公民的分野経済単元の性格・…・…・……… …・…・・…………・… 6. 2.中学校社会科公民的分野経済単元で取扱われる地域教材の性格…・…………・…・…14. 第2節中学校社会科公民的分野経済単元における地域教材の課題……・…・…・・…・……・21 1.中学校社会科公民的分野経済単元の課題……… ……・・・… …… …・・…・…・… 21 2.中学校社会科公民的分野経済単元で取扱われる地域教材の課題・・…・・…・・……・・・… 27. 第H章地域教材を視点にした中学校社会科公民的分野経済単元における実践の類型と構成・・……34 第1節地域教材を視点にした中学校社会科公民的分野経済単元における実践の類型・…・……・34. 1.経済単元における実践事例の類型視点・…・……・…・…… …………・……・・…34. 2.経済単元における実践事例の類型結果・・…………・……・……・…………・・…38. 第2節地域教材を視点にした中学校社会科公民的分野経済単元における実践の構成・…・……・41. 1.経済単元における地域手段社会認識型実践事例の構成… ……・………… …・……41 2.経済単元における地域手段社会参画意識育成型実践事例の構成……・…… ……・・…53 3.経済単元における地域目的地域理解型実践事例の構成… …・…・・…・…… ………・59 4.経済単元における地域目的地域住民意識育成型実践事例の構成… …・・……… …・…72.
(3) 第皿章地域教材を視点にした中学校社会科公民的分野経済単元における授業モデルの開発・・……82 第1節単元「淡路瓦産業と社会における企業の役割と責任」における授業モデルの開発… …・・…・82 1.単元「淡路瓦産業と社会における企業の役割と責任」における授業モデルの開発視点・・……・82 2.単元「淡路瓦産業と社会における企業の役割と責任」における授業モデルの開発事例…・…・・85. 第2節単元「豊かな生活を営むための国や洲本市の役割」における授業モデルの開発・・・……・・…94. 1.単元「豊かな生活を営むための国や洲本市の役割」における授業モデルの開発視点…・……94 2.単元「豊かな生活を営むための国や洲本市の役割」における授業モデルの開発事例……・… 96. 終章研究の成果と今後の課題・…・…・………・・・・… …・……・…・… …・…………104. 参考文献. 資料.
(4) 序章 研究の目的と方法. 序 章 研究の目的と方法 従来から、中学校社会科公民的分野の学習では、抽象的な表現や高次な内容 を取扱うことから、学習者の授業への主体的な関与や授業における知識の獲得に関 して大きな問題を抱えていると指摘されてきた。このような公民的分野が持つ性格に 基づく根本的な課題を改善するべく、学習者にとって「身近で具体的な事柄」を教材 化することによって教材を通して学習内容について学習者との関わりを意識させること. が図られてきた。「身近で具体的な事柄」は学習者の経験や体験と密接に結び付き、 学習意欲を喚起させるとともに、学習者の既得知識を生かすことができるという学習 方法的利点から上記のような課題に対して有効性を示してきた1。そのような意味では、. 学習者の生活空間における社会的事象を素材とする地域教材は、学習者の生活や 経験と社会的事象との関わりが感じられやすいことから有効な教材の一つとして考え. られ、その有効性が多くの社会科教育研究者や実践者から指摘されてきたと言える. 2。しかし、小学校の社会科や中学校の地理的分野・歴史的分野における地域教 材の研究3に比べると、中学校社会科公民的分野やその中に位置付く経済単元に おける地域教材の教材構成や授業構成に関する研究は比較的少ないと思われる。 このような点に本研究の意義を見出すことができる。. また、中学校社会科公民的分野において地域教材が取扱われた先行授業実践は、 次のような点を問題点として指摘できる。. 第1に、授業展開の中で導入段階や展開段階などのそれぞれの学習段階で部分 的に活用され、教材が持つ特性を十分に生かすことができないまま取扱われる点であ. る。例えば、授業の導入段階で地域教材を取り扱い、学習者の興味・関心を高め意 欲的な学習を行おうとするような事例がそれにあたる。このような授業では、地域教材. の特性が十分に生かされておらず、単なる学習方法改善としての活用となっている点. に問題がある。教材の特性を十分に生かすためには授業の中で学習内容の追究の 核となる中心的な位置に位置づけられなければならず、中心となる発問に対して密接 に関連する形で教材としての役割を果たしていく必要がある。そのため、従来からの実. 践にみられる興味・関心を喚起するためだけに活用されるような位置付けは教材の特 性を十分に生かしきれていないと言える。. 第2に、社会参画意識の育成を意図した教材の構成がなされていない点である。 社会一般に通じる法則や概念を習得するための手段として位置づけられ、社会が抱. えている問題の解決方法や改善方法を提案するような意識の育成が図られていない ことが指摘できる。教育基本法及び学校教育法に規定されている「公共の精神に基 1.
(5) 序章 研究の目的と方法. づき、主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養うこと」は、中学. 校社会科学習の究極の目標となる公民的資質の基礎と密接に関わるものであり、 「そもそも社会科には社会参画の視点が内在していることを示している」4と言える。平. 成20年版中学校学習指導要領では、「その重要性が今日に至って改めて見直され てきた」5ことから、社会参画の意識を高める学習が重視されたと言える6。. 平成20年1月に学習指導要領の改訂に先立って出された、中央教育審議会答 申「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の 改善について」では、社会科の改善の基本方針として「持続可能な社会の実現を目 指すなど、公共的な事柄に自ら参画していく資質や能力を育成すること」が示されて. いる7。この中で示された公共的な事柄への参画とは、「社会で生じている様々な問 題に常に関心を持ち、それらと自分の生活との関係を理解したうえで積極的に関与 していき、問題の解決へ向けて取り組むこと」を意味している8。特に公民的分野では. 義務教育における社会科の最後の学習内容となる。そのため、分野全体や単元のま. とめなどに学習者の社会参画意識の育成を意図した授業を設け、地域が抱える切 実性の高い社会問題や地域社会の持続的な発展に関わる課題を探究させていく必 要がある9。そこで、現代社会が抱える課題について意欲的に追究し、より良い社会 の形成に向けて判断し、方策を提案する力を伸ばしていく授業構成について明らか にしなければならない。. 以上のような問題を改善していくために、地域教材を視点にした授業構成を考え ていくことを授業構想の視点に据えている。現代社会では、地域社会の役割が急速 に拡大している傾向にある。一方でグローバル化によって、経済は一層ダイナミックに. 展開していると言える。他国の経済情勢や海外の多国籍企業の動向が自国経済や 市区町村レベルの地域経済にまで影響している。そのため、「多様な地域が存在し、 そこで生じている経済上の問題は一見個別的で特殊なもののように見えるが、経済の. グn・一バル化が進めば進むほど、各地域の地域経済問題に共通する一般的な問題 が浮かび上がってくる」と考えることができる10。そのため、地域的特殊性と一般的共 通性との関連を軸に教材となる経済的事象を選択していくことが求められる。このよう. な見方で地域社会をとらえることができれば、地域の経済的事象を視点としながら現 代社会が抱える大きな経済的課題についてとらえさせることができるのではないだろう か。. 以上の問題意識から、本研究ではこれまでの経済単元における授業の課題や地域. 教材の活用に関する課題を明らかにし、地域教材を視点にした中学校社会科公民 的分野経済単元における授業開発を行なうことを目的とする。. 2.
