古谷野 ほか 2005
①1998年1~2月
②東京都杉並区在住の60~79 歳の男性663名
③アンケート調査
・関係の重複程度によって現在の交流が異なり、関係の重複 が多い他者ほど親密な交流をもつ傾向にある。
宍戸 2005 ①2001年3~4月
②京都府関西学研都市区域(京 田辺市・木津町・精華町)の うち新新地区在住の男性46 名と女性53名、新地区在住 の男性75名と女性80名、旧 村落地区在住の男性27名と 女性29名、宮城県丸森町地 区在住の男性61名と女性84 名、京都府京都市下京区地区 在住の男性102名と女性108
③アンケート調査 名
・新興ニュータウンである新新地区や新築は、他の地区と比 べ、親戚や友人、別居子における空間的分散が大きい。
・新新地区に生活する高齢者のパーソナル・ネットワーク構 造は、他地域と比較して、コミュニティの地域性にとらわ れない分散した構造を示し、近隣、親戚のネットワーク規 模が縮小している。
・コミュニティ類型は、直接的には生活問題処理志向
(primary-group処理志向、non-primary-group処理志向)
に影響していない。
野邊 2005 ①1997年12月~1998年1月
②岡山県高梁市在住の65歳~
79歳の女性523名
③訪問面接調査
・いずれの課題(入院時の世話、2~3万円の借金、心配事の 相談、失望や落胆時の慰め)も「配偶者以外の同居家族」
は重要なサポート源であった。また手段的サポート(入院 時の世話、借金)を「配偶者以外の同居家族」に期待する 高齢女性の割合は高い。これは、長期間の関与が必要とさ れる手段的サポートの提供には、情緒的に強く結びついた 永続的な関係にある近親者が適していることを示す。
・手段的サポートを「同居家族あるいは親族」に期待できな い女性のうち、「近隣者と友人」にそのサポートを期待で きる女性の割合は高くはない。
・情緒的サポート(相談、慰め)は、上位層の他者に期待で きないとき、次位にある間柄の他者ではなく、「近隣者と 友人」にそのサポートを期待し、補完している。
・近親者との交際は義務的色彩が強いが、遠縁の親族とのそ れはより任意で、高齢女性の経済状況によって左右されや 田淵 すい。
2006 ①2004年11~12月
②名古屋市中区全域・東区全 域・中村区全域・千種区の都 心部在住の60~79歳の男女 600名
③自記式郵送アンケート調査
・親族ネットワークと友人ネットワークは独立している。
・近距離に親族や友人のネットワークを持たない高齢者が1 割存在する。
・居住年数が長い程とネットワークの規模も大きくなる。
・学歴が低く家計のゆとりが小さい群は、友人が近くに住む 割合が高い。
古谷野 ほか 2007
①2001年5~6月
②岐阜県中津川市在住の60~
79歳の男性367名、女性419
③訪問面接調査 名
・「気心の知れた仲だと感じる方」として挙げた他者の数は、
平均2.5名(最大7名の限定)。そのうち8割が一緒にい てほっとする人であり、月1回以上は会っている。
・現在地での居住年数が、社会関係の豊かさに影響を及ぼし ている。
山崎 ほか 2008
①2006年7~11月
②東京都A区在住の要介護者 等を除いた65歳以上の閉じ こもり男性57名と女性38 名、非閉じこもり男性57名、
女性38名
③訪問面接調査
・閉じこもり高齢者は、同居家族との会話が少なく、同居し ている他世代との家計が一緒である傾向が示された。
・閉じこもり高齢者は、同居家族がいる場合には家庭内にお ける役割が少ない。
・閉じこもり高齢者は、居宅から30分以上の距離圏におけ る交流人数や情緒的サポート、外出援助について、非閉じ こもり高齢者と差異がある。
中村 ほか 2009
①2007年4~8月
②A県郊外のB町・C市に在住
する66~91歳の虚弱高齢者
男性12名と女性49名
③身体機能測定および面接調 査
