第 5 章 三角比 61
5.3 sin と cos の関係
5.3 sin と cos の関係
すでに気づいているかも知れませんが,三角比sin,cos,tanは互いに関連し ています. たとえば,
sinα= a
c , cosβ = a c
ですから, sinα = cosβ となりますが, α+β= 90◦ の関係から,
sinα= cos(90◦−α) となります. 同様に,
sinβ = cos(90◦−β) cosα = sin(90◦−α) cosβ = sin(90◦−β) も成り立ちます.
具体的な角度を例にとれば, sin 15◦ = cos 75◦ , cos 50◦ = sin 40◦ というわけ です. ついでにtanについて考えてみますと,
tanα = a
b , tanβ = b
a より
tanβ = 1
tanα = 1
tan(90◦−β) となります.
注意 三角比を直角三角形で考えていることから,ここでは 0◦<
α <90◦,0◦< β < 90◦ です. しかし,あとで学ぶように α , β の角 の大きさに関係なく,どんな角度でも上記の関係が成り立ちます. さて, tanα= a
b ですが,右辺を次のように変えてみましょう. a
b = a c b c ここで a
c = sinα , b
c = cosα ですから tanα= sinα
cosα となります.
この式も, α がどんな角度でも成り立つ大切な式です(ただし, tan が定義さ れないような 90◦ などは除きます).
5.4 0
◦, 90
◦の三角比
これまで用いてきたのは直角三角形でしたから, αやβ が, 0◦, 90◦ であるこ とは,ありませんでした. しかし,三角比(三角関数)は0◦ にも, 90◦ にも,どん な角度にも対応しています. (直角三角形を用いたのは, あくまでも三角比を初 めて学ぶ者にわかりやすく説明するためだったのです.)
ともかく,ここでは極端な形の直角三角形を考えてみます. α は 0◦ に近く, β は 90◦ に近い角度です(α ;0◦, β ;90◦ と書きます). 辺の長さは b; c , a;0となっています. そこで
sinα= a c
の値を考えてみると, α が 0◦ に近づく にしたがい, aはcに比べてますます小 さくなります.
つまり, a
c は0にどんどん近づくと考えられます.そこで, sin 0◦= 0 と考え ることにします.この考え方を用いると, cosα= b
c であることから, cos 0◦ = 1 であることも理解できるでしょう.
一方, β が90◦ に近づくときは bがどんどんc に近づきます. つまり b
c は
1 にますます近い値になります. そこで sin 90◦ = 1 と考えることにします. またこのとき, aは 0にどんどん近
づきますから, a
c は0に近づきます. 従って, cos 90◦= 0 となります.
次に, tan 0◦ , tan 90◦ を考えてみま しょう. tanα= a
b なので,αが0◦ に 近くなると, aは限りなく小さく, 0 に 近づきます. 従って, a
b は0 に近づき
tan 0◦ = 0 となります. tanβ = b
a で, β が90◦ に近づくにしたがい, aに対するb の割合がだんだ ん大きくなり, tanβ はやがて巨大な値になってしまいます.
それでは,ここで, 0◦, 30◦, 45◦, 60◦, 90◦ の三角比の値を表にしてまとめてお きましょう.
5.4. 0◦, 90◦ の三角比 67
θ 0◦ 30◦ 45◦ 60◦ 90◦
sinθ 0 1
2
√2 2
√3
2 1
cosθ 1
√3 2
√2 2
1
2 0
tanθ 0
√3
3 1 √
3 なし
この表のように,三角比の値は角θ が具体的に与えられていれば,三角関数表 (後で詳しく出てきます.) によりわかります. また,角θ と一辺の長さがわかれ ば,他の辺の長さを知ることができます.
重要
たとえば, θ,c が与えられて, a , b が未知数のとき a
c = sinθ より a=c sinθ 同様に
b
c = cosθ より b=c cosθ この 2 式もよく使われます.
練習 1. 次に示す 3 つの直角三角形から, sinθ , cosθ , sinα , cosα , tanα , sinβ , cosβ の各値を求めなさい.
練習 2. 次の三角形の a,bの各値を求めなさい.