第5章 分析
5.5 PLS-SEM
表 16 2011年度
ICT
産業の確認的要因分析を通じてのCMB
検定市場不確実性の低減 新規性の程度 初期計画 技術不確実の低減 効果 効率 市場不確実性の低減 4.624 n/a 3.753 -0.698 6.435
新規性の程度 1.283 n/a 1.563 -1.282 1.087 初期計画 2.099 0.607 2.032 1.813 1.662 技術不確実性の低減 2.288 3.353 n/a 3.699 4.843
効果 1.384 1.668 n/a 1.855 1.863
効率 1.586 -0.221 n/a 1.686 1.023
性(content validity)に影響を与えるため、弱い外部負荷量ではあるが残す(Hair et
al. 2014) 。しかし、 Hair et al.(2011 )は、外部負荷量が 0.4
以下の場合は、除去しな ければならないと指摘している。表 17 2017年度
ICT
産業の測定モデルの評価結果潜在変数 測定 変数
収束妥当性 内的一貫性の信頼度 弁別的妥当性
外部負荷量 AVE Cronbach's α rho_A (ρA)
合成信頼度
(CR) HTMT
>0.70 >0.50 0.60~0.90 >0.70 0.60~0.90 信頼区間に1を含めない
市場 不確実性 の低減活
動
a1 0.855
0.577 0.85 0.861 0.89 YES
a2 0.802
a3 0.815
a4 0.744
a5 0.718
a6 0.592
技術 不確実性
の 低減活動
b1 0.805
0.698 0.891 0.894 0.9 YES
b2 0.840
b3 0.877
b4 0.859
b5 0.794
初期計画
c1 0.790
0.586 0.824 0.834 0.876 YES
c2 0.730
c3 0.717
c4 0.842
c5 0.743
新規性の 程度
d2 0.670
0.476 0.848 0.884 0.878 YES
d4 0.782
d5 0.607
d6 0.729
d7 0.579
d9 0.654
d10 0.715
d11 0.754
効果
f101 0.734
0.644 0.864 0.875 0.9 YES
f102 0.832
f103 0.808
f104 0.863
f105 0.770
効率
f2 0.690
0.603 0.667 0.672 0.819 YES
f3 0.814
f4 0.820
弁別的妥当性は、
Fornell-Larcker
基準、交差負荷量(cross loadings)、 HTMT
を通じ て評価する。表18
は、Fornell-Larcker 基準の評価結果である。太い数字の対角線は、AVE
の平方根が対角線の下の潜在変数間の相関関係より大きいため、潜在変数間には弁別 的妥当性が確保できたと評価できる。表 18 2017年度
ICT
産業のFornell-Larcker
基準の結果市場不確実性の低減活
動 新規性の程度 初期計画 技術不確実の低減活動 効果 効率 市場不確実性の低減活動 0.759
新規性の程度 -0.145 0.630 初期計画 0.506 -0.209 0.766 技術不確実性の低減活動 0.562 -0.214 0.674 0.835
効果 0.309 0.149 0.128 0.187 0.803
効率 0.231 -0.293 0.530 0.329 0.239 0.777
付録
7
は、2017年度ICT
産業の交差負荷量の結果である。色の部分は外部負荷量で、色のない部分が交差負荷量である。各潜在変数に該当する測定変数が、外部負荷量に高く 積在されたため、弁別的妥当性が確保できたと評価できる。
表
19
は、弁別的妥当性を評価する基準としてHTMT
の値(HTMT
.85)の結果である。 0.85
未満のため、すべての潜在変数間に弁別的妥当性は確保できた。表 19 2017年度
ICT
産業のHTMT
.85値市場不確実性の低減 新規性の程度 初期計画 技術不確実の低減 効果 効率
市場不確実性の低減
新規性の程度 0.201
初期計画 0.590 0.230
技術不確実性の低減 0.650 0.217 0.771
効果 0.332 0.255 0.170 0.203
効率 0.315 0.378 0.716 0.428 0.324
(2) 構造モデルの評価
構造モデルを評価する基準は、多重共線性、決定係数(R2
