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韓国 ICT 企業の「FFE での活動」の調査

第5章 分析

5.10 韓国 ICT 企業における FFE での具体的な活動調査

5.10.2 韓国 ICT 企業の「FFE での活動」の調査

韓国

ICT

企業の新製品開発プロジェクト・マネージャーに対する「

FFE

での具体的な活 動」の研究は、Yoon et al.(2019)がさらに詳しい。

Yoon

らの研究と本研究での異なる点 は、大企業系列を別途区分せず、売上高で大企業・中堅企業・中小企業を分け、分析した ことである。その理由は、韓国の法律では大企業系列は、企業規模と別に資本系で決まる ため、中小規模であっても大企業の資本系であれば大企業系列に分類される。大企業系列 とはいえ、保有する経営資源が大企業の水準ではないため、売上を基準にして企業規模を 分け、分析することが合理的であると判断したからである。大企業系列の企業は、総

15

社で、大企業として4社、中堅企業として

9

社、中小企業として

2

社として分類した。

5.10.2.1

新製品のアイデア創出

表 82

は、「新製品関連のアイデア探索を体系的に行っているのか」

(n=106)に関する結

果で、「はい」は

56

個、「いいえ」は

45

個、「無回答者」が

5

個であった。大企業(46

39

韓国の ICT企業の「FFE

での具体的な活動」については

Yoon et al. (2019)を参考。

)の回答の中で、「いいえ」は 20

個である。

表 82 アイデアを体系的に探索しているのか

大企業 中堅企業 中小企業

はい 26 14 16 56

いいえ 20 4 21 45

N/A 1 2 2 5

回答者合計 47 20 39 106

83

は、「アイデアの探索方法」(n=106)の結果で、「企業内部」が

65

個で最も多く、

「外部」が

5

個、両方が

7

個、「しない」が

25

個であった。企業のアイデア探索は,殆 ど企業内部で行っている。大企業は、探索しないという回答は

15

個もあった。

表 83 企業規模別に「アイデアの探索方法」

大企業 中堅企業 中小企業

企業内部 22 18 25 65

企業外部 2 1 2 5

両方 5 1 1 7

しない 15 0 10 25

N/A 3 0 1 4

回答者合計 47 20 39 106

84 は、「新製品に関するアイデアを体系的に探索するため、責任者または責任部署

があるのか」についての結果で、全体で「あり」が

39

個、「ない」が

62

個であった。

大企業の

47個の中で、「ない」という答えは 24

個で、「あり」という回答より多い。

表 84 企業規模別に責任者または責任部署の有無

大企業 中堅企業 中小企業

あり 20 8 11 39

ない 24 12 26 62

N/A 3 0 2 5

回答者合計 47 20 39 106

85

は、「アイデアを蓄積するデータベースシステムを使用しているのか」(n=106)に ついての結果で「使用」が

25

個、「使用しない」が

76

個であった。企業規模とは関係な くデータベースシステムを使用していないことが分かった。

表 85 データベースシステムの使用の有無

大企業 中堅企業 中小企業

使用 11 10 4 25

使用しない 32 10 34 76

N/A 4 0 1 5

回答者合計 47 20 39 106

86

は、「アイデア開発のためにどのような方法を使用するのか」(n=103)について複 数回答した結果で、企業規模とは関係なく一番よく使用する方法は「ブレインストーミン グ」で、総

74

個であった。

表 86 企業規模別におけるアイデア開発方法

次は「価値分析」

37

個、「改善」

36

個 、「その他」

23

個、「何の方法も使用しない」

2

個であった。企業規模別にみても「ブレインストーミング」が最も選好される方法で ある。「その他」(23 個

)の意見として、技術雑誌の資料、ユーザー・サービスのログ分

析、Design-based forecasting、Scenario Development、Global 競争トレンド調査、顧 客インタビュー(集団または個別の方式で進行)、外部からの提案、

