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Fig.7.7.2.1.飼料中の脂肪酸の炭素同位体比(破線)と牛肉(◇)の比較
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Fig−7.7.2.2.飼料中の脂肪酸の水素同位体比(破線)と牛肉(◇)の比較
・飼料と牛肉の脂肪酸の炭素同位体比の比較
Fig.7.7.2.1.に示した脂肪酸の炭素同位体比に着目すると、飼料中の脂肪酸の同位体比 は、松阪・飛騨共に牛肉のそれよりも大幅に小さな値を示した。さらに飼料では牛肉の場合と は異なり、脂肪酸間の差も大きいことがわかる。よって、飼料中の脂肪酸の炭素同位体比は、
牛肉のそれとは一致しなかったと言える。
・飼料と牛肉の脂肪酸の水素同位体比の比較
Fig.7.7−2.2.に示した脂肪酸の水素同位体比において、飼料中の脂肪酸の同位体比は、
ステアリン酸(18:0)を除いて松阪・飛騨共に牛肉のそれよりも大幅に大きな値を示した。さら に飼料では牛肉の場合とは異なり、ステアリン酸(18=0)が最も小さな同位体比を示し、脂肪酸 間の大小関係が牛肉と飼料で異なることがわかる。よって、飼料中の脂肪酸の水素同位体 比は、牛肉のそれとは一致しなかったと言える。
・牛肉中の脂肪酸の由来
以上から、牛肉中の脂肪酸と飼料の脂肪酸の同位体比は、炭素・水素のいずれでも一致 しないことが判明した。すなわち、Fig.7.7.1.の予想より、牛肉中の脂肪酸は、摂取した糖(炭 水化物)から、牛が体内で自ら合成しているものが大部分を占めると考えられる。実際に、牛 は草食動物であるため、飼料には動物性の脂質は含まれておらず、麦やトウモロコシを中心 に構成されている。これらの穀物は、多糖類が豊富に含まれる代表的な炭水化物であり、牛 が摂取することによって脂質に変換されるため、本項の考察と矛盾しない。また、松阪牛に関 しては、良質な肉を生産するため、肥育の過程でビールを与えることが知られている(三重県 松阪食肉公社ホームページ)。ビールは脂質を含まないにも関わらず高カロリーであり、過剰 に摂取すれば肥満になることが、ヒトの経験的にもわかる。これは、まさに麦由来の糖が動物 の体内で脂質に変換されることを示している。よって松阪牛に関しては、このビールに含まれ る糖からも、脂質が生合成されていると考えられる。
・牛肉中の脂肪酸の生合成
以上から、牛肉中の脂肪酸は、その大部分が摂取した糖より牛が体内で自ら合成している ものであるとわかった。摂取した糖は、様々な種類が存在し、その同位体比も糖個別には不 明である。しかし、摂敢した糖は、Fig.7.7.1.に示したように、解糖系でピルビン醐二分解され た後、脂肪酸合成の材料となる、アセチルーC◎AやマロニルーCoAに変換される。すなわち、牛 が摂取した飼料の種類によって、脂肪酸合成の材料の同位体比が決まることを示している。
牛肉の脂肪酸が生合成によって作られていることがわかったので、次に、改めてステアリン 酸(1810)の水素同位体比が、極端に大きくなる原因を、生合成過程に着目して考察する。
7.7.3.各脂肪酸の存在比と水素同位体比の関係
各牛肉中のパルミチン酸(16:0)、ステアリン酸(1810)、オレイン酸(1811)のm!z=2の面積強 度(単位はVs)は、伯ble.7.7.3.1.のようになった。Tbtalは3種類の和である。
Table.7.7.3.1.1610.1810.1811の面積強度(Vs)
(Vs) M−1 M−2 ㎜一3 M−4 M−5 ㎜一6 1・1−1 1・1−2 1・1−3 1・1−4
Total 85.12 108.10 105.41 70.74 81.50 128.86 143.73 123.95 179.95 75.73 16=0 ,23.54 32.32 32.67 23.47 24.92 38.24 44.64 36.66 51.15 19.101 18=0 6.67 8.19 14.02 8.76 10.09 13.46 12.84 15.16 27.95 8.28
18=1 54.91 67.58 58.73 38.50 46.50 77.16 86.25 72.14 100.85 48.34
これを、Tata1を1として、存在比で表現すると、Table.7.7.3.2.のようになった。
Table.7.7.3.2.16:0.1810,18:1の存在比
π0tal ㎜一1 一2 一3 …一4 ㎜一5 一6 1・1・1 1・1−2 1・1・3 1・1−4
Tota1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1
16:0 0.28 O,30 O,31 O.33 O.31 O.30 O.31 O.30 O.28 O.251 18:0 O.08 0.08 O.13 0.12 0−12 O.10 O.09 0.12 0.16 O.11 18=1 O.65 O.63 O.56 O.54 O.57 O.60 0.60 O.58 O.56 O.64、
各脂肪酸の存在比を横軸こ、水素同位体比を縦軸こ取ると、Fig,7.7.3.1.のようになった。
.戸Dγ・・叫・d・岬・・ti・1FA・午・中11」、、.
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ま仙1一一一一 一 一こ愉
0 ◆1810
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側、舳 ゚糾劣
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他0祠a㏄erati0炉㎏川0屹1)
Fig.7.7.3.1.各脂肪酸の存在比(横軸)と水素同位体比(縦軸)の関係
Fig.7.7.3.1.を見ると、ステアリン酸(1810)の水素同位体比が、自身の存在比に対して負の 相関を持つことがわかる。すなわち、ステアリン酸の存在比が小さくなると、ステアリン酸の水 素同位体比が増大する傾向があることがわかる。
次に、ステアリン酸の水素同位体比に着目して、各脂肪酸の存在比を横軸こ、ステアリン 酸の水素同位体比を縦軸に取ると、Fig.7.7.3.2、のようになった。
δD of18=0vs.eac■1abundance ratio
y=に281.65x・190.45 R2;0.7889
舳十山山 →
幸○
0
10 .230◆\
◆
y=193.18x・336.27 R2;0.7287
凹□ @1介一
◆
◆ ◆
y=■132.32x−182.68 R2=0.1285
◆18:0(δD)vs.16=0(AR)
◆18:0(6D)vs.18:0(AR)