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(2)帰還,復興に向けた取組

ドキュメント内 平成24年度 防災白書 閣議版 (ページ 46-51)

一時立入り時の車両誘導の様子 出典:内閣府資料

図表 1-1-25  総合モニタリング計画(平成 24 年 4 月1日最終改定)に沿った主要なモニタリング

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出典:文部科学省資料

② 除染の実施

東日本大震災に伴う原子力発電所の事故によって放出された放射性物質による環境の汚染が生じ ており,これによる人の健康又は生活環境に及ぼす影響を速やかに低減することが喫緊の課題と なっている。

こうした状況を踏まえ,平成 23 年 8 月 30 日に「平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太 平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関 する特別措置法」(以下「放射性物質汚染対処特措法」という。)が公布された。

11 月 11 日には「放射性物質汚染対処特措法に基づく基本方針」が閣議決定され,環境の汚染の 状況についての監視・測定,事故由来放射性物質により汚染された廃棄物の処理,土壌等の除染等 の措置等に係る考え方が取りまとめられた。これに基づき,事故由来放射性物質による環境の汚染 が人の健康又は生活環境に及ぼす影響を速やかに低減するため,放射性物質による汚染の除去等の 取組を進めることとされた。

除染の実施に当たり,11 月以降,警戒区域や計画的避難区域等において,除染の効果的な実施 のために必要となる技術の実証実験等のため,除染モデル実証事業を実施し,その成果を平成 24 年 3 月に報告した。また,12 月以降は,除染活動の拠点となる施設(役場,公民館等)や,除染を

本大震災の概要と復興に向けた取組第第

1編編

行う地域にアクセスする道路及び除染に必要な水等を供給するインフラ施設を対象に,先行的に,

自衛隊等による除染を実施している。

加えて,環境省においては,「放射性物質汚染対処特措法」の全面施行に伴い,福島県等におけ る除染や汚染廃棄物処理を推進するために福島環境再生事務所を開所し,体制を整備した。福島県 及び環境省では,除染等に関する専門家を市町村等の要請に応じて派遣するとともに,除染のボラ ンティア活動等の関連情報の収集・発信のための拠点として,国,福島県,関係機関,関係団体等 の連携を図る除染情報プラザを設置した。

民家の軒下・雨樋の清掃 側溝の汚泥の除去  (提供)福島市 草木の刈り取り  (提供)伊達市 出典:環境省資料

③ 復興に向けた取組

避難指示区域においては,避難指示が解除された後に住民が安全・安心に帰還できる環境を早期 に整備するため,必要な道路,水道,下水道等の公共インフラの早期復旧も重要な課題である。

このため,比較的線量の低い地域においては,災害復旧事業を迅速に進めるとともに,線量の高 い地域においても広域の地域経済社会の復興のために地元地方公共団体等から早期復旧を強く要望 される施設に係る現況把握等と復旧に向けた取組を行っている。

特に,避難指示区域の基軸交通インフラとなる常磐道については,低線量地域における復旧・建 設工事を進めつつ,関係府省庁において高線量地域における除染等の措置や復旧・建設の方策を検 討している。

また,下水汚泥・し尿・ごみ等の広域処理施設については,稼働可能施設における稼働時間の延 長や暫定的な処理に加え,避難指示区域の近隣地方公共団体等の施設の協力を得て,処理を実施し ている。

あわせて,津波・地震により被災したり,高線量であるため稼働不能な広域処理施設について も,復旧に向けた検討を進めている。このほか,政府は原発事故避難者(帰還できない場合及び帰 還しない場合を含む)の帰還や生活再建のための支援に取り組んでいくこととしている。

④ 「福島復興再生特別措置法」

原子力災害により深刻かつ多大な被害を受けた福島の復興及び再生について,その置かれた特殊 な諸事情とこれまで原子力政策を推進してきたことに伴う国の社会的な責任を踏まえて行われるべ きものであることに鑑み,原子力災害からの福島の復興及び再生の基本となる福島復興再生基本方 針の策定,避難解除等区域の復興及び再生のための特別の措置,原子力災害からの産業の復興及び 再生のための特別の措置,新たな産業の創出等に寄与する取組の重点的な推進,福島の復興及び再 生に関する施策の推進のために必要な措置等を内容とする「福島復興再生特別措置法」が平成 24 年 3 月 30 日に国会で成立し,翌日,公布・施行されたところであり,政府は,同法に基づき,福島 の復興・再生のための総合的な対策を策定し,実施しているところである。