Design Thinking、販

売チャネルおよび顧客アンケート調査などの市場調査、ベンチマーキングなどがある。

5.10.2.2

新製品のアイデア評価について

87

は、「新製品のアイデア評価は通常、誰によって行われるか」(n=106)についての 結果である。グループおよび個人の両方が

45

個で最も多く、グループで

43

個、個人

18

個であった。大企業と中堅企業は、グループでの評価が多く、中小企業は「両方」が

20

個で一番多かった。

表 87 主に誰がアイデアを評価するのか

大企業 中堅企業 中小企業

個人 8 3 7 18

グループ 21 10 12 43

両方 18 7 20 45

回答者合計 47 20 39 106

88

は、「新製品のアイデア評価に中間管理職以上の関与があるかどうか」(n=106)に ついての結果である。「はい」が

77

個、「ときどき」が

24

個、「いいえ」が

5

個であっ た。企業規模と関係なく、中間管理職以上はアイデア評価に関与していた。

大企業 中堅企業 中小企業

ブレインストーミング 35 15 24 74

価値分析 15 7 15 37

改善 18 4 14 36

その他 10 3 10 23

何の方法も使用しない 0 1 1 2

回答者合計 45 19 39 103

表 88 アイデア評価における中間管理職以上の関与の有無

大企業 中堅企業 中小企業

はい 38 12 27 77

ときどき 7 6 11 24

いいえ 2 2 1 5

回答者数 47 20 39 106

89

を見ると、韓国

ICT

企業の回答者の職位は

CEO、 CTO、理事、事業本部長、部長で

ある。韓国においては、部長以上の職位は中間管理職以上であると言える。部長以上は本 人を含め、自分より上司にアイデア評価に関して報告する立場のため、韓国

ICT

企業の上 司はアイデア評価に関与しているのではないかと考えられる。

表 89 アイデア評価に中間管理職以上が関与すると回答した職位

はい ときどき いいえ

CEO 9 2 0 11

CTO 3 0 0 3

理事 2 0 1 3

事業本部長 10 4 1 15

首席研究員 6 1 0 7

部長 18 4 2 24

PM 1 3 0 4

責任研究員 3 0 1 4

次長 14 9 0 23

課長 5 1 0 6

代理 5 0 0 5

チーム員 1 0 0 1

回答者合計 77 24 5 106

90

は、「アイデアは、社内部署・部門間のチームにより評価されるのか」(n=106)に ついての結果である。「はい」の回答は、大企業

25

個、中堅企業

12

個、中小企業

17

個 であった。「ときどき」の回答と合算すると

77

個が、社内部署・部門間のチームとアイ デアを評価することである。

表 90 アイデアは社内部署・部門間のチームにより評価されるのか

大企業 中堅企業 中小企業

はい 25 12 17 54

ときどき 7 5 11 23

いいえ 15 3 11 29

回答者合計 47 20 39 106

91

は、上記の項目に「はい」の回答者に対して「社内のどのような部署による評価 なのか」の複数回答の結果、「マーケティング」部署が

32

個、次が「研究開発」30個、

「販売・営業」が

28

個であった。

表 91 社内のどのような部署・部門間のチームによる評価

大企業 中堅企業 中小企業

マーケティング 15 6 11 32

販売・営業 9 7 12 28

研究開発 15 7 8 30

アフターサービス 2 3 2 7

その他 3 2 3 8

回答者数 23 11 17 51

企業規模別にみると、大企業の場合、23 個(2 個は無回答)の回答では、「マーケティ ング」と「研究開発」部署での評価が

15

個で一番多く、「販売・営業」が各

9

個であっ た。中堅企業の場合は

11

個(1個は無回答)からの回答を見ると「販売・営業」と「研究 開発」の部署が各

7

個であり、次が「マーケティング」であった。中小企業の場合は

17

個の回答をみると、「販売・営業」が

12

個で最も多く、次が「マーケティング」であっ た。韓国

ICT

企業の新製品開発プロジェクト・マネージャーは、顧客との接点が密接な部 署による評価を重視することが伺える。

92

は、「新製品のアイデアを評価するため、技術準拠基準(

Technical Criteria)を

使用するのか」(n=106)の結果である。「使用する」の回答を「はい」と「ときどき」を 合わせると、大企業

24

個、中堅企業

8

個、中小企業

16

個で、「使用しない」の回答と比 較すると、大企業は半々、中堅企業と中小企業は「いいえ」という回答がもっと多い。

表 92 アイデアの評価のため、技術準拠基準を使用しているのか

大企業 中堅企業 中小企業

はい 17 4 6 27

ときどき 7 4 10 21

いいえ 23 12 23 58

回答者合計 47 20 39 106

