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Ag@FeCo ナノ粒子の構造解析結果

ドキュメント内 JAIST Repository https://dspace.jaist.ac.jp/ (ページ 30-36)

第 2 章 磁 性- プ ラズモン ハ イブリ ッ ド ナノ粒子の生成機構

2.3 ハイブリッドナノ粒子の構造

2.3.2 Ag@FeCo ナノ粒子の構造解析結果

図2-2にAg@FeCoナノ粒子のTEM像、STEM-HAADF像及びEDS元素マッピング像を

示す。最終生成物の平均粒径は16.9 ± 3.4 nm(n = 855)であった。図2-2f からAg@FeCoナノ 粒子には、2種類のナノ粒子が存在することが示唆された。1つはAgコアがFeCoシェルで完 全に被覆された欠陥のないコア@シェル構造を有するナノ粒子であり、もう 1 つは粗大な Ag コアの表面に部分的にFeCoシェルが堆積しているナノ粒子である。図2-2gは合成画像中の黄 色で枠組みされた粒子の拡大図である。良く見ると、FeCoシェルはAgコアの近傍ではCoリ ッチであり、粒子表面へ向かうに従って Fe の割合が多くなるという組成に関する傾斜構造を 有していることがわかった。また、STEM-HAADF像とEDS元素マッピング像を比較しながら Agコアの粒径を慎重に見積もったところ、FeCoシェルにより完全被覆されたAgのコアの直 径は11.8 ± 1.5 nm(n = 4)であった。

図 2-1 Ag@FeCo@Ag ナノ粒子の(a) TEM 像、(b) 高分解能 TEM 像、(c) STEM-HAADF 像及び (d-g) EDS 元素マッピング像。(d) Ag L 端、(e) Fe K 端、(f) Co K 端、((d-g) 合成画像。(h) 合成画像中の黄 色の線に沿った EDS ラインプロファイル(点線は生データ、実線は low pass filter をかけたデータ。

青:Ag、赤:Fe、緑:Co)。

図 2-2 Ag@FeCo ナノ粒子の (a) TEM 像、(b) STEM-HAADF 像及び (c-g) EDS 元素マッピング像。

(c) Ag L 端、(d) Fe K 端、(e) Co K 端、(f) 合成画像。(g) 合成画像(f)の黄色の枠組みされた粒子の 拡大図。(h) 合成画像(g)の黄色の線に沿った EDS ラインプロファイル(点線は生データ、実線は low pass filter をかけたデータ。青: Ag、赤: Fe、緑: Co)。

2.3.3 Ag@FeCo@Agナノ粒子とAg@FeCoナノ粒子の粒径分布と結晶構造

図2-3に最終生成物であるAg@FeCo@Agナノ粒子及びAg@FeCoナノ粒子の粒径分布を 示す。また、反応温度が250 ºCに到達した時点でサンプリングしたAg@FeCoナノ粒子の粒径 分布とTEM像(挿入図)も併せて示した。サンプリングしたナノ粒子の粒径は6.4 ± 1.8 nm(n

= 529)であった。ヒストグラムは全粒子数が100となるように規格化している。興味深いこと

に、Ag@FeCoナノ粒子の粒径及び標準偏差が Ag@FeCo@Agナノ粒子よりも大きいことがわ かった(図2-3)。これはAg@FeCoナノ粒子のみに観察された粗大なAgコアを有する粒子(図

2-2)の存在が起因している。また、サンプリングした粒子の粒径が約6.4 nmであるのに対し、

Ag@FeCo@Ag ナノ粒子の Ag のコアのサイズは約 9.3 nm、綺麗なコアシェル構造を有する

Ag@FeCoナノ粒子のAgのコアのサイズが約11.8 nm であり、反応温度が250 ºCに達した段

階ではまだAgナノ粒子しか生成されていないことがわかる。

次に、図2-4にAg@FeCo@Agナノ粒子及びAg@FeCoナノ粒子のXRDパターンを示す。

詳細な結晶構造解析は第3章に譲るが、どちらのナノ粒子からもfcc Agbcc FeCoの両方の 相が検出された。また、XRDパターンからはどちらのナノ粒子にもマグネタイト(Fe3O4)、マ グヘマイト(γ-Fe2O3)、ヘマタイト(α-Fe2O3)などの酸化鉄、及びコバルトフェライト(CoFe2O4) などのフェリ磁性相は検出されなかった。

図 2-3 Ag@FeCo@Ag ナノ粒子、Ag@FeCo ナノ粒子及びサンプリングした粒子の粒径ヒストグラム。

黒は 250 ºC でサンプリングした Ag@FeCo ナノ粒子(6.4 ± 1.8 nm)、赤は Ag@FeCo@Ag ナノ粒子の 最終生成物(13.5 ± 2.5 nm)、青は Ag@FeCo ナノ粒子の最終生成物(16.9 ± 3.4 nm)を示す。挿入 図は 250 ºC でサンプリングした Ag@FeCo ナノ粒子の TEM 像を示す。

図 2-4 Ag@FeCo ナノ粒子(上段)及び Ag@FeCo@Ag ナノ粒子(下段)の XRD パターン。リファレンス はそれぞれ JCPDS PDF No. 00-049-1567 (bcc Co50Fe50)、01-087-0717 (fcc Ag)、01-071-4918 (cubic Fe3O4)、01-074-6402 (cubic CoFe2O4)。

2.3.4 Ag@Coナノ粒子及びAg@Feナノ粒子の構造解析結果

Ag@Coナノ粒子及びAg@Feナノ粒子のTEM像、STEM-HAADF像、及びEDS元素マッ

ピング像を図2-5に示す。平均粒径は、Ag@Coナノ粒子は13.8 ± 3.5 nm(n = 230)、Ag@Feナ

ノ粒子は30.4 ± 8.6 nm(n = 164)であった。図2-5より、Ag@Coナノ粒子の場合にはAg@Co

コア@シェル構造を有する粒子と Co シェルを持たない Ag ナノ粒子がそれぞれ観察された。

Ag@FeCoナノ粒子の場合、Fe(acac)3とCo(acac)2をそれぞれ0.2 mmolずつ合計0.4 mmolの前 駆体を添加しているのに対し、Ag@Co ナノ粒子の場合にはCo(acac)2を0.2 mmol 添加してい るのみであるため、全てのAg コアを均一に被覆するためには Co前駆体量が不足していたた めと考えられる。Ag@Feナノ粒子の場合には、EDS元素マッピング像(図2-5h-j)からわかる とおり、Agコアの粒径が大きくなり、結果として粒径が増大している。また、Ag@Feナノ粒 子のFeシェルは薄く不均一であった。

図 2-5 Ag@Co ナノ粒子の (a) TEM 像、(b) STEM-HAADF 像、及び (c-e) EDS 元素マッピング像。

(c) Co K 端、(d) Ag L 端、(e) 合成画像。Ag@Fe ナノ粒子の (f) TEM 像、(g) STEM-HAADF 像、及び (h-j) EDS 元素マッピング像。(h) Fe K 端、(i) Ag L 端、(j) 合成画像。

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