・虚弱高齢者の外出頻度の規定要因は、性別、近隣ネットワ ーク、近所への外出能力、転倒経験、交流頻度であった。
斉藤 ほか 2010
①2007年9~11月
②東京都板橋区在住の65歳以 上の一人暮らしの男性376 名、女性1007名
③訪問面接調査
・女性より男性の方が長期孤立と短期孤立ともに該当しやす い。
・一人暮らしをしている高齢者の中でも、その一人暮らしに 至る経緯によって孤立状態に至るリスクが異なり、「核家 族移行型」を基準にして、それ以外の軌道はすべて高齢期 の社会的孤立に対する一定のリスクがあることが示され た。
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CiNii Articles(http://ci.nii.ac.jp/)にて、「ソーシャルネットワーク&高齢」および「社会関係&高齢」をキーワードとし て検索し、1990年以降に発表された論文をまとめた(ただし事例調査や40名未満のアンケート調査は除外)
・「子どもなし型」と「未婚型」は長期孤立と短期孤立の両 方に影響を及ぼす。
石塚 2011 ①2010年2~3月
②福岡県北九州市八幡東区在 住の65際以上の男性430 名、女性595名
③不明
・一人暮らし世帯は、夫婦のみの世帯や同居世帯に比べ、「孤 立感を感じている」、「近所づきあいがない」、「ひきこもり がち」と感じている人が多い。
・一人暮らし世帯は、夫婦のみの世帯や同居世帯に比べ、「お 茶や食事を一緒にする」、「相談したり、されたりする」、「互 いの家を行き来する」が多く、外出の頻度も他の世帯より 少ないわけではない。
・一人暮らし世帯は、夫婦のみの世帯や同居世帯に比べ、自 治会・町内会活動およびその役員や地域の行事等への参加 が少ない。
角田 ほか 2011
①2009年、2010年
②茨城県笠間市在住の65~85 歳の男女340名
③体力測定およびアンケート 調査
・ソーシャルネットワーク(LSNS)が良好な人ほど、余暇 活動量が多い。
・ソーシャルネットワークが良好な人ほど、家庭内活動量が 多い。
小山 2012 ①2009年9月
②東京都世田谷区在住の20以 上75歳未満の男女5,447名
(うち前期高齢者は男女 1,108名)
③自記式郵送アンケート調査
・65~75歳未満のネットワーク量は、兄弟数が男性4.4名、
女性3.7名、親しい親戚が男性2.1名、女性1.7名、親し い友人が男性6.5名、女性5.75名、近隣づきあいが男性 2.2名、女性3.5名であった。
・親しい友人は上の世代ほど大幅に減少し、35歳未満と比較 すると半数以下となっている。
・近所づきあいは、上の世代のほうが多くなっている。
・地域活動や地域組織への参加は、高齢者の「親密ネットワ ーク量」に正の影響をもたらす。
・パーソナルネットワーク量は孤立回避につながっている が、パーソナルネットワークを持っていたとしても孤立状 態に陥ることがある。
澤岡 ほか 2012
①2008年8~9月
②東京都杉並区在住の75歳以 上の在宅一人暮らし男性74 名、女性366名
③訪問面接調査
・調査前日から当日までの間に誰とも話をしていない人は1 割程度であった。また「3日以上だれとも会って話してい ない」と回答した人は女性3.6%、男性8.1%であった。
・調査前日から当日までの間に誰かと話をした人のうち、
75.5%は非親族と会って話をし、別居親族と話しをした人
は28.9%に留まっている。
・話をした非親族には、「近所の人」や「友だち」が多かっ たが、軽いあるいは儀礼的な内容に留まっている。
・日常的に交流する非親族には、「店の人」、「介護サービス の人」、「医師や看護師など」のフォーマルな役割上の関係 を有する人が多く、話された内容もあいさつとその職業に かかわる事柄に限定されている。
山口 ほか 2012
①2011年5~6月
②東京都A市B団地在住の65 歳以上の男性82名、女性114
