第 2 部 鉱業投資ガイド Investment Guide for Exploration and Mining
4 鉱山産業への投資 Investment in the mining industry
条件を課している。一方、WA 州では登録条件は法律には規定されないが、2001 年連邦会社 法を適用することにより、必要性を暗示している。
登録するには、外国企業はオーストラリア居住者またはオーストラリア企業である現地代 理人を最低一人持ち、しかもオーストラリア国内に事務所を持つ必要がある。登録申請は、
会社証明証(Certificate of Incorporation)の正式なコピー、企業行動憲章、取締役の詳 細、オーストラリア居住者取締役の権限、オーストラリア資産の株式明細、および登録事務 所 の 所 在 地 に 関 す る 詳 細 を 添 付 し て 、 オ ー ス ト ラ リ ア 証 券 投 資 委 員 会 ( Austarlian Securities and Investment Commission:ASIC)に提出しなければならない。登録外国企業 は年次会計報告を ASIC にする必要がある。
オーストラリアで外国企業が事業を行う代わりに、オーストラリアで設立された株式非公 開企業または株式公開企業である子会社を通して事業をすることができる。 子会社は新し い会社として設立するか、シェルフカンパニー(設立されたが営業していない会社)などの オーストラリア企業を取得して設立することができる。
4.3 会社の設立 Setting up a Business
オーストラリアにおいて、一般鉱業及び石油鉱業遂行のために最も一般的で且つ望ましい 事業形態は、Unincorporated Joint Venture(法人格を持たない共同事業)である。その他 の形態としては、ジェネラルパートナーシップ、リミティッドパートナーシップ、ユニット トラスト、有限責任会社がある。ここでは、最も頻繁に利用される事業形態、即ち Unincorporated Joint Venture の主要な特徴を述べると共に、鉱業には比較的利用されな いジェネラルパートナーシップ、リミティッドパートナーシップ、有限責任会社会社(法人 格を持つ共同事業)についても言及する。
4.3.1 法人格を持たない共同事業 Unincorporated Joint Venture
Unincorporated Joint Venture について論じる時には、事業または収益の分配が共同参 加で行われているかどうかを考慮する必要がある。なぜなら、オーストラリア税務当局は、
そのような共同参加が行われている場合、その事業形態を所得税法 1997 年の適用上税務上 のパートナーシップと見なす虞があるからである。
オ ー ス ト ラ リ ア の 一 般 鉱 業 及 び エ ネ ル ギ ー 産 業 に 於 け る 典 型 的 な Unincorporated JointVenture では、事業参加者は、探鉱、採鉱、油井または油田の開発及び生産のコスト を各自の権益割合に応じて個別に分担する。更に、事業参加者間ではジョイントベンチャー における権益割合に応じて生産物を引き取る契約を結んでいる。ジョイントベンチャーの参 加者は、各々に分配された生産物の販売を、各自で取り決めなければならない。共同販売契 約を結ぶことは勧められず、またそれを避けるのが通常である。しかし、各参加者が一つの 販売会社と個々に代理店契約を結んだり、各参加者が各々の取分の生産物を一つの販売会社 に売却することもある。この販売会社は、ジョイントベンチャーの生産物のマーケティング
を行う。ジョイントベンチャーの各参加者は、各々の持分について共有 (Tenant in Common) として各自の権利を持っている。各参加者は、資本的支出に関する税法上の様々な特別控除 の優遇措置や選択の特典を、各々独自に利用することができる。Unincorporated Joint Venture の参加者についてジョイントベンチャーに係る諸控除により税務上の欠損金がで た場合、その参加者が行っている他の事業のオーストラリア所得と相殺するように処理する ことができる。
ジョイントベンチャーの契約では、マネジャーまたはオペレーターを選任して、事業の管 理、並びに事業参加者からの拠出金 (Cash Calls) の徴収及びジョイントベンチャー事業運 営に要する全ての支出を監督させるのが通常である。多くの事例で、共同運営に関する標準 契約書が用いられている。Unincorporated Joint Venture を論じる場合、事業への共同参 加であるのか収益の共有であるのかを検討することが重要であり、Unincorporated Joint Venture は一般法上パートナーシップでなくても、税務当局はこのことで事業形態が税務上 パートナーシップに該当するかどうかを判断する。
4.3.2 パートナーシップ Partnership
パートナーシップは、鉱業を営むための事業形態としては一般的でない。これには以下の 数々の理由がある。即ち、パートナーシップ参加者は連帯且つ単独で責任を負うこと、各パ ートナーはパートナーシップを終結しない限り各自の持分を処分できないこと、パートナー シップが行った決定に全てのパートナーが拘束されること、そして最大の理由は、パートナ ーシップが共同で取得した全所得を基に各パートナーが課税されることである。
「パートナーシップ」は、税法上「パートナーとして事業を行う、あるいは共同で収益を 受け取ることを目的とする人的組織、但し、会社を除く」と定義されており、一般法による 定義である「パートナーシップは、利益を目的として共同で事業を営む人々の関係が存在す るところに存在する。但し、法人格を持つ会社は含まない」という規定と比較してその範囲 が広い。従って、ジョイントベンチャーは、一般法の下ではパートナーシップに該当しなく ても、税法の定義の下ではパートナーシップとして捕捉されることがある。従って、オース トラリアの一般鉱業及びエネルギー産業では、税務上パートナーシップと見なされないよう にジョイントベンチャー形態を組成することが、より一般的である。