(6) 序章 研究の目的と方法. 本研究の方法は以下の通りである。. (1)『平成10年版中学校学習指導要領』と『平成20年版中学校学習指導要領』 に基づいた社会科公民的分野経済単元の内容構成を分析し、それらの性格を 明らかにする。. (2)学習指導要領に基づいた経済単元の実践事例を分析・考察し、それらの抱える 課題を明らかにする。. (3)経済単元において地域教材が取扱われた実践事例を収集し、それらの実践が抱 える課題について指摘するとともに、実践事例の類型化を行い、授業構成上の特 性について明らかにする。 (4)(1)∼(3)の内容を踏まえて、これまでの実践が抱えていた課題を克服する地域教. 材を視点にした中学校社会科公民的分野経済単元の授業モデルを開発する。. 3.
(7) 序章 研究の目的と方法. 1茂木喬『社会科のキーワード身近で具体的な事柄を通しての経済学習』明治図書、 1993年、pp.17−19 2朝倉隆太郎『地域に学ぶ社会科教育』東洋館出版社、1989年、pp.10・12. 3小学校社会科における地域教材に関する研究としては次のようなものがある。 ・飯沼暢康「小学校社会科における地域教材の構成一日本生活教育連盟の社会 科授業実践をてがかりにして一」昭和63年度兵庫教育大学修士論文 ・西村康幸「地域教材に基づく小学校高学年社会科の単元構成とその開発一塁 域:事例活用と教材内容構成を視点にして一」平成10年度兵庫教育大学修士 論文. ・長谷川正編『地域教材の開発を通して社会認識を育てる授業の創造』東洋館. 出版社、1990年 ・松田薫「地域教材を活用した社会科のカリキュラムと授業の開発:加古川地域におけ. る独立型教材を手がかりにして」平成7年度兵庫教育大学修士論文 ・峯岸由治「『地域に根ざす社会科』実践における授業理論」昭和61年度兵庫教育 大学修士論文. 中学校社会科歴史的分野における地域教材に関する研究としては以下のよう なものがある。. ・鎌田隆男「地域素材を通して歴史の学び方を身に付ける中学校歴史授業開発 一港湾都市神戸を事例として一」社会系教科教育学会『社会系教科教育学研 究』第15号、2003年、pp.47−54 ・佐藤智子「地域素材を活用した歴史授業の開発一福島県会津地方を中心とし て一」上越教育大学『上越社会研究』第22号、2007年、pp.61−70 ・須賀忠芳「地域史からみる日本史教育とその試み一会津田島を素材に一」日 本社会科教育学会『社会科教育研究』第56号、2001年、pp.12−25 ・長野弾唄「中学校社会科における「身近な地域の歴史」学習に関する研究一 単元「上越からみた近代日本の歩みの作成を中心に一」上越教育大学『上越 社会研究』2007年目pp.71−80 ・森才三「『多元主義』歴史授業の可能性一地域から歴史を考える一」全国社 会科断育学会『社:会科研究』第58号、2003年、pp.21−30 ・森本晃弘「地域史との関連を視点にした中学校社会科歴史的分野の授業開発 一「近世の日本」と「現代の日本と世界」の単元を手がかりに一」平成21 年度兵庫教育大学修士論文 4唐木清志『社会参画と社会科教育の創造』学文社、2010年、p.14 5同上、p.14 6同上、p.6 7桑原敏典『社会科の指導計画作成と授業づくり』明治図書、2009年、p.10. 8同上、p.10. 9堀内一男他『中学校新学習指導要領の展開社会編』明治図書、2008年、P.21に 4.
(8) 序章 研究の目的と方法. は社会参画を意図する学習のねらいについて次のように書かれている。. 社会参画に関する学習については、社会科の目標となる平和で民主的な国家・社 会の形成者として必要な公民的資質を直接結び付くものであり、重要な改善点であ る。… (中略)… 公民的分野においても社会科の学習のまとめの項目が設けられた。. ここでは持続可能な社会の形成という視点から課題追究が行なわれるようになっており、 社会参画の手掛かりを得させることをねらいとしている。. 10岡田知宏著『地域づくりの経済学入門地域内再投資力論』自治体研究社、2005 年、P.17. 5.
(9) 第1章中学校社会科公民的分野経済単元における地域教材の性格と課題. 第1章 中学校社会科公民的分野経済単元 における地域教材の性格と課題 本章では、中学校社会科公民的分野経済単元における地域教材の性格と課題 について明らかにする。双方を明らかにするために、その前段階として研究対象となる. 中学校社会科公民的分野における経済単元の性格と課題についても触れておく。. 第1節 中学校社会科公民的分野経済単元における地域教材の性格 本節では、中学校社会科公民的分野経済単元における地域教材の性格につい て述べる。地域教材の性格を明らかにするため、予め中学校社会科公民的分野経. 済単元の性格について検討する。経済単元の性格に関しては、平成10年版学習 指導要領と平成20年版学習指導要領の記述内容から考察する。その後、明らかに なった経済単元の性格を踏まえ、経済単元における地域教材の性格について明らか にする。. 1. 中学校社会科公民的分野経済単元の性格 第1に、平成10年版学習指導要領(以下、現行学習指導要領)の記述内容から その内容に基づく経済単元の性格を明らかにする。. 最初に、目標について考察する。中学校社会科の目標は以下の通りである1。. 広い視野に立って、社会に対する関心を高め、諸資料に基づいて多面 的・多角的に考察し、我が国の国土と歴史に対する理解と愛情を深め、公 民としての基礎的教養を培い、国際社会に生きる民主的、平和的な国家・ 社会の形成者として必要な公民的資質の基礎を養う。 この目標を踏まえ、公民的分野の目標は以下のように定められている2。 (1)個人の尊厳と人権の:尊重の意義、特に自由・権利と責任・義務の関係. を広い視野から正しく認識させ、民主主義に関する理解を深めるととも に、国民主権を担う公民として必要な基礎的教養を培う。. (2)民主政治の意義、国民生活の向上と経済活動とのかかわり及び現代 の社会生活などについて、個人と社会とのかかわりを中心に理解を深め. 6.
(10) 第1章 中学校社会科公民的分野経済単元における地域教材の性格と課題. るとともに、社会の諸問題に着目させ、自ら考えようとする態度を育てる。. (3)国際的な相互依存関係の深まりの中で、世界平和の実現と人類の福. 祉の増大のために、各国が相互に主権を尊重し、各国民が協力し合う ことが重要であることを認識させるとともに、自国を愛し、その平和と繁栄 を図ることが大切であることを自覚させる。. (4)現代の社会的事象に対する関心を高め、様々な資料を適切に収集、. 選択して多面的・多角的に考察し、事実を正確にとらえ、公正に判断 するとともに適切に表現する能力と態度を育てる。. 公民的分野の目標は上記の4項目から成り立ち、「目標の(1)がこの分野固有の ねらいと基本的性格を示したもの」3である。そして、(2)と(3)が(1)を達成するためによ. り具体化して示された内容である。また、(4)は公民的分野で育成しようとしている能. 力と態度について示している。目標の記述内容と経済単元の直接的な関連をみてみ ると、目標(2)の「国民の生活の向上と経済活動とのかかわり… (中略:太田)… に. ついて、個人と社会とのかかわりを中心に理解を深めるとともに、社会の諸問題に着 目させ、自ら考えようとする態度を育てる。」という箇所が該当する。この内容から、経. 済単元の学習は「国民の生活の向上と経済活動とのかかわり」であることがわかる。 さらに、これらの学習内容について「個人と社会とのかかわり」を意識しながら取扱う. ことが示されている。社会生活を営む上では、あらゆる場面で個人と社会や共同体と のかかわりについて考えなければならない。この考え方の背景には、この関係について 考えていくことによってよりよい社会の形成を実現することができるとする考え方がある4。. 個人の活動と共同体との協調という問題は、経済的な内容で考えると個々の経済主 体の活動や各経済主体同士の関係によって発生する問題だと考えられる。これらの 問題に対して、ある見方や考え方に基づいてとらえ、自ら考えるような姿勢を育成する. ことが求められている。そのため、学習者自身の社会における経済的な役割を認識さ せるとともに、他の経済主体の経済活動についても理解させ、経済をとらえる見方や 考え方の基礎を養うことに最も根本的な学習のねらいがあると考えられる。. 続いて、内容構成について考察する。現行学習指導要領では、主として公民的分 野の内容(2)「国民生活と経済」で経済学習が行なわれる。そのため、この大項目が. 経済単元として位置づけられている。ここでは、その内容構成に基づく性格について 考察する。. 平成10年版の『中学校学習指導要領解説社会編』には、公民的分野経済単 元にあたる大項目「国民生活と経済」のねらいとして以下の事柄が記述されている5。. この大項目は、主として個人、企業及び国や地方公共団体の経済活動 7.