③訪問面接調査 名
・生活ニーズのある人(全体の1割弱)のうち2~4割に支 援者がおらず、有支援者の2割弱が近所の人を担い手とし て挙げた。
・困りごとの相談相手がいない人は2割弱で、男性の方が女 性よりいない割合が高い。
・独居、男性、近隣ネットワークが小さい方が相談者がいな い確立が高い。
野邊 2014 ①2006年1月
②岡山県鏡野町富地区在住の 65~79歳の女性104名
③訪問面接調査
・パーソナルネットワークの規模平均は6.63人。内訳は、親 族が40.6%、近隣者が33.1%、同居家族が13.8%、友人が 11.6%、職場仲間が0.9%であった。
・高齢女性はサポートの入手において社会関係を使い分けて いる。負担の重い手段的サポートと情緒的サポートを主に 同居家族や親族に期待し、負担の軽い近接性を伴う手段的 サポートを親族や近隣者に期待し、交遊は、親族、近隣者、
友人と行っている。
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3)社会関係性
岡村(1978:122)が、「社会生活上の困難を問題とする社会福祉の研究では、『社会生活 の基本的要求を充足するために、個人が社会制度との間に取り結ぶ関係』、もっと簡単には、
『個人と社会制度との関係』こそがその基本的な意味でなければならない」と述べているよ うに、生活支援において、社会関係の構造上の把握を中心にするだけでは、生活課題の解決 もしくは社会システムの改善には至りにくい。それは、社会関係が機能的側面においてポジ ティブな関係とネガティブな関係を有しており、社会的排除につながる社会関係に対して、
社会福祉は何らかのアプローチを行う必要があるからである。現在、ソーシャルサポートネ ットワークを代表とするポジティブな関係に着目した実証研究が盛んに行われているが、エ コ・マップにおいて、サポート機能だけでなく、ストレスのある関係性を描いているように、
また、社会的孤立に関する研究が単なる構造的な社会的孤立を対象とせず、DVや虐待等を はじめとする「孤立感」に対象を広げたり、加齢にともない関係が受動的なものへと変容す るように、社会福祉学において、差別、虐待、金銭搾取、排他的行為をはじめとするネガテ ィブな関係性、もしくは本人が意図せず脆弱化する関係の背景を捉える必要もあるといえる。
前節にて、生活とは、ヒトとしての生命が確保される状況・環境を前提とし、生活の主体 である生活者が中心となって社会的な関係の中で培われる物質的、経済的、情緒的関係を含 めた各々の環境条件の上に成り立ち、そして大なり小なりの自己決定の連続によって形成さ れる行為、具現化された動作・慣習の経年的な積み重ねの総体であると定義した。そして、
その人らしい生活を支えるには、固体としての生存(生命の維持)、いのちが支えられてい ると判断できる状況を前提(基盤)とし、一定の経済状況において、家族関係や友人関係と いった社会関係の中で、自由な時間を持って過ごすことを支援する必要であり、生活の継続 性という軸のある一貫性を持った支援が求められるとも述べた。そして、前項では、岡村の
「社会関係」や社会老年学における「社会関係」と区別するために、都市社会学のパーソナ ルネットワークの概念を援用しつつ、特定の個人を中心とし、他の個人、集団、組織、機関 といった社会的行為者によって構成される関係のうち、主に構造的側面について着目したも のを「社会関係」と定義した。しかし、生活支援において、社会関係の構造上の把握を中心 としては、生活課題の解決もしくは社会システムの改善には至りにくい。なぜなら、社会関 係の構造を変化させる、もしくは新たな構造へと移行することだけで全てが解決されること はなく、それ以前に、そうした変化は、ネガティブな関係を切断するだけでなく、ポジティ ブな関係も切断することになり、生活の継続性に反しているのではないだろうか(ただし、
虐待や