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看取りにおける専門職機関との連携 1) 調査の目的および方法

ドキュメント内 - 社会関係性の視点から - (ページ 127-130)

107 b) 在宅認知症高齢者の利用内容の特徴

第3節 看取りにおける専門職機関との連携 1) 調査の目的および方法

a)

調査の目的

前節にて、各事業所をグループ

A

からグループ

D

4

つのグループに分類し、グループ

C

を中重度の認知症のある高齢者を多く支えている事業所として分析を行った。その結果、

専門職機関・事業所との連携、特に医行為への対応が生活の継続性に重点をおいた支援に 関連していることがわかった。小規模多機能型居宅介護事業所が医行為への対応のために 連携を行っている専門職機関・事業所はいくつかある。近隣の病院や診療所を協力医療機 関として登録していたり、各利用者のかかりつけ医ごとに連携を行っている場合もある。

そこで、本節では、小規模多機能型居宅介護における専門職機関との連携のうち、医行 為への対応として、看取りにおける医療機関、特に在宅療養支援診療所との連携について、

前節と同様、2009年度に実施した全国の小規模多機能型居宅介護事業所の調査結果から分 析を行い、その連携の実態と関連要因を明らかにするとともに、医療機関との連携の具体 を明らかにするために同調査に付属して行われた訪問ヒアリング調査の再分析を行った。

2005

年に社会保障審議会医療保険部会にて、終末期医療viiiにおける自宅死等での死亡割 合を4割に引き上げるという指針が出され、その具体策として、在宅医療提供体制の充実 が掲げられた。在宅療養支援診療所は、24 時間連絡を受ける医師又は看護師を配置し、患 者の家からの求めに応じて、24 時間往診および訪問看護が可能な体制を確保している等の 一定の要件を満たした診療所であり、2006年の医療法改正にて、自宅での終末期ケアや慢 性疾患の療養等への対応する診療所として新設された。2006年

5

月当時の届出数は

8,595

ヶ所ixであったが、

2010

年では

12,487

ヶ所xに上っており、現在そして今後も重要な役割を 果たすとみられる。

なお、本調査における支援から死亡までの期間の区分については、宮田ら(2004)の調査を 参考に、本稿では、臨終に立ち会うことを「看取り」と定義し、臨死期(死亡

3~7

日前頃)

までの支援と区別することとした。

b)

調査方法と倫理的配慮

3

節では、第

2

節と同様に本節では

2009

年度に実施した同郵送アンケート調査の分析と 訪問ヒアリング調査の分析を行った。2009 年度の調査を対象としたのは、前節での分析結果 と重ねて分析を行うほか、在宅療養支援診療所との連携や看取りに関する調査項目を設定して いるためである。調査方法の概要は図表

3-37

の通りである。

viii 日本老年医学会では、「終末期」とは、「病状が不可逆的かつ進行性で、その時代に可能な最善の治療により病状の 好転や進行の阻止が期待できなくなり、近い将来の死が不可避となった状態」』とし、全日本病院協会でも『終末期医 療に関するガイドライン』にて終末期について定義しているが、厚生労働省では「終末期」の明確な定義は行ってい ない。

ix 200667日開催 5回中央社会保険医療協議会診療報酬改定結果検証部会資料(検-1)を参照

x 2012711日実施 厚生労働省在宅医療連携拠点事業説明会資料(資料1)を参照

128

また、訪問ヒアリング調査は、研究委員会において、22地域

27

ヶ所の小規模多機能型居宅 介護事業所を対象としたが、そのうち、自身が実際にヒアリング調査を行った事業所であり、

郵送アンケート調査の回答において、①看取りのケース数の非常に多い事業所、②看取りのケ ース数が多く、在宅療養支援診療所との連携ケース数の多い事業所、③看取りのケース数が多 く、在宅療養支援診療所との連携内容(その他を除く

9

項目)が

7

項目以上該当している事業 所、もしくは、研究委員会の委員の推薦する事業所の計

7

ヶ所について、その内容を再分析し た。

なお、倫理的配慮として、郵送アンケート調査では、利用者個々の基本属性および利用内容 の記入表は匿名化し、集計前に事業所名が特定できないようにコード化し分析を行った。また、

訪問ヒアリング調査では、調査時の記録において利用者等の個人名や個人が特定できる地名等 は筆記せず、本論での表記でも、事業所や利用者等の個人や場所が特定できるような情報につ いては掲載していない。また、調査内容について、研究のために活用することを口頭で説明し、

承諾を得ており、報告書において承諾を得ている記載以外の内容は使用していない。

[図表3-38] 調査方法の概要(一部、図表 3-5 の再掲)

2009年度調査

【調査方法】自記式アンケート調査(郵送)

【調査期間】200911月~20101

【調査対象】200910月現在WAM-NETに掲載されていた全事業所2,223ヶ所(休止・廃止は除く)

【回答事業所数】769ヶ所(回収率34.6%)、利用者12,556名分の利用内容を回答

【調査項目】事業所調査:基本属性、サービス提供体制および利用状況、ケアマネジメント、看取りと医療 連携、登録者の個別利用状況、運営推進会議、地域の諸機関との連携等 個別利用状況調査:基本属性、サービス利用状況、加算有無等

【調査方法】半構造化面接(1時間半~2時間程度)

【調査期間】200912月~20106

【調査対象】小規模多機能型居宅介護所 7ヶ所

【調査項目】開設経緯と法人の特色、サービス提供体制、サービス提供実績、医療依存度の高い利用者への 対応方法、これまで終了したケース数、看取りについて、在宅療養支援診療所・一般病院・訪 問看護との連携、地域とのかかわり、専門機関との関係

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2) 調査結果の概要

a)

看取りに対する取り組み

回答のあった全事業所のうち、開設から調査時までに、事業所もしくは利用者宅での看 取り経験が

1

ケース以上ある事業所は

179

事業所(23.3%)、事業所もしくは利用者宅での 看取り経験はないが、死亡

3~7

日前まで支援をしていた事業所は

135

事業所(17.6%)で あった。また、事業所もしくは利用者宅での看取り経験のある事業所では、開設から調査 時までに、1事業所あたり平均

2.37

ケースの看取りを行っていた。

そこで、これらの看取り経験によって、事業所もしくは利用者宅での看取り経験のある 事業所(グループ

X)、事業所もしくは利用者宅での看取り経験はないが、死亡 3~7

日前 まで支援をしていた事業所(グループ

Y)、グループ X・Y

のような終末期ケアの経験のな い事業所(グループ

Z)の 3

グループに分類した。グループ

Z

は、455事業所(59.2%)と 最も多かった。

グループ

X~Z

別に基本属性をみてみると、平均要介護度は、グループ

Z

よりもグループ

X・Y

の方が高く(

F (2, 737)=16.5, p<.001)

、開設年月は、グループ

X、Y、Z

の順で短く

F (2, 762)=20.6, p<.001)

、実登録者数も、グループ

Z

が他のグループより少なく(

F (2, 762)=20.6, p<.001)

、職員総数もグループ

Zが他のグループより少なかった

F (2, 707)=18.0,

p<.001)

。また、運営法人や特養待機者数、併設・同一市町村内で実施している医療関係の

事業についても有意な差はみられなかった。

[図表3-39] 看取り経験によるグループ分け

グループX 事業所もしくは利用者宅での看取り経験のある事業所 179ヶ所 (23.3%) グループY 事業所もしくは利用者宅での看取り経験はないが、

死亡3~7日前まで支援をしていた事業所

135ヶ所 (17.6%) グループZ グループX・Yのような終末期ケアの経験のない事業所 455ヶ所 (59.2%)

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