(11) 第1章 中学校社会科公民的分野経済単元における地域教材の性格と課題. を扱い、消費生活を中心に経済活動の意義を理解させること、市場経済の 基本的な考え方について理解させること、現代の生産の仕組みのあらまし について理解させること、市場の働きにゆだねることが難しい諸問題に対し. て国や地方公共団体が果たしている経済的な役割について考えさせること などを主なねらいとしている。. 上記の記述内容から考察すると、経済単元では主として家計・企業・国や地方公 共団体という経済を担う3っの経済主体の経済活動が内容として取扱われることがわ かる。各経済主体の経済活動を研究対象とするのはミクロ経済学の分野であることか. ら、中学校社会科公民的分野経済単元の内容は主としてミクロ経済学に関連する 内容が取扱われていると言える6。そして、ここでもこれらの内容は以下のようなねらい のもとに授業を構成する必要があることが示されている7。. 経済活動が我々の社会生活にあらゆる面で密接なかかわりをもっている ことを踏まえながら、今日の経済活動に関する諸課題について着目させ、 自ら考えようとする態度を育てることが大切である。. 上述した通り、経済単元では、個人と社会との関わりを意識させながら学習内容を 構成していくことが必要であり、現代社会が抱えている経済的な諸課題に対して、主 体的に考察・探究していこうとする態度形成を行なうことが求められているのである。. 続いて、中項目「ア私たちの生活と経済」「イ国民生活と福祉」について考察す る。中項目「ア私たちの生活と経済」では、この項目のねらいとして以下のような点が 挙げられている8。. 1.身近な消費生活を中心に経済活動の意義について理解させる。 2,価格の働きに着目させて市場経済の基本的な考え方について理解させる。 3,現代の生産の仕組みのあらましや金融の働きについて理解させる。. 4,社会における企業の役割と社会的責任について考えさせる。. 5、社会生活における職業の意義と役割及び雇用と労働条件の改善について、勤 労の権利と義務、労働組合及び労働基準法の精神と関連付けて考えさせる。 中項目「ア私たちの生活と経済」では、主として家計や企業の経済活動に関する 内容が取扱われている。特に消費や生産といった基本的な経済活動の意義や役割、 市場や金融などの構造や機能に関する学習が中心的に位置づけられている。さらに、. 企業が及ぼす社会への影響や果たさなければならない社会的な責任について考えさ. 8.
(12) 第1章 中学校社会科公民的分野経済単元における地域教材の性格と課題. せることも意図されている。また、アについては「網羅的で高度な取り扱いにならないよ. う特に配慮するとともに、身近で具体的な事例を取り上げ、経済活動が様々な条件 の中での選択を通じて行なわれるという点に着目させ」9ることが内容の取扱いで示さ. れている。公民的分野は取扱う内容の性質上、取り上げられる教材の内容が高度な ものになりがちであるため、学習者とのかかわりが深い事例を教材とすることによって、. その事例を視点としながら経済の仕組みや機能、経済活動の役割について追究して いくことが求められている。. また、中項目「イ国民生活と福祉」では、この項目のねらいとして以下のような点が 挙げられている10。. 1.国民生活と福祉の向上を図るために、国や地方公共団体が果たしている経済的 な役割について考えさせる。. 2,社会資本の整備、公害の防止など環境の保全、社会保障の充実、消費者の保 護、租税の意義と役割及び国民の納税の義務について理解させる。 3.限られた財源の配分という観点から財政について考えさせる。. 中項目「イ国民生活と福祉」では、主として国や地方公共団体といった政府関連. 機関の経済活動に関する内容が取扱われている。特に、経済学では市場の失敗や 外部経済として考えられる事象に対する国や地方公共団体が果たしている経済的な 役割に関する学習が位置づけられている。市場の失敗や外部経済となる事象は、市 場の働きでは効率的に解決することができない問題や市場経済の仕組みでは公正な 解決へと向かわせることができないような問題のことを指している。そのため、国や地方. 公共団体といった政府関連機関による問題への介入が望まれるのである。環境や社 会資本、社会保障に関する問題は特にこういつた要素が強い。中項目イで環境、社 会資本、社会保障などに関する問題が取扱われるのはこのためである。これらの内容. は経済主体の活動内容となるため、国や地方公共団体の経済主体としての役割が 理解されるように構成されていると言える。そして、国民生活を支えている財政や税金 について考えさせるとともに、納税者としての義務があることについても理解させること. が目指されている。ここでも、学習者の社会における経済的な役割について理解させ ることが意図されていることがわかる。. 以上の考察から、現行学習指導要領に基づく経済単元の性格はねらい、内容構 成、内容の取扱いの3つの観点から以下のことが明らかになった。. 第1に、学習者自身の社会における経済的な役割を認識させるとともに、他の経済 主体の経済活動や経済の仕組みや構造についても理解させ、経済をとらえる見方や 考え方の基礎を養うことにねらいが置かれている点である。 9.
