Fig.4.2.3.脂肪酸メチルエステル試薬(上)と、MCFを用いて誘導体化した脂肪酸(下)のクロ マトグラムの比較
脂肪酸メチルエステル試薬のクロマトグラムから、1410(ミリスチン酸)から、24:O(リグノセリ ン酸)までの脂肪酸メチルエステルが、炭素鎖の短い順に溶出し、クロマトグラム上で完全に 分離されることがわかった。すなわち、Tab1e.4.1.5.の測定条件が、少なくともピーク分離上 は問題ないことがわかる。さらに、脂肪酸メチルエステル試薬のリチンションタイムが、MCF を用いて誘導体化した脂肪酸のそれと一致していることがわかる。これより、MCFを用いた 誘導体化反応で得られる化合物が、脂肪酸メチルエステルであることが確認された。
4.2.4.脂肪酸エチルエステルのクロマトグラム
脂肪酸エチルエステル試薬と、MCFを用いて誘導体化した脂肪酸のクロマトグラムを、Fig.
4.2.4.に示す。
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Fig.4.2.4.脂肪酸エチルエステル試薬(上)と、ECFを用いて誘導体化した脂肪酸(下)のクロ マトグラムの比較
脂肪酸エチルエステル試薬のクロマトグラムから、1410(ミリスチン酸)から、2410(リグノセリ ン酸)までの脂肪酸エチルエステルが、炭素鎖の短い順に溶出し、クロマトグラム上で完全に 分離されることがわかった。すなわち、Table.4.1.5.の測定条件が、少なくともピーク分離上 は問題ないことがわかる。さらに、脂肪酸エチルエステル試薬のリチンションタイムが、ECF を用いて誘導体化した脂肪酸のそれと一致していることがわかる。これより、ECFを用いた誘 導体化反応で得られる化合物が、脂肪酸エチルエステルであることが確認された。
4.3,MCF−ECFを用いた脂肪酸の誘導体化反応の収率の算出
4.3.1.GC−1RMS(炭素同位体比測定モード)を用いた導入物質量の算出
4.1.4.で述べたように、炭素同位体比測定モードのGC−1RMSでは、GCによって分離され た分子は、燃焼炉でC02に分解され、1RMSへと運ばれる。このとき、測定によって得られる 面積強度(area all intenSity)は、分子の種類ごとに、導入劃こ比例する。これを利用すれば、
サンプルの導入量を計算することができる。
まず、物質量のわかっている試薬の濃度を数段階に振り分けて導入し、面積強度を求める ことで、導入量と面積強度のプロットを作成し、回帰直線を得る。次に、物質量未知のサンプ ルの面積強度を測定し、プロットの回帰直線に代入することで、サンプルの導入物質量を求 めることができる。
ただし、本研究で用いているGC−1RMSの注入口は、スプリット1スプリットレス法を採用して おり、気化室においてディスクリミネーション(分子の種類によって、GCへ導入される量が変 化してしまう現象)が発生するため、分子の種類によって回帰直線の成分は異なる。そのため、
導入物質量を算出したい分子の種類(本研究では脂肪酸メチル・エチルエステル=計18種類)
毎に、導入量と面積強度のプロットを作成し、回帰直線を求める必要がある。
4.3.21誘導体化によって得られた脂肪酸メチル・エチルエステルの導入物質量の算出
本研究では、まず、脂肪酸メチルエステル試薬9種と、脂肪酸エチルエステル試薬9種の それぞれの濃度を3段階に振り分け、GC−lRMSに導入して面積強度を得た。これらのデータ から、脂肪酸メチルおよびエチルエステル試薬の導入量(濃度)と面積強度のプロットを作成し、
回帰直線を得た。次に、MCF・ECFを用いた誘導体化によって得られた脂肪酸メチル・エチ ルエステルの面積強度を測定し、プロットの回帰直線に代入することで、誘導体化によって得 られた脂肪酸メチル・エチルエステルの導入物質量を求めた。
4.3.3.誘導体化1こよって得られた脂肪酸メチル・エチルエステルの収率の算出
4.3.2.において求められた、MCF・ECFを用いた誘導体化によって得られた脂肪酸メチル・
エチルエステルの導入物質量を、エステル化による炭素数の変化(メチルエステルであれば 炭素数は十1、エチルエステルであれば炭素数は十2)に注意しながら、誘導体化前の物質量と 比較することで、MCF・ECFを用いた誘導体化法の収率を算出することができる。
4,3.4.脂肪酸メチルエステル試薬の導入量と面積強度のプロット
脂肪酸メチルエステル試薬9種の導入量と面積強度のプロットはFig.4−3.4.のようになっ た。回帰直線は、例として14二0のみを示した。