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第1節 単元「淡路瓦産業と社会における企業の役割と責任」における 授業モデルの開発
2. 単元「淡路瓦産業と社会における企業の役割と責任」における 授業モデルの開発事例
第皿章 地域教材を視点にした中学校社会科公民的分野経済単元における授業モデルの開発
不足となっているのである。このような問題は全国の地場産業や伝統工業で見られる ような問題といえる。ここまでが問題分析過程となる。
問題分析過程で追究した課題の原因をもとに、グループによる討議の中で新たな 戦略の提示を行なう。そこで示された戦略をもとに次の授業が構成されていく。意思 決定過程では、提案された戦略案をもとにどのような根拠でそれぞれの考え方を支持 するのかを明確に持たせ、学習者それぞれの立場を明らかにさせる。その中で同じよう な考え方をもつもの同士をグループにし、解決案をより強固なものにしていくことをねら う。最終的にはそれぞれの策について提案を行い、明確な根拠のもとに意思決定させ る。提案する活動においては、淡路瓦工業に携わる関係者の方々をお招きし、それぞ れの提案を聞き、意見をいただけるような時間が確保できれば、より社会参画の意識 を育成することにつながるだろう。
そして、意思決定させた後、学習者が選択した意見についてもう一度吟味し、各個 人でよりよい改善策がないか、あるいは自分に何かできることはないのか考える活動を 設け、より実践的な意識形成となる地域住民としての社会参画意識の育成を行うよう
にしたい。
2. 単元「淡路瓦産業と社会における企業の役割と責任」における
続いて、作成した学習指導案について述べる。
単元の設定理由については、教材観・生徒観・指導観の3っの観点から述べてい る。教材観は大きく分けると経済のグn一バル化に伴う多国籍企業の役割・中小企 業が日本や世界の経済に果たしている役割・中小企業が抱える問題の3点から教材 を取り上げる意義について説明している。生徒観は、取扱う教材や学習内容に対す る学習者の認識レベルを想定して説明している。指導観は、それらの内容を踏まえて、
特に社会参画の意識を育成する点を重視した指導について説明している。
続いて、単元の目標については(社会的事象への関心・意欲・態度)、(社会的な思 考・判断)、(資料活用の技能・表現)、(社会的事象についての知識・理解)の4観点 から設定している。
単元の指導計画は全6時間で構成されている。授業モデルとして開発する時間は 地域教材を視点に授業を構成していく第4時・第5時の内容である。
以下に学習指導案を示す。
〈社会科学習指導案公民的分野〉
●対象 中学校三年生
●単元名 淡路瓦産業と社会における企業の役割と責任
●単元の設定理由 1.教材観
現代社会における企業は様々な形態で構成されており、多様性に富んでいる。また、グ ローバル化や高度情報化という社:会の大きな流れに伴い、世界各国における企業との多 角的な経営や共同出資など、経済がダイナミックに稼動するように機能している。一方で、
日本の中小企業は高度な技術を駆使し、世界の最先端をいく製品や新たな科学技術 の開発、発展に寄与している。そういった意味では中小企業の役割は日本経済を活性 化していくために重要な役割を担っていると言える。淡路島においても、約400年前から 製造されている淡路瓦という地場産業に携わる中小企業が南あわじ市を中心に数多く 存在する。淡路瓦の中でもいぶし瓦は全国一の生産量を誇り、淡路を代表する伝統的 な産業の一つとして継承されている。しかし、近年は様々な社会的背景から消費者の需 要が低下し、産業自体が低迷期に入っており、この問題は地域経済においても深刻な 問題となっている。このような事態を改善すべく、淡路瓦は現代社会における消費者のニ ーズに応え、様々な製品の開発に取り組んでいる。市内の小中学校や公共施設の屋根 に活用されるだけでなく、日本各地の宿泊施設や博物館にも取り入れられ、床や壁、公 園の歩道などにも活用されることで、:景観材として地域のアメニティに果たす役割も大きく なっている。しかし、依然として厳しい状況にあるのが現状である。
2.生徒観
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第皿章 地域教材を視点にした中学校社会科公民的分野経済単元における授業モデルの開発
生徒はテレビCMや日常の消費生活の中で企業の製品に関する情報を得ている。