(13) 第1章 中学校社会科公民的分野経済単元における地域教材の性格と課題. 第2に、各経済主体の経済活動に関する内容と今日の経済的諸問題に関する内 容が中心的に位置づけられている点である。. 第3に、単元全体を通して個人と社会とのかかわりを意識しながら授業を構成して いくことが教材を取扱う際の視点となっている点である。. 次に、平成20年版学習指導要領(以下、新学習指導要領)の記述内容からその 内容に基づく経済単元の性格を明らかにする。. 最初に、現行学習指導要領からの改訂に伴った社会科改訂の要点について考察 する。. 新学習指導要領では、教育基本法や学校教育法の改訂を受けて、社会科の改 善の基本方針として(1)基礎的・基本的な知識、概念や技能の習得、(2)言語活動 の充実、(3)社会参画、伝統や文化、宗教に関する学習の充実、という3点が示され. た11。これらの3点は、中学校社会科の目標と内容の改訂に当たって特に考慮され た点である12。これらの点が特に重視されているのは現代社会が「知識基盤社会」、 「グローバル社会」といった特色を持つ社会であるととらえられているためである13。そし. て、公民的分野においてはこれらの改訂の要点を踏まえ、新たに「現代社会をとらえ るための見方や考え方の基礎として、対立と合意、効率と公正などについて理解する 学習を取り入れ」14ることが明記されている。これは、従来からの現代社会をとらえる見. 方や考え方の基礎を養う学習について、概念的枠組みを提示することによって一定 の視点を示したものと言える。新学習指導要領では、このような学習が一層重視され ることによって、広く現代社会を理解することができるととらえられている。経済単元に. おいても、公民的分野の一部であることから、経済をとらえる見方や考え方としての概. 念的枠組みを組み込んだ授業を行なっていく必要があり、そのような学習は一層重 視されている15。以上のことから、経済単元は、これからの社会を的確にとらえていくた. めに経済的事象について理解することだけでなく、事象の背後に潜んでいる原理や 法則について、一定の見方や考え方から分析できるような「経済をとらえる見方や考 え方」の基礎を養う学習によって構成されることが意図されていると言える。. 続いて、目標から公民的分野経済単元の性格を明らかにする。中学校社会科の 目標は以下の通りである16。. 広い視野に立って、社会に対する関心を高め、諸資料に基づいて多面 的・多角的に考察し、我が国の国土と歴史に対する理解と愛情を深め、公. 民としての基礎的教養を培い、国際社会に生きる平和で民主的な国家・ 社会の形成者として必要な公民的資質の基礎を養う。. 10.
(14) 第1章 中学校社会科公民的分野経済単元における地域教材の性格と課題. 社会科の目標は、現行学習指導要領の記述からはほとんど変更はなく、基本的な 目標は変わっていないと言える。この目標を踏まえ、新学習指導要領における公民 的分野の目標は以下のように定められている17。. (1)個人の尊厳と人権の尊重の意義、特に自由・権利と責任・義務の関係. を広い視野から正しく認識させ、民主主義に関する理解を深めるととも に、国民主権を担う公民として必要な基礎的教養を培う。. (2)民主政治の意義、国民の生活の向上と経済活動とのかかわり及び現 代の社会生活などについて、個人と社会とのかかわりを中心に理解を深 め、現代社会についての見方や考え方の基礎を養うとともに、社会の諸 問題に着目させ、自ら考えようとする態度を育てる。. (3)国際的な相互依存関係の深まりの中で、世界平和の実現と人類の福. 祉の増大のために、各国が相互に主権を尊重し、各国民が協力し合う ことが重要であることを認識させるとともに、自国を愛し、その平和と繁栄 を図ることが大切であることを自覚させる。. (4)現代の社会的事象に対する関心を高め、様々な資料を適切に収集、. 選択して多面的・多角的に考察し、事実を正確にとらえ、公正に判断 するとともに適切に表現する能力と態度を育てる。. 新学習指導要領の目標は、現行学習指導要領の目標の性質を引き継いだ形で 構成されている。そのため、「目標の(1)がこの分野固有のねらいと基本的性格を示し たもの」18である。そして、(2)と(3)が(1)を達成するためにより具体化して示された内容. となり、(4)は公民的分野で育成しようとしている能力と態度について示している。目標. の記述内容と経済単元の直接的な関連をみてみると、目標(2)の「国民の生活の向 上と経済活動とのかかわり… (中略:太田)… について、個人と社会とのかかわりを. 中心に理解を深め、現代社会についての見方や考え方の基礎を養うとともに、社会 の諸問題に着目させ、自ら考えようとする態度を育てる。」という箇所が該当する。現. 行学習指導要領から変更された点は、「現代社会についての見方や考え方の基礎 を養う」ことが記述された点である。ここに、新学習指導要領における公民的分野の 特徴がある。また、この内容から、従来どおり経済単元の具体的な学習が「国民の生 活の向上と経済活動とのかかわり」であることがわかる。さらに、これらの学習内容につ いて「個人と社会とのかかわり」を意識しながら取扱うことが明確に示されている。そし. て、現代社会における経済的な諸課題について、経済をとらえる見方や考え方として の概念的な枠組みを活用し、それを手段として扱いながら学習に取り組むことで、より 一層現代社会を理解することができるようになることが意図されている。これらの記述 11.
(15) 第1章 中学校社会科公民的分野経済単元における地域教材の性格と課題. 内容は改訂の要点の内容を踏まえて構成されたものであり、現代社会をとらえる見方 や考え方の基礎を養う学習が一層重視されていることを示していると言える。. 続いて、内容構成から公民的分野経済単元の性格を明らかにする。新学習指導 要領では、主として公民的分野の内容(2)「私たちと経済」で経済学習が行なわれる。 そのため、この大項目が経済単元として位置づけられている。ここでは、その内容構成 に基づく性格について考察する。. 平成20年版の『中学校学習指導要領解説社会編』では、公民的分野経済単 元にあたる大項目「私たちと経済」のねらいとして以下の事柄が記述されている19。. この大項目は、主として個人、企業及び国や地方公共団体の経済活動 を扱い、消費生活を中心に経済活動の意義を理解させること、市場経済の 基本的な考え方について理解させること、現代の生産や金融などの仕組み や働きを理解させること、社会における企業の役割と責任について考えさせ ること、市場の働きにゆだねることが難しい諸問題に関して、国や地方公共 団体が果たしている役割について考えさせること、財政の役割について考え させることなどを主なねらいとしている。. 上記の記述内容から考察すると、基本的には現行学習指導要領の内容を引き継 いだ構成となっている。そのため、新学習指導要領においても基本的にはミクロ経済. 学に関連する内容が取扱われていると言える。また、現行学習指導要領の内容に加 えて、「現代の金融の仕組みや働きを理解させること、社会における企業の役割と責 任について考えさせる」学習が取り入れられていることがわかる。さらに、経済に関する. 内容の学習については「なぜそのような仕組みがあるのか、どのような役割を果たして いるのかということを理解させ」20ることがねらいとして掲げられている。そのため、経済. 単元では経済的事象の因果関係の追究を通して経済の構造や機能などの理解が 目指される授業が構成されるように意図されていることがわかる。そして、現行学習指. 導要領と同様に、身近で具体的な事例を活用した授業の展開が求められている。 また、大項目(1)の「イ現代社会をとらえる見方や考え方」の学習の成果を生かし、. 経済に関する様々な課題について対立と合意、効率と公正などの見方や考え方を取 り入れた授業構成の工夫をすることが求められている。さらに、経済的事象の理解や 判断を目指し、それらの過程や結果について各自でまとめたり、発表したりする学習 活動を位置づけることも必要だとされている21。「知識基盤社会」では、習得した知識 を活用し、他の社会的事象と関連付けていくことが必要になる。そこで、何らかの概念. 的な枠組みを通して事実を分析していくことが重要になってくるのである。公民的分 野ではこのような視点が重視されていることから、大項目(1)で学習した現代社会をと 12.
