第5章 分析
5.12.4 新規性の程度
表
124
は、K 社とS
社の「新規性の程度」の測定変数に対する帰無仮説と対立仮説を示 した表である。表 124 「新規性の程度」の測定変数に関する帰無仮説及び対立仮説
「新規性の程度」の測定変数 帰無仮説及び対立仮説
d1
新製品・新商品のために必要な技術的知識は、当社にと って新しいものであったH
0(帰無仮説): K社と S社の「d1」の活動は、差異がない H
1(対立仮説): K社と S社の「d1」の活動は、差異がある d2
新製品の技術的な構成は、当社にとっていままであまり経験のない領域のものであった
H
0(帰無仮説): K社と S社の「d2」の活動は、差異がない H
1(対立仮説): K社と S社の「d2」の活動は、差異がある d3
必要とされる製品製造ラインは当社の既存の生産ラインでは対応できないものであった
H
0(帰無仮説): K社と S社の「d3」の活動は、差異がない H
1(対立仮説): K社と S社の「d3」の活動は、差異がある d4
必要とされる製品の製造工程は、当社にとって経験のないものであった
H
0(帰無仮説): K社と S社の「d4」の活動は、差異がない H
1(対立仮説): K社と S社の「d4」の活動は、差異がある d5
新製品・の目標とする市場又は顧客は当社の現在の市場や顧客とは異なるものであった
H
0(帰無仮説): K社と S社の「d5」の活動は、差異がない H
1(対立仮説): K社と S社の「d5」の活動は、差異がある d6
必要とされる販売チャネルは当社の既存のチャネルとはかなり異なるものであった
H
0(帰無仮説): K社と S社の「d6」の活動は、差異がない H
1(対立仮説): K社と S社の「d6」の活動は、差異がある d7
新製品の広告宣伝において当社は経験がなかったH
0(帰無仮説): K社と S社の「d7」の活動は、差異がない H
1(対立仮説): K社と S社の「d7」の活動は、差異がある d8
必要な資金は、以前のプロジェクトより多く要したH
0(帰無仮説): K社と S社の「d8」の活動は、差異がない H
1(対立仮説): K社と S社の「d8」の活動は、差異がある d9
新製品のコンセプトを実現するために従業員にとって必要とされる能力や技能が当社の従来のものと異なっていた
H
0(帰無仮説): K社と S社の「d9」の活動は、差異がない H
1(対立仮説): K社と S社の「d9」の活動は、差異がある d10
新製品は当社の組織体制の変更を余儀なくさせたH
0(帰無仮説): K社と S社の「d10」の活動は、差異がない
H
1(対立仮説): K社と S社の「d10」の活動は、差異がある d11
新製品は当社の企業戦略を実質的に変更させるものであった
H
0(帰無仮説): K社と S社の「d11」の活動は、差異がない H
1(対立仮説): K社と S社の「d11」の活動は、差異がある
表
125
は、K社とS
社の「新規性の程度」に関する測定変数において、平均値に統計的 に有意差があるかどうかを両側検定でt
検定の結果を示した表である。d1 からd11
は p>
0.05
のため、帰無仮説を採択する。即ち、K
社とS
社において「新規性の程度」には差 異がないと言える。表115
を見ると、「新規性の程度」においてはK
社がS
社より平均値 が高い測定変数がd1
からd7
までである。またd8
からd11
まではS
社の平均値が高い。表 125 K社と
S
社の「新規性の程度」におけるt検定の結果
等分散性のための
Leveneの検定 2つの母平均の差の検定
F値 有意確率 t値 df 有意確率
(両側) 平均値の差 差の
標準誤差
差の 95%信頼区間 下限 上限
d1
等分散を仮定
した場合 .972 .334 .176 25 .861 .1193 .6765 -1.2739 1.5125 等分散を仮定
しない場合 .185 24.480 .855 .1193 .6460 -1.2125 1.4511 d2 等分散を仮定 .091 .765 .513 25 .612 .3807 .7414 -1.1462 1.9076
した場合 等分散を仮定
しない場合 .519 22.384 .609 .3807 .7341 -1.1402 1.9015
d3
等分散を仮定
した場合 .166 .687 1.763 25 .090 1.4659 .8315 -.2465 3.1783 等分散を仮定
しない場合 1.777 22.227 .089 1.4659 .8251 -.2441 3.1759
d4
等分散を仮定
した場合 .109 .744 1.182 25 .248 1.0341 .8746 -.7672 2.8354 等分散を仮定
しない場合 1.178 21.399 .252 1.0341 .8776 -.7888 2.8570
d5
等分散を仮定
した場合 3.143 .088 .510 25 .614 .4148 .8126 -1.2589 2.0884 等分散を仮定
しない場合 .537 24.636 .596 .4148 .7727 -1.1778 2.0073
d6
等分散を仮定
した場合 .003 .957 .052 25 .959 .0341 .6585 -1.3221 1.3902 等分散を仮定