4.3.3 リミティッドパートナーシップ Limited Partnership
有限責任のパートナーシップの設立を認める法律が多くの州で施行されている。このパー トナーシップは若干の追加的特徴を持つだけで、普通のパートナーシップと同様である。こ のパートナーシップは、最低一名の無限責任社員(General Partner)と、任意数の有限責任 社員(Limited Partners)で構成される。無限責任社員は、パートナーシップの債務と義務に 対して無限の責任を負い、且つパートナーシップ経営について独占的権利を持つ。有限責任 社員が持つパートナーシップの債務と義務に対する責任は、各々が出資した金銭または資産
の額を限度とする。この事業形態は鉱山業界では一般的ではない。
4.3.4 会社形態 Limited Liability Company
会社形態は、一般的には、鉱山が単一所有者の場合に使用される。所有者が複数の場合に は、会社は当該共同事業の参加者であるか、またはノーライアビリティ会社である。
4.3.5 探査に対する投資 Investment in Exploration
探査権許可を得た企業に対する認可に付随する付帯条件はほとんど無いといえる。外国人 投資者が、鉱物資源または石油資源の探査を行う場合、オーストラリア人(企業)を含める 必要は無い。また、新たに探査権を取得し、または既存の探査権を取得した外国人投資者は、
外 国 投 資 買 収 法 に よ る 審 査 を 免 除 さ れ る の で 、 連 邦 外 国 投 資 規 制 委 員 会 ( Foreign Investment Review Board:FIRB)への報告や許可申請の必要はない。
4.3.6 鉱山開発に対する投資 Investment in Development
一般的に鉱業権リースによって、土地の買収を含む採掘権鉱区の買収を行う場合、外国投 資買収法(26A 条)により FIRB に報告する必要がある。外国企業が関与した鉱物資源また は石油の探査活動の結果、開発事業への全投資額が 1000 万豪ドル以上になる場合、FIRB が 審査を行い、財務大臣にその結果を報告する。
4.4 ビザ Visa Requirements
オーストラリアに入国する海外のビジネス旅行者用に、下記のような入国ビザがある。
短期ビジネス旅行(最高滞在期間最高 3 ヶ月)
ビジネス一時入国(最高滞在期間 4 年)
長期滞在
4.4.1 短期滞在 Short Business Trips to Australia ビザ関連サイト:www.immi.gov.au/eta
短期滞在ビザ
短期滞在ビザは、外国人旅行者がオーストラリアを自由に入出国するためのビザである。
同伴家族もビザ申請に加えることができる。一般的に、一回の滞在は最高 3 ヶ月までで、複 数回の入出国ができる。ビザの有効期間は 12 ヶ月である。
電子ビジネス旅行許可(ETA)
ETA はオーストラリアへの入出国のための電子ビザ申請システムで、旅行代理店、航空会 社の予約システムを通じて申請できる他、インターネット上の申請も可能である。ETA シス
テムはアメリカ、日本、欧州、アジア諸国等多くの国から申請できる。
APEC ビジネス旅行カード
APEC ビジネス旅行カード(ABTC)は、オーストラリアが APEC に提案して 99 年に創設さ れた画期的な事前入国許可手続きで、加盟国のビジネス旅行者が加盟国間の商用旅行をする 際の手続きを一本化したものである。カード保持者は、短期の入国を複数回行うことができ る。また、カード保持者が加盟国の主要国際空港で、出入国のアレンジメントをする際の手 続きを一本化する。
現在、15 の加盟国(オーストラリア、ブルネイ、チリ、中国、香港、インドネシア、日 本、韓国、マレーシア、ニュージーランド、パプアニューギニア、ペルー、フィリピン、シ ンガポール、台湾、タイ)が ABTC 制度に参加している。
4.4.2 ビジネス一時入国(長期滞在) Longer Business Trips to Australia
ビジネス一時入国は、海外からのビジネス目的の旅行者が正当なビジネスを運営し、オー ストラリアの経済発展、雇用促進に貢献することを条件として最高 4 年間の滞在を許可する ものである。
ビジネス一時入国ビザは以下のような場合に許可される:
• オーストラリアの現地法人関係者(役員、管理職、専門家等);
• オーストラリアにおいて現地事務所・支店を設立する、共同事業パートナーを探す、契
約履行を行うための海外企業関係者;• 連邦投資庁の支援技能協定(Invest Australia Supported Skills)または労働者協定
の下に入国する者。長期滞在 ビジネス移住
ビジネス経営者、会社役員、投資家としての経歴を持つ者のオーストラリアへの定住を奨 励する目的で、ビジネス技能ビザ(Business Skills Visa)が提供される。
このビザには 2 段階の申請過程がある。まず、申請者はビジネス(暫定)技能ビザを 4 年間取得する。ある一定レベルのビジネスの実績またはある一定の投資額が維持された場合、
ビジネス技能(居住)ビザを申請することができる。
ビジネス移民プログラムは、新しいビジネスを設立することでオーストラリアにもたらす 経済的利益を最大限にするために設定されている。
4.5 プロジェクト形成 Project Facilitation
連邦海外投資促進庁(Invest Australia)は、連邦産業観光資源省(DITR)所管機関で、
プロジェクト形成プログラム(Major Project Facilitation:MPF)を実施している。この プログラムは以下の 3 基準を満たしているプロジェクトに適用される。