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moment 展開

ドキュメント内 BGK (ページ 62-67)

2.2 相対論的運動論

2.2.8 moment 展開

ではこの散逸係数(2.302)、(2.303)、(2.304)の非相対論的極限、超相対論的極限でどう なるかを見てみよう。まず非相対論的極限ζ À1はセクション2.2.4と同様にベッセル関 数の漸近展開を用いると次のようになる。

µ' 25 256σ

rmT π

1 ζ2

µ

1 183 16

1 ζ +· · ·

(2.305) κ' 75

256mσ rmT

π µ

1 + 13 16

1 ζ +· · ·

(2.306) η' 5

64σ rmT

π µ

1 + 25 16

1 ζ +· · ·

(2.307) この式より最低次は非相対論の表式になっていることがわかる。更にbulk viscosityは非 相対論的極限で消えることが分かる。

同様にして超相対論的極限ζ ¿1では次のようになる。

µ' 1 288π

T σζ4

· 1 +

µ49

12 + 76 lnζ 2 + 6γ

¶ +· · ·

¸

(2.308) κ' 1

2πσ µ

1 1

4ζ2+· · ·

(2.309) η' 3

10π T σ

µ 1 + 1

20ζ2+· · ·

(2.310) 非相対論的極限の場合と同様にこの極限でもbulk viscosityは消えることが分かる。

式(2.313)の中の量は次のように定義される。

Tµνρ

Z d3p

p0 pµpνpρf (2.314)

Pνρ 1 2

Z d3p p0

d3p1

p01 (pp+p1 p1 −pνpρ −pν1pρ1)f f1pµpµ1vrelσ (2.315) これらの方程式はn, uµ, T,Π, pµν, qµが14個のmomentの時間発展を記述する方程式を 全て含んでいる。ところがTµνρ は14-moment より高次のmomentも含んでしまってい るので、必要なmomentだけを抜き出してやらなければならない。そこで分布関数f を 14-momentのみが含まれる形で求めてそのf を用いてTµνρ を計算しよう。

uµ の静止系でのエントロピー密度をs とすると、セクション2.2.1からf を用いて次 のように表される。

s≡ −uµ n

Z d3p

p0 pµf(lnf 1) (2.316) 14-momentを残すために次の14個のconstraintを課そう。

Nµuµ=uµ

Z d3p

p0 pµf (2.317)

Tµνuµ=uµ

Z d3p

p0 pµpνf (2.318)

Thµνiρuρ =uρ

Z d3p

p0 ppνipρf (2.319) 本来NµTµν に全てのmomentが含まれているのでそれをconstraintとして課せばよ いのだが、計算が煩雑になり導出される式は上のconstraint から得られる式と同じなの でこの論文ではこちらを課して考える。

ここで次の関数を考える。

F =−uµ n

Z d3p

p0 pµf(lnf 1) +λ µ

Nµuµ−uµ

Z d3p p0 pµf

(2.320) +λν

µ

Tµνuµ−uµ

Z d3p p0 pµpνf

+λhµνi

µ

Thµνiρuρ−uρ

Z d3p

p0 ppνipρf

この関数をf について変分すると、エントロピー増大側より14-moment以外のmoment は全て減衰した分布関数f が得られる。Euler-Lagrange方程式を解くとf は次のように 求まる。

f = exp h

−n(λ+λµpµ+λhµνippνi) i

(2.321) この14個のλλµλhµνiには考えたい14個のmomentが含まれている。そこでこれら を次のように平衡部分と非平衡部分に分離する。

λ =λE+λN E, λµ=λEµ +λN Eµ , λhµνi =λN Ehµνi (2.322)

するとf は次のように書ける。

f = exp£

−n(λE+λEµpµ

×exp h

−n(λN E +λN Eµ pµ+λN Ehµνippνi) i

(2.323) 第一項は平衡部分なので局所平衡分布f0 であり、さらに今平衡に近い場合を考えるとし て非平衡部分のmomentは1より非常に小さいとするとf は次のように展開できる。

f =f0n

1−n(λN E +λN Eµ pµ+λN Ehµνippνi)o

(2.324) λN EµλN Ehµνiuµを用いて次のように分解しよう。

λN Eµ = ˜λuµ+ ˜λνγµν (2.325)

λN Ehµνi= Λuµuν + 1

ρµρuν +γνρuµ) + Λρσ µ

γµργνσ 1

3γρσγµν

(2.326) 以上より分布関数f は次のようになる。

f =f0n

1−nλN E −n(˜λuµ+ ˜λνγµν)pµ (2.327)

n

·

Λuµuν + 1

ρµρuν +γνρuµ) + Λρσ µ

γµργνσ 1

3γρσγµν

¶¸

ppνi)

¾

このf からΠqµphµνiを求めよう。まずf を次の四元粒子流束の定義式に代入する。

Nµ =

Z d3p

p0 pµf =

Z d3p

p0 pµf0 (2.328)

得られたNµuµγνµ を作用させると次の二つの式が得られる。

λN E + ˜λm µ

G− 1 ζ

+ Λm2 µ

1 + 3G ζ

= 0 (2.329)