(16) 第1章 中学校社会科公民的分野経済単元における地域教材の性格と課題. らえる見方や考え方の基礎としての概念的枠組みが、経済単元で活用されることを 前提に位置づけられているのである。経済単元は、習得した知識を他の社会的事象 を追究する際に活用し、現代社会が抱えている課題について主体的に探究するとい う公民的分野における学習の一連の流れの中に位置づけられている。経済単元内で もこのような流れを意識したスパイラルな構成が組織されなければならない。これは、改. 訂の要点の中で示されているように社会参画の意識を高める学習が重視されている ためである。社会に主体的に参画し、地域社会の課題を進んで解決しようとする意識. を育成するには、公民的分野のどのような内容の中でも、自分自身の問題意識を明 確に持ち、獲得した知識をもとに課題に取り組むことで自分なりの解決方法を見出し ていくことが必要となる。. 続いて、中項目「ア市場の働きと経済」「イ国民の生活と政府の役割」について 考察する。中項目「ア市場の働きと経済」では、この項目のねらいとして以下のような 点が挙げられている22。. 1.身近な消費生活を中心に経済活動の意義を理解させる。 2.価格の働きに着目させて市場経済の基本的な考え方について理解させる。 3.現代の生産や金融などの仕組みや働きを理解させる。 4。社会における企業の役割と責任について考えさせる。. 5.社会生活における職業の意義と役割及び雇用と労働条件の改善について、勤. 労の権利と義務、労働組合の意義及び労働基準法の精神と関連付けて考えさ せる。. 中項目「ア市場の働きと経済」では、主として家計や企業の経済活動に関する内. 容が取扱われている。特に消費や生産といった基本的な経済活動の意義や役割、 市揚や金融などの構造や機能に関する学習が中心的に位置づけられている。さらに、 企業が及ぼす社会への影響や果たさなければならない責任について考えさせることを 通して社会の課題を探究していこうとする態度の育成が目指されている。また、アにつ. いては「身近で具体的な事例を取り上げ、個人や企業の経済活動が様々な条件の 中での選択を通じて行なわれるという点に着目させる」23ことが内容の取扱いで示され ている。公民的分野の目標(2)で「国民の生活の向上と経済活動とのかかわり及び現 代の社会生活などについて、個人と社会とのかかわりを中心に理解を深め」24ることが. 目指されていることから、個人の経済活動が選択を通して行なわれ、それが社会にお ける経済の動向や他の経済的事象と関連していることを理解させることが必要になる。 個人の選択(原因)による行動決定(結果)や、行動決定(原因)と経済の動向や他の. 13.
(17) 第1章 中学校社会科公民的分野経済単元における地域教材の性格と課題. 経済的事象の発生(結果)のような因果関係を理解することによって、経済の仕組み や役割について本質的にとらえられるように授業を構成していくことが意図されている のである。. また、中項目「イ国民の生活と政府の役割」では、この項目のねらいとして以下のよ うな点が挙げられている25。. 1.社会資本の整備、公害の防止など環境の保全、社会保障の充実、消費 者の保護など、市場の働きにゆだねることが難しい諸問題について、国や地 方公共団体が果たしている役割について考えさせる。 2.財源の確保と配分という観点から財政の役割について考えさせる。 3.租税の意義と役割について考えさせる。. 4.国民の納税の義務について理解させる。. 中項目「イ国民の生活と政府の役割」では、主として国や地方公共団体といった. 政府関連機関の経済活動に関する内容が取扱われている。基本的には現行学習 指導要領の内容構成と同じねらいを持っている。ただ、「効率」と「公正」などの現代. 社会をとらえる見方や考え方の基礎を活用しながら国や地方公共団体の経済活動 を追究していくことが求められている。また、財政や税金といった国民生活を支える仕 組みとその役割を理解させ、それらの在り方と経済的な問題とのつながりを考えさせる とともに、納税者としての自覚を養うことが目指されている。. 以上の考察から、新学習指導要領に基づく経済単元の性格は、ねらい、内容構 成、内容の取扱いの3っの観点から以下のことが明らかになった。. 第1に、各経済主体の経済活動について因果関係的に理解させることで経済認 識を養うとともに、現代社会が抱える経済的な諸問題について考えさせることで経済 をとらえる見方や考え方の基礎を養うことや、主体的な学習課題の追究による社会参 画の意識を育成することにねらいが置かれている点である。. 第2に、各経済主体の経済活動に関する内容と今日の経済的諸問題に関する 内容を中心として内容が構成されている点である。. 第3に、個人と社会のつながりを考えさせながら取扱うことや、効率と公正、対立と. 合意などの概念的枠組みを活用した学習課題の探究が行われるように位置づけられ ている点である。. 2. 中学校社会科公民的分野経済単元で取扱われる地域教材の性格 本項では、中学校社会科公民的分野経済単元で取扱われる地域教材の性格に 14.
(18) 第1章 中学校社会科公民的分野経済単元における地域教材の性格と課題. ついて述べる。予め、本論で用いられる地域教材の定義について明確にする。一般 的に地域教材は「教科書のような中央の一般的教材に対して、子どもたちの生活空 間に固有な要素を含んだ自然・社会・文化を教材化したもの」26と定義される。この定. 義は教科教育、あるいは学校教育で行なわれる授業実践全般において用いられる 地域教材の定義と考えられる。そのため、社会科の内容に即して地域教材を定義付 けする必要がある。. 教材は「授業実践において学習者の知識獲得の質的変容と主体的学習参加を 保証する為に」27重要な役割を担っている。そして、社会科においては学習者が「観 察し、理解し、認識し、説明する対象」28としての社会的事象が教材化の対象となり、. 直接的な学習内容となる。現代の地域社会は人々の流動性が活発になり、様々な 地域に生活基盤を移すことによって地域社会も絶えず変化している29。しかし、地域. 社会自体に流動的な移動はあるものの、「当事者が現に生活している空間、即ち生 活の基盤をおいている空間を地域社会と捉える必要が」30ある。グローバル化や情報. 通信技術、交通手段の発達に伴って人々の移動が活発になり、地域社会自体が流 動的になっているものの、当事者にとっての地域社会は生活空間そのものなのである。 このような点からも、人間が社会的に活動する最も基礎的な単位としての「地域」とは 日々生活している「生活領域としての地域」だと考えられる31。そして、それが積み重な. って「一国経済という地域階層、さらに世界経済という階層」32が作られていることを認. 識しておく必要がある。地域の社会的事象を教材化する際も、学習者の生活空間と しての地域にある社会的事象に焦点をあて、そこを視点としながら社会的事象の広が りをとらえるという教材化の視点が必要である。これらのことから、本論で取扱う「地域」. を「学習者が生活の基盤を置いている空間としての地域」ととらえ、「地域教材」を「学. 習者が生活の基盤を置いている空間としての地域にある社会的事象を教材化したも の」と定義する。. 経済単元で取扱われる地域教材は、学習者の生活空間としての地域における経 済的事象がその対象となる。その構成形態は様々であり、授業過程における活用の 位置付けにも多様性がある。社会科教育研究においては地域教材の持つ特性から、 その有効性が示されてきた。特に、「興味・関心を高め、意欲的に学習に取り組ませ る」ことができる点、「学習能力を育成させる」ことができる点、「社会的事象の意味づ け」を行うことができる点、「社会生活の原則を発見させる」ことができる点、「社会の発. 展を願う態度を形成させる」ことができる点、などが活用の意義として指摘されてきた33。. 以下にそれぞれの活用意義に伴う性格について述べる。 第1に、「興味・関心を高め、意欲的に学習に取り組ませることができる」と考えられ てきたことから、授業の導入教材として位置づけられることが多い点である。公民的分. 野では、従来から「身近で具体的な事柄」は学習者の学習内容に対する興味関心 15.
