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磁気分離法

ドキュメント内 JAIST Repository https://dspace.jaist.ac.jp/ (ページ 113-116)

5.2 オートファゴソームの磁気分離とその成否確認の方法

5.2.6 磁気分離法

5.2.3 項に記載の方法でハイブリッドナノ粒子を COS-1 細胞にトランスフェクションして

から一定時間培養後、細胞を10 mLの冷やしたPBSで2回洗浄した。その後、プロテアーゼ インヒビター(付録参照)を含む1 mLのPBSを加え、セルリフター(コーニング)を用いて、

氷上の10 cmシャーレ上から細胞を剥離した。PBSに剥離した細胞を懸濁させながら、ダウン

ス型ホモジナイザー(ウイトン社)に細胞を回収した。そして粗調製用のペストルを使い、20 回ストロークすることで細胞膜のみを温和に破壊し、細胞破砕液をチューブに回収した。得ら れた細胞破砕液を自動磁気細胞分離装置(autoMACS Pro Separator、Miltenyi Biotec、図5-7)に 供して磁気分離を行った。分離プログラムとしてPosseld(Positive Selection in Standard Model, Double-column Program)、洗浄プログラムとしてQrinseを選択した。Posseldでは2本の磁気カ ラムを使用し、得られる容量はネガティブセレクション(NS、磁気分離されなかった分画)で は試料量 + 2 mL、ポジティブセレクション(PS、磁気分離分画)では0.5 mLである。PSは BSAを含むランニングバッファー(Running Buffer: RB)により抽出される。図5-7cにautoMACS

Pro Separatorの簡易的な流路図を示した。流路系は界面活性剤を含む洗浄液(Washing Solution:

WS)で洗浄される。Posseldでは2本のカラムを使用することで分離効率を高めることが可能

となる。1本目のカラムへはサンプルは4 mL/minの速度で流入し、2本目のカラムには1 mL/min

の速度で流入する。サンプルを流入後、磁場を印加した状態でRBにより非特異的にカラムに 吸着した成分が洗浄され、その後、磁場を取り除いた状態でRBにより PSを得る。装置使用 後は磁気カラムは70%(v/v)のエタノールで満たされ、保存される。磁気カラムは使用後2週間 までは同じカラムを利用できる。磁気カラムの写真を付録に示した。

図 5-7 autoMACS Pro Separator(Miltenyi Biotec 社製)の (a) 外観写真[40]、(b) 磁気カラムが装着 された内部の写真、(c) 流路略図。

磁気分離後PSに含まれるBSAを取り除くと同時に試料を濃縮するために、PSを4 ºCで

5分間1000 Gで遠心分離を行った。遠心分離後、上澄みを捨て、粒子を含むペレットを200 μL

のPBSに再分散させた。これを磁気分離分画(MS)とした。そして200 μLのサンプルバッフ ァー(2-メルカプトエタノールと2Laemmliサンプルバッファーが 1 : 20の割合で含まれる)

を加え、95 ºCで10分間の熱処理を行った。Laemmliサンプルバッファーには負の電荷をもつ 界面活性剤であるドデシル硫酸ナトリウム(Sodium Dodecyl Sulfate: SDS)が含まれており、

SDS がタンパク質に配位することで高次構造をほどき、またタンパク質を負に帯電させる。2-メルカプトエタノールは還元剤であり、タンパク質内やタンパク質間のジスルフィド結合を切 断する役割を担う。タンパク質は熱処理後、直鎖状となり、分子量に比例した負の帯電量を示

す。一般的にはタンパク質1 gに対してSDSは1.4 g配位する。熱処理した試料は分注して−20 ºCで使用直前まで冷凍保存した。ナノ粒子をトランスフェクションしてから、オートファゴソ ームを磁気分離するまでの全体の流れを図 5-8 にまとめた。細胞破砕から MS を得るまで 30 分以内に行うことが出来る。コントロールも含めた全試料を表5-1にまとめた。コントロール のC3からC5に関してもサンプルバッファーを混合し、熱処理を行った。

図 5-8 トランスフェクションから磁気分離分画(MS)を得るまでの工程。

表 5-1 電気泳動用試料のまとめ(Lip.:Lipofectamine® 2000)。

表記 Lip. NPs 培養時間 磁気分離 遠心分離

H0 + + 0 min − −

H15 + + 15 min − −

H30 + + 30 min − −

H1 + + 1 h − −

H2 + + 2 h − −

H4 + + 4 h − −

H6 + + 6 h − −

H8 + + 8 h − −

S0 + + 0 min + +

S15 + + 15 min + +

S30 + + 30 min + +

S1 + + 1 h + +

S2 + + 2 h + +

S4 + + 4 h + +

S6 + + 6 h + +

S8 + + 8 h + +

C1 + − 2 h − −

C2 − − 2 h − −

C3 ナノ粒子のみ 40 μg

C4 プロテアーゼインヒビターのみ

C5 RBのみ

C6 + + 2 h − +

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