しない場合 .052 22.228 .959 .0341 .6534 -1.3202 1.3883
d7
等分散を仮定
した場合 .042 .839 .599 25 .555 .4943 .8256 -1.2060 2.1946 等分散を仮定
しない場合 .596 21.323 .557 .4943 .8292 -1.2285 2.2171
d8
等分散を仮定
した場合 .255 .618 -1.168 25 .254 -.6932 .5934 -1.9153 .5290 等分散を仮定
しない場合 -1.214 24.151 .236 -.6932 .5709 -1.8711 .4848
d9
等分散を仮定
した場合 .446 .510 -1.080 25 .290 -.7670 .7101 -2.2295 .6954 等分散を仮定
しない場合 -1.060 20.221 .301 -.7670 .7233 -2.2748 .7407
d10
等分散を仮定
した場合 .036 .852 -.694 25 .494 -.6136 .8847 -2.4357 1.2084 等分散を仮定
しない場合 -.699 22.234 .492 -.6136 .8778 -2.4329 1.2056
d11
等分散を仮定
した場合 .001 .976 -.575 25 .570 -.3580 .6226 -1.6402 .9243 等分散を仮定
しない場合 -.570 20.949 .575 -.3580 .6283 -1.6648 .9489
Note: Calculated with SPSS 22, *p<0.05, **p<0.01, ***p<0.001
5.12.5
「効率」表
126
は、2社の「効率」の測定変数に対する帰無仮説と対立仮説を示した表である。表 126 K社と
S
社の「効率」の測定変数に対する帰無仮説及び対立仮説「効率」の測定変数 帰無仮説及び対立仮説
f2
開発前段階で計画したマイルストーンに達したH
0(帰無仮説): K
社とS
社の「f2」の活動は、差異がないH
1(対立仮説): K
社とS
社の「f2」の活動は、差異があるf3
開発前段階で計画した資金で十分であったH
0(帰無仮説): K
社とS
社の「f3」の活動は、差異がないH
1(対立仮説): K
社とS
社の「f3」の活動は、差異があるf4
開発前段階で計画した人員で十分であったH
0(帰無仮説): K
社とS
社の「f4」の活動は、差異がないH
1(対立仮説): K
社とS
社の「f4」の活動は、差異がある表
127
は、2
社の「効率」に対する測定変数において、平均値に統計的に有意差がある かどうかを、両側検定でt
検定の結果を示した表である。f2
とf4
は p>0.05のため、帰 無仮説を採択する。即ち、K
社とS
社においてf2
とf4
は差異がないと判断できる。しか し、f3の場合はp< 0.05
のため、対立仮説を採択する。即ち、K
社とS
社においてf3
は 差異があると判断できる。表 127 K社と
S
社の「効率」におけるt検定の結果
等分散性のための
Leveneの検定 2つの母平均の差の検定
F値 有意確率 t値 df 有意確率 (両側)
平均値の 差
差の 標準誤
差
差の 95%信頼区間 下限 上限
f2
等分散を仮定
した場合 .187 .669 -.951 25 .351 -.5909 .6213 -1.8705 .6887 等分散を仮定
しない場合 -.929 19.843 .364 -.5909 .6360 -1.9182 .7364
f3
等分散を仮定
した場合 .300 .589 -3.156 25 .004 -1.5625 .4950 -2.5821 -.5429 等分散を仮定
しない場合 -3.221 23.093 .004 -1.5625 .4851 -2.5658 -.5592
f4
等分散を仮定
した場合 1.610 .216 -.828 25 .415 -.4716 .5695 -1.6444 .7012 等分散を仮定
しない場合 -.773 16.407 .451 -.4716 .6102 -1.7626 .8195
Note: Calculated with SPSS 22, *p<0.05, **p<0.01, ***p<0.001
5.12.6
「効果」表
128
は、2
社の「効果」の測定変数に対する帰無仮説と対立仮説を示した表である。表 128 「効果」の測定変数に関する帰無仮説及び対立仮説
「効果」の測定変数 帰無仮説及び対立仮説
f101
利益H
0(帰無仮説): K
社とS社の「f101」の達成程度は、差異がない
H
1(対立仮説): K
社とS社の「f101」の達成程度は、差異がある
f102
売上高H
0(帰無仮説): K
社とS社の「f102」の達成程度は、差異がない
H
1(対立仮説): K
社とS社の「f102」の達成程度は、差異がある
f103
市場でのシェア―H
0(帰無仮説): K
社とS社の「f103」の達成程度は、差異がない
H
1(対立仮説): K
社とS社の「f103」の達成程度はは、差異がある
f104
競争優位性H
0(帰無仮説): K
社とS社の「f104」の達成程度は、差異がない
H
1(対立仮説): K