)、効果サイズ (f
2)、予測的
適合性(Q2)、経路係数の有意性と適合性の評価である。表 20
は、2017 年度ICT
産業の 多重共線性の評価結果である。多重共線性を評価するにあたり、内部VIF
が5
未満(Hair et al., 2014)であれば多重共線性のないと判断できる。そのため、2017
年度ICT
企業の 構造モデルの潜在変数間には多重共線性がない。表 20 2017年度
ICT
産業の多重共線性の評価結果市場不確実性の低減 新規性の程度 初期計画 技術不確実の低減 効果 効率 市場不確実性の低減 1.530 1.527
新規性の程度 1.046 1.000 1.046 初期計画 1.046 1.046 2.373 1.915 技術不確実性の低減 2.083 2.081
効果
効率 1.394
表
21
をみると、「市場不確実性の低減活動」と「効率」は各々決定係数が0.243、
0.262
で‘弱い説明力’をもっており、「技術不確実性の低減活動」は0.449
で‘中間より少し低い説明力’をもっている。効果サイズ(f2
)を見ると、「初期計画」の R
2には「技術不確実性の低減活動」が最も大きい効果サイズ(
0.766)である。次は「効率」で中
間効果サイズ(0.239)である。内部潜在変数のQ
2が‘0’より大きいため、構造モデルは 予測的適合性をもっていると評価できる。表 21 2017年度
ICT
産業の構造モデルの評価結果修正済み 決定係数
効果サイズ(f²) 予測的適合性
市場不確実 性の低減活
動
新規性の
程度 初期計画 技術不確実性
の低減活動 効果 効率 Q² (=1-SSE/SSO) 市場不確実性
の低減活動 0.243 0.078 0.001 0.128 新規性の程度 0.002 0.046 0.010
初期計画 0.034 0.319 0.766 0.023 0.239 0.190 技術不確実性
の低減活動 0.449 0.003 0.001 0.296
効果 0.111 0.057
効率 0.262 0.055 0.147
5.5.2 2011
年度非ICT
産業(1)測定モデルの評価
表
22
は、2011年度非ICT
企業の測定モデルの信頼度と妥当性を評価結果である。すべ ての潜在変数は、内的整合信頼度の基準を満たした。収束的妥当性は、外部負荷量とAVE
により評価するが、「市場不確実性の低減活動」のa4( 0.653)、「新規性の程度」の d2
(0.536)、d7(0.646)、d9(
0.682)、 d10(0.507)、d11( 0.29)で、基準を満たしていな
い。しかし、2017
年度ICT
産業とのPLS-MGA
を行うためには、同じ測定変数での測定が 重要なため残すこととする。表 22 2011年度非
ICT
産業の測定モデルの評価結果潜在変数 測定 変数
収束妥当性 内的一貫性の信頼度 弁別的妥当性
外部負荷量 AVE Cronbach's α rho_A(ρA) 合成信頼度 HTMT
>0.70 >0.50 0.60~0.90 >0.70 0.60~0.90 信頼区間に1を含めない 市場
不確実性 の低減活
動
a1 0.816
0.561 0.842 0.85 0.884 YES
a2 0.821
a3 0.733
a4 0.653
a5 0.733
a6 0.725 技術
不確実性 の 低減活動
b1 0.843
0.727 0.906 0.907 0.93 YES
b2 0.884
b3 0.856
b4 0.859
b5 0.819
初期計画
c1 0.768
0.675 0.879 0.883 0.912 YES
c2 0.845
c3 0.876
c4 0.803
c5 0.813
新規性の 程度
d2 0.536
0.416 0.833 0.89 0.842 YES
d4 0.700
d5 0.859
d6 0.770
d7 0.646
d9 0.682
d10 0.507
d11 0.290
効果
f101 0.810
0.691 0.889 0.894 0.918 YES
f102 0.849
f103 0.857
f104 0.839
f105 0.799
効率
f2 0.876
0.654 0.745 0.815 0.85 YES
f3 0.786
f4 0.760
表
23
は、Fornell-Larcker基準を満たした結果で、弁別的妥当性は確保できた。付録8
は、2011 年度非ICT
