第 5 章 三角比 61
5.6 三角関数表
5.6 三角関数表
代表的な角の三角比は,すでに 5.2 と 5.4 で学びました. ここでは, 0◦ から 90◦ までのすべての角に対する三角比を考えることにします.
さて, 任意の (任意とは, 何でもよく適当なという意味) 角に対して, sinθ , cosθ , tanθ の値は, θ の値が決まれば,それぞれの値が決まるため, θ を変数 とする関数と考えられます. そこで,これからは三角比の代わりに三角関数と いう表現に変えることにします. ちょうどy =x2 で「y はxを変数とする2次 関数である」と考えるのと同じです.
しかし,たとえば, sin 15◦, cos 15◦ の値を求めなさいと言われたらどうしたら よいでしょうか. 多分,まず分度器でθ= 15◦ の適当な大きさの直角三角形を書 き, 次に, a, b ,c の長さを定規で測り,二辺の比 a
c , b
c をsin 15◦ , cos 15◦ の値とすることでしょう.
この方法ではおよその値は求められ るでしょうが,もっと正確な値を必要と する場合は感心できません. 実際は, 三 角関数の値を精密にまとめた「三角関数 表」から読みとることになります.
巻末にある「三角関数表」を開いてみてください. この表は 1◦ ずつの sin , cos , tan の値を0◦ から90◦ まで示しています.
実はこの「三角関数表」は, sinθ, cosθ, tanθをすこしだけ高度な数学的処 理を行って計算して求めたものです. 表の見方は,特に難しくありません.
sin 15◦= 0.2588 , cos 15◦ = 0.9659, tan 15◦ = 0.2679 であることがわかります.
練習 4. 三角関数表から次の値を求めなさい.
(1) tan 38◦ (2) cos 60◦ (3) sin 75◦ (4) tan 53◦ (5) cos 8◦ 練習 5. 三角関数表から次の式を満たす θの値を求めなさい.
(1) sinθ= 0.333 (2) cosθ= 0.850 (3) tanθ= 2.36
さて,これまで取り扱ってきた角は 0◦ から 90◦ までの角に限ってきました. 今後はもっと大きな角, 170◦ とか 315◦ とか,さらにもっと大きな角や,負の角
の三角関数が必要になることがあります. しかし, 0◦ から90◦ の三角関数表が あれば,どんな角の値も求められることを後で学ぶことになります.
練習 6. 三角関数表を用いて次の問に答えなさい. (1) sin 43◦, cos 25◦, tan 86◦ の値を求めなさい.
(2) sin237◦+ cos237◦= 1 であることを計算により確かめなさい.
(3) cos 40◦ とsin 50◦ の値および sin 70◦ とcos 20◦ の値がそれぞれ等しいこ とを三角関数表により確かめなさい.
例題 1. 杉の木が1本まっすぐに立っています. 木の根本から16.0 [m] 離れた 地点にいる人A が杉の木の頂点Bを見上げると,ちょうど仰角55◦ の方向(目 の位置より上の角を仰角といいます.) でした. 人の目の高さが地上から1.5 [m]
として杉の木の高さを求めなさい.
解答 図のように, 木の根元 C から 1.5 [m] の木の高さの点を D とする. 4ABD において,
BD
AD = tan 55◦
従って, tan 55◦ を三角関数表から読 み取り,
BD = AD tan 55◦
= 16.0×1.428
= 22.8 [m]
木の高さは,
BC = BD + DC
= 22.8 + 1.5
= 24.3 [m]
5.6. 三角関数表 71
問題
問題 1. 高さ 20 [m]の建物AB の屋上の端A から,地上の点C を見おろした
ら,水平に対し30◦ の方向であった. BC間の距離 xを求めなさい.
問題 2. 図のような三角形の土地があります. (1) 点BからACにおろした垂線
の足を D とします. BD を求 めなさい.
(2) この土地の面積 S [m2]を求め なさい.
(3) BC の長さを求めなさい.
問題 3. 図のように,∠A = 90◦, AB>AC である直角三角形ABC において, AD⊥BC, BC = 13, AD = 6で ある.
(1) BD, CD の長さを求めなさい. (2) cosθの値を求めなさい.
問題 4. 平行に流れる川があり,それに直角に橋がかかっている. 橋と川岸XX0, YY0 との交点をA,Bとする. ある人がA から X方向に進み, C点からB点 を見ると∠BCA = 39◦ だった. C点から,さらに X 方向に 30.0 [m] 遠ざかっ たD点からB点を見ると∠BDA = 27◦ だった. 川幅ABは何mですか(考え 方, AB =a, AC =b とおく). ただし, tan 27◦= 0.51 , tan 39◦ = 0.81とする.
問題 5. 平地上の A 地点から山の頂上 C の仰角を測ったところα だった. 次 に, 平地上を A から山の方へ a[m] 近づいた B地点での仰角は β だった. 山 の高さ h を求めなさい.
( ヒント : BD =b とおく. α ,β に関する三角比の式をたて, b を消去し, h を求める. )
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