社とS社の「f104」の達成程度は、差異がある
f105
新製品についての顧客満足H
0(帰無仮説): K
社とS社の「f105」の達成程度は、差異がない
H
1(対立仮説): K
社とS社の「f105」の達成程度は、差異がある
表
129
は、2社の「効果」に対する測定変数において、平均値に統計的に有意差がある かどうかを両側検定でt
検定の結果を示した表である。f101
からf104
はp>0.05
のため、帰無仮説を採択する。即ち、K社と
S
社においてf101、f102
、f103、f104は、差異がな いと判断できる。しかし、f105
は、p<0.05のため、対立仮説を採択する。即ち、K
社とS
社においてf105
は、差異があると判断できる。表 129 K社と
S
社の「効果」におけるt検定の結果
等分散性のための
Leveneの検定 2つの母平均の差の検定
F値 有意確率 t値 df 有意確率
(両側) 平均値の差 差の
標準誤差
差の 95%信頼区間 下限 上限 f101
等分散を仮
定した場合 .006 .941 -.230 25 .820 -.1591 .6914 -1.5831 1.2649 等分散を仮
定しない場合 -.224 19.419 .825 -.1591 .7116 -1.6463 1.3281
f102
等分散を仮
定した場合 .025 .875 -.524 25 .605 -.3295 .6290 -1.6250 .9659 等分散を仮
定しない場合 -.521 21.212 .608 -.3295 .6327 -1.6444 .9854
f103
等分散を仮
定した場合 2.830 .105 -1.039 25 .309 -.6307 .6072 -1.8811 .6198 等分散を仮
定しない場合 -1.119 24.991 .274 -.6307 .5634 -1.7911 .5298
f104
等分散を仮
定した場合 2.007 .169 -1.432 25 .164 -.8125 .5673 -1.9808 .3558 等分散を仮
定しない場合 -1.516 24.811 .142 -.8125 .5361 -1.9171 .2921
f105
等分散を仮
定した場合 .792 .382 -2.680 25 .013 -1.2273 .4580 -2.1705 -.2840 等分散を仮
定しない場合 -2.797 24.340 .010 -1.2273 .4388 -2.1323 -.3223
Note: Calculated with SPSS 22, *p<0.05, **p<0.01, ***p<0.001
5.12.7
「新製品開発」の目的図
33
は、K社とS
社の「新製品開発の目的」をまとめた図である。この図を見ると、S 社の方が「新規分野への進出」を目的として新製品を開発した比率が高い。図 33 K社と
S
社の「新製品開発の目的」K
社とS
社の「新製品開発の目的」に対して、差異があるかどうかを以下のように仮 説を設定してクロス分析を行った。H
0(帰無仮説 ): K
社とS
社の「新製品開発の目的」は差異がないH
1(対立仮説 ): K
社とS
社の「新製品開発の目的」は差異がある表
130
は、K社とS
社の「新製品開発の目的」に対してクロス分析を行った結果である。クロス分析において、カイ
2
乗検定の有意性を判断する前提は、‘期待度数が5
未満であ るセルが全体の20%を超えるといけない’ことを満足しなければならない(Noh, 2019)。
しかし、表
130
のカイ2
乗検定の結果をみると、最小期待度数は0.81
で、5未満のセ ルの度数が75%であるため Pearson
のカイ2
乗検定を適用することができない。という ことで、Fisher の直接法(Fisher’s exact test)を実施した。その結果、 Fisher
の直 接法の正確な有意確率がp> 0.05
のため、帰無仮説を採択する。即ち、K
社とS
社の「新 製品開発の目的」には、差異がないと判断できる。表 130 K社・S社*「新製品開発の目的」のクロス分析の結果
新製品開発の目的
リポジショニング 製品改良及び修正 新規製品ライン 新規分野への進出 合計
会社 K社
度数 4 1 5 6 16
期待度数 3.0 1.2 4.1 7.7 16.0
会社の % 25.0% 6.3% 31.3% 37.5% 100.0%
調整済み残差 1.0 -0.3 0.8 -1.3
S社
度数 1 1 2 7 11
期待度数 2.0 0.8 2.9 5.3 11.0
会社の % 9.1% 9.1% 18.2% 63.6% 100.0%
調整済み残差 -1.0 0.3 -0.8 1.3
合計
度数 5 2 7 13 27
期待度数 5.0 2.0 7.0 13.0 27.0
会社の % 18.5% 7.4% 25.9% 48.1% 100.0%
[カイ
2
乗検定]値 df 漸近有意確率(両側) 正確な有意確率(両側)
Pearson のカイ2乗 2.316a 3 .509 .562
尤度比 2.401 3 .493 .631
Fisherの直接法 2.409 .562
有効なケースの数 27
a. 6 セル(75.0%)は期待度数が 5未満です。予想される最小の度数は .81です。