産業における交差負荷量の評価結果である。色の部分は、外部負荷 量で、色のない部分が交差負荷量である。各潜在変数に該当する測定変数が高く、外部負 荷量に積在されたため、弁別的妥当性が確保できたと評価できる。表 23 2011年度非
ICT
産業のFornell-Larcker
基準の結果市場不確実性の低減 新規性の程度 初期計画 技術不確実の低減 効果 効率
市場不確実性の低減 0.749
新規性の程度 -0.194 0.645 初期計画 0.491 0.031 0.822 技術不確実性の低減 0.720 -0.201 0.554 0.853
効果 0.545 -0.143 0.363 0.519 0.831
効率 0.275 -0.136 0.459 0.352 0.245 0.809
また、弁別的妥当性を評価する基準としての
HTMT
の値(HTMT
.85)がある。表 24
をみる と、HTMTが0.85
未満のため、すべての潜在変数間に弁別的妥当性が確保できた。表 24 2011年度非
ICT
産業のHTMT
.85値市場不確実性の低減 新規性の程度 初期計画 技術不確実の低減 効果 効率
市場不確実性の低減
新規性の程度 0.179
初期計画 0.561 0.108
技術不確実性の低減 0.821 0.174 0.621
効果 0.615 0.133 0.404 0.571
効率 0.341 0.173 0.543 0.393 0.281
(2)構造モデルの評価
構造モデルは、多重共線性、決定係数(R2
)、効果サイズ (f
2)、予測的適合性(Q
2)、経
路係数の有意性と適合性で評価する。表25
をみると、多重共線性を評価するにあたり、内部
VIF
が5
未満であれば構造モデルの潜在変数間には多重共線性がないと判断する。表 25 2011年度非
ICT
産業の多重共線性の評価結果市場不確実性の低
減 新規性の程度 初期計画 技術不確実の低減 効果 効率
市場不確実性の低減 2.129 2.128
新規性の程度 1.001 1.000 1.001
初期計画 1.001 1.001 1.671 1.480
技術不確実性の低減 2.363 2.331
効果
効率 1.290
表
26
を見ると、「市場不確実性の低減活動」と「技術不確実性の低減活動」、「効 果」、「効率」は決定係数が各々0.277、0.348
、0.321、0.212
で‘弱い説明力’をもっ ている。効果サイズ(f2)を見ると、「初期計画」の R
2には、「技術不確実性の低減活動」0.487、「市場不確実性の低減活動」 0.346
が大きい効果サイズであり、「技術不確実性の低減活動」の
R
2に、「効率」が中間程度の効果サイズをもっている。「初期計画」を 除いて内部潜在変数のQ
2が‘0’より大きいため、構造モデルは予測的適合性をもってい ると評価できる。表 26 2011年度非
ICT
産業の構造モデルの評価結果修正済み 決定係数
効果サイズ(f²) 予測的適合性
市場不確実性 の低減活動
新規性の
程度 初期計画 技術不確実の
低減活動 効果 効率 Q² (=1-SSE/SSO) 市場不確実性
の低減活動 0.277 0.084 0.000 0.139 新規性の程度 0.061 0.001 0.074
初期計画 -0.004 0.346 0.487 0.002 0.129 0.000 技術不確実性
の低減活動 0.348 0.033 0.014 0.234
効果 0.321 0.207
効率 0.212 0.003 0.123
5.5.3 2011
年度ICT
産業(1)測定モデルの評価
表
27
は、2011年度ICT
産業の測定モデルの信頼度と妥当性の評価した結果である。す べての潜在変数は、内的一貫性の信頼度の基準を満たした。収束的妥当性は、外部負荷量 とAVE
により評価するが、「市場不確実性の低減活動」のa5(0.587)、a6( 0.651)、
「新規性の程度」の d2(0.600)、d7(
0.621)、 d9(0.455), d10(0.324), d11(0.345)
は、基準を満たしていないが、2017
年度ICT
産業とのPLS-MGA
を行うためには、同じ測 定変数での測定が重要であることから残した。表 27 2011年度
ICT
産業の測定モデルの評価結果潜在変数 測定 変数
収束妥当性 内的一貫性の信頼度 弁別的妥当性
外部負荷量 AVE Cronbach's α rho_A (ρA)
合成信頼度
(CR) HTMT推論
>0.70 >0.50 0.60~0.90 >0.70 0.60~0.90 信頼区間に1を含めない