(19) 第1章 中学校社会科公民的分野経済単元における地域教材の性格と課題. を高め、授業への主体的な関与を促す導入教材として有効だと指摘される傾向にあ った。そのため、学習者の生活空間が教材となる地域教材は同様のとらえられ方をさ れるのである。このことからも、地域教材は学習者の授業への主体的な関与や学習対 象への興味・関心・意欲の喚起を促す特性があると言える。 続いて、「社会科の学習能力を育成させることができる」とされ、教材の構成形態に. も多様性を持つ点である。地域教材の構成形態としては「統計資料」34「文字資料」 35「画像・映像資料」36「ネタ」37などがあり、それぞれの形態的特性を生かしつつ、学. 習者の資料活用の技能を向上させる役割を担っている。そして、多様な構成形態を 持つことで、教科書に記述されている抽象性の高い社会的事象を具体的に示すこと ができ、学習者の知識の質的変容を手助けすることができる特性がある。 また、「社会的事象の意味づけを行なう」ことができるとされ、事象が生起した要因. や事象の背後にある他の事象について具体的に、また、実感的に理解させることがで きる点である38。これは、個々の社会的事象が地域の中でどのような意味を持っている. のかを追究させることで事象相互の関係や地域と全体の関係について理解させること ができるということである。つまり、経済単元に置き換えると、経済的事象相互の関係 について、その背景をとらえさせることができるとともに、実感的に理解させることができ る特性があると言える。. そして、「社会生活の原則を発見させる」点、つまり、地域の具体的事象の学習を 通して社会諸科学の成果である理論や法則を発見させることができる点である。地域. 的特殊性の背後に潜む一般的共通性を発見することが地域を教材として扱う際に 重要な視点であるとされる。地域には「独自の運動法則が働いて」39おり、地域が持. つ地域的特殊性を視点としながら他の事象を分析していくことで共通点や相違点に 気付かすことができる。また、それが知識を相対化させ、説明力の高い知識の獲得を 促すことにつながると思われる。これらのことから、事象相互の関連を分析することで獲 得した知識から概念的な知識を抽出させることができる特性があると言える。. 最後に、「社会の発展を願う態度を形成させ」、社会参画の意識を養うことができる. 点である。これは、自分達が住む地域の学習をすることを通して地域社会の発展や 困難の克服に立ち向かう気持ちを養うことができるということである。それは、地域社会. で問題となっている事象や価値の対立を主体的に解決しようとする意識を養うことが できるということでもある。現代社会では地球温暖化や土地開発に伴う環境問題や少. 子高齢化に伴う社会保障・高齢者福祉問題などはどの地域においても切実性が高 く、解決が難しい問題として指摘される。そのため、そのような地域社会が抱えている. 課題は、教材として課題解決的に取扱うことで社会参画の意識を育成する実践を行 うことができる特性があると言える。. 以上の考察から、地域教材が持つ教材としての性質は以下のようにまとめることが 16.
(20) 第1章 中学校社会科公民的分野経済単元における地域教材の性格と課題. できる。. ①地域教材は学習者の経験や体験と密接に結び付き、学習意欲を高めることがで きる。また、学習段階における追究活動によって学習者との密接な結びつきをとら えさせることができる。. ②地域教材は抽象的でとらえにくい経済的事象を身近な地域の経済的事象を通 して具体的に表すことができる。. ③地域教材は経済的事象に関する地域的な特殊性を持ち、経済的事象相互の 分析や他地域の経済的事象と比較考察する追究活動によって知識を相対化さ せ、説明力の高い知識を獲得させることができる。. ④地域教材は地域への愛着を高め、地域社会の発展に関わろうとする意識を育み、 主体的に社会へ参画しようとする態度形成を図ることができる。. これまでの実践では、これらの特性を生かして学習方法や学習内容を構成し、授 業を設計していくことで抽象的な表現や高次な内容を取扱う公民的分野の授業を改 善していくことができると考えられてきた。そのため、地域教材の活用が求められてきた と言える。. 次節では、ここまで明らかにしてきた経済単元とその中で取扱われてきた地域教材 の性格を踏まえ、それらが抱えている課題について明らかにする。. 17.
(21) 第1章 中学校社会科公民的分野経済単元における地域教材の性格と課題. 1文部科学省『中学校学習指導要領解説社会編』大阪書籍、1999年、P.179 2同上、p.191−192. 3同上、p.119 4同上、p.121 5同上、p.132 6魚住忠久・山根栄次『21世紀「社会科」への招待』学術図書、2003年、pp.75−76 「中学校では、市場経済の仕組みとそこにおける家計と企業の経済活動及び働き・役 割を中心にした市場経済部門と、政府の経済的役割、福祉、財政を中心にした政府 部門の二つに分けて経済教育が考案されている。中学校の経済教育では、経済学 的に見ると、ミクロ経済学の内容が中心となっており、マクロ経済学及び国際経済学の 内容はほとんど扱われていないことがわかる。この二つの経済学の内容は、高校の公 民科の内容に見ることができる。」. 7前掲1、P.132 8同上、p.133より筆者作成 9同上、p.133 10同上、p.136. 11文部科学省『中学校学習指導要領解説社会編』日本文教出版、2008年、p.2−6 12同上、pp.6−7では社会科改訂の要点が以下のように示されている。. 第1に、基礎的・基本的な知識、概念や技能の習得を重視する観点から、各分野 の特質に応じて内容の改善を図った。. 第2に、言語活動の充実の観点から、社会的事象の意味、意義を解釈する学習や、 事象の特色や事象間の関連を説明する学習などを通して、社会的な見方や考え方を 養うことを一層重視した。. 第3に、社会参画、様々な伝統や文化、宗教に関する学習などを重視する観点から、 各分野の特質に応じて内容の改善を図った。 13桑原敏典『社会科の指導計画と授業づくり』明治図書、2008年、p.9では、「知識基 盤社会」について、「新しい知識・情報・技術が政治・経済・文化をはじめ社会のあら. ゆる領域での活動の基盤として飛躍的に重要性を増やしている社会のこと」だとされて いる。また、「グローバル化」について、「人、モノ、情報が国境を越えて移動し世界が一 体性を増やしている状況」のことだとされている。. 14前掲11、p.7 15栗原久は、魚住忠久・深草正博『21世紀地球市民の育成一グローバル教育の探究 と展開』黎明書房、2001年、pp.73−76の中で、経済的な見方や考え方を重視する 授業の必要性について述べている。栗原が経済的な見方や考え方を重視した学習を 提唱、実践している理由は以下の点からである。. 第1に、「経済的な見方や考え方」の基礎にある概念の学習が、経済現象を理解 するための視点の枠組みを提供してくれるという点である。第2に、事実・制度を解説・ 暗記させるという授業パターンからの脱却を可能にするという点である。第3に、希少性 18.