東日本大震災を踏まえた災害対策

第第

1 1部部

  3   原子力防災の改善

平成 23 年 3 月 11 日に発生した東日本大震災では,東京電力福島第一原子力発電所において,地 震及び津波により長期間にわたる全交流電源喪失及び原子炉の冷却機能の喪失に陥ったことから,

原子炉の炉心が損傷して大量の放射性物質が環境中に放出されるという深刻な事態に至った。

この事態に対しては,同日 20 時 50 分に,福島県知事が,同発電所の半径 2km 圏内の避難を指示 し,その後,原子炉の状況等に鑑み,「原子力災害対策特別措置法」に基づき,原子力災害対策本 部長が,福島県知事を含む関係地方公共団体に対して,住民の避難等を指示した。具体的には,同 日 21 時 23 分に同発電所の半径 3km 圏内の避難と半径 3〜10km 圏内の屋内退避を,3 月 12 日 5 時 44 分に半径 10km 圏内の避難を,同日 18 時 25 分に半径 20km 圏内の避難を,3 月 15 日 11 時には半径 20km 圏内の避難と半径 20〜30km 圏内の屋内退避を,それぞれ指示した。

しかし,避難指示区域への立入禁止の周知にもかかわらず,当該区域の立入りが確認されたこと から,住民防護の観点から,「原子力災害対策特別措置法」において読み替えて適用される「災害 対策基本法」に基づき,同発電所の半径 20km 圏内を警戒区域に設定した。また,事故発生後から の累積線量や発電所の状況に鑑み,緊急時避難準備区域及び計画的避難区域が設定された。

原子力安全委員会は,東京電力福島第一原子力発電所事故からの教訓及び国際的な考え方を取り 入れ,防災対策の抜本的な見直しを図るため,6 月 16 日,同委員会原子力施設等防災専門部会に対 して,「原子力施設等の防災対策について」(昭和 55 年 6 月原子力安全委員会決定,平成 22 年 8 月一 部改訂)及び関連の指針類に反映させるべき事項を検討し,報告するよう指示を行った。

この指示を受けて,原子力施設等防災専門部会防災指針検討ワーキンググループにおいては,

「『原子力施設等の防災対策について』の見直しに関する考え方について(中間取りまとめ)」を取 りまとめ,平成 24 年 3 月 22 日に原子力安全委員会に報告した。中間取りまとめにおいては,予防 的防護措置を準備する区域(PAZ)の範囲の目安をおおむね 5km,緊急防護措置を準備する区域

(UPZ)の範囲の目安をおおむね 30km,プルーム通過時の被ばくを避けるための防護措置を実施 する地域(PPA)の範囲の参考値をおおむね 50km とすること等の考え方(図表 1-1-26 参照)や,

オフサイトセンターの在り方に関する課題等が示された。

また,今回の事故時の対応においては,①意思決定を行う官邸の情報不足,②情報の入手・伝達 ルートの機能不全,③官邸と原子力安全・保安院の広報の二元化による混乱,④オフサイトセン ターの機能不全,⑤膨大な原子力被災者に対する当初の支援対応体制の整備不足等が課題となっ た。

これらの課題に対して,政府としては,① PAZ の考え方を踏まえ,直ちに避難指示を行う等,

可能な限り新たな考え方を取り入れた対応を行えるようにするとともに,原子力災害対策本部の事 務機能を強化して情報収集の迅速化を図る等,対応方針を迅速に決定し実施する体制の構築,②発 電所・事業者本店等における TV 会議システムを整備する等官邸の意思決定を支える情報収集機能 の改善,③原子力災害対策本部事務局の広報担当は閣僚の会見に同席して専門的説明を補佐する等 情報発信の一元化,④オンサイト対応については,電力会社本店等に政府と事業者との連絡拠点の 確保等を行い,オフサイト対応については,オフサイトセンターにおける通信途絶に備えたモバイ ルネットワークの配備,放射線防護対策としての防護服やマスクの充実等を図る等,オフサイトと オンサイトの拠点を分担した上で各機能の向上,⑤避難後の住民支援について被災者支援チームが 特化して対応する等事後対策の充実等,原子力緊急事態が発生した場合における対応の改善を進め ている。

本大震災の概要と復興に向けた取組第第

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