上記の「はい」の回答者に「どのような技術準拠基準を使用しているのか」について複 数回答の結果である(表

93)。企業規模と関係なく「技術側面での実現可能性」が一番多

かった。「その他」の回答として、具現技術オプション、検証グループ、情報グループの 参画、当社の事業及び製品との関連性などを挙げている。

表 93 どのような技術準拠基準を使用しているのか

大企業 中堅企業 中小企業

技術側面での実現可能性 16 3 5 24

自社技術だけで 6 1 1 8

その他 2 0 1 3

回答者合計 17 3 6 26

94

は、「アイデアの経済的または技術的側面の重要性に対する加重値があるのか」

(n=106)についての結果である。「はい」が全部で 62

個、「ときどき」21 個、両方を合

わせると

83

個に上る。ということで、企業規模と関係なくアイデア評価において経済的 または技術的な側面に加重値を置くことが分かった。

表 94 アイデアの経済的または技術的側面の重要性に対する加重値があるのか

大企業 中堅企業 中小企業

はい 31 13 18 62

ときどき 6 5 10 21

いいえ 10 2 11 23

回答者合計 47 20 39 106

5.10.2.3

市場調査について

95

は、「新製品のアイデアを発展し評価するため、どのくらいの頻度で、顧客及び ユーザーに直接に連絡をとるのか」

(n=106)についての結果である。全体として「頻繫に」

38

個、「ときどき」

57

個、「殆どしない」

11

個であった。

表 95 企業規模別に顧客接続の頻度

大企業 中堅企業 中小企業

頻繁に 16 7 15 38

ときどき 25 13 19 57

殆どしない 6 0 5 11

回答者の合計 47 20 39 106

「頻繁に」と「ときどき」を合わせると、韓国

ICT

企業の大部分は、顧客と密接に連 絡を取っていると考えられる。表

96

は、「頻繫に」と答えた回答者(

38

)に対しての

結果である。企業規模別にどのような部署が「顧客に接触するのか」をみると、「マーケ ティング」が

17

個で最も多く、次は「アフターサービス」

14

個、「販売・営業」

13

個の 順であった。顧客との接点が多い部署が、頻繁に顧客とコミュニケーションをとっている ることが分かった。

表 96 企業規模別に、どのような部署が顧客と接続するのか

大企業 中堅企業 中小企業

マーケティング 10 3 4 17

販売・営業 4 4 5 13

研究開発 2 2 4 8

アフターサービス 4 4 6 14

その他 3 2 0 5

回答者合計 16 7 13 36

97

は、「新製品のアイデア開発または評価にあたって接触する顧客をどのような基 準で選ぶのか」(n=98)について(複数回答

)の結果である。

表 97 企業規模別における顧客接続の基準

大企業 中堅企業 中小企業

顧客の不満足の程度 14 9 16 39

既存問題点解決 20 12 15 47

顧客の新製品知識 3 3 5 11

顧客の重要性 20 13 20 53

顧客との繋がりの程度 1 3 6 10

基準なし 2 0 2 4

回答者合計 41 18 39 98

「顧客の重要性(販売量,主要ユーザー)」の回答が

53

個で最も多く、次は「既存問題 点の解決」47個、「顧客不満足の程度」39個であった。

企業規模別にみると、大企業は「顧客不満足の程度」と「顧客の重要性」が各々20 個 であった。中堅企業と中小企業は「顧客の重要性」が、各々13 個、

20

個で最も多かった。

企業規模と関係なく、主要な取引先をアイデア開発または評価に参画させると判断できる。

98

は、「新製品のアイデア開発のために使用する市場資源」(n=105)についての複 数回答の結果である。

表 98 アイデア開発に使用する市場資源

大企業 中堅企業 中小企業

顧客との直接接続 24 15 23 62

顧客の不満 32 14 17 63

顧客調査 37 13 17 67

外部の市場動向 36 12 19 67

競争者および製品分析 40 14 29 83

その他 5 1 0 6

何もしない 1 0 0 1

回答者合計 46 20 39 105

「競争者及び競争者の製品分析」が最も多い

83

個で、次は「外部の市場動向」と「顧 客調査」が各

67

個、「顧客の不満の解決」

63

個、「顧客との直接接触」

62

個であった。

「その他」の回答として、顧客のサービス反応率の分析、Design Research, アイデア 収集のための

Open Innovation、報道資料及びインターネット資料リサーチ、役員・管

理者の指示事項および内部顧客(使用者・運営者)の意見、海外のベンチマーキングとの 内容などがあった。大企業と中小企業は「競争者及び競争者の製品分析」が各々40個、

29

個で一番多く、中堅企業は「顧客との直接接続」

15

個であった。

99

は、「顧客の要求事項を新製品のコンセプト定義に統合するのか」(n=106)につ