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コモン・メッソド・バイアス

第5章 分析

5.4 コモン・メッソド・バイアス

「新規性の程度」の測定変数の中で、外部負荷量(outer loadings)の低い

D1、 D3、 D8

の測定変数を外して分析を行う。

2017

年度

ICT

産業の「新規性の程度」において

D10

の外部負荷量は、収束妥当性の基 準に符合するが、2011年度データは

D10

の外部負荷量が低い。しかし、

2017

年度データ の分析が最優先であるため、2011 年度データには

D10

を削除せずにデータ分析に用いる。

PLS-MGA

を行う上では、データの同一性が大変に重要であることから、2011年度データは、

2017

年度のデータとの同一性のため、

D10

の測定変数は削除しない。

本論文で用いるすべての分析方法、即ち、

CMB

検討、測定モデル及び構造モデル評価、

仮説検定、PLS-MGA、IPMAにおいて、「新規性の程度」の測定変数は

D2、D4、 D5、 D6、D7、

D9、D10、D11

を用いて分析する。

CMB

を検討する方法の中で、

Harman’s One Factor Test

は、因子抽出の方法は最尤度 推定(

maximum likelihood estimation)を、因子回転は Oblimin

法で実施する。

Oblimin

法とは、因子軸が直交しない斜交回転の一つで、因子間の連関関係を維持して

回転する。すなわち、相関関係が全くないと仮定しない。社会科学では要因間の相関関係 が0の場合は稀なため、相関関係≠0として仮定する(Noh, 2019)。

5.4.1 2017

年度

ICT

産業の

CMB

検討

まず、

CMB

検討において広く使われている

Harman’ s One Factor Test

では、すべての 測定変数を対象にした探索的因子分析において、固有値(

eigen value)が 1

以上である因 子は

8

つが導出され、最初の因子の説明力は、総分散の2

4.493%(< 50%)くらいである

(付録4

)。ということで、該当の要因の説明力が 50%を超えないことから絶対的とは言

えない(Roxas and Coetzer, 2012)。したがって、

2017

年度

ICT

産業のデータは、CMBに よる問題はないと判断できる。

2

つ目の方法として、確認的因子分析を行った。Kock(

2017)は、要因基盤の PLS-SEM

アルゴリズムを使用する時は、

CMB

のテストに使用される

VIF

臨界値は

3.3

より高いと

CMB

が疑わしいと述べている。しかし、Kock and Lynn(

2012)は、使用可能な臨界値に対

する論議で、測定過誤を含むアルゴリズムを使用する場合において

VIF

は、5まで使用可 能と論じている。ということで、表

14

2017

年度

ICT

産業の

CMB

検討において、CMBに よる内的妥当性を害するまでの問題はないと判断できる。

表 14 2017年度

ICT

産業の確認的要因分析を通じて

CMB

検定

市場不確実性の低減 新規性の程度 初期計画 技術不確実の低減 効果 効率 市場不確実性の低減 1.728 1.876 1.922 1.667 1.893

新規性の程度 1.276 1.308 1.307 1.050 1.107 初期計画 3.698 4.453 2.963 2.286 2.535 技術不確実性の低減 2.745 2.875 1.883 2.496 2.755

効果 1.396 1.085 1.320 1.554 1.182

効率 2.276 1.946 1.467 2.632 1.157

5.4.2 2011

年度非

ICT

産業の

CMB 検討

15

は、

Harman’s One Factor Test

で、

2011

年度非

ICT

産業の測定変数の

CMB

検討 を行った結果である。固有値が

1

以上である要因は、

9

つ導出され、第一の要因の説明力 も総分散の

27.344%(< 50%)くらいである(付録 5)。したがって、2011

年度非

ICT

産業 のデータは

CMB

による問題がないと判断できる。

15

を見ると、確認的要因分析の結果、Kock and Lynn(

2012)により、VIF

3

を超 えるものはあるが、

CMB

の問題はないと判断できる。

表 15 2011年度非

ICT

産業の確認的要因分析を通じての

CMB

検定

市場不確実性の低減 新規性の程度 初期計画 技術不確実の低減 効果 効率 市場不確実性の低減 3.134 3.377 2.088 3.227 3.275

新規性の程度 1.246 1.018 1.112 1.284 1.139 初期計画 2.146 1.182 1.911 2.203 1.740 技術不確実性の低減 2.194 2.991 3.324 3.434 3.251

効果 1.527 1.645 1.662 1.649 1.657

効率 1.524 1.177 1.209 1.413 1.513

5.4.3 2011

年度

ICT

産業の

CMB 検討

付録

6

は、

Harman’s One Factor Test

で、

2011

年度

ICT

産業の測定変数の

CMB

検討を 行った結果である。固有値が

1

以上である要因は、

9

つが導出され、最初の要因の説明力 も総分散の

27.916%(<50%)

くらいである。2011年度

ICT

産業のデータは、CMBによる問 題がないと判断できる。

2

つ目の方法として、表

16

は、確認的要因分析を行った結果で、

VIF

が5を超える潜在 変数があり、

2011

年度

ICT

産業の潜在変数間の

CMB

の問題があると判断できる。しかし、

測定不変性の検討及び

PLS-MGA

を実施するためには、同一なアンケート項目、同じデータ 処理方法、同じ分析アルゴリズムを使用することが前提条件のため、削除しない。

表 16 2011年度

ICT

産業の確認的要因分析を通じての

CMB

検定

市場不確実性の低減 新規性の程度 初期計画 技術不確実の低減 効果 効率 市場不確実性の低減 4.624 n/a 3.753 -0.698 6.435

新規性の程度 1.283 n/a 1.563 -1.282 1.087 初期計画 2.099 0.607 2.032 1.813 1.662 技術不確実性の低減 2.288 3.353 n/a 3.699 4.843

効果 1.384 1.668 n/a 1.855 1.863

効率 1.586 -0.221 n/a 1.686 1.023