(22) 第1章 中学校社会科公民的分野経済単元における地域教材の性格と課題. などの概念を「見方や考え方」の基礎に置くことで、「経済的」の意味を広くとらえること ができるという点である。. また、新井明や猪瀬武則なども経済的な見方や考え方を重視する学習の必要性 について指摘している。. ・新井明「「経済的な見方や考え方」を育てる高等学校公民科における授業の試み一 三つのシミュレーションを利用して一」日本社会科教育学会『社会科教育研究』第83 号、2000年、pp.1−9、. ・猪瀬武則「経済教育のカリキュラム内容について(1)一道具主義と社会的合意一」. 『弘前大学教育学部紀要』第81号、1999年、pp.29−37 16前掲11、P.139 17同上、p.146 18同上、p.92. 19同上、p.102 20同上、pp.102−103 21同上、p.103 22同上、p.103より筆者作成 23同上、p.147 24同上、p.146 25同上、p.106より筆者作成. 26子安潤「地域教材」深澤広明・恒吉宏典『授業研究重要用語300の基礎知識』明 治図書、p.159. 27中村哲「教材・教具」森分孝治・片上宗二『社会科重要用語300の基礎知識』明 治図書、2008年、p.289 28岡三秀忠「社会的事象」、前掲書27、p.85 29宮本光雄「地域社会における社会認識教育」社会認識教育学会編『社会科教育の ニュー・パースペクティブ』明治図書、2003年、p.311. 30同上、p.311. 31岡田知宏著『地域づくりの経済学入門地域内再投資力論』自治体研究社、2005 年、P.16. 32同上、p.16 33地域教材の活用の意義に関して指摘した文献としては以下のようなものがある。. ・朝倉隆太郎『地域に学ぶ社会科教育』東洋館出版社、1989年 ・尾崎希四郎『社会科教育学一実践と理論の相互補完一』東洋館出版社、1983年 34「統計資料」としては、地方公共団体の財政収支や一般会計予算額、地域の特産 物の入荷量と月別の価格変化を表したグラフなど、地域の社会的事象の構造に関す る実態をグラフや表によって示すものがある。. 35「文字資料」としては、酪農家の経営内容や安比高原リゾート開発における経済効果. など、地域の社会的事象の発生による効果や影響に関する内容を文章表現によって 19.
(23) 第1章中学校社会科公民的分野経済単元における地域教材の性格と課題. 示すものがある。. 36「画像・映像資料」としては、鬼崎清掃工場で働く人々のインタビューや宇都宮市中. 央卸売市場のせりの様子など、地域の社会的事象に関わる地域の人々の様子を映 像によって示すものや、高清水町の店舗の立地状況や秋田市内の新設校など、授業 で取扱う地域の社会的事象との関わりがある建物や町の様子を写真によって示すもの がある。. 37「ネタ」としては、ドンキー(スーパー)の出店と地域への影響や、琵琶湖の環境汚染問. 題など、地域における特徴的な社会的事象を授業の一部、もしくは全体においてネタ 教材として示すものがある。. 38朝倉隆太郎『地域に学ぶ社会科教育』東洋館出版社、1989年、p.10 39前掲31、P.16. 20.
(24) 第1章中学校社会科公民的分野経済単元における地域教材の性格と課題. 第2節 中学校社会科公民的分野経済単元における地域教材の課題 本節では、中学校社会科公民的分野経済単元における地域教材の課題につい て述べる。地域教材の課題を明らかにするため、予め中学校社会科公民的分野経 済単元の課題について明らかにする。経済単元の課題に関しては、現行学習指導. 要領に基づく実践事例と、新学習指導要領の構成原理と関連するNCEEの教材 構成原理を取り入れた実践研究の考察から明らかにする。その後、明らかになった経. 済単元の課題を踏まえ、経済単元における地域教材の課題を実践事例の考察から 明らかにする。. 1. 中学校社会科公民的分野経済単元の課題 最初に、現行学習指導要領に基づいた経済単元における実践事例の考察から経 済単元が抱える課題を明らかにする。現行学習指導要領の典型的な事例として工 藤文三編『中学校社会科指導展開事例集公民』(東京法令出版、2001年)より経 済単元で行なわれる実践を取り上げる1。本著では、経済単元で行なわれるように示 されている事例が20事例掲載されている。本四を取り上げる理由としては、現行学. 習指導要領の内容に準拠したものであり、現在の中学校社会科授業で行なわれて いる典型的な学習活動だと考えられるからである。ここでは、掲載されている授業の中. から、第二章において開発する単元の内容と関わる授業事例をもとに、現行学習指 導要領が抱える課題について指摘する。. 第1に、経済的事象の理解を目指すことが主眼に置かれているため、現代社会が 抱えている課題の解決へと導いていく授業の構成になっていない点が挙げられる。社. 会科に、「社会参画の視点が内在して」2いるのであれば、地域や社会一般で課題と なっているような事象について、その問題を把握し、問題について分析することを通し て何らかの解決策を示していくような授業を行うことが求められるはずである。しかし、. 従来の授業では、社会が抱える課題の解決よりも認識形成を重視した実践が行われ ていると思われる。認識形成を軽視するわけではない。しかし、単元レベルでは学習し. た知識を活用する場面として、認識形成重視の授業の後に何らかの価値判断を行 わせる学習過程が組み込まれる必要がある。例えば、小単元「現代の生産と企業」で. は、現代の生産の仕組みや企業の形態を理解させるとともに、企業の経済活動を調 査することによって、より具体的に企業の活動を理解させることや企業が担っている役. 割と社会的な責任について理解させることが目指されている。単位時間当たりの授業 目標は【表1−1】の通りである3。. 21.
(25) 第1章 中学校社会科公民的分野経済単元における地域教材の性格と課題. 【表1−1単元「現代の生産と企業」の授業名と目標】 時間・授業名. 目標. 第1時. 生産には、自然・資本・労働・知的資源の4っの要素が必要であることや、企. 瑞代の生産の仕組み. 業は自由競争のもとで利潤を追求しながら生産するという仕組みのもとで活 動していることを理解させる。. 第2詩. 企業には株式会社に代表される私企業と公共性の高い公企業があり、それ. さまざまな企業. ぞれが違った目的で商品やサービスを提供していることを理解させる。. 第3詩. 実際の企業の活動に興味・関心をもたせ、グループでの発表を通して各自の. 企業の活動に興味をもとう. 課題を選択させ、今後の調査への意欲を高める。. 第4、5時. 企業が利潤追求のために行なっているさまざまな工夫や努力について、グル. 企業の活動を調べよう. ープごとの課題をそれぞれ調査することや実際に企業の経営に携わる講師と ワークショップ形式の意見交換を行なうことを通して、理解を深める。. 第6.7時. 企業を作る際や、企業が利潤追求のために行っているさまざまな工夫や努力. 企業新聞を莞表しよう. について、グループごとに調査した内容を企業新聞にまとめ、ジグソー学習 形式で発表することを通して、個々の理解を深めるとともに発表力を養う。. 第8時. 企業にはどのような社会的な役割や責任があるかについて、具体的な事例を. 企業の役割と實任. もとにして考え、発表や教師による整理を通して、個々の理解や考えを深めら れるようにする。また、「職業の意義と役割」の学習に、関心・意欲がつながる ようにする。. 【表1一一 1】のように生産の仕組みや企業の役割や活動に関する理解を目標に設 定しているため、その内容構成もそれらの理解を目指したものになっている。生徒にと. って分かりやすく、関心を持ちやすい具体的な事例で学習内容が構成されているもの. の、授業の中で資料の読解や調査活動による事例の追究が中心的な活動に位置づ けられているため、経済的事象の理解を目指した授業構成となっていると言える。そ. のため、現代社会が抱えている社会問題や論争問題に関する解決手段の意思決定 を求め、主体的に課題の解決について考え、取り組んでいこうとする社会参画の意識 を育成するような授業構成にはなっていない。. 第2に、現在の経済の仕組みや制度、組織の構造などを絶対的なものだと認識し てしまうような授業構成になっている点である。例えば、第2時「さまざまな企業」4は、. ねらいが「企業には株式会社に代表される私企業と公共性の高い公企業があり、そ れぞれが違った目的で商品やサービスを提供していることを理解させる。」となっており、. 次のような授業展開で進められている。導入部では会社を設立するために必要なこと を列挙させ、会社が資本金を集める方法について株式という方法があることを知らせ 22.
