• 検索結果がありません。

星のお話

ドキュメント内 ( ) ± = 2018 (ページ 111-115)

第 7 章 常用対数の計算 93

7.3 対数の応用

7.3.1 星のお話

7.3. 対数の応用 103 逆に星の明るさのお話のように,小さな数字を表すときも便利です. 1

1000000 の場合,

1

1000000 = 106 常用対数をとると ( 底の10は省略できるのでしたね),

log 1

1000000 =−6 このように, −6 という数字で表せます.

どうでしょう. 対数を使うとゼロの数にまどわされなくてすむことがわかり ますね.

星の等級も対数を使って表しています. どのように対数が用いられているか をこれから見ていきましょう.

1等星を基準にとって, 10等級増えた場合,つまり11等星を例にとって考え てみましょう. 先に述べたように明るさは 1

10000 になるのですから

111 =log 1 10000

ただし, kは等級と明るさの関係を示す定数とします. 左辺はこの場合, 10等級 増えたことを表し,右辺で log 1

10000 log 1

10000 =4 となります. 以上のことから上式は

10 =(4) k=2.5 となります.

では,すべての場合に対応できる式を考えてみましょう.

m を星の等級, F を 星の明るさ,そしてF01等星の明るさ とすると, m−1 =2.5 log F

F0 という式が成り立ちます.

さて,金星が「宵(よい)の明星」,「明(あ)けの明星」と呼ばれ,その明るさ から,よくUFO などと間違えられたりすることがあるのは皆さんもよくご存知 でしょう. 時には 4等級にも達し, 1等星よりも明るくなるのです. 少々奇異 な感じを受けるかもしれませんが, 1等星より明るい星はマイナスの等級になる のです.

では,たとえば 4 等級であったときに,これが1等星の何倍の明るさである かを調べるために,先の式にあてはめてみましょう. すると,

−4−1 =−2.5 log F F0

5 =2.5 log F F0

log F

F0 = 5

2.5 = 2

1等星の何倍の明るさか,ということですから,ここでは F F0

を求めたいとい うことになります. よって,

log F F0

= 2 F

F0 = 102 ( logX =aX= 10a なので ) 1等星の100倍の明るさになることがわかりました.

ところで,星の明るさを考えるときは,距離を考えることも大切です. 私たち に届く星の明るさは,星からの距離の2乗に反比例します. 当然ですが,遠いほ ど暗く見えるわけですね.

簡単にするため, 2つの星が等距離では等しい明るさであるとしましょう. それでは右の図を用いて話を進めます.

先に述べた明るさと距離の関係より, F1

F2 = D22 D12 =

D2 D1

2

= D1

D2

2

となります. また,

m11 =2.5 log F1

F0 m21 =2.5 log F2

F0

ですから

m1−m2 =2.5×

log F1

F0 log F2 F0

7.3. 対数の応用 105 となります.

さらに上式において対数の性質 log x

y = logx−logy を考えると m1−m2 = 2.5× {( logF1logF0)( logF2logF0)}

= 2.5×( logF1logF2)

= 2.5 log F1

F2 と変形できました. ここに F1

F2 = D1

D2 2

の関係を代入すると

m1−m2 =2.5 log D1

D2

2

となります. logXn=nlogX という対数の性質がありましたね.すると上式は, m1−m2 =2.5×(2) log D1

D2 = 5 log D1

D2 これで等級差と距離の関係が求まりました.

対数を使えば,宇宙のことをもっと調べられそうですね. 対数はいろいろなと ころで使われています. それだけ広い範囲の数が,私たちのまわりで使われてい るということなのです.

例題 1. 地球から4.85×106 [pc] (パーセクparsec : 天文学で距離を表す単位) のところにある太陽は 26.7等級に見えます.もし,太陽が 10 [pc]の距離にあ るとすれば,何等級に見えますか. (本当は,距離を表すのは[m]を使うべきです が,なにしろ宇宙は広いので計算を簡単にするため,ここでは [pc]を使います.) ただし, log 4.85 = 0.6857とします.

解答

m1 =26.7 [等級], D1= 4.85×106 [pc], D2 = 10 [pc]

m2 を求めたいので m1−m2= 5 log D1 D2

の式を使いましょう. すると

m2 =m15 log D1 D2

となり,値を代入すれば

m2 = 26.75 log( 4.85×107)

= 26.75 ( log 4.857 )

= 26.75 ( 0.68577 )

= 4.9 [等級] となります.

コーヒー・ブレーク

明るい? 暗い? 私たちの太陽

10 [pc]の距離に置いたときの恒星の等級を絶対等級 といいます. 例題1

らわかるように,私たちにとって明るい太陽も意外に暗い星なんですね! ちなみに, 1 [pc] = 3.0857×1016 [m]です.

( P. 113の章末の問題4の表の値と比べてみましょう)

練習 10. 等距離に置いたときの星の明るさが同じとして,距離を10倍離したと き,この2つの星は何等級の差になりますか.

ドキュメント内 ( ) ± = 2018 (ページ 111-115)