第 4 章 ギリシャ文字と単位 39
4.4 単位の分量と倍量を表す接頭語
基準量をもとにして,この分数や倍数で表すだけでは不便を生じることがあり ます. たとえば 1メートルという長さを基準に考えたとき,自動車の走行距離は 1 メートルよりはるかに大きい距離でしょうし,シャープペンシルの芯の太さは 1 メートルと比べたら非常に細いのです. そこで,基準の単位である1 メートル の 1000倍や1000分の1 をキロ(kilo) や ミリ(mili) などの倍量や分量の用 語を使って表すことが多いのです. すなわち,キロメートル,ミリメートルです. これらの用語はキロやミリ以外にも表4–2のようにいくつかあります.
表4–2
大きさ 指数 接頭語 接頭語の読み
1000000000000000000 1018 E エクサ
1000000000000000 1015 P ペタ
1000000000000 1012 T テラ
1000000000 109 G ギガ
1000000 106 M メガ *
1000 103 k キロ *
100 102 h ヘクト
10 101 da デカ
1 100 (基本)
0.1 10−1 d デシ
0.01 10−2 c センチ
0.001 10−3 m ミリ *
0.000001 10−6 µ マイクロ *
0.000000001 10−9 n ナノ
0.000000000001 10−12 p ピコ
0.000000000000001 10−15 f フェムト
0.000000000000000001 10−18 a アト
*印は是非覚えましょう. これらは次のように語呂合わせで覚えると,覚えやすいのではないでしょうか.
キ˙ ロ˙
|{z}
(k)
きろと ヘ| {z }˙ク˙ト˙
(h)
デ˙ カ˙
|{z}
(da)
けた メ| {z }˙ー˙ト˙ル˙
(m)
が デ|{z}˙シ˙
(d)
に追われて セ| {z }˙ン˙チ˙
(c)
ミ˙ リ˙
|{z}
(m)
みり これらの物理量の基本単位につく用語を接頭語といいます. 指数で表す大き さと対比しながら練習しましょう.
コーヒー・ブレーク オームかオメガか
あまりなじみのないギリシャ文字ですが, 科学・技術の世界では,よく使わ れています. Ω は, ギリシャ文字としては「オメガ」ですが,抵抗の単位とし ては「オーム」と読みます. µはギリシャ文字では「ミュー」. まさつ係数の 記号に使ったりします. 表 4–2の接頭語では「マイクロ」と読み,指数 10−6 として使われます. ローマ字のkが「キロ」, m が「ミリ」, cが「センチ」と 読まれるのと同じです.
4.4. 単位の分量と倍量を表す接頭語 43 例 1. 長さ1457 [m] は,キロメートルと,ミリメートルで表現すると,いくらで しょうか. また,指数を使って表現するとどうなるでしょうか.
解答 接頭語では, 1 の 1000 倍の k (キロ) と, 1 の 1
1000 倍の m(ミリ) を使います. ここでは,すなわち[km] と[mm] です.
1457 [m] = 1.457 [km]
1457 [m] = 1457000 [mm]
また, a×10n (ただし, 15a <10 , nは整数) の形で表現すると きは, k (キロ) = 1000 = 103, m (ミリ) = 1
1000 = 10−3 に相当しま すので,
1457 [m] = 1.457×103[m]
1457 [m] = 1457000 [mm] = 1.457×106[mm]
のように表します.
a×10n (ただし, 1 5a < 10 ,nは整数) の形で表現するときは,上の例の ように,数字は一の位の数字と小数点表現をとり,位取りは 10n で表し,それら のかけ算の形で表現します.
練習 2. 次の物理量を, ( )の読みに対応するように接頭語付きの単位に直し, 指数を使って表現しなさい.
(1) 1230 [m] ( キロメートル ) (2) 450 [mm] ( マイクロメートル) (3) 1.2 [kV] ( ボルト) (4) 0.00079 [A] ( マイクロアンペア) (5) 0.56 [MΩ] ( キロオーム)
練習 3. 接頭語で表現した次の物理量を, ( )の単位に対応するように指数を 使って表現しなさい.
(1) 2.94 [km] ( [m] ) (2) 38.4 [µm] ( [m] ) (3) 457 [kg] ( [g] ) (4) 9.86 [µΩ] ( [Ω] ) (5) 6.31 [MΩ] ( [Ω] )
練習 4. 指数で表現した次の物理量を,接頭語付きの単位で表現しなさい. (1) 1.58×10−6 [Ω] (2) 8.65×106 [g] (3) 2.88×103 [m]
(4) 5.43×10−3 [A] (5) 3.37×104 [V]
コーヒー・ブレーク アラビア数字について 15世紀のローマでは
I II III IV V VI VII VIII IX X
の数字が使われていたのですが,やがてそれより論理的で便利な
1 2 3 4 5 6 7 8 9 0
が使われるようになりました. この数字は一般に アラビア数字といわれてい ますが,この原形はインド辺りで使われていたもののようで,それを伝えたの がアラビア人であったことから,誤って伝わったと言われています.
アラビア数字は次のように書きます.
アラビア数字は左から書き,アラビア文字は右から書きます. これらの混在 した文章は,書く向きが変わるわけです.