(26) 第1章 中学校社会科公民的分野経済単元における地域教材の性格と課題. ている。展開部では、株券に何が書かれていてどこで購入でき、どのような仕組みで取 引がされているのかを資料から読み取らせたり、説明したりしている。さらに、公企業に はどのようなものがあるのか調べさせる活動が設けられている。まとめでは、企業の文化. 支援活動の実際を資料から読み取らせ、その実態を把握させて授業を終えている。 この授業では、現代社会には様々な会社の形態があり、それらの仕組みがどのよう になっているのかを理解させることに主眼が置かれていると言える。そのため、授業で. 獲得される知識は会社の構造や役割に関する事実的知識となる。それらの知識を網 羅的に取扱うと、事象相互の因果関係を追究させる学習活動が設けられないため、 制度や構造に関して「なぜ、そのような制度になっているのか」「なぜ、このような構造. が必要なのか」という事象の本質を突くような学習活動に発展していかない。この授業 はそのような問題を抱えていると言える。そのため、獲得した企業に関する知識に関連. 性が乏しく、制度や構造が絶対的なものだと認識してしまう。本来、制度や構造など は不完全なものであり、人々の手によってよりよいものに作り変えていく必要のあるもの. である。そのため、経済の仕組みや組織の構造などの問題点を指摘し、それぞれが抱 えている問題を改善、解決するような学習過程が取り入れられる必要がある。. また、従来から行われてきた経済学習に対して、授業の学習方法に関する指摘が なされてきた。講義一辺倒の授業では学習者の主体的な関与が見られず、停滞的な 授業となり、事象の探究がなされないことに課題があると言える。教師からの教授が中. 心的な学習活動として位置つくことによって学習者がそれぞれの問題意識から経済 の問題について追究していくことができないのである。経済の学習内容は抽象性が高 いために、そのような点が顕著に表れる傾向にある5。これらの問題を解決するために. 有効な学習方法に関する研究が進められている。その中には社会的な論争問題を 教材として扱い、ディベートや討論を行なうことを通して経済認識を深め、合理的な意. 思決定能力を高めていくことを目指す学習方法6や経済の仕組みや機能を理解する ために体験的にお店を経営するシミュレーション活動を取り入れた学習方法7がある。. これらは学習者が学習内容や授業に対して主体的な関与を示し、尚且っ自らの思 考や判断によって活動が展開されることから、学習への主体性の確保と知識の習得・ 活用の両面において有効とされる。このような学習活動が教材との関わりの中で活用 されるようになると多様な学習活動が展開できるため、学習者の経済に対する考え方 も変化してくると思われる。. 次に、NCEEの教材構成原理を取り入れた経済学習の事例として高林賢治「中学. 校公民における経済教育の研究」『広島大学付属中・高等学校中等教育研究紀 要』(第51号、2004年)を取り上げる。本研究を取り上げる理由としては、新学習指. 導要領では、中学校社会科公民的分野経済単元において経済をとらえる見方や考 え方の基礎を養う学習が重視される傾向にあり、その論理を踏まえた構成となってい 23.
(27) 第1章 中学校社会科公民的分野経済単元における地域教材の性格と課題. るのが、NCEEが行なう経済学習であるためである。 NCEEは経済に関する事実的な 知識を網羅的に取扱うよりも、学習者が経済を分析し、自らの経済活動を合理的な 意思決定のもとに進めていくことができるような経済概念を習得させて市民的資質を. 養うことを経済学習の目的としている。高林はそのようなNCEEの教材構成原理を取 り入れた実践研究を行なっている8。そのため、高林の研究では、経済概念の習得と. その活用による経済的事象の分析が授業の中心的な学習活動として位置付いてい る。特に詳細な授業展開が記録されている第5時・第6時を中心的に考察すると、 本事例の課題としては次のような点を指摘することができる。. 第1に、「経済学の学習」と言われるような内容構成になっていることである。経済学. の研究成果としての市場経済における価格決定理論に関する学習が中心的な学習 活動となっている。しかし、その内容構成は経済学の学問としての要素が強く、生徒 の日常生活との関わりの中でとらえさせることができていない点に大きな課題があると 考えられる。以下の【表1一一2】に第5時・第6時の授業展開を示す9。. 【表1一一・ 2高林実践の第5時・第6時の授業展開】 艶閥・学習活動. 資料. 生徒から引き出したい知識. 導. ▽携帯電話の機能について考える。. 実物. 現代日本人はイノベーションの連続の中で生活して. 入. ●メール、テレビ、画像送信、インターネッ. 教材. いる。. 機械の発達を意識させ、生徒自身が、技術の発達. ト…。. の中で生活していることを認識する。. ▽なぜ、携帯電話のような便利な財を持つこと. 有効需要の存在・資源の有限性・流通機構の存在・. ができるのか考える。. 技術革新・有効需要に対して、最適な財を提供する. ●商品を買うお金があったため、買いたい商品. ことが、最大限の利潤を獲得することにつながる。. が作られていたため…。 展. ▽技術革新と市場の関係は、需給曲線でどの. 顯. ように説明されるか考える。. 1. 資料. 課題1. ▽需要供給曲線を書き、均衡価格・総生産量. 価格が一定の場合、技術革新が起こると、供給量は. を調べる。. 増大し、供給曲線は右にシフトする。. ▽技術革新が起こると、供給にどのような変化. 均衡価格と総生産量で囲まれた部分が総生産額で. が生じるか考える。. あり、供給曲線がシフトすることにより、総生産額も変 化する。. 農. ▽日本の産業構造を技術革新と市場経済の. 課題2. 技術革新は日本の産業構造の高度化に影響を与. 開. えている。需給曲線を所与の知識として考えるので. 関係で説明するとすれば、どのように説明する. 24.
Outline
中学校社会科公民的分野経済単元で取扱われる地域教材の課題 第1項の内容を踏まえ、経済単元で地域教材が取扱われている実践事例の考察
経済単元における実践事例の類型結果
経済単元における地域手段社会認識型実践事例の構成
経済単元における地域手段社会参画意識育成型実践事例の構成
経済単元における地域目的地域理解型実践事例の構成
経済単元における地域目的地域住民意識育成型実践事例の構成
単元「淡路瓦産業と社会における企業の役割と責任」における 授業モデルの開発視点
単元「淡路瓦産業と社会における企業の役割と責任」における 授業モデルの開発事例
単元「豊かな生活を営むための国や洲本市の役割」における 授業モデルの開発事例
関連したドキュメント
調査の対象とした小学校は,金沢市の中心部 の1校と,金沢市から車で約60分の距離にある
彼の語る所によると,この商会に入社する時,経歴
えて リア 会を設 したのです そして、 リア で 会を開 して、そこに 者を 込 ような仕 けをしました そして 会を必 開 して、オブザーバーにも必 の けをし ます
指導をしている学校も見られた。たとえば中学校の家庭科の授業では、事前に3R(reduce, reuse, recycle)や5 R(refuse, reduce, reuse,
在学中に学生ITベンチャー経営者として、様々な技術を事業化。同大卒業後、社会的
8 地域巡り(地域探検) 実施 学校 ・公共交通機関を使用する場合は、混雑する ラッシュ時間を避ける。. 9 社会科見学・遠足等校外学習
経済学研究科は、経済学の高等教育機関として研究者を
小・中学校における環境教育を通して、子供 たちに省エネなど環境に配慮した行動の実践 をさせることにより、CO 2