特に大企業の宣伝はよく目にするものであるため、生徒の興味関心によっては特定の 企業の情報について詳しい生徒もいる。しかし、それらの企業の生産活動について、
その仕組みや役割、あるいは社会の発展に貢献する活動が具体的にどのように行な われ、社会にどのように影響しているのかという点に関しては企業の存在自体を身近 に感じることができていないため、知識に偏りがあり、不十分であると考えられる。また、
生徒にとって身近な淡路の瓦産業について知っている者はいるが、瓦産業に携わる 地域の中小企業が地域社会に果たしている役割や経営の実態まで認識している者 は少なく、地域社会における中小企業と自分たちとの関わりについては十分にとらえ ることができていない。
3.指導観
企業の取組を身近にとらえさせるため、生徒が日常生活で取り扱っている製品に 着目し、その製品を導入教材としながら販売している企業の情報を調べ、企業の構 造や役割について追究していきたい。また、企業の生産活動が経済循環の中で行な われていることに気付かせるため、消費者となる生徒自身との関わりを意識させるよう に授業を構成していく必要がある。さらに、地域社会における中小企業の役割や抱え ている問題点について理解させ、その解決を図る戦略を提案させるために、地域教 材となる淡路瓦に携わる中小企業の問題について地域住民の視点から考えていく授 業を構成していきたい。問題解決へ向けて、関連する社会的事象に関する事実認識 を深め、事実から必要な視点を設定し、その視点に基づいた課題解決の戦略につい て討論・提案する活動を設ける。最終的には個人で必要だと考えた戦略についてまと める活動を行ない、地域の中小企業の戦略を考えることを通して地域社会の発展に
自ら関わっていくという社会参画の意識を育成していきたい。
●単元目櫟
○企業の生産活動による地域や社会全体の発展について考え、主体的に社会へ 参画しようとする態度を育てる。 (社会的事象への関心・意欲・態度)
○地域社会における中小企業の役割や課題について理解し、抱えている課題を解 決するための戦略について考える。 (社会的な思考・判断)
○企業の生産活動や社会的責任を果たすための活動について資料から必要な情 報を収集し、自分の意見を表現する (資料活用の技能・表現)
○企業の生産活動や競争原理、企業が社会において果たすべき責任や地域社会 の発展とのつながりについて理解する。 (社会的事象についての知識・理解)
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●単元の指導計画(全6時間)
時
主題 社会的事象への関心・意 社会的な思考・判 資料活用の技能・表 社会的事象についての知
欲・態度 断 現 識・理解
1 生産活動 企業の経済活動について現 企業は生産活動によって利益
とそのしく 代社会とのかかわりから追究 を獲得し、消費者や従業員の
み しょうとする態度を持ヒ)。 利益を増進させる役割を担っ
ていることを理解する。
2 企業の 企業が環境保全や地 株式会社の仕組みを理解す
しくみ 域活性化のために果た る。
さなければならない責 任について考える。
3 企業の競 企業の競争原理が及 市場における大企業の独占を
争と独占 ぼす経済や社会への 防ぐための方策について理解
影響について考える。 する。
4 淡路瓦産 淡路瓦に携わる地域の 淡路瓦産業に携わる企 地域の地場産業を担う中小企 業に携わ 企業が地域社会で発 業に関する情報につい 業は、地域の雇用の受け皿とな る企業の 展していくために必要 て、提髄れた資料から ることや、産業の発達による地 役割と課 な課題解決策につい 適切に読み取る。 域経済の活性化に対する役割
題 て考える。 を担っていることや様々な要因
があり、課題を抱えていることを 理解する。
5 地域産業 地域の中小企業の戦略を考え 地域社会の活性化のた を支える ることを通して、地域社会の活 めに必要な中ノ1・企業の 中小企業 性化に向けて主体的に考え、 戦略について他の社 の課題解 自ら参画し課題に対する方策 会的事象との関連から 決策を提 の提案を行おうとする意識を 根拠を持って判断す
案しよう 持つ。 る。
6 企業の 地域の活性化にむけて企業と 前時を振り返り、企業の
在り方と 自分自身との関わりから考え、 今後の社会における在
社会 社会参画の意識を高める。 り方について考え、自
分の意見を表現する。
●第4時「淡路瓦産業に携わる企業の役割と課題」
・第4時の目標
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