市場 不確実性 の低減活
動
a1 0.865
0.527 0.816 0.829 0.868 YES
a2 0.747
a3 0.770
a4 0.705
a5 0.587
a6 0.651
技術 不確実性
の 低減活動
b1 0.843
0.699 0.891 0.907 0.920 YES
b2 0.871
b3 0.890
b4 0.862
b5 0.700
初期計画
c1 0.733
0.648 0.864 0.876 0.902 YES
c2 0.843
c3 0.811
c4 0.787
c5 0.844
新規性の 程度
d2 0.600
0.376 0.789 0.757 0.815 YES
d4 0.798
d5 0.726
d6 0.818
d7 0.621
d9 0.455
d10 0.324
d11 0.345
効果
f101 0.928
0.769 0.924 0.926 0.943 YES
f102 0.868
f103 0.889
f104 0.874
f105 0.822
効率
f2 0.830
0.595 0.663 0.684 0.814 YES
f3 0.698
f4 0.780
表
28
は、弁別的妥当性を評価するFornell-Larcker
基準の結果である。「市場不確実 性の低減活動」のAVE
平方根(0.726)が、「市場不確実性の低減活動」と「技術不確実性
の低減活動」の相関関係(0.753)より小さいため、 Fornell-Larcker
による弁別的妥当性 は、確保できなかった。また、2011
年度ICT
産業の交差負荷量(付録9)においても、
「市場不確実性の低減活動」の潜在変数の負荷量より大きい外部負荷量が存在する。
表 28 2011年度
ICT
産業のFornell-Larcker
基準の結果市場不確実性 新規性 初期計画 技術不確実性 効果 効率 市場不確実性の低減活動 0.726
新規性の程度 -0.402 0.613
初期計画 0.519 -0.046 0.805
技術不確実性の低減活動 0.753 -0.332 0.559 0.836
効果 0.579 -0.189 0.342 0.458 0.877
効率 0.410 -0.066 0.454 0.368 0.315 0.771
弁別的妥当性を評価する方法として
HTMT
を用いる。表29
をみると、HTMTも0.85
以上 の値が「市場不確実性の低減活動」と「技術不確実性の低減活動」が0.873
のため、HTMT
.85による弁別的妥当性も確保できなかった。表 29 2011年度
ICT
産業のHTMT
.85値市場不確実性の低減 新規性の程度 初期計画 技術不確実の低減 効果 効率
市場不確実性の低減
新規性の程度 0.389
初期計画 0.613 0.208
技術不確実性の低減 0.873 0.342 0.625
効果 0.655 0.237 0.379 0.479
効率 0.576 0.232 0.563 0.464 0.392
Fornell-Larcker
基準及びHTMT
.85基準を満たさなかったため、表30
のように、もっと 柔軟なブートストラッピング信頼区間推論(HTMTinference)を適用した。下限(2.5%)と上限 (97.5%)の間に 1
を含まない場合、弁別的妥当性が確保できるということで、HTMTinferenceで は、弁別的妥当性が確保できた。表 30 2011年度
ICT
産業の HTMTinference結果経路 Original 標本平均 バイアス 2.50% 97.50%
市場不確実性 → 効果 0.510 0.513 0.003 0.274 0.754 市場不確実性 → 効率 0.233 0.248 0.014 -0.045 0.516 新規性 → 市場不確実性 -0.379 -0.391 -0.012 -0.504 -0.144 新規性 → 初期計画 -0.046 -0.101 -0.055 -0.215 0.487 新規性 → 技術不確実性 -0.306 -0.314 -0.008 -0.443 -0.079 初期計画 → 市場不確実性 0.502 0.493 -0.009 0.388 0.623 初期計画 → 技術不確実性 0.545 0.536 -0.008 0.412 0.661 初期計画 → 効果 0.021 0.020 -0.002 -0.180 0.231 初期計画 → 効率 0.328 0.337 0.009 0.076 0.502