˜λµγµν +mGΛµγµν = 0

同様にして式(2.327)をTµν の定義式に代入する。得られた Tµν をセクション2.2.5 のように分解すると次のような式が得られる。

phµνi =−2n2m2TG

ζΛhµνi (2.330)

Π = −n2T

·

λN E +Gmλ˜+ µ

1 + 5G ζ

m2Λ

¸

qµ =n2T

·

Gmγµν˜λν + µ

1 + 5G ζ

m2γµνΛν

¸

λN E µ

G− 1 ζ

¶ + ˜λm

µ 3G

ζ + 1

+ Λm2 µ

15G ζ2 + 2

ζ +G

= 0

以上で14個の式(2.329)、(2.330)が得られ、これらの式を解くことで14個の未定係数が 全て巨視的な量で表される。これらを代入すると求めたい分布関数f は次の形になる。

f =f0

½

1 +α0Π P

µ

α1+α2uµpµ+ ζ

m2uµuνpµpν

(2.331) + α3

qµ P

µG

mpµ 1

m2uνpµpν

+ phµνi P

ζ

2Gm2pµpν

¾

係数は次のように与えられる。

α0 = 15Gζ−ζ2+G2ζ2

20G+ 3ζ13G2ζ−2Gζ2+ 2G3ζ2 (2.332) α1 = 15G+ 2ζ6G2ζ+ 5Gζ2+ζ3−G2ζ3

15Gζ−ζ2+G2ζ2 α2 = 3ζ

m

6G+ζ−G2ζ 15Gζ −ζ2+G2ζ2 α3 = ζ

ζ+ 5G−G2ζ

このf を用いて散逸項の発展方程式を導こう。まずTµνρPµν は次のように計算で きる。

Tµνρ = (nC1+C2Π)uµuνuρ+ 1

6(nm2−nC1 −C2Π)(ηµνuρ+ηµρuν +ηνρuµ) (2.333) +C3µνqρ+ηµρqν +ηνρqµ)6C3(uµuνqρ+uµuρqν +uνuρqµ)

+C4(phµνiuρ +phµρiuν +phνρiuµ)

Pµν =B1µν 4uµuν) Π +B2(uµqν +uνqµ) +B3phµνi (2.334) 係数Ci は次のように与えられる。

C1 = m2

ζ (ζ + 6G) (2.335)

C2 =6m ζ

35ζ + (19ζ230)G(2ζ345ζ)G22G3 20G+ 3ζ13G2ζ−2G+ 2ζ2G3

C3 =−m ζ

ζ + 6G−G2ζ ζ + 5G−G2ζ C4 = m

(ζ+ 6G)

またBiは散乱断面積に関係する量で、セクション2.2.7でも現れたIi を含む。

B1 = ζ 3m2P

(1−ζ25ζG+ζ2G2)I1

20G+ 3ζ 13G2ζ−2G+ 2ζ2G3 (2.336) B2 = ζ

3m2P

I1−I2

ζ+ 5G−ζG2 B3 = ζ

30m2P

2I16I2+ 3I3

G

以上により得られた結果を発展方程式(2.313)に代入すれば求めている式が得られる。

ここで散逸項の時間微分を除いた二次の量、つまり散逸項と勾配量の二次の項を落とす と、次のような式になる。

C2

2 DΠ + 1

2(m2+C1)Dn ζ

2TnC10DT 5C3µqµ (2.337) +1

6(nm2+ 5nC1)∇µuµ=−3B1Π 5C3Dqµ 1

6

·

(m2−C1)∇µn+ ζ

T nC10µT −C2µΠ

¸

−C4νphµνi (2.338)

1

6(nm2+ 5nC1)Duµ =−B2qµ C4Dphµνi+ 2C3qνi+ 1

3(nm2−nC1)∇uνi =B3phµνi (2.339) この式で0ζ に関する微分を表す。最後に式(2.337)、(2.338)に含まれるDnDuµDT を消すために次の流体方程式を代入する。

Dn+n∇µuµ= 0 (2.340)

nhEDuµ =µ(P + Π)− ∇νphµνi−Dqµ ncVDT =−P∇µuµ− ∇µqµ

すると式(2.337)、(2.338)は次のようになる。

C2

2 DΠ− n

2(m2+C1)∇µuµ+ ζ 2T

C10

ζ2+ 5ζG−ζ2G21(∇µqµ+P∇µuµ) (2.341)

−5C3µqµ+ 1

6(nm2+ 5nC1)∇µuµ =−3B1Π 5C3Dqµ 1

6

·

(m2−C1)∇µn+ ζ

T nC10µT −C2µΠ

¸

−C4νphµνi (2.342)

1

6nhE(nm2+ 5nC1) h

µ(P + Π)− ∇νphµνi−Dqµ i

=−B2qµ

以上により得られた式(2.339)、(2.340)、(2.341)、(2.342)が14-moment展開の基礎方程 式である。非相対論の場合と同様に、式(2.339)、(2.341)、(2.342)はそれぞれphµνi、Π、 qµの発展方程式になっている。なお式(2.339)、(2.341)、(2.342)においてphµνi、Π、qµ

の緩和が十分進み、これらの時間微分と勾配を0とおくとChapman-Enskogの一次の展 開から得られた散逸項が得られることに注意せよ。

ドキュメント内 BGK (ページ 62-67)