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(3)広域で大規模な災害への即応力の強化

ドキュメント内 平成24年度 防災白書 閣議版 (ページ 63-68)

図表 1-2-4  防災基本計画の修正のポイント 1.「津波災害対策編」の新設

2.東日本大震災を踏まえた地震・津波対策の抜本的強化

①あらゆる可能性を考慮した最大クラスの地震・津波想定の実施

②二つのレベルの想定とそれぞれの対策

・最大クラスの津波に対する住民避難を軸とした総合的な対策

・比較的頻度の高い津波に対する海岸保全施設等の整備

③津波に強いまちづくり

・浸水危険性の低い地域を居住地域とする土地利用,避難場所・避難ビル等の計画的整備 等

(津波到達時間が短い地域ではおおむね 5 分程度で避難が可能となるまちづくりを目指す)

④国民への防災知識の普及

⑤地震・津波に関する研究及び観測体制の充実

⑥津波警報等の伝達及び避難体制確保

⑦地震の揺れによる被害の軽減策

これらの教訓を踏まえ,関係府省庁では,いかに円滑に支援を開始するか,必要な物資をどのよ うに輸送するのか等を検討し,その体制の充実等に取り組んでいる。

① 体制の強化等

(官邸の危機管理機能の強化)

内閣官房においては,国と国民の安全に重大な影響を及ぼす様々な緊急事態に迅速かつ的確に対 処することができる体制を構築し,政府全体として総合力を発揮するため,危機管理センター機能 の向上,事案対処マニュアルの改訂,情報集約・共有体制とシステムの改善等,様々な緊急事態へ の対処体制の整備・充実を図ってきている。

今後も,大規模な自然災害を始めとする様々な緊急事態への対処の在り方について,不断の点検 を行うとともに,我が国の政府中枢(官邸)における危機管理体制の一層の強化に向けた分析・検 討・取組を進めることとしている。

(政府による災害応急対応の強化)

内閣府では,東日本大震災直後からおおむね 3 か月間に政府において行った,救命救助,災害医 療,物資調達・輸送調整,通信,海外支援受入れ,避難所運営等の災害応急対策について検証を行 うとともに,今後への教訓や課題を整理するため,「東日本大震災における災害応急対策に関する 検討会」を開催し,中間取りまとめを行った(平成 23 年 11 月)。

今後は,中間取りまとめに示された課題を踏まえつつ,備えるべき大規模災害における各種の災 害応急対策の強化を図っていくこととしている。

また,「防災対策推進検討会議」の中間報告において,東日本大震災への対応に関し,情報の把 握,伝達の在り方についてその重要性や課題が示された。これを踏まえ,内閣府では,関係府省 庁,地方公共団体とも連係し,情報処理の基盤となる地理情報システム(GIS)を用いた総合防災 情報システムの活用等を加速化することとしている。

(防災訓練の充実)

災害対策の充実・強化を図るため,「防災対策推進検討会議」の中間報告において,大災害を生 き抜くための日頃からの備えとして,より実践的・効果的な訓練の必要性が示された。

これを踏まえ,「平成 24 年度総合防災訓練大綱」(平成 24 年 3 月 29 日中央防災会議決定)の基本 方針では,準備段階から行政機関や事業者等がそれぞれの役割を確認しつつ協力し,災害応急対策 等に係る問題点等の抽出・発見に努め,実効性を検証すること,また,組織を超えた防災対策を推 進していくため,できる限り多くの主体と連携した訓練の実施を通じて相互補完性を高めていくこ と等が示され,政府としてこの方針に沿った訓練を行う予定としている。

(警察における災害対策の見直し)

警察庁では,警察官や警察施設に多大な被害が発生したこと等の警察運営上の教訓を踏まえて,

今後の災害への備えに万全を期すことが不可欠との認識の下,「災害対策検討委員会」を設置し,

警察庁,都道府県警察等における災害対策の見直しを幅広く検討している。

具体的には,大規模災害発生時に長期間にわたって警察活動を行う「警察災害派遣隊」の新設,

首都直下地震の発生を見据えた業務継続体制の見直し,バックアップ施設の多重化による業務継続 性の確保,防災業務計画の改定等を検討しており,これらを踏まえて危機管理体制の再構築を推進 していくこととしている。

(消防防災体制の充実強化)

消防庁では,「第 26 次消防審議会」において「東日本大震災を踏まえた今後の消防防災体制のあ

東日本大震災を踏まえた災害対策

第第

1 1部部

り方」について検討し,地域総合防災力の充実・強化,消防職団員の安全な活動の在り方,緊急消 防援助隊の迅速な投入や長期的な投入,危険物施設や大規模・高層施設等の地震・津波対策につい て平成 24 年 1 月に取りまとめた。今後,これを踏まえ,速やかに消防本部,消防団,自主防災組織 等の充実による消防防災体制の整備を図るとともに,引き続き消防防災体制の充実強化のための検 討を行っていくこととしている。なお,検討に当たっては,各種検討会と相互に連携し,各種検討 会においては,消防審議会の方針を踏まえて検討を進めている。

緊急消防援助隊については,東日本大震災における活動の検証から抽出された課題解決のため,

必要な装備・資機材について整備を推進するとともに,さらなる機動力の向上に向け運用面の検討 を深めている。

大規模災害時における消防本部の初動活動については,各消防本部が多大な被害を受け,限られ た消防力での消防活動を求められたことを踏まえ,大規模災害発生時における消防本部の効果的な 活動の在り方,職員の安全対策,消防本部が具体的に執るべき方策や留意事項に関する「大規模災 害発生時における消防本部の初動活動のあり方について」を取りまとめた(平成 24 年 4 月)。今後,

各消防本部では,この報告書の内容を,消防本部における活動の在り方や事前に策定する活動計画 へ反映させることとしている。

消防団活動の在り方については,消防団員が避難誘導等の活動中に犠牲となった例も多く,「東 日本大震災を踏まえた大規模災害時における消防団活動のあり方等に関する検討会」において,津 波到達予想時間が短い地域での退避優先,水門等の閉鎖活動の最小化,避難誘導活動等の最適化及 び津波災害時の消防団員の安全確保対策を中心とした中間報告を取りまとめた(平成 24 年 3 月)。

引き続き,消防団員の処遇改善,入団促進及び住民の防災意識の向上等について検討を重ね,本年 8 月を目途に最終報告を取りまとめる予定である。

(消防による救助活動の強化)

消防庁では,南海トラフ巨大地震,首都直下地震等においては,建物が倒壊・座屈した救助現場 で,多数の救助事案の発生が予想されることから,平成 23 年度に「救助技術の高度化等検討会」

を開催し,他の消防機関からの応援部隊を含めた多数の消防部隊や関係機関が連携した効果的な救 助活動のための方策を検討した。

この検討会では,全国の消防本部が活用できるよう,消防隊が行う情報把握,救助活動時の安全 管理,関係機関等との連携等について示した救助活動要領を策定した。

(救急業務の在り方の検討)

消防庁では,大規模災害時の救急搬送体制や消防と医療の連携,メディカルコントロール体制の 在り方について「救急業務のあり方に関する検討会」で検討を行った。

検討の結果,大規模災害時においては,情報通信網の途絶に対応してあらかじめ関係団体で傷病 者受入れ医療機関を定める等の救急搬送体制の強化や,メディカルコントロールにおけるプロトコ ルの統一,緊急消防援助隊出動時の医師の搬送等の必要性について報告書として取りまとめた(平 成 24 年 3 月)。

今後,検討結果を踏まえ,更なる研究や必要な取組を推進していくこととしている。

(日本 DMAT の活動体制の強化)

厚生労働省においては,これまで災害拠点病院の整備,広域災害・救急医療情報システムの整 備,災害派遣医療チーム(DMAT)の養成を行ってきたところであるが,東日本大震災時のライ フラインの途絶,燃料の不足,医薬品等の供給不足等により診療機能に影響が出た医療機関もあ り,こうした課題について「災害医療等のあり方に関する検討会」を開催し,報告書を取りまとめ た(平成 23 年 10 月)。

東日本を踏まえた策の